玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年12月28日

(平成22年12月28日(火) 11:41~12:25  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日の閣議については特に報告すべき案件はございませんでした。総理からこの7カ月、9月からの方は約4カ月ということでありますけれども、御苦労さまでしたというお話をいただいて、いいチームだと思っているので、これからもよろしくというお話がございました。
 その後、地球温暖化問題に関する閣僚委員会がございました。温暖化調整に当たる担当大臣でございますので、本日、主要3政策について、温暖化対策の今後の進め方についての基本方針を提案させていただいて、了承をいただいたところでございます。一部、総理からの御挨拶にもありましたけれども、「1人当たり」という数字についての記述を入れるということでの修正が、修正というより付記がございますので、そこのところについてきちっと付記したものを後ほど正式にお配りをさせていただきたいと考えております。 一言で申し上げると、この地球温暖化対策税、そして固定価格買取制度、排出量取引制度、この主要3政策についてですが、環境と成長の両立のための戦略的再構築を図りたいと、こういうことでございます。
 ポイントは3つございまして、1つ目は温暖化対策のための税、そして全量固定価格買取制度については着実に実行に移すということでございます。ただ、この2つの政策は国民の皆様に負担を求めるものでございます。したがって、制度設計を最大限工夫しながら、イノベーションを加速し、雇用や成長の拡大という形で負担を上回るリターンが得られるような措置にしていきたいと考えております。
 2つ目には、内外の状況変化に応じて、柔軟かつ戦略的に政策を再構築したいということでございます。こうした観点から、排出量取引制度につきましては、地球温暖化対策基本法案の決定時に比べまして、この制度に関する評価、あるいは海外の動向といったことが変化をしていることに鑑みて慎重に検討するようにしたところでございます。
 3つ目、ここが最も重要なことでありますけれども、やはり前提条件付きで、20年で25%であるとか、あるいは30年で30%の真水の削減を実現します。同時に、環境と成長、あるいは環境と経済、これを両立することのポイントは、やはり技術革新であるということです。技術革新こそ、環境、エネルギー、成長に関する勝利の方程式の解であるということでございます。そのことがキーであって、したがって国内においてはグリーン・イノベーションを加速する仕組みを築き、これを世界に発信することで新たな国際的な枠組みづくりをリードしたいと考えております。
 したがって、環境の問題を成長と両立させながら、世界に先駆けて克服してみせるということを実現することが、今回の主要3政策のいわば戦略的組み直しによって大きく前進をすると考えてございますので、そのことを私から申し上げておきたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今年最後の記者会見ということで、大臣は今年は予算をつくることに尽力されたわけですが、来年はその予算をいかに国会で成立させるかということに知恵を絞ることになると思うのですが、たちあがれ日本との連立も含め、野党との協力体制の構築がうまくいかない中、予算成立のために政府・民主党としてはどのように取り組むべきか、大臣としてのお考えをお尋ねします。
(答)いつも申し上げておりますけれども、代表・総理、官房長官、そして幹事長、国対委員長がまずは中心になってお考えいただくことだと、守備範囲あるいは役割分担上、考えております。その上で、やはり様々な選択肢があるのだろうと申し上げているところでございまして、先般の表面化した一部の動きにつきましては、そういった模索の一環なのかなと考えております。
 やはり自分たちでつくり上げた税制、そして予算について、しっかりと国会で通すことができる態勢をつくるということも極めて大切なことだし、更に申し上げれば、日本にとって最も解決をしなければならない最大テーマの1つは、あるべき社会保障の姿を描いて、それに対応して税制の抜本改革を行うことであることは、私は言うまでもないことであると思っております。待ったなしでこのことについては議論をしなければなりませんし、議論で終わらせてもならないと思っています。ですから、こういった問題を解決する態勢をどう構築していくのか、そのことについても年末年始、沈思黙考し、私なりにできることをやらなければならないのではないかと考えているところでございます。
(問)今の御発言の中に「模索の一環」という言葉がありましたけれども、こうした模索は政府・民主党として続けていくべきとお考えになりますでしょうか。
