蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月9日

(平成22年6月9日(水) 15:00~15:17  於:第4合同庁舎605会見室)

1.発言要旨

 お疲れさまでございます。
 昨夜、認証していただいてから1日がたって、いよいよ今日から行政刷新担当大臣としての第1日目が始まりました。
 つい先ほど枝野前大臣と引き継ぎをさせていただき、枝野前大臣が進めていた事項、そして私がそれを引き継いでいく方向性も含めて確認をしたところでございます。
 何かあれば、質問の形で進めていったほうがいいと思います。

2.質疑応答

(問)まず、今おっしゃった引継ぎの内容、どんな御指示があったか、具体的にあればお聞きしたいんですが。
(答)引継ぎといいましても、枝野前大臣と私は、枝野さんが大臣のときに一緒に仕事をすることが多かったものですから、極めて短い引継ぎだったと思っています。
 独立行政法人、そして並びに公益法人、4月と5月に事業仕分けを行わせていただいて、今、それぞれがチームとなって、結果をどのような形で反映させていくのかを事務的にまとめているところでございます。次回の行政刷新会議自体、私が大臣になって初めて開かせていただきますが、そこでどのような形で報告ができるのか、あるいは方向性をお示しできるのかという確認事項です。
(問)読売新聞が行った世論調査で、菅内閣の支持率が6割強になり、また民主党の政党支持率が、自民党の倍以上となる4割弱にまで回復しました。この数字に関して、大臣はどのように受けとめられるかということと、この支持率を維持するためにはどういったことが必要になってくると思われるかということと、あと、蓮舫大臣が起用されたことに関して評価するかどうかという質問に関して、「評価する」が7割程度と「評価しない」を大きく上回る結果になったんですけれども、この点の受け止めについてもあわせてお伺いしたいと思います。
(答)御評価を菅内閣全体としていただいているということは、非常に有り難く謙虚に受けとめたいと思っています。逆に言うと、高いということは、そこから先、どういう形の仕事をしなければいけないかというプレッシャーといいますか、重責にもなりますので、その重みを感じつつ、仕事は真摯に全力で臨んでまいりたいと思っております。
 また、私個人に対して御期待をいただけるということも、同じように大変有り難いと思うと同時に、しっかりとした仕事をして、結果を見える形で出させていただきたいと思っています。
(問)またちょっと引継ぎに戻るんですが、枝野大臣から、具体的にこういうところに注意してほしいというポイントとか、指示なりというのは何かあったんでしょうか。具体的に、もう少しやりとりを教えていただければと思うんですけれども。
(答)引継ぎ自体のやりとりが、皆様方に頭撮りをしていただいた後、10分あったかどうかでございますので、その部分は、おそらく御想像しているような細かいやりとりは本当にないということです。
 具体的な指示というのは、枝野前大臣から特段ありませんでした。やはり一緒に仕事をしてきたわけですので、その部分では御信頼をいただいていると私も思っています。
(問)昨夜の記者会見なんですけれども、その中で、特会の問題に正面から取り組みたいとおっしゃいまして、仕分けの考え方をその中で活かしていきたいということをおっしゃっていたので、ちょっとお聞きしたいんですが、特会の現在の制度、どういうところが問題であって、それを仕分けのノウハウを使うことによって、どのように変えていけるというふうにお考えなのかというのをまず伺います。
(答)非常に大きなテーマなので、一言で今お答えするのはなかなか難しいとは思いますが、特別会計の問題というのは古くて新しい、その上で、母屋という話もすき焼きという話も随分前から言われていますけれども、なかなか解決するめども、これまでの政権では立ってきませんでした。枝野前大臣は就任して以降、特別会計への思いというのは大変強い方でありまして、私も一緒の思いで変えていきたいというところは持っていました。
 ただ、一般会計と特別会計に分かれた経緯を考えると、やはり区分することによって安定財源をしっかりと守って、必要なものに使っていくという本来の趣旨はわかるんですけれども、その結果、本来の趣旨を逸脱して埋蔵金をため込んでいる、あるいは使い勝手が悪くなっている、あるいはいろいろと疑いを持たれるような不透明なお金の処理があるのではないかという部分もありますので、ちょっと丁寧にここは見ていかなければいけないと思っています。
