玄葉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年11月24日

(平成22年11月24日(水) 10:38~10:50  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず閣議でありますけれども、異例ではありますが、冒頭、総理から、休戦協定以来初めての北朝鮮による韓国の陸地への砲撃についての発言がございました。これは重大な事案であるということでありまして、北朝鮮を非難するとともに、韓国の立場を支持する、そして、国民生活の安全、安心のために万全を期したいので、各大臣におかれても、それぞれの立場で全力を尽くしてもらいたいというお話でございました。本日11時から対策本部が開かれるということも先ほど聞いたところでございます。そのことがまず一つございます。
 それと、閣僚懇で私のほうから、新成長戦略に盛り込まれた国家戦略プロジェクトの推進・加速についての発言をさせていただいたところでございます。どういう内容かと申しますと、いわゆる新成長戦略に盛り込まれた21のプロジェクトがありますけれども、この進捗状況を概観すると、例えば先般、私自身が責任者になって取りまとめた包括的経済連携に関する基本方針の策定とか、あるいはベトナムのプラントの受注の成功であるとか、あるいは訪日観光ビザの要件の緩和とか、そういった一定の成果があらわれているプロジェクトがある一方で、想定のスケジュールより遅れが懸念されるプロジェクトとか、難航しているプロジェクトもあるので、それぞれの各大臣に督励をしつつ、同時に私から国家戦略室に対して、本日中にも各プロジェクトを担当している府省の局長級の職員を招集してほしいと指示しました。その上で、進捗の状況をしっかりヒアリングをさせていただきたいということでございまして、そのために各閣僚におかれては事務方を督励してほしいということ、そして阻害要因がある場合には、政務三役が自らリーダーシップを発揮してもらうこと、同時に、いわゆる縦割り打破ということも必要なので御留意願いたいとお話ししました。
 先ほども国家戦略室に指示をいたしましたけれども、例えば事業仕分けとの絡みなどもあるわけですね。つまりは、新成長戦略に盛り込まれたプロジェクトが事業仕分けの対象になって、いわば、ばっさばっさと切られる場面も一部ございましたけれども、全体との整合性をきちっと国家戦略室で図るということが必要です。
 事業仕分けというのは、政策目的や理念を否定するものではありません。費用対効果であるとか、効率性といったものを見ているわけでありますが、そういった中で平成23年度については、いわゆる効率性という意味ではまだまだ見直しが必要だと思われた事業についてもしっかりどこまで内容を見直しができるかとか、全体の中で、平成23年度はどこをきちっと進めていけばいいのかといった整合性を国家戦略室でとるということが必要であるので、本日中にも招集をするように指示をしたところでございます。
 さらに、総理大臣及び地域主権担当の片山大臣から、一括交付金と出先機関改革についての発言がございました。これはもう既に公表されている内容だと思いますけれども、特に戦略的交付金、地域自主戦略交付金、これは仮称でありますけれども、2年間で1兆円強という、その概要についての御報告があり、それぞれ各府省において、しっかり月末までに御回答いただけるようにということでお話があったところでございます。
 さらには、行政刷新会議の蓮舫大臣のほうから、特に独立行政法人の事務事業の見直しの基本方針の取りまとめについて、行政刷新会議において次回基本方針を決定するということになりますから、それぞれ御協力をいただきたいというお話でございました。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問) 新成長戦略について、各省にヒアリングをした結果、何らかのてこ入れが必要だと判断されるプロジェクトについては、例えば政府で対策本部を立ち上げたり閣僚委員会を集めたりとか、何らかの新しい対策を講じるというお考えはあるのでしょうか。
(答)場合によっては、私自身が特定の大臣に対して督励をするということもあろうかと思いますし、縦割りでなかなか物事が決まらないということであれば、担当の複数の大臣の間に私が入って調整をするということもあり得ると思います。いろいろなことがあり得るだろうということであります。
 なお、私の発言に対して、総理からも新成長戦略こそがやはり経済成長あるいはデフレ脱却の切り札というか、一つの最先端のテーマでありますから、しっかりとそれぞれ各大臣におかれては推進をしてほしいという発言があったところであります。
(問)北朝鮮の韓国砲撃ですけれども、大臣御自身の認識と、あと日本による独自制裁を強化すべきだという声もありますけれども、それはいかがでしょうか。
(答)結局、平壌の指示なのか偶発的なのかという問題がまず一つあると思いますが、これは私にすべての情報が入っているわけではありませんから、私が申し上げるのは適切ではないと思いますが、一連の出来事あるいは報道を見れば、おそらくは平壌の指示であるという可能性が高いのではないかと思っています。
 我が国自身が万全の備えをする、不測の事態に備えると同時に、日米間の連携をより緊密にしていくということが大切だと思いますし、同時に中露の出方が私は重要だと思います。つまり、日米韓の土台の下で、特に中国が公の場で北朝鮮に対してどういう態度をとるのかということが、この事態を収めていく上で重要なのではないかと、ポイントなのではないかと考えております。
(問)制裁措置についてはいかがでしょうか。
(答)制裁については検討していくべきだと思います。残されたカードがどのくらいあるかということはございますけれども、当然、検討対象にすべきだと思います。
(問)細かい話で恐縮ですが、この朝鮮半島有事を総理が「報道で知った」と我々記者団に言っておられますが、大臣はどのように知ったんでしょうか。
(答)先にそのことを申し上げなければいけなかったかもしれませんが、総理からは公邸にいたので担当秘書官から聞いたというお話がございました。
 私自身は、ある方からのメールで知りました。結構早かったと思います。
 官邸のある方に連絡をして、当然態勢をとっているよねという話をしたところ、もう準備を当然進めていますというお話でございました。私は行く必要はないのかということも含めて聞きましたけれども。その15分か20分か、30分後ぐらいにテレビで報道がありました。
(問)先ほどの公邸にいたので担当秘書官から聞いたというのは、閣僚懇で総理がおっしゃったのですか。
(答)そうですね、おっしゃいましたね。
(問)それから、昨日の総理のぶら下がりで、どういう指示をしたかという話はありましたけれども、対北朝鮮に対する非難とか、今、玄葉大臣が言われたような日米韓の連携とか、そういう力強いメッセージがない。官房長官はしましたけれども、一国の総理がこういうときには、やっぱりしっかりとメッセージを発するべきだとは思うのですけれども、昨日の一連の総理の対応をどう御覧になっていますか。
(答)時系列で総理の発言とか対応ぶりをウオッチしていたわけではないので、ちょっとわかりません。ただ、当然そのようにお考えになっていたでしょうし、最初はやはり情報収集しないと、つまりどういう状態で砲撃が行われたかというのはわからないと思いますので、慎重に発言されたのではないかなと推測をいたします。

(以上)