(答)当然様々な選択肢がございますので、私は表面化した一部の動きについて、具体的にはたちあがれ日本との、正確には協力要請ということだと認識をしておりますけれども、事前に聞かされていたわけではございません。ただ、私が推測するに、それは様々な模索の一環であって、きちっと民主党として軸足を定めながら、様々な連携を探るというのは当然のことではないかと考えております。
(問)先ほどの温暖化対策の3政策についてお伺いします。
 排出量取引に関しては慎重に検討するとしたとおっしゃったのですけれども、基本法の中に「1年を目途に成案を得る」とあるのですが、これは変更するということでしょうか。
 それと、これまでは2013年度から提出したいという方向で政府としては動いていらっしゃったと聞いているのですけれども、でしたら2014年度を目指すということでしょうか。
 あともう1点。先ほど技術革新が温暖化対策の解であるとおっしゃいましたけれども、でしたら企業が自律的に環境や低炭素に対しての投資が進む方向としては何が考えられるでしょうか。
(答)今回一部後退をしたのではないかという報道がございますけれども、私はそうは思っておりませんし、画期的だと思います。まず地球温暖化対策税が入ったということが1つあります。今までは御存じのように入っていなかったわけでありますけれども、今回は入りました。また、全量固定価格買取制度については平成24年度導入、つまりは来年の次期通常国会に提出をするということで決めたわけでありまして、着実に前進をしているということが1つございます。そして、ただいまの御質問の地球温暖化対策基本法案の13条との関係でありますけれども、これは継続審議になっております。そういったことを踏まえて、この取扱いはやはり考えていかないといけないのではないかと思います。
 現時点におきましては慎重に検討するということでありますので、排出量取引制度について導入を断念したということではございません。例えば党の提言などでは、マネーゲームを助長するのではないかとありますし、あるいはヨーロッパでも、この排出量取引制度についてEUでは評価が分かれていますね。アメリカは後ろ向き、オーストラリアも後ろ向きです。中国、韓国は施行するかどうか、そんなレベルになっているわけでありまして、環境と成長を両立させなければいけないわけです。つまりは、CO2削減だけが自己目的化したときに何が起きるかということを我々は考えなければいけないのではないかということです。また、成長戦略との整合性も考えていかなくてはならないのではないかと思います。単純にCO2削減を実現した場合、例えば生活水準がそのことによってがくんと下がることを日本の国民の皆様が許容するのかどうか。だとすれば、むしろ30年30%を実現するためには、新しい技術体系に移行させなければいけないわけで、そのこと自体、実は日本の最大の得意分野の1つだと申し上げても過言ではないわけでありまして、つまりCO2削減だけではなくて、イノベーションというものにもう一つの重心をきちっと置くことで初めて環境と経済、あるいは環境と成長の両立が可能になるのではないかと思っております。
 排出量取引制度につきましては、基本法案が継続審議になっていますから、導入を断念したというわけではありません。ただ、先ほど申し上げたような状況があります。つまりは海外の動向、あるいは排出量取引制度に対する様々な評価、こういったこともありますから、排出量取引制度の例えば制度設計のあり方をとっても、様々な制度設計があり得るわけです。トップダウンでやる、あるいは緩めにやるとか、いろいろな形が実はあるわけでありまして、トップダウンということはもうあり得ない話だと私は思っておりますけれども、いずれにしてもその制度設計、そしてあとは実施時期、こういったことについてやはり慎重に検討していかないと、先ほど私が申し上げたような、環境と成長、環境と経済の両立というのはできないと思っておりまして、むしろこれは30年で30%の削減を実現するための前向きな戦略的再構築であると考えております。
(問)イノベーションを進めるために政府として何がやれますでしょうか。
(答)今までも申し上げてきたように、まず1つは地球温暖化対策税そのもの、全量固定価格買取制度そのものが具体的にもう動き出すわけです。地球温暖化対策税の財源を使って、全部とまでは言いませんけれども、かなりの程度をイノベーションのために費やすことになるわけです。しかも成長戦略の大きな柱としてグリーン・イノベーションというものを掲げて、今回も予算あるいは税、あるいは金融も入れてもいいかもしれませんが、そういったことで様々な後押しを考えているというよりは、既に実施をし始めているということでありまして、このことをむしろ今まで前面に出してこなかったことは、私は今までの問題点の1つではなかったかというふうに、この国家戦略担当大臣になって、温暖化の調整担当になって、考えてきたところでございまして、今回、こういう形で、何回も言いますが、いわゆる戦略的再構築ができてよかったと考えております。
