前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月20日

(平成22年8月20日(金) 11:09~11:38  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 それでは、私の方から三点お話をさせていただきます。まず、海上保安庁のヘリコプターの墜落事故についてでございますが、8月18日午後3時過ぎに、香川県仲多度郡多度津町の佐柳島の沖合におきまして、哨戒中の海上保安庁広島航空基地所属のヘリコプター(ベル412EP型機)に事故が発生し、乗組員4名の尊い命が失われました。また、いまだ1名が行方不明の状況でございます。誠に遺憾なことでございまして、亡くなった4名の乗組員に対して、心から御冥福を申し上げますとともに、御遺族の皆様方に対して、心から哀悼の意を表したいと思います。また、行方不明の1名については、現時点においてはまだ見つかっておりませんが、全力を挙げて捜索を行っているところでございます。本件の事故原因の特定につきましては、今後の調査を待つことになります。運輸安全委員会等の調査も入っているところでございますけれども、4名の海上保安官が殉職をしたと、そしてまた1名が行方不明になるという事故の重大性にかんがみまして、事故発生当日、私から海上保安庁長官に対して、安全運航の徹底を指示したところでございます。また、昨日朝、それを受けまして、海上保安庁長官から全管区海上保安本部長に対して緊急通達を発出したところでございます。このような事故が二度と起こらないように、原因究明を進めるとともに、再発防止に必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
 二つ目でございますが、国際海事機構(IMO)海上安全部長のIMO事務局長選挙への擁立についてお話をさせていただきます。日本政府といたしましては、IMOの次期事務局長選挙への我が国からの候補として、関水康司現IMO海上安全部長を擁立することといたしました。IMOは、海上の安全、海洋汚染の防止等の海事問題に関する国連専門機関でございまして、重量ベースで言いますと99%の物資を海上輸送に頼る我が国にとりましては、重要な国際機関でございます。関水部長は、IMO事務局において20年以上にわたり要職を歴任し、海事分野において豊富な専門知識を有し、国際的な知名度も高い方であります。最近では、ソマリア沖海賊対策にも手腕を発揮するなど、そのリーダーシップは高い評価を得ておりまして、我々は次期IMO事務局長として最適な候補と考えておりまして、外務省や他の役所とも協力をしながら、他の国に対して協力を呼びかけてまいりたいと考えております。
 最後でございますが、明日から24日までの4日間、中国に出張にまいります。前半は日中韓の観光担当大臣会議が杭州でございまして、そしてその後上海万博を視察した後、北京での要人との会談ということになります。私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)海保のヘリの墜落事故の関連なんですけれども、当初、廃船の調査という説明だったのですが、昨日になってデモ飛行の合間の事故だったと明らかにしています。当初の説明と変わったことについて、どのように受け止めているかお願いします。
(答)変わっておりません。デモ飛行が行われていたということについては、事実でございます。事実関係をはっきり申し上げますと、1回目の展示飛行海域というのは、14時20分から14時25分において、巡視艇「みずなみ」が水島港の南東沖にいるときに行ったものであります。それは14時20分から14時25分ということでございまして、その後、また通常の哨戒業務に戻っております。もちろん、2回目の展示飛行も予定されていたということでございますけれども、この1回目の展示飛行がなされた海域と、それから墜落現場である佐柳島では直線距離で17キロメートル離れておりますし、17キロメートルを展示飛行のまま哨戒業務を低空で行うということは通常からすると考えられないということでございまして、デモ飛行をしていたから低空飛行だったということについては、それは当たらないと、そして、その墜落の直前に廃船の調査を行うということを言っているわけでございまして、事実関係として展示飛行の合間であったことは事実ですけれども、14時25分から墜落時間まで45分を経過しているということと、そして直線距離が17キロメートル空いているということで、展示飛行を行っていたその延長線上で低空飛行を行っていて高圧電線に引っ掛かったという御指摘、あるいは推測記事は当たらない、そのように考えております。
