蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年10月20日

(平成22年10月20日(水) 18:39~18:53  於:第4合同庁舎2階共用220会議室)

1.発言要旨

 お疲れさまです。
 先ほど、第12回の行政刷新会議が行われました。本日の議題は3点です。
 まず1点目は、27日から始まります事業仕分け第3弾、特別会計の仕分けの対象勘定、対象事業並びに民間の評価者について御議論いただき、御了承いただき、総理から御指名をいただいたところです。
 2点目は、行政救済制度検討チームの検討内容についての報告。
 そして3点目は、規制・制度改革に関する分科会の構成委員についての報告を行いました。
 ワーキンググループの評価者、民間有識者につきましては、前回の会議で了承されました民間評価者の選定の考え方に沿って、これまで候補者をどなたにお願いをするか作業を進めてきて、議員の皆様方にあらかじめ候補者案を御検討いただいた上で、本日の会議にお諮りし、了承を得たところでございます。
 特別会計仕分けの対象につきましては、18会計、51勘定、すべての特別会計について、ゼロベースで見直すためにも、前回の会議で了承されました対象の選定の考え方に沿いまして、個別の事業、制度の具体的なヒアリング、一部については現地調査を実施しまして、「職員の声」などに寄せられた意見も活用した上で、議員の皆様方にあらかじめ対象の案を御検討いただき、本日の会議にお諮りし、了承を得ました。
 なお、会議の中で御意見賜りましたけれども、特別会計は国民から見ると無駄の温床なので、この疑念を晴らすという視点を重視してもらいたい、あるいは特会の内容をぜひ明らかにしてもらいたいという御意見をいただいております。
 今回の特別会計の仕分けを通じまして、特に菅総理から強い指示を頂いていますのは、特別会計のフルオープン化、とにかく情報を徹底的に公開をして皆様方にお示しをする。それは、隠れ資産である埋蔵金はもちろんなんですが、逆に隠れ借金である埋蔵借金も含めて、これまで向き合うことがなかなかなかった現実を直視していきたいと思っております。
 情報を全部公開して、制度そのものの在り方も含めまして、事業仕分け、制度仕分けを行っていきたいと思っております。
 これまで何度も言っておりますけれども、区分経理することによって既得権益化しているんではないか、あるいは存続に合理性のない特別会計があるのではないか、これは大胆に廃止並びに見直しを行ってまいりたい。
 逆に言うと、制度仕分けを行うことによって、その特別会計の必要さというのが浮き彫りになる場合もございます。その場合には、それは廃止、見直しではなくて、当然今の制度の在り方がいいのかどうかも踏まえて、どういう形で残していくのがいいのか、その議論まで踏み込んでいきたいと思っています。
 次に、行政救済制度検討チームにおきまして、検討しております行政不服申立制度の改革方針について報告を行いました。
 これに関しても、やはり行政救済制度、救済されるまでに時間がかかり過ぎる、スピーディーな改革を行ってもらいたいという意見をちょうだいいたしました。
 最後に、規制・制度改革に関する分科会及びワーキンググループの構成員について報告を行いました。分科会、ワーキンググループメンバーはお手元にお配りしている資料のとおりでございます。民間の分科会長代理に新たに岡素之住友商事株式会社会長を指名いただきました。
 年度後半の活動の初回となる第4回の分科会は明日10月21日に開催をします。3つのワーキンググループ、ライフ、グリーン、農林・地域活性化ワーキンググループは来週開催をしてまいります。
 詳細は、規制・制度改革担当事務局に照会していただければとお願い申し上げます。
 あと、各種公募をお願いしておったのですが、ウェブサイトのバナー広告にはこれまで2団体の応募を頂いております。現在、広告内容を審査しているところです。
 ボランティア、学生さんにお願いをしておったのですが、70名の応募を頂いております。今後、面接選考等を行う予定にしております。
 前回にも御報告いたしましたが、インターネットのライブ中継には4事業者から申込みを頂いているところでございます。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)日本経済新聞の島田です。
 総理と大臣の冒頭の挨拶の中でも埋蔵借金というお話がありましたけれども、埋蔵借金の指すところは、いわゆる単年度の借入金だけではなくて、累積の債務だとか、そういったものも含まれるのかという一応の確認と、あと2点目は、現時点で具体的にどういったものを、どういった特会の、どういった規模が想定されているのかというものがあれば教えてください。
(答)単年度のみならず、当然累積債務、埋蔵借金も対象にしたいと思っております。
 今回、特別会計の仕分けを行うに当たりまして、各省にお願いというか、お手を煩わせて、事業シート、特会シートを書いていただいているんですが、そこにはその特別会計の保有する資産も含めてすべて申告をしていただくことになっておりますので、いろいろと特会が保有している資産である、あるいはそれはプラスとマイナスもあるんでしょうけれども、資産、あるいは負債というのもすべて明らかにしていきたいと思います。
 全体像が見えなければ、その特会制度そのもの、どの経過で立ち上がっているのか、そして、それはどういう形で返済していけるかを含めての議論が始まらないと思いますので、まずはシートを見てから議論を始めていきたいと思います。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。
