仙谷大臣記者会見要旨 平成21年9月18日

(平成21年9月18日(金) 10:37~11:03  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日、皆さん方に私のほうから申し上げるべきことは1点でございます。
 本日の閣議におきまして、行政刷新会議の設置についてが閣議決定をされました。
 行政刷新会議は、国の予算、制度、その他の行政全般のあり方を刷新するとともに、国、地方公共団体及び民間の役割のあり方の見直しを行うということをするために、内閣府に設置するというものでございます。
 議長は内閣総理大臣、副議長は私がそれぞれ担当をいたします。構成員は、内閣総理大臣が指名する者及び有識者といたしております。
 また、会議の事務などを担当させるため、本日付で内閣府に行政刷新会議事務局を設置します。
 なお、本日午後1時から内閣府の本府庁舎の2階、ここの2階ですね、鳩山総理の御出席をいただいて、行政刷新会議事務局、あわせて国家戦略室の看板をかけるという形で立ち上げ式を行うことといたしております。
 以上であります。
 御質問がございましたらどうぞ。

2.質疑応答

(問)事務局なんですが、事務局のスタッフに民間人を、例えば民主党職員を入れるようなことは想定されているんでしょうか。
(答)民主党の職員を含めて、民間の方々にも、現時点での国家公務員の法規制が許す限りにおいて入れていただこうというふうに内閣府本府のほうにも、さらに総理直属の機関でございますので、内閣官房のほうにも私のほうからお願いを現在もしているということでございます。
 御承知のように、それぞれの御都合がございますので、簡単な話ではない部分もございます。それから、現時点での処遇等々がどうなるかによっても、当然のことながら民間の方については異なると思いますので、そこは私どものほうで連休明けまでに努力をし、全面的に、つまり枠がどのぐらいあるのかということも含めて、こちらのほうは鋭意努力をしながら最大限お認めいただきたいという折衝を、これは私が先頭に立ってやらなければならないと思っているところであります。
(問)では、確認しますと、今日の発足時点では、事務局スタッフは役人の方だけですけれども、今後は民間人を積極的に登用していくというお考えでよろしいでしょうか。
(答)はい。現時点での内閣府のメンバーは、私にとりましては、全く個人的にはおつき合いがない方がほとんどですから、あくまでもその分の枠を設定されたという考え方で、別に積極的にその人がだめだとか何とかという話でもありませんし、しかし、そのままでいいとか何とかという話でもないと。全くゼロからの立ち上げでありますから、ここは脱官僚主導というふうな話がございまして、組織全体として、内閣府そのものがどうのこうのという話よりも、むしろ事業官庁を中心にした霞ヶ関各官庁に対するある種の行政刷新という観点から、国民目線での観点からの役所にしなければ、ここがいわゆる最も霞ヶ関らしい官庁という姿になっては、これはまずいなという気持ちもあって、その辺はじっくりと職員構成も含めて、私どものほうで検討しなければいかんと。
 霞ヶ関的な見方をすれば、何か素人っぽい役所になったなと、例えば、もしそういう評価を受けても、かえってそのことがいいのかなという感じも私は持っておりまして、そこはそういう観点からも検討をしたいと思っております。
(問)ここに分科会と書いてありますけれども、分科会の会長や構成はどのようなイメージを持っていらっしゃいますか。
(答)今のところ会長とかイメージとか、具体的なところまではこれからですが、テーマ別に分科会をつくる必要があるだろうなと。特に私が、関心を持っておりますのは、独法なり、公益法人改革を行政刷新という観点から、特に、ある団体、ある公益法人を、これを再構成すると。それは一つではないと思いますが、ある種の枠組みの中で、さあ、これをかかろうというときに、分科会というふうなものが必要になってくるだろうと。あるいは、もう少し言えば、公共事業関係を一つ、一括りにした分科会にして、そのことをちゃんとわかる専門家に相当入ってもらわなければならないというふうな感じであるし、公共事業でも、例の問題になってまいりました官製談合を含めた公共調達の適正化委員会というのを私どもマニフェストで書いておりますので、現在の公共事業の、これは監視等委員会ですか、これとの関係も含めて、公共事業の公共調達にかかわる我々の思いのためにそういう分科会も必要になってくるのかなというふうに、これはおぼろげにというか、私の直感的なイメージでは考えておりますが、そういうふうにいろんな分科会が必要になってくるかなというふうに思っているところです。
(問)その分科会なんですけれども、スケジュール感というか、そのテーマ別にやっていってまとめるようなイメージというのはありますか。
(答)まとめるというのは。
(問)その方針なり、見直し方法なり、一定の結論なり、中間報告なり。
(答)もし立ち上がったら、立ち上がってから、こういうことを調査するぞとか、各省庁にお願いするぞというのは、それは立ち上がる以上、1週間か2週間で、そのぐらいのスピード感でやらなければいけないと思います。
 しかる後に、議長が総理大臣でありますから、議長から何らかの行動をとっていただくと、こういうことになろうかと思いますが。