(問)ちょっと続けて伺いたいんですけれども、今後のスケジュールということを考えてみますと、なかなかすぐに仕分けの第3弾というのをやって特会にまで切り込むというのは、スケジュール的に結構なかなか難しいのかなと思うんですけれども、例えば5月18日の行政刷新会議なんかですと、特会で見直しをやって、その結果を11年度予算編成に何らかの形で反映させていくと、こういうスケジュール感だったと思うんですけれども、大臣の今のお考えとして、11年度の予算編成の中で活かす形で特会の仕分けを行いたいというお考えはありますでしょうか。
(答)確かにスケジュール感でいいますと、そう余裕がある日程だとは思っていません。ただ、既に各省庁に行政刷新会議の結果を受けて、概算要求に合わせて、それぞれお持ちの所管の特別会計の見直しも、今、各省庁、作業を進めていると思っておりますので、その結果を受けて、なおまだこの部分は行政刷新の立場で見直しができる分野というのを見極めさせていただきたいと思っております。その結果が出た時点で、事業仕分けという手法に沿うのかどうなのか、これもひとつ判断をさせていただきたいと思っています。
(問)昨日の就任会見と比べると、随分表情のほうが柔和になったというか、優しい感じに自然になっていると思うんですけれども、一夜明けて、昨日との、これから取り組むべき課題についての自分自身で思っているところで、何か変化みたいなのがあったのかどうか。一夜明けて、今の御心境をちょっと伺います。
(答)そうですね。自分の表情は自分でなかなか冷静に見られないものですから、仕分けのときにも、第1弾、第2弾で表情が違うというありがたい報道もございましたけれども、極めて一夜明けて、自分の中でも区切りがついたという言い方は少し適切ではないかもしれませんが、前に向かって進んでいく、自分の中でひとつ思いが新たになったということだと思います。
 それと、枝野前大臣と会わせていただいたり、あるいは自分の中で引き継ぎ書なんかを整理することによって、やるべき方向性というのが自分の中では明確になってきています。その結果、表情に表れたんでしょうかね。
(問)今、やるべき方向が見えてきたということですけれども、国民の方々にこういうのを見ていただきたい、大臣の姿のこういうところに注目してほしいというものがあったら教えてください。
(答)私の担っている任務は、とにかく税金の浪費をなくす、あるいは制度として随分と水膨れをしてしまって、使い勝手が悪くなっている行財政全般を見直すという役割ですので、そこは国民の皆様方が願っているところと合致しているんだと思いますね。その部分では聖域ない立場で、公平公正な目で、すべての支出のあり方、事業のあり方、法人のあり方は見直しをしていきたい。特に力を入れてここだけということではなく、そのように進めていきたいと思っています。
(問)行政刷新会議の規制改革に関する分科会が、先日、報告書をまとめました。この報告書をどう評価されるのかと、これをどう実現していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)ある種短い期間の中で、国民の声、職員の声も含めてさまざまな声を取り上げて、ターゲットを絞って委員の皆様方におまとめをいただいて、ほぼ内容がまとまっているという報告を受けています。この件に関しては、枝野前大臣の指導力のもとで順調に進んできている。あとは、もう若干幾つかまとめなければいけないものもございますので、早急にここは進めていきたいと思っています。
(問)これまでの仕分けの結果を見ますと、仕分けの結果が、各省持ち帰って、なかなかそれがうまく反映されない、あるいは仕分けの場面でも、仕分け人の方々と各省の視点、意見が食い違う。それはある種当然なんですが、そういう場面があって、今これから大臣として、こういう仕分けの視点、意識をどう各省と共有して、どう仕分けの視点を更に施策に反映していくか。今、行政事業レビューが始まっていますが、そこも含めて、どういう意識をお持ちかというのを教えていただけますか。
(答)やはり始まったばかりのときには、事業仕分けというのは私たちも初めてですし、各省庁の仕分けされる側も初めてでしたから、守る、切るという若干間違ったニュアンスの受け止め方があったと思うんですよね。
