仙谷大臣記者会見要旨 平成22年2月19日

(平成22年2月19日(金) 8:56~9:06  於:本府5階522会見室)

1.発言要旨

 どうもおはようございます。
 閣議及びその前に開かれた国家公務員制度改革推進本部で、国家公務員法等の一部を改正する法律案を決定いたしました。
 中身については、既に皆さん方にお話ししてあるので、しつこく申し上げませんけども、要するに人事局を設置をして、幹部職員人事の内閣一元管理を実現すると。それから、官民人材交流センター、再就職等監視委員会を廃止をして、民間人材登用・再就職適正化センターを設置するというものです。
 今後は、正に公務におけるガバナンスといいましょうか、適切なマネジメントを強化する観点から、使用者機関のあり方を含む公務員の労働基本権のあり方について検討を進めていくつもりです。
 それから、独法や公益法人の改革も視野に入れて、定年まで勤務できる環境の整備を進めると。昭和22年以降、微調整はあったわけですが、抜本的な、21世紀現代社会に適応できるような公務員制度をつくると、そういう意味での刷新改革を進めてまいりたいと思っております。
 今後、新たに設置します内閣人事局において、政治主導でさらに強力に改革の具体化を進めます。これをお願い申し上げまして、各省各大臣に協力を要請して、了解を得たと考えております。
 国家公務員は、皆さん方も御承知のように、揶揄したり、叩いたりすればいいというだけのものではありません。もちろん、しかるべき批判は絶えず謙虚に受け止めなければいけないと思いますけれども、この日本という国家を支える基本的な骨組みとなる存在でありますから、若くて志が高い優れた能力を持つ人で、我こそはと思う人に、できるだけ多く集まってほしいと思います。
 今後、大学新卒者のみならず、中途採用で公務員として国家のために、政府のために働きたいという人には、大いに集まってほしいと思っております。そのためには、原点に返るわけでありますけれども、霞が関で働く人々、あるいは出先機関は地方自治体に移管されることにおいおいなるでしょうけども、そういう公務員の皆さん方が誇りと充実感を持って職務に当たることができるような、魅力ある職場としていくことが大事で、政治主導を言うからには、政治家のマネジメントが大事だというふうに考えております。
 こんな思いで、引き続き国民に感謝される公務員になろうということを合い言葉に、公務員制度改革に強力に取り組んでまいりたいと思っております。
 私のほうからは以上でございます。
 御質問ございましたら、どうぞ。

2.質疑応答

(問)先ほどの国家公務員制度改革についてですけれども、実際、民間からの抜擢とか、課長からの抜擢を考えると、次官、局長、部長クラスを同格だとしても、確かにポストが限られているわけで、そうすると民間から入れるとあふれる人が出てくると思うんですね。その際に対応をどうするのかというのと、部長から課長への降格というものを第二弾で検討する余地はあるのかというのと、今後、人事院の級別定数を含め、第二弾の改革を進めると思うんですけれども、それをいつごろまでにやるのか、法案はいつごろ出すのかというスケジュール感をお願いします。
(答)最初の問題については、当然のことながら、民間の人が応募をしてきて、適格性審査に通っているということがまず必要ですね。名簿に登載した人の中から、官邸と各省大臣の協議の中で、「次の次官をこの人にしよう」とか、あるいは「局長をこの人にしよう」という協議がまとまったら、そのポストにおる人が、どこか行き先を当然のことながら探さなければなりません。ラインにいられなくても、スタッフとして働く場所があれば、しかるべき場所に配置するということになるのではないかと、私は思っております。この間も大学病院の例を皆さん方に申し上げたけれども、それに類似のこと、あるいはタスクフォースが必要だということであれば、そういうものの主査になってもらうというようなこともあり得るんではないかと思っております。
 それから、スケジュール感については、定数の問題、それから賃金カーブの問題、あるいはあなたがおっしゃった級別定数の問題をどのように新しいマネジメントという観点から変えていくのか。当然のことながら、職員組合の、職員団体の方々とも事実上の協議をしながら進めなければならないと思っていますし、人事院との協議、あるいは総務省との協議も丁寧にやっておかないと、最後の最後で昨年の内閣のようなことが起こってはいけないと思っていますので、精力的に協議をしながら、臨時国会に出せればいいけれど、選挙で忙しくなることも考えれば、やっぱり来通常国会にお出しするように努力すると、精力的に作業を進めるということだと思います。
(問)経済の話で恐縮なんですけれども、昨日、アメリカのFRBが公定歩合を0.25ポイント引き上げたんですけれども、それについて受け止めをちょっとお伺いしたいんですけれども。
(答)慎重でなければならないけれども、出口戦略が必要だということをアメリカでの議論で財務当局が述べていましたが、財政出動をこの1年で日本円に直すと70兆円ぐらいしたんですかね。単年度の財政赤字も、それから公的資金投入が金融機関の救済に回っているというのが相当あるようですが、この辺で金融政策も姿勢を示しておく必要があったということなんじゃないんでしょうか。この0.25%の意味は今のところ的確に情報として握っておるわけではありません。
(問)公務員の関係で、級別定数なんかは、この通常国会でとおっしゃったんですけれども、以前に本件の話については、早ければ今年の秋、臨時国会を目指してというお話だったと思うんですが、それはその方針に変わりなく、議論の時期が多少ずれるということなんですか。
(答)その程度の幅はいただかないと。そんなにぎちぎちに、通常国会であるかないか、あるいは臨時国会であるかないか、その程度の幅はお許しいただけるんじゃないですか。
(問)基本権については臨時国会でという認識は変わらないということなんですか。
(答)基本権だけ切り離してやることに意味があるのかどうなのかという問題もありますよね。
(問)セットで通常国会というほうが。
(答)そこのところも考えてみたいと思いますけどもね、議論もいただいて。

(以上)