(問)構成メンバーについてなんですけれども、事業の見直しをする過程で、各省庁、大変関連してくるかと思うんですけれども、各省庁の副大臣を構成員に入れるというお考えはあるんでしょうか。
(答)これは、構成メンバーというのは、刷新会議のボードメンバーという意味ですね。だから、その話はちょっと詰めて、総理、官房長官ともう一遍詰めなければ、その範囲と、どのクラスにメンバーになっていただくのかということ、この会議の目的、使命、それからさっき申し上げたこの会議自身の業務の遂行のタームというか、そういう観点から、ちょっと先ほど話題になりました分科会との関係でそういうふうにやるのか、ボードメンバーの中に並び大名みたいに並べるのかという、これは一考を要するなと。
 つまり、余り広げても小田原評定というか、船頭多くして船山に登るということになってもいけないし。会議体であって、やっぱりある種の刷新という観点からの、私に言わせれば監視であり、調査であり、あるいはそこでの再構築、リエンジニアリングの提案であるというふうなことになろうかと思いますが、そのことを最も効率的に行い得る、その会議体と事務局の構造とは何ぞやと、あるいはさっき出てきた分科会との関係いかんということで、多少の経験もしていないことはないんですけれども、そういう観点からちょっと改めて、メンバーについては、特に各省庁の政治職をどう位置づけるのか、組み込むのかというのは、詰めて至急数日中に決めなければいかんと思っております。
(問)この会議の中で具体的なテーマ設定としてどんなものがあって、何本ぐらい並行して走るのか。そして、どのぐらいのタームで一定の方向性、その取りまとめをしていくのか、イメージがある範囲でお願いいたします。
(答)今、ご質問されたことを決めるのがボードメンバーの、多分1回目、2回目、3回目になるのか分かりませんけれども、ボードの会議の仕事だというふうに思っています。とりわけ、あれもしたい、これもしたいと何でもかんでも手を出しても、そうは問屋が卸さないというのが人間の世界ですから、そこの優先順位をつけた選択そのものが、あるいはテーマ設定でどういうテーマがあるよねということと、それをどういうプライオリティをつけるのかということ、エネルギーをどこに集中投下するのかというようなことも、正にボードメンバーの仕事ではないかと私は思っておりますが。
(問)大臣の腹案といいますか、こういう方向でやっていきたいというところは今ありますか。
(答)今申し上げたとおりで、それは深夜の記者会見でも申し上げたように、やっぱりこの国の大きな病をつくった最大の原因はディスクローズの問題ということですから、これを相当高い優先順位をつけたいなという個人的な思いはあります。
 それをどのような手法でやるのかというのも、これはまたプロにお任せすることというか、プロの意見を聞いて、私も昔はそっちの道では多少の仕事をしてきた自負はありますけれども、それはこの霞ヶ関に通用するのかどうかなのか、もう一つ確認しなければならないことでありますし、それから、もうちょっと違うプロも、現在はいろんなプロがいらっしゃるようですから、その辺もよく議論をしていただいてボードで決めると、こういうことになるかと思います。
(問)構成員のところで、総理大臣が指名する者というふうにあるのは、今のお話ですと、政治家という理解になるのか、あるいはそれ以外の想定……。
(答)両方ということじゃないでしょうか。
(問)もう一つ、有識者とありまして、大臣も何人か検討されたいということをおっしゃっていますけれども、有識者の規模、数人ということなのかどうなのか、その辺のお考えは。
(答)先ほど申し上げた小田原評定にならないように、それから、あまり政治家の場合には、各省庁のステークホルダーとしての代理人とか代弁者みたいなことになるのであれば、そんなことでボードメンバーが議論するようなことになったら余りおもしろくないなという、これは私の個人的な考えを含めてでありますけれども、だから、その辺を先ほどから申し上げているように、最終的に突っ込んで、総理というか、内閣官房とも詰めておく必要があると、こういうふうに思います。
(問)まず初会合をいつごろやりたいと思っていらっしゃるのか、まず一つと、あと、補正予算について、関心の外に置いておくわけにはいかないと言っていらっしゃったんで、まず補正予算というのが一番初めの具体的な議論の対象にもなるのかなと思うんですが、それについていつごろどう実現させていきたいと思っていらっしゃるのかということと、改めて、今回、この会議を立ち上がったことについての、改めての抱負をお願いします。
(答)補正予算はですね、現実に基本方針を今日、麻生一次補正については総理のほうから、閣僚委員会での議論を踏まえて、閣議の席上で発言があって、ある種の指示が行われたというふうに理解をしております。
 御質問の補正予算は、麻生補正の執行の凍結とか停止とかいうことであれば、それに尽きているんで、我がほうが、事務局も立ち上がり、ボードメンバーも成立すれば、10月2日が総理の指示、つまり各省庁において執行停止、凍結等々、今の段階で執行しないでもいいもの、あるいはしてはいけないものというものが上がってくるわけで、それの第一次窓口は行政刷新会議になっていますから、報告の受付窓口がですね。それを前提に、こちらはこちらの目で至急それは検証するというか、点検をして、我がほうの意見はこういうものだというのを極めて速やかに突貫作業で、これを補正予算に関する閣僚委員会のほうに意見を上げるという作業になってくるかなと思います。
