玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年11月30日

(平成22年11月30日(火) 10:25~10:41  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日は朝から5つ会議がございました。
 1つは地球温暖化問題に関する閣僚委員会で、これはCOP16、カンクンにおける環境大臣の対応ぶりについて、つまり我が国の対応ぶりについて確認をしたということでございます。
 また、閣議におきましては、1つだけ御紹介申し上げますが、閣僚懇で総理大臣から、行政刷新会議による事業仕分けについて、平成23年度予算編成においても、指摘内容を踏まえた適切な対応をしてほしいという指示があったところでございます。
 さらには、鳥インフルエンザ対策本部があり、また第1回の「食と農林漁業の再生推進本部」の会合がございました。
 この会合には私も副本部長で入っておりますが、全閣僚で構成される本部で、いわば決定機関であります。
 本日決めたことは、夕方開催されますけれども、その諮問会議である「食と農林漁業再生実現会議」の設置を決めたということでございます。一言で言えば、民間有識者の皆さんの意見というものをきちっと取り入れるということであります。この会議の構成員は、農林水産の議論をするときに、必ず構成メンバーになられるという方々ばかりではありません。どちらかというと食、あるいは農業のサプライチェーン側の方々にかなり構成メンバーに入っていただいておりまして、私が進行、取りまとめをいたしますけれども、率直に申し上げて、予定調和の会議体ではございません。どういう化学反応が出るのか、ある意味楽しみでありまして、今までの発想にない議論というものを展開しないといけないのではないかと思います。
 言うまでもないことですが、先般の基本方針におきまして、ハイレベルの経済連携を二国間で進めることを確認したわけであります。つまりそれを乗り越える覚悟を決めたと申し上げても過言ではないと思います。
 したがって、いわゆる戸別所得補償のあり方もそうでありますし、また同時に輸出、成長産業化、6次産業化、こういった問題についての取組を加速させないといけないと思っておりまして、そういう意味で大切な会議体だと考えているところでございます。オールジャパンでこの農業強化策については取り組んでいくことが国民益、あるいは国益にかなうと、その結果としてハイレベルの経済連携がスピード感を持って進めることができると思っております。
 そして、その後で今度は安全保障会議がございまして、防衛計画の大綱の見直しについての議論がございました。
 これについては、内容は詳らかにしないでほしいということでございますが、党の外交・安全保障調査会のほうでは、議論が集約されつつあると聞いておりまして、本日の政調役員会で報告があり、議論をすることになっているところでございます。いずれにしても、この安全保障会議の中で党の意見も当然一定程度反映されなくてはいけないと思っておりますし、同時に場合によっては党の意見をヒアリングすることが安全保障会議においてあってもよいのではないかと考えているところでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)予算編成の関係で1点お尋ねします。
 基礎年金の国庫負担割合の関係ですが、財務、厚生労働両省が現行の50%から36.5%に引き下げることで調整に入りましたが、予算編成の責任閣僚の1人としてこの案を受け入れられるかどうか、大臣のお考えをお尋ねします。
(答)これは正に今、検討中としか現時点では申し上げられないということでございます。いずれ決着させたいと思いますが、これは一言で申し上げれば、テクニカルな話というのが私の認識でございます。
(問)それに関連しまして、今テクニカルな話とおっしゃいましたが、どこがどうテクニカルかということを具体的に教えていただけますか。国民からしてみれば、国庫負担が下がることによって、年金不安が高まるのではないかという懸念もありますけれども。
(答)詳しくここで説明しなさいと事前通告をいただければ資料を持って説明をいたしますけれども、結局国民年金法との絡みで、一言で言えば2分の1の国庫負担にする場合に色のついたお金をきちっと充当せよということに確かなっていたのではないか。過去2年間においては、確か溜金的なものを、これは財融特会だったかと思いますけれども、その剰余金を充てていて、それによっていわばつなぎという形で2分の1の国庫負担にしていたということだと思います。