(問)冒頭で総理が閣議の中で「いいチームだと思っている」と、「これからもよろしく」ということをおっしゃったということですが、この発言についてもう少し詳しく御紹介願いたいのと、一方で、総理は昨日のぶら下がり会見で、内閣改造について、通常国会前の改造に言及されました。予算審議の直前に、予算編成にかかわる閣僚を入れ替えるというのは異例かとも思えるのですけれども、大臣はこの時期の内閣改造の是非について、どのようにお感じでしょうか。
(答)内閣改造についてはもう総理の専権事項という以外にはございませんので、総理がすべてお決めになることではないかと考えております。ただ、総理御自身が、今日も閣議の中で、あるいは閣僚懇の最後の挨拶で「いいチームだ」とおっしゃった。それ以上のことは特に言及されませんでしたけれども、私自身ももちろんいいチームだと思いますし、また同時に、現在私自身が担当しているから申し上げるわけではありませんけれども、政策調査会などのチームワークは非常にいいと、せっかくの機会なのでつけ加えたいと思います。
(問)小沢一郎元代表の国会招致問題でお伺いしますが、総理は招致の決議をした後、従わないなら自発的な離党を求めるというニュアンスの発言をされています。それに対して大臣は、そういう議決に従わない場合どう対応すべきとお考えですか。
(答)具体的な言及は避けたいと思いますけれども、政党のあるべき姿として、代表、そして幹事長を中心にまとまっていく、これが政党のあるべき姿であると考えております。代表選挙前の約束事があったと思います。それは勝者のもとで一致団結するということでございました。したがって、代表、幹事長の下で一致団結するということが、私は政党のあるべき姿であると考えています。
(問)関連ですけれども、先だって仙谷官房長官は、小沢元代表が正式に強制起訴された暁には、起訴は起訴だということで、同じく自発的辞任を求めるような発言をされています。特に石川知裕議員が自発的に離党した例を引き合いにおっしゃっていますが、強制起訴された場合の小沢元代表の進退についてどうお考えでしょうか。
(答)そのことは先ほどの質問に答えたように、閣僚という立場もありますので、ただ、政調会長という立場も一方ではありますけれども、あまり具体的に言及することは適当でないと思っています。ただ、重ねて申し上げれば、やはりあるべき政党の姿は、代表、幹事長の下で一致団結することが当然ではないかと私は考えております。
(問)昨日、自民党の石原幹事長がぶら下がり会見で、仙谷官房長官や馬渕国土交通大臣が替わらない限り審議に応じられないという姿勢を改めて示したのですけれども、こういった野党の対応について、大臣としてはどうお考えですか。
(答)これも最終的には内閣改造の議論につながる話でありますから、やはり総理がお考えになられることではないかと思います。ただ、やはり国会が新たな国会、つまりは臨時国会から常会に変わるわけでありますので、審議を拒否し続けるということが国民の皆様に理解が得られるかと言われれば、私はなかなか得られにくいのではないかと想像いたします。ただ、他党のことでありますので、あまりこれ以上は申し上げないほうがよいかと思います。
(問)政策的なことですけれども、大臣は10月の半ばぐらいの会見で国家戦略室の新体制についておっしゃったと思いますけれども、総理のシンクタンク機能に関しては、正直言って全く動きが見えない。有識者の会議ですとか、アドバイス機能を持たせるとか、そういう構想もあったはずですけれども、全く動いてないやに見えますが、現状どうなっているのか、今後どうやっていくのか、加えて政治主導確立法案をどうしていくのかお願いします。
(答)政治主導確立法案については継続審議でございますので、引き続き野党の方々に理解を求めたいと考えております。同時に、私が担当している分野について、国家戦略室は予算も税も、あるいはこういった温暖化調整も、経済連携も、それぞれフル稼働したと思います。
 今の質問はいわゆる総理補佐チームのほうであろうかと思いますが、実は昨日、国家戦略室のメンバーの方々と来年の国家戦略室のあり方についてのフリーディスカッションをしたところでございます。新たに戦略課題をいくつかつけ加えるべきか否か、つけ加えるとすれば何を戦略課題としてつけ加えるか、最終的に総理、官房長官と調整をしたいと考えております。その中で、現在の総理補佐チームのメンバーの方々にもそういった、特に官民合わせた知恵が必要な分野については、入っていただくということを考えております。