 ちょっとすみません、これは例の蓮舫大臣が出演されたというVOGUEなんですけれども、これの内容を拝見させていただきまして、いろいろ批判が国会であったんですけれども、私は読んでいて、こういったものは内容を読めばちゃんと政治のことを語っているということもわかりますし、こういった政治関係じゃない雑誌に大臣が出ていただくということは僕は支持しているので、じゃんじゃん出ていただきたいと思っているんですけれども、そうした私の見解を踏まえた上で質問させていただきたいんでですが、今度の10月からテレビ朝日で「ナサケの女」という国税庁を舞台にしたドラマが始まりまして、同時に日本テレビ系列で会計検査院を……。
(答)会計検査庁ですね、あれは。
(問)そうですね。あれは会計検査庁という名前になっているんですが、「黄金の豚」というドラマが始まります。どちらも税金の無駄遣いにメスを入れるという内容でして、広く見られている、高校生とか中学生なんかも見るドラマにこういったテーマが選ばれるというのは、大分税金のあり方について国民的な意識も高まっているのかなという気はするんですが、そこで、税金の無駄遣い、使い方を正してきた大臣として、もし、まだ始まっていないので何とも言えないんですけれども、大臣としてこういうところに注目してほしいとか、もしくは事業仕分けをこういうふうに参考にしてほしいとか、そういったメッセージがあるのであればいただきたいということと、あともう一つは、もし出演オファーが出られることを検討するのかということも併せてお願いします。
(答)特段ありません。
(問)建設通信新聞の竹本と申します。
 特別会計の仕分けの件なんですけれども、もう一回ちょっと確認なんですけれども、今回の仕分けでは、何を、どの部分を仕分けるのかというところを聞きたいんですけれども、つまり、出る部分がこの事業はいいのか悪いのか、もしくは無駄だという仕分けになるんであれば、それはつまり事業仕分けと何も変わらないわけで、今回は特会に入ってくる入りの部分と、特会の中身を見るということでよろしいんですかね。
(答)2つあると思うんですね。一つは、事業を持っている特別会計は、これまでのような事業仕分けは行っていきたいと思っております。それは、見ておられる方たちにやはり理解を深めていただくときの入り口になると思っているんですね。ただ、根本的には制度仕分けそのものですから、入りは何があって、それは特定財源なのか、あるいは一般会計からの繰り入れなのか、あるいは逆に一般会計の貸し出しという形もありますから、そういう入りと出、お金の流れはもちろん見ていきますけれども、特会の中でそのお金がどのように回っているのか、あるいはどのような形で、事業なのか、勘定ごとに見ていかなければわかりませんが、出ているのかは、これは全体的に当然見直していくことになる。それが制度仕分けだと私は思っています。
(問)毎日新聞の青木です。
 今回の仕分けの結果を今後どのようにして反映、具体化させていくか、法律改正が必要なものも沢山あると思うんですけれども、その辺について今どういうふうに考えていらっしゃるか教えてください。
(答)基本的には、まだ仕分けそのものを行っているわけではないので、結果がどういうふうになるかという推測であるとか、ある種の憶測というのはあえて働かせていません。その結果として特会が廃止になるのであれば、それはわかりやすく言えば法律改正が要りますので、その法律改正はどういう形で、野党の皆様方に御理解を頂けるのかという視点も盛り込んでいかなければいけないという作業は当然発生してくると思います。あるいは、特会の中のお金をどうにかする形になった場合、それが負債なのか、資産なのか分かりませんけれども、それも当然法律改正等が必要になってまいりますから、ここも野党の御理解、あるいは国民の皆様方の御理解を頂きながら作業を進めていくことになると思うんですが、特別会計の制度そのものを大きく変える転換点だと思っています。
 総理自身も、特会の議論に終止符をという大変強い意気込みをお持ちなので、すぐさま来年の通常国会で変えていくというスピードにはならないと思います。これは枝野前大臣のときからも、やはり時間をかけて、ただ、マニフェストのお約束をした残りの任期内には必ず方向性として改革が進んでいるんだという形をお示しはしたいと思っています。
(問)2点あります。
 まず一つは、今日の総理の指示で、隠れ借金というのもあるんだと。指示された総理の理由というのが一体どういう背景、問題意識から出た発言なのかということと、もう一つは、それとちょっと関係ないんですが、外為特会の積立金の取り崩しを求める声もやはり相当一方であるんですけれども、その辺の可能性についてはどう受け止めていらっしゃいますか。
(答)総理の指示の背景にどういう心理描写があったのか、ちょっと私は想像しかねるんですが、多様な観点からやはり特別会計には思い入れがおありなんだと思います。非常に細かいところもよく熟知されておりますので、指示がテクニカルなときもありますので、そこは私は全面的な指示だと受け止めて仕分けをしていきたいと意気込みを新たにしています。
 やはり野党時代に情報公開されないことによって、我々野党国会議員もなかなか知り得なかったし、情報公開されなかったからこそ、国民の皆様方に不信であるとか、あるいはある種過度な御期待ですとか、いろいろなものをもしかしたら生んでしまっているかもしれない。だからフルオープンにして、それは隠れ借金も含めて、現実と向き合ったところから制度そのものの議論を国民的議論として進めていきたいというお考えがあるんだと思います。
 外為特会においては、これはまさに仕分けをしてみなければわかりません、どんな議論になるのか。ただ、予断を持って行うところではありませんが、すべてはゼロベースというのはこの特会に限らず18特会すべて共同だと思っていただければと思います。

(以上)