(問)経済対策の関係ですが、大臣自身は経済対策の必要性についてどのようにお考えかということと、もしやるとした場合は、国交省所管の関係ではどういうものが考えられるのかお願いします。
(答)今日の閣議の後の閣僚懇談会でも私から発言をいたしましたのは、経済対策、何らかのものは必要であると。しかし、予備費を使った数千億、あるいは補正予算の必要性は、それは将来的には生じるかもしれないけれども、現下の大きな問題は円高であると。この円高が進むことによって、緊急経済対策というものが相殺されてしまう可能性があるし、また円高が進むことによって国内における生産基盤が海外に出て行くということが大きな懸念材料として今後存在をするし、また我々が行っているインバウンド観光というものについては、円高が進むことによって海外から来る方々については日本というのは非常にコストの高い旅行になってしまうということで他の国へ行かれるという意味において、もちろん円高によってプラスになるところはあります、原材料費が安くなる電力会社とかそういったところはございますけれども、プラスマイナスを考えた場合は、これは大きなマイナスになると私は考えておりますし、何よりも今の円高の水準というのは日本の通貨を適正に反映したものではない、そういう思いを持っております。したがいまして、緊急経済対策については後で少し申し上げますが、それ以前にやはり財務、金融当局と連携をして、政府が今の行き過ぎた円高というものに対して強いメッセージを発し、そして各国と連携をする中でその日本の危機感を伝えて、具体的な財政金融政策というものを採っていくことが大事であるというふうに私は申し上げたところでございまして、その認識というものは閣僚の中でも共有されているのではないかと思っております。また、何らかの緊急経済対策を行う場合においては、これは菅総理からも御指示がございましたけれども、できる限り財政出動を伴わないような形で考えられないかといった御指示がございました。規制緩和であるとか、あるいは税制の見直しであるとかそういったものを、考えられ得るものをしっかりと各省庁においてやってほしいと、そういったお話が菅総理からはございました。私は、今まで自民党政権は景気が悪くなると借金をして、そしてカンフル剤的に総花的な公共事業を上積みをしてきたと、こういったものは一時的には有効かもしれないけれども、中長期的には借金を増やし、そして構造転換を遅らせるという意味において失敗してきたというのは、これは周知の事実であります。そういう意味においては、政権交代後、公共事業においては全体の額としては抑制をしていることについては、この傾向というものは続けてまいりたいと考えております。ただし、港や空港等で私がお示しをしているように、選択と集中をすることによって競争力を高める中で、ひいては日本の経済の牽引役となる港や空港をしっかりと育て上げて、港で言えば釜山や高雄、あるいは空港で言えば仁川とまだ2周回遅れぐらいでありますけれども、競争ができるような状況に整えていくための成長戦略に基づいた集中的な投資というものについては、当然これはやっていかなくてはならないというふうに考えております。また同時に、我々国土交通省の成長戦略会議で御提案を頂いたものの中には、やはりこれから高齢化を迎えていくに当たって、また環境面、耐震性というものを考えたときには、住宅の建て替え、あるいはリフォーム市場の活性化というのは不可避であると考えておりまして、例えばこういうものに資する形で住宅版エコポイントの延長・拡充というものを全省庁的に行っていくということもあり得るでしょうし、成長戦略に基づいた中で限られた財政出動をしっかりと行っていくということが大事で、うろたえて自民党時代の総花的な公共事業の上積みでその場をしのぐということは、これは政権交代後では私は行ってはならないし、公共投資をやるにしても選択と集中で国際競争力の強化につながるという観点から行っていくことが何よりも大切なことではないかと考えております。
(問)海上保安庁の件ですが、事実関係はわかったのですが、当初司法修習生に対してデモンストレーションを行っていたという事実を伏せていたことに関して、事故との因果関係に関してはわかったのですが、当初説明で伏せていたことに関してどう思われますか。
(答)鈴木長官に対する報告も昨日でございましたし、私に対する事実関係の報告も昨晩でございました。そういう意味においては、直接関係がないという認識があったにしても疑わしき材料となり得るものについて報告をしていなかったということは適切ではなかったと、そう思っております。
(問)航空機燃料税について、半減するというような一部報道もありますが、現状のお考えをお聞かせください。
