仙谷大臣記者会見要旨 平成22年3月12日

(平成22年3月12日(金) 8:45~8:54  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私のほうから申し上げることは特にございません。
 御質問をどうぞ。

2.質疑応答

(問)間もなく政権発足から半年になるということで、その関係でお伺いしたいのですが、大臣は総理とお会いになる機会が多い閣僚かと思うのですけれども、この半年間の総理の変化というのは、どのように御覧になっていますか。
(答)ますますお元気で、それほど変化しているようには思いませんけどね。
 ただ、やっぱり政治とカネに、予算委員会が衆・参ともに終始したとは言わないですけども、政策論争よりもはるかにそっちの時間が多かったように私には見えておりまして、そこは少々、御自身の問題があるとはいえ、辟易されているんじゃないでしょうかね。
(問)この間、民主党が掲げた政と官の関係でいくと、この半年間でどのように変わったというふうに感じられていますでしょうか。
(答)試行錯誤しながらですけども、今までは大臣が役所で官僚と議論しながら物事を決めていくということは、ほとんどなかったわけでしょ。すべてト書きから何から全部書いていただいたのを、ほとんどそのまま鵜呑みにして棒読みするというような感じでしょ。少なくとも、つたない経験ですけども、私のところは、これだけ滞在時間が長くて、いろいろ議論したり、あれ調べろ、これ調べろというのは、初めてとは言わんが、非常に珍しい事態だということで、忙しくしながらも、やりがいを感じてやってくれているように思いますけどね。
(問)一部の、官僚をうまく使いこなせていないのではないかということをいう意見も官僚側にはあるみたいですけれども、このあたりはどうでしょうか。
(答)それは、慣れていない方もいらっしゃるのかもわかりませんし、やっぱりある種の、まだ経験上、人をどう使うかとか、一緒にどう仕事をするかとか、そこの技量が不足している人が全くいないわけではないと思いますけど、まあ、これからではないでしょうかね。
(問)今日、一部報道で、独法の役員公募の人事の件で、昨年の段階で第1弾の公募をするときに、閣僚自身がちゃんと判断するようにと大臣のほうから通知を出されたと。その事実関係と中身についてお聞きします。
(答)事実関係を今から言われても忘れましたけども、いずれにしても、独法自身は、理事長の選任については大臣の権限と責任があると、こういう建前ですよね。私どものほうから申し上げているのは、理事の選任は理事長の責任なんだけど、やっぱり理事長とよく大臣が議論してというか、意思疎通することが必要で、独法の存在理由、ミッションを再確認する中で、それを最も効率的・効果的に行うとすれば、現在の体制でいいのかどうかと。いいとすれば、どのような人を理事のポストに持ってくればいいのかということをよく議論して選任をすべしと。理事長については、当然のことながら、官房長官の承諾をいただかないといけないわけですから、「我々はちゃんと監視しますよ」ということを文書にして、流れていると思いますし、4月からの例のがんセンターを始めとするナショナルセンターの独法スタートに当たって、皆さん方にも公開した独法ガバナンス検討チームでのある種の成果を皆さん方にもお伝えをしたと。まだ道半ばだと思いますけども、これは事業仕分けともども、やっぱり独法という形で存在することに意味があるとすれば、そここそガバナンスがやっぱり問われるから、日々やっぱりそういう目で、人事、あるいは運営方針を改めて考えていただきたいと。そこはまた、枝野君のほうから、独法改革についてのガイドラインみたいなものが、あるいは法案として、ガバナンス問題をちゃんと独法通則法のほうで書くということになるだろうと私は見ています。
(問)マニフェストの検討について、準備会合を開かれると思うのですが、委員長としてどのようにマニフェストの作成に取り組んでいかれるお考えでしょうか。
(答)今のところ白紙の状態です。これについては、与党と政府が協働という立場でつくると。マニフェスト自身は、確かに選挙に向けた政党の約束という色彩を帯びますけども、与党と政府の一体化の中で、どういう性格でどういう約束をするのか、それから、今日の話に出た政と官の関係をどう整理するのかというようなことと非常に密接にかかわってきますので、改めてこの段階で、この半年のことを総括しながらというか、経験を踏まえながら、マニフェストの性格について、特に参議院選挙ですから、そのことも踏まえて考えながら、議論してつくっていきたいと思います。
(問)温暖化の法案が、今日、閣議決定されたと思うのですけれども、取りまとめに当たられた大臣として、どのように感想をお持ちでしょうか。
(答)ある種、ライフバリューも、それから産業構造も、多分、ここから大きく変わる分水嶺に、時代的に僕は立っていると思います。そこで、我々はグリーン・イノベーションと言っていますけども、グリーンとかエコを軸にした産業構造に変わることができるかどうか、変われるか、そのために何が必要かということで、これは皆さん方もよく御存知のとおり、特に経済活動については、ある臨界点を超えると一挙にブレークスルーすることがある。現に拝見していると、皆さん方がお持ちのノートパソコンも、ある時点から一挙にパナソニックが多くなったりするわけだけども、そういうことと排出量の問題とか、あるいは排出量の限度と省エネ、あるいはエコ・グリーンな生産活動及び経済構造みたいなものが、一挙にどこかで臨界点を超えて変わってくるんだろうなという気はしているんだけども、それが2年後なのか、3年後なのか、5年後なのかよくわかりませんが、そんなに遅くないだろうと。そのこととの兼ね合いで、この問題を本当は考えておかないといけないんだけど、どこでブレークスルーするかというのは誰もわからない話なんですよね。今、携帯電話がこうなってきたなどというのは、 10年前には誰もわからなかったですし、あるいは5年前でも、携帯電話の使い方がこうなってきたというのは、もう全く予測できなかったような部分も僕はあると思うんですね。だから、その辺も含めて、この地球温暖化の対策と経済産業構造、あるいはライフバリューが決定的に変わり得る瞬間におるという認識を持って、やっぱりある種の希望ある展望の下にやっていかなきゃいかんだろうなとは思っています。これを機に、ちょっとその辺も含めて考えたいなと思っています。

(以上)