 ただ、回を追うごとに、省庁によって差異はあったかもしれませんが、仕分けの対象になるかどうかはわからないんですけれども、ヒアリングをお願いしたいという時点で、この事業は廃止になりましたという極めて前向きな取組をしてくださったところもありましたし、逆にもっと論理的にこことここを一緒にすることによって経費を削減して、合理的な事業に組み替えてきたところもありましたし、時間を追うことによって、お互いが適正なお金の使われ方、適正な事業のあり方、法人のあり方というのが、いい方向で歩み寄ってきていると思うんです。
 その中で、今、各省が行政事業レビューを行っていますので、―6月15日までです―このレビューが終わった後に、当然、各省庁は自分たちのレビューの結果が来年度の予算編成案に反映されてきますので、その中でも、なお自分たちではできない分野、自分たちではなかなか客観的にできない分野においては、まさに行政刷新の役割なのかなと思っています。
(問)独法や公益法人の抜本的見直しという意味では、今後、法律改正も必要になってくる場合もあるとは思うんですけれども、いつごろの法案提出とか、そういうものを……
(答)そうですね。実はこれはまだ未定です。枝野前大臣が何度も国会等で御答弁はさせていただいていますけれども、特に独立行政法人全体の大きな見直しといいますと、やはり相当時間がかかる。ただ、今の衆議院議員の任期まであと3年の間に形はしっかり出していきたいと言明されていますので、私はその思いを引き継ぎます。
(問)先ほどの引継の挨拶式、内閣府の本府での挨拶式の中で、蓮舫大臣のほうから政と官が一体となってやった結果、事業仕分けが評価されたというふうな挨拶がありまして、かなり職員の方々に気遣われているのかなというふうな印象を受けたんですけれども、玄葉大臣のほうからは、鳩山政権下で、政治主導について、ちょっとはき違えのようなものがあったのではないかという指摘もありましたけれども、鳩山政権下での政治主導のやり方について何か問題があったとお考えかどうか。今後、どう大臣として官僚の皆さんと一緒に仕事していくことになると思うんですけれども、どのようにつき合っていきたいと考えているのかをお聞かせください。
(答)大前提として、敵対することを私たちは野党時代からも求めていたわけではありません。ただ、政治主導というのは、方向性をしっかりと示していく、そのことによって、官僚の皆様方もその方向性に沿って全力で仕事をしていただける。結果として、政官一体となっていい結果を出していく政治が、私たちは新しい自分たちの民主党政権のスタイルだと思っています。別にとりたてて気を使ったというわけではございません。
(問)ちょっとしつこくて恐縮なんですけれども、今日の引継ぎでは、両大臣、前大臣と大臣で確認したことというのはないんでしょうか。今後に向けて、こういうことをこういう方向性で行こうとか、こういうことをしましょうということを確認した事項というのを知りたいんですけれども。
(答)今年、枝野前大臣が御就任されてから、一緒に確認をして作業を進めてきたものばかりでございますので、その積み上げたものを今回私が引き継がせていただいたものですから、あえて1項目だけ、2項目だけ取り上げて、ここはこういう方向でという話は、とりたてて枝野さんからはありませんでした。
(問)例えば特会の話とか、いつぐらいまでにとか、目途とかもお話しされたということも。
(答)それもないです。
(問)今朝、報道がありました荒井大臣の事務所費問題に関連して、自民党が蓮舫大臣も含め、菅内閣の閣僚に対して、事務所費経費の問題がないかどうかの質問主意書を出す方向のようですが、確認させていただきたいんですが、蓮舫大臣が、現時点で調査中であったりとか、把握されている事務所費関連の処理等々があるかどうかについて、現時点でどのような……ないというふうに断言できるでしょうか。
(答)基本的に私の経費の使い方は、すべて法律に則って適正に報告しています。
(問)事業仕分けで仕分け人を務められた寺田議員が首相補佐官で、国家戦略と行政刷新を担当されると思うんですけれども、どんな連携を寺田さんとはされる、あるいはされないんでしょうか。
(答)されないということは全くあり得ないと思います。極めて優秀な方が首相補佐官に任命されて、非常に歓迎しています。これまで以上に密な連携をとって、国家戦略並びに行政刷新で、二人三脚でいい形の結果を出していきたいと思っています。

(以上)