枝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月4日

(平成22年6月4日(火) 9:38~9:47  於:第4合同庁舎642会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 先ほどの閣議で、鳩山内閣の総辞職を決定いたしました。2月10日に就任をいたしましてから、大変短い期間でございましたが、大変お世話になりましたことをまず御礼申し上げます。
 まず、辞任に当たってのお話の前に、本日ぎりぎり最後のところでお手元にもございますが、構造改革特区の臨時受付にかかる政府の対応方針について、持ち回りの本部決定で政府の対応として決定をいたしましたので、ご報告を申し上げます。
 お手元のとおり、新たな特区を創設する方向で4件、特区ではなくても全国的な規制改革として行われるものが15件、特区にするのか全国的な対応にするのか検討するものが15件ということでございまして、34件について規制改革を行うということにいたしました。最近の例と比較をいたしますと、大変多くの対応をすることができました。担当しました各省の政務三役の積極的なご協力に感謝するとともに、ご提案をいただいたそれぞれの地域等の皆さんにも感謝を申し上げる次第であります。
 政権は、内閣は代わりますが、この前進を足がかりにして、更に各地から様々な構造改革の提案を今後していただき、この仕組みが更に活かされるような足がかりになればと期待をしております。また、総合特区についても次の内閣において、しっかりと進めていただきたいというふうに思っております。
 また、私のほうからは、特に、実はご提案いただいた特区提案の大部分、かなりの部分が従来の制度においても可能であるというものがございます。これについて、単にできますよというだけではなくて、こうやってできますよということを、しっかりと、丁寧にご提案いただいた方にお返しをするようにということを指示をしているところでございます。
 個別の事例としては、例えば自動車運搬用フルトレーラの長さという規制がありますが、これは港などとの間の限定された道路区間であれば、問題ないではないかということで、こういったところを特区として指定をして、工場や港の公道外のところで使っているものを一定の公道も走れるようにするということとか、あるいは重度ALSの入院患者に対する医療保険と介護保険の併用という当事者、患者の皆さんにとっては大変重大なお話。それから個人的に埼玉県知事からご提案があったのでございますが、タクシーのドアの開口部の高さが90センチ以上と決められているのですけれども、実は開口部の低いハイブリッド車がハイブリッド車の大部分でございまして、ここのところを若干緩和をすれば、ハイブリッドのタクシーが大変普及をするということで、全国的対応をすることといたしております。これらの対応方針については、新しい内閣においてもしっかりと引き継がれ、実行していかれるものと確信をいたしているところでございます。
 辞任に当たりましては、大変短い時間でございましたが、事業仕分けの第2弾を始めといたしまして、今のこの国の置かれている社会状況を前提といたしましたときに、大変重要な仕事の場を与えていただいたということで、感謝をいたしております。もちろんまだまだやり足りなかったこともたくさんあります。事業仕分けの結果についても、これから制度改革につなげていかなければならないわけでありますが、ここで明らかにした事実と、そしてそれについて一定の対応の方針に向けた準備・対応をある程度まとめておりますので、次の担当大臣にはしっかりとそれを引き継いでいただき、実りある成果を実現してもらえるものというふうに確信をいたしております。
 記者の皆さんにも、本当に短い期間でございましたが、ありがとうございました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)4カ月弱お疲れさまでした。
 今お話もあったのですが、独法改革、公益法人改革、また特別会計の改革についても、着手したばかりになるのですが、この政権の任期中にその改革を成し遂げたいということだったのですけれども、新しい政権で今回着手した改革が具体的にどのように実現されていくことを期待されていますでしょうか。
(答)この政権でというのは、選挙で与えていただいた4年の任期の間に、マニフェストでお約束をしているのも4年ですから、その間にということでございました。そういった意味では、内閣は代わりますが、同じ民主党、国民新党との連立政権のもとで、どなたが担当されるにしても、ここまでの成果と一定の方向性については、私自身しっかり取りまとめて次の大臣に引き継ぐつもりでおりますし、それについては、どなたがなられてもしっかりと前提にして次の歩を進めていただけるというふうに確信をいたしております。
(問)2月から大臣になられて、振り返ってみて最大の成果というか、自分にとってこれは成し遂げた、また、一方でこれはちょっと不十分だったというところをお願いいたします。
(答)結果的に鳩山総理をお支えすることができなかったということについては、政治責任で、政治は結果責任でございますので、力及ばなかったということについては、反省をするところでございます。
 ただ、そうした中においても、事業仕分け第2弾、そこで個別に出てきた結果というよりも、事業仕分けの意義、目的、それから事業仕分けを踏まえて、あれはあそこで終わるのではなくて、そこで出てきた問題点を制度改革につなげていくのだと、こういったことをかなり共有していただくことができたと。その場限りのものではないのだと、これからが大事なのだということを共有できたと思っておりますので、そのことは私の任期中には実を結びませんでしたが、必ず次の方、あるいは次の次の方なりが実を結んでいただけると確信をいたしておりますし、あえて申し上げれば、本当に大きな仕事というのは、手をつけた人間が最後まで自分でやり通すことはできないぐらいの性質のものだというふうに思っていまして、事業仕分け、行政刷新というのは、仙谷大臣から数えれば私も既に2人目でありますので、そういうものだと思っていますので、そこのところについては自分なりには納得しています。
(問)代表選挙のことなのですけれども、2人の争いになりましたけれども、菅さんのほうが樽床さんよりも具体的にすぐれているというふうに考えていらっしゃるというのは、どの辺を見ていらっしゃいますか。
(答)樽床さんも私自身初当選以来の親しい仲間の1人でございますし、人柄、能力、大変優れた仲間の1人だというふうに思っています。特にいろいろな意味で、私に足りない、欠けているところを持った、能力を持った方だというふうに、日ごろからそういった意味では頼りにしております。
 ただ、内閣総理大臣という仕事は、能力と努力だけではできない仕事であるというふうに、特にこの8カ月間、内閣の外から、そして内側から見させていただいて思っています。一定の様々な政治的な経験とそれを取り巻く国民の皆さんの目ということを含めた環境、この2つがないと、鳩山総理のように能力があり、ご努力をされても、なかなかうまくいかないことがたくさん出てきてしまう。そういった意味で、菅さんのほうが正に総理になるための準備をこの十数年されてきているということを一番とは言いませんが、そばで見てきております。
 それから、いろいろな今我が党を取り巻いている環境からすれば、特にクリーンさを求められるということから、菅さんの政治的な立ち位置とか、国民の皆さんからの見え方、信頼性というものがより勝っているというふうに思っております。
 本当にどうもありがとうございました。

(以上)