 本来は税の抜本改革というのがあって、税の抜本改革を行って2分の1にするということだったのではないかと思います。それに至ってないがゆえに、2分の1にするときにどのようにするかということなので、私の認識ではそれによって使えるお金が少なくなるとか、そういうことではありません。ただ、赤字国債で埋めるというのは法制局は是としていなかったかと思います。今のところ、私がこの場で説明できるのはこれぐらいです。
(問)恒久財源を見つけてということだったのですけれども、それができていない現状についてはどう認識されていますか。
(答)これは、だからこそ、党に藤井会長の「税と社会保障の抜本調査会」を立ち上げて、12月中に中間整理を出していただくということになっております。それを踏まえつつ、今度は政府・与党で社会保障とその財源についての議論をしていくということでありますので、そういった検討を正に今、行っているところでございます。
 やはり一定の結論をできるだけ速やかに得ていかないといけないというのが私の認識です。
(問)赤字国債で埋めるのは法制局が是としないということは、要は国庫負担の引き下げしかやりようがないということに聞こえるのですけれども、そうなるとかつて民主党は全額税方式の最低保障年金創設をうたっていたと思うのですけれども、それとまたかけ離れていくベクトルになると思うのですが、その整合性はどうお考えですか。
(答)そこは今、正に検討中です。
(問)「食と農林漁業の再生推進本部」の絡みなのですけれども、当初、仙谷官房長官がTPPへの参加交渉を判断する時期について、本部が基本方針をまとめる来年6月頃という認識を示されていたと思うのですが、先達て大畠経済産業大臣は来年秋頃だというような発言をされているのですが、閣内としてはどういう議論になっているのか、玄葉大臣としてはいつごろ交渉に参加するかの判断をすべきだと思っているのでしょうか。
(答)これは結論から申し上げれば、時期を明示する話ではないと思っております。「FTAAP・EPAのための関係閣僚会合」が昨日ございましたけれども、私たちの会議体の下に関係の副大臣級会合を持つことになりました。それは包括的経済連携に関する基本方針をまとめたときの副大臣級会合と同じです。
 その際、私のほうから、TPP関与のあり方、そしてハイレベルな二国間EPA、具体的に日韓、日豪、そして米国、あるいはカナダも含めて、それぞれどういう国とどの順序で、どのスピードで経済連携を進めていくのがよいのかどうか、情報収集をしながら、同時に交渉当事者である外務省自身が対処方針を示して、それをたたき台に関係副大臣でしっかり議論をしてほしいということを指示したところでございます。
 そういう中で、ハイレベルな二国間のEPAと包括的経済連携、唯一道筋がつき始めているTPPとどのように戦略的に組み合わせていくのかを考えていかなくてはいけないと思っています。現時点では私はハイレベルな二国間EPAを先行させることが国益にかなうと考えているところであります。TPPについては、まだいつまでに合意するかも含めて決まっていません。ですから、決まっていない中で時期を明示はしないほうがいいと思っています。
 包括的経済連携については、あるいはEPAも含めて、その交渉のあり方については、私がまとめ役でございますので、そこは明示をしないということでございます。
(問)国会の話ですが、先週金曜日、官房長官と国土交通大臣の問責決議が可決されました。野党側は、両大臣出席の委員会等々には出席しないという姿勢を強めておりますけれども、そういった野党側の姿勢を大臣はどう見ていますでしょうか。
(答)官房長官、あるいは国土交通大臣についての私の態度、姿勢は以前も申し上げたとおりございます。お互いに生産性の高い国会にできるように胸襟を開いて話し合っていかないと、国民の皆様の期待にはこたえることはできないのではないかと思います。
(問)このままいくと、通常国会への影響も懸念されておりますけれども、その辺はいかがでしょうか。
(答)これから党あるいは政府と連携を密にして、対応については考えていくということでありますけれども、基本的には先ほど申し上げたように、動ずる必要はないのではないかと思っています。

(以上)