 同時に、総理補佐チームは、特に加藤総理補佐官、そして阿久津政務官が直接見ていただいているということでありますが、見えにくいとは思いますけれども、総理補佐チームが様々な情報を総理に上げているということでありまして、私のところにも何を上げたのかということについては、すべて資料が届いてございます。したがって、見えにくいということは確かにあろうかと思いますけれども、現状の中で、恐らく様々なサイド情報も含めて、総理を支えるための情報収集活動をしているという認識でございます。
 ただ、来年の戦略課題を設定する、あるいは追加をするに当たって、昨日もフリーディスカッションがございましたが、国家戦略室の中での役割分担については、より融合する形のほうがどうも機能するかなという感じを私自身は受けております。
 今日も実は民間から来た若い人たちとお昼を食べることにしているのですけれども、短い時間ではありますが、そういった人たちの気持ちも受け止めながら、やはりモチベーションを上げながら組織は動かしていかないといけません。全員が目の前の仕事に追われているという状況が組織としていいかといったら、そうでもないという側面もあるかもしれませんので、そういったことも含めて、改善できるところがありそうなので、よりよい国家戦略室にしていきたいと考えております。
 今後は農業も実は国家戦略室で扱うことになっているわけでありまして、国家戦略室で扱う戦略課題がどんどん増えています。結局、それだけ縦割り行政では解決できない問題が増えているということだと思います。官房長官が忙しい中、特に攻めの部分の政策について、私のほうで役割分担で調整をさせていただいたり、あるいは解決策を示したりということになっています。
(問)具体的には、今までどういう資料などを総理に上げているのかというのと、あと当初は外交・安全保障あるいは経済についてのセカンドオピニオン機能ということで、総理を囲むようなアドバイスの会議を設けるという話だった思いますけれども、それは実際やらないのでしょうか。
(答)総理の意向が、特に外交・安全保障については強いものですから、総理が欲する情報を阿久津政務官なり加藤総理補佐官なりにリクエストして、そこから総理補佐チームのほうに下りてきて、総理補佐チームには一種、遊軍的なところがあるかもしれませんけれども、様々な情報を収集して上げてもらっています。特に外交関係などは、例の尖閣問題が起きた後などは問題が多いように思いますし、最近はパブリシティというか、広報の問題なども含めて、総理補佐チームとしては補佐したいという思いでいるようでございます。ただ、これから新たな戦略課題を、私自身が現時点で想定していることを踏まえて考えると、現在、総理補佐チームにいらっしゃる方々をもっと戦略課題のほうで活用させてもらいたいなという思いもあります。これは総理との相談になると思います。
(問)1年を振り返られて、実績として残されたもの、成果として残ってこれはよかったというものと、これはもう少しこうすればよかったという反省点があればお聞かせください。
(答)6月7日に政調会長になって、8日に公務員制度改革担当を始め、「新しい公共」とか少子化担当の大臣になり、9月17日に今度は国家戦略担当大臣と、政調会長を兼ねることになりました。
 一言で申し上げれば、充実した半年ではありましたが、悔しさも半分あります。以前、「もどかしさ」という表現を使った記憶がありますけれども、実績が伝わらないということについての悔しさもかなりあります。
 私自身で申し上げれば、まずは政調をきちっと機能させる。同時に、国家戦略室をきちっと改めて立ち上げ、機能させる。このことは少なくとも与えられた条件下ではできたと自分なりには思っております。
 また、国家戦略担当大臣としては最初のテーマが経済連携に対する基本方針の取りまとめだったと思いますけれども、私は今でもあれは日本の国益、国民益にとってベストな結論だったと自信を持って申し上げたい気持ちでおりますし、同時にその後は税制改正とか予算について、政調会長を兼ねているという側面もあって、調整をさせていただいたということであります。
 やはり予算編成のあり方については、以前よりも私は政治主導というのは前進したと思っていますが、改善点はあるとも思います。内々思っていることはあるのですが、まだ外に整理して申し上げる段階ではありませんので、よく整理をして、ある時期にしっかり申し上げたいと考えております。
(問)先ほどの温暖化の基本法に関してですが、温暖化対策税、全量固定価格買取制度、これもすべて国会での議論を経ないと成立しませんけれども、ねじれ国会の中で、野党とのどのような協力を考えているのでしょうか。