(答)これは、概算要求を今、省内で詰めている最中でございますので、あまり明確なことを申し上げる段階では現時点ではないと思っておりますけれども、私が就任直後からいわゆる空港整備勘定の見直し、特別会計の見直しについてはやっていかなくてはいけないと、新たな空港整備については基本的にはもうやめると、そしてそのことの中でこの空港整備勘定、特別会計については見直しを行っていって、そのことに対するエアラインやあるいは大競争時代の航空行政の競争力をつけていかなくてはいけないということを申し上げてまいりました。それの一つの考える点として、航空機燃料税の軽減ということについて私が事務方に指示をしているのは事実でございます。
(問)代表選について二点聞かせてください。まず小沢前幹事長が代表選出馬を検討していると言われています。大臣はこれまで政治と金について説明責任を果たしていないという立場をずっと貫いておりますけれども、そういった方が代表選出馬を検討しているということについて、まずどのようにお考えかお聞かせください。
(答)検討しているというのはマスコミ情報だけで、御本人は何もおっしゃってないので、私が答える必要はないのではないかと思います。
(問)それともう一つですね、大臣は菅総理を支持するということをこれまでも明言しておりますけれども、菅総理の周辺でもですね、挙党態勢を築くべきだという意見の方たちと、もしくは政策の違い、もしくは運営の仕方を明確にしてですね、しっかりと代表選を戦っていこうという人たちといらっしゃると思うのですけど、そのあたり大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)ねじれが生じている中での政権運営というのは、誰がやってもなかなか難しいと思いますし、また仮にねじれていなくても日本の置かれている状況というのは極めて厳しいわけですね。莫大な借金、その中で高齢化が進んでいくという状況、人口も減少していく、という三つの制約要因の中で政権運営をしていくとういうのは並大抵のことではないと思っております。そういう意味でまず大事なのはビジョンですよね。で、私は菅さんの対抗馬を模索されている方々の中で、あたかも菅政権がマニフェストについておろそかにしている、あるいはマニフェストを実行しようとしていないのではないかと、こういう意見があることについては違和感を持っております。我々はマニフェストに基づいて、たとえば八ツ場ダムの中止を含めた河川行政の見直しというものをやっているわけでありますし、また高速道路の無料化についても社会実験をやりながら、その状況を見てですね、最終形を決めていくということをやっているわけでございますし、我が国土交通行政においてもマニフェストに基づいたことを現実対応しながら、国民の理解も得て、しっかりとどう着地をさせるべきかということをやっているわけであります。そういう意味においては、現政権においてはマニフェストが守られていないという前提で対立候補を擁立する動きがあることについては、これは事実に反していると思っておりますし、そういう観点から対立軸を見い出そうというのは無理があるのではないかと私は思っております。大事なことは、この難局を何党がということではなくて、一人一人の国会議員が本気で、自らの政治生命を懸けて乗り切ろうとしているかという気概が問われていると私は思いますので、そういう意味において党がまとまることが極めて大事だと思っております。ただ、人事についてはですね、最終的には代表、総理になられた方が私はお決めになることだと思っておりますので、私は現時点においてそのことについてどうこうということを私が言うことは差し控えたいと思います。
(問) 党がまとまることが大事ということは、原口大臣は小沢前幹事長を重要ポストに就けるべきだということをおっしゃっておりますが、そういうことも含めてまとめていくことが必要だということですか。
(答)それはですから菅さんがお決めになることで、一閣僚がですね、誰を登用しろとか、そういうことを私は言うべきではないと思っております。
(問)代表選に絡んで、大臣は会見で代表選を戦われる場合も候補はマニフェストを立てて戦うべきだとおっしゃられましたが、その中身によっては菅代表以外の候補についても支持する可能性はあるのでしょうか。