 このことは、補正予算は我々から見れば、特に私から見れば、ある種、経済的に余分なものであったかどうかは別にして、制度的には正に余分のつけ足しみたいな話ですよね。だから補正予算ということになっておるわけで、これの扱いと、本来、行政刷新会議が目指しているものというのは、大枠その中に補正予算も入ってくるわけでありますけれども、しかし、行政刷新会議が目指しているものは、麻生補正予算に見られる、その具体的な事例に見られる日本の構造的な資源配分の問題をえぐり出して、そして、それを資源の有効配分というか、私が申し上げているような時代環境というか、時代状況に適応した資源配分の仕組みに直していくと。
 つまり、一番スローガン的に言えば、コンクリートから人への、そこに資源配分に直していくための仕掛けが行政刷新会議だという理解を私はしていますので、そこのところはできるだけ効率的な運用をしたいというふうに思っています。
 決して不正や違法ではないけども、ちょっと民間の目から見ると、あるいは今のそういう問題のプロから見ると、これは3割も高いんじゃないか、7割も高いんじゃないかというのは、公共調達の世界では特に噂されているんですよね。これは、小は、病院で言えば、大根一本からシーツの洗濯代からですね、それから大は非常に高度な医療機器まで、そういう話。これはもう至るところに転がっているわけですね。そういうことまでをも視野に入れて、じゃあどういう仕組みに直したらこのことが是正されるのかというようなことが出口だと思いますので、それも含めてやっていきたいなと思っています。
 要するに、国民の皆様からお預かりをした税金をいかに効率的・有効に、そして産業構造の転換というか、21世紀型の資源配分を行える、その財政環境をつくるかというのがここの仕事だと思っておりますので。決して、この間も言いましたように、追及することだけが自己目的化されてはならないし、つまり、必ず制度改革といいましょうか、あるいはガバナンス改革といいましょうか、そういうことに結びつくようなやり方と展望がなければいかんのではないかというふうに私は思っております。
(問)初会合をいつごろ開きたいというのは。
(答)できれば25日に準備会でも開きたいと思っていますけれども、そこまでできるかどうか。ただ、実質的には来週にはもう動き出せるようにやってみたいと思っております。
(問)国と地方の役割の見直しということも含まれるんですが、地方の知事とか市長とか、代表者を入れる考えというのはありますでしょうか。
 あと、国民の理解が得られるのが一番大事だと思いますが、会議を公開でやっていくというお考えでしょうか。
(答)ボードの話ですね。ボードメンバーに現職の市長、知事あるいは町長を入れるかどうかというのは、私、先ほどから申し上げていますように、私自身は余り人数が増えてもいかがなものかという気持ちがございます。だから、得てして知事会の会長か、もしくは副会長とか、そういう充て職的にしたくないという気持ちが私にはございます。
 ただし、地方自治のガバナーとして経験を持って、このあり方とか資源配分とか、予算配分とか、これについて熟知している方を入れる必要はあるかなという考え方を持っております。
(問)会議の公開についてはどのように考えていますか。
(答)これは、ボードメンバーになった方の御意見、御感覚もあろうかと思いますけれども、私はできる限りボードの議論は公開をしたいと、何らかの方法で公開したいというふうに思っております。つまり、がん対策推進協議会というのをがん対策基本法で設置を義務づけて、患者代表も委員に入った協議会が開かれたわけでありますが、そのときには傍聴席をつくってどーっといきました。僕は、このボードがそういうのがふさわしいのかどうなのかはまだ分かりませんけれども、できる限り公開をしたいと思っておるところです。
(問)弊社FNN、産経新聞の世論調査で、鳩山内閣の支持率が68.7%と。そのほか、各社の世論調査でもかなり高い数字が出て、国民の期待があらわれていると思うんですが、これについて大臣の受け止めをお願いします。
(答)大変ありがたい。そして、私はこのことは、やっぱり歴史的な節目で、時代が変わるんだ、変わらなければならないんだという国民の御期待が308議席でもあったし、そのことが現在も引き続き、やっぱり変えてくれるということを国民の皆さん方が大きな御期待をいただいているんだなと。このことの重責に身が引き締まる思いです。
 いろんなところで、巷で聞きますと、先般の記者会見も、自分の言葉でほとんどの大臣がしゃべられて、優秀なキャリアの皆さん方に御用意いただいたメモを棒読みするというふうな感じの大臣は一人もいなかったと。変わったねと。こういうことが私の耳にもよく入ってまいります。そういうことも含めて、政治の質が、あるいはもうちょっと言えば、政治文化が変わりつつあるという感触を今持っていただいているのかなと。
 だから、ダムをとめるとか、何とかをするというのは、それはもちろんがらっと180度変わった話でありますが、それだけじゃなくて、政治の手法というか、政治文化といいましょうか、国民の皆さん方と一緒に考えて、一緒に決めていくんだよということがまず第一歩、自分の言葉で政治家が国民の皆さん方に語りかけ始めたなと、こういうことも大きく影響しているのかなと。
 今の公開問題も含めて、そのことは非常に大事にしなきゃいかんなと私は思っているところでございます。
 どうもありがとうございました。

(以上)