(答)これは2つの制度、地球温暖化対策税、固定価格買取制度の2つに限りません。予算関連法案も全体がそうでありますし、同時に、先ほど申し上げたましたが、もう来年の最大のテーマはやはり社会保障改革と税制の抜本改革で、これは死ぬ気でやらないといけない、そういう大テーマでありますので、そういった一連のテーマについて克服する、すなわち国会を通すための態勢をどうつくるかということについては、本来、総理、官房長官、そして官邸と幹事長、国対委員長が基本的には守備範囲だと思いますけれども、私も政調会長という立場で、どうすべきなのかということについては、しっかりと考えていきたいと思っているところでございます。
 今、妙案をこの段階ですぱっと出せと言われても、なかなかそれは出せる話ではございませんし、仮に考えるところがあっても、それをそもそも表面化させること自体が、私は失敗につながると思っておりますので、そういったことはやはりしっかりと戦術論として、それこそ幹事長、国対委員長できちっと構築をした上で、予算と税制をつくり終えましたので、私もサポートできるところがあればしっかりとサポートしたいと考えているところでございます。
 当然、我々としてはベストなものであるということで法案を提出をしたのでありますけれども、他の党の声に耳を傾けていくという姿勢は必要なことだと思います。ただ、同時に、困難な課題を解決するための体制をどうつくるかというのは、もう1ランク違う議論なのかなと考えております。
(問)来年の話ですが、先日、総理が消費税率引き上げを含めた方向性を年明けの段階で示すと言われましたけれども、大臣は先ほどから待ったなしで取り組むべきだとか、死ぬ気で取り組むべきだとおっしゃっていますけれども、どういうものが出てくるのが望ましいか、あるいはどういうものが出てくるのか、その辺をお聞かせいただければと思います。
(答)やはり、党としての提言が既にあります。政府・与党としてもございます。まず数字を出して、社会保障の姿そのもの、水準そのものをより具体的にしないといけないと思います。そして、国民の皆様にわかりやすく示す。その上での消費税を含めた税制の抜本改革でなければならないし、その前に国会経費の削減が当然行われて、国民の皆様に目に見える形でしっかりと実行されるという姿がなければならないと思いますし、また、国会、政府以外の様々な方々に対する働きかけも必要になると考えています。現段階では外に向かって申し上げられるのはそのぐらいのことではないかと思います。
(問)具体的に総理と御相談をされているのですか。
(答)いや、特に現時点で相談しているということではございません。ただ、私はそうすべきだと思います。機会があれば申し上げたいと思います。
(問)今、お話のあった「数字を出して」というのは、具体的な消費税率の上げ幅のことも含めておっしゃっているのですか。
(答)まずは社会保障の数字が大事だと思います。その数字に対応する形で、来年、税制の議論をするときは、そういった税率も含めて議論することは、私は当然のことだと思います。
 言うまでもないことですが、これも誤解のないようにしていただきたいのですけれども、国会経費の削減を先行させるということと、例えば数字が出てきたら、このくらいはこれからも歳出の削減で賄っていくとか、そういったことの議論は併せてやらなければいけないと思います。
(問)基本認識として、2012年度予算はもう税制抜本改革、消費税の引き上げがないと組めないという認識でいいのですか。
(答)この間も申し上げたのですけれども、来年度中に国会で成案を得るという姿があれば、私はいわゆる平成24年度予算はしっかり組めると考えております。
(問)逆は組めないということですか。
(答)もし、来年度中に国会で成案を得ることができないということになれば、非常に組みにくいというか、平成23年度予算に増して、極めて窮屈な予算にならざるを得なくなるということでございます。
(問)大臣が今、描いていらっしゃる来年の議論のスケジュール感はどういったものですか。
(答)まずは6月に先ほど申し上げた社会保障の姿を具体的に示すことになっておりますので、やはりそこらあたりから議論の本格スタートということになると思いますし、継続して党のほうでも税と社会保障の抜本改革調査会がございますので、これは6月を待たずに並行してその議論をしていくということが大切なことではないかと思います。
(問)来年度中に成案を得ることができなければ、非常に窮屈な予算になるということは、平成23年度のどこかの段階で選挙をしなければいけないという論法になると思うのですがいかがでしょうか。
(答)以前も申し上げましたけれども、来年度中に成案を得ることと、実施時期ということは、これはまた別でございます。したがって、来年度中に成案を得る。得れば、様々な知恵はすぐ実施されなくても、予算をつくる上で出せると考えているところでございます。時期については、基本的には選挙を経て実施をするというのが参議院選挙のときの約束事の1つ、総理がおっしゃったことの1つではなかったかと考えております。

(以上)