(答)閣内でいつも話をしながら、もちろん国家戦略局の在り方とかそういうことには私も閣僚懇談会で意見を申し上げてまいりましたし、とにかく4年間の任期を与えられて、そして例えばマニフェストに掲げた財源の捻出とか、そしてマニフェスト項目の実現というのは、しっかりと工程表を作って管理をすべきだということは申し上げて、それについては今の私は菅内閣の閣僚の中では担保できていると思っております。したがいまして、今まで民主党が政権交代で行うと言ってきたことについて、その方向性で菅内閣は努力をしていると思いますので、その点については私は菅さんを支持するということについては変わりはございません。ただし代表選挙を戦うに当たっては、今現職の代表なんだから、現職の総理大臣なんだから、俺の言うことを言わなくても分かっているだろうと言うのはだめですよと、だから特に自分はどういう国家像を目指して何がやりたいかということについて、今やっておられることでもいいんですよ、ただ自分としてはこのポイントを重点テーマとしてやりたいんだということをおっしゃらないといけないのではないかということを申し上げたわけでございます。今まで一緒にやってきてますので、その方向で政権交代を去年の8月30日に頂いたという重みをですね、しっかりと我々は忘れずにそれを実現していく、そしてそれをもし変えることがあれば国民に対してしっかりと説明責任を果たしていくということが大事ではないかと私は思っております。
(問)海保のヘリの関係なんですが、海保の会見での説明についてなんですが、総務課長が司法修習生に配慮してデモ飛行について説明しなかったと昨日おっしゃってますが、その判断は適切だったとお考えでしょうか。また、公表しなかったのは最終的には誰の判断だったのでしょうか。
(答)六管の判断だと思いますけど、鈴木海上保安庁長官にも、昨日の時点で、つまりは報道が出始めてから報告が上がってきていると、そしてそこから私には昨日の夜に報告が上がっているということを考えれば、事実関係では報道とは違ってもそのような疑義が持たれること自体を隠していたということについては、私は問題ありと思っております。したがって、どんな情報でもしっかりとつまびらかにしていくという姿勢が大事なのではないかと、私はそう持っております。
(問)日本航空の件ですが、更正計画の提出が間もなく迫っているのですが、現段階において主要銀行との合意に関してとか、進捗状況が大臣の耳にどの程度入っているのかということと、あと米国のGM、これはちょっと比較にはならないのですけれども、同時期に経営破綻したものが既に再上場を目指そうとしている、このスピード感について大臣の御見解をお願いします。
(答)更正計画の中身、またステークホルダーとの話し合い、企業再生支援機構を含めて逐次報告は受けております。8月末の更正計画提出に向けてそのプロセスは順調に進んでいるという報告を受けております。我々、国が企業再生支援機構を管財人として関与するのは3年でございますので、しっかりとリストラをして競争力を高めて、そして国の手が離れたときにもしっかりと離陸ができるように、もちろんその前提は安全第一でございますけれども、しっかりと国としても行える支援は公平な観点からもしていきたいと考えております。
(問)今のJALの関連で、財務省はこのJALの更正計画そのものについて、金融機関がファイナンスについて具体的なめどがないまま計画が進んでいることについて、実現の可能性が低く、二次破綻の恐れが高まると、特に財務省側が再建に厳しい見方を示しているようなのですけれども、それについての国土交通大臣としての感想、それからメガバンクが新規の融資に応じないというようなことがあった場合、そもそもJALが再生できるとお考えか、この二点についてお聞かせください。
(答)先ほどの財務省の話というのは、報道であったことについて財務省は明確に否定をしているということは申し上げておきたいと思います。財務省も含めて政府としてしっかりと、企業再生支援機構が管財人として更正を行っていく、JALを支援していくという方針には全く変わりはございません。一般論として申し上げると、80%以上の債権放棄を法的整理によってするということの中で、3年間は企業再生支援機構がバックアップをしながら再生を支援していく、それが着実に行われていくことが大事だと思っておりますけれども、その中で多額の債権放棄をして、そしてそれが着実に行われていくのかということを見極める前に、明確にファイナンスをしますということは、私がメガバンクの頭取であったらあり得ない話だと思います。ですから大事なことはしっかりと更正計画が着実に実行されること、JALは約束をしたことはしっかりリストラを含めてやる、機材変更もしっかりやっていく、そして利用客の視点に立った再生を行って体力を高めていく、その中で判断をしていくというのが、一般論として考えればメガバンク、ステークホルダーとしての当然の判断ではないかとそう思っております。
(問)沖縄のことについてお伺いしたいのですが、17日の夜に仲井眞知事と前職の名護市長の島袋さんとそれぞれ会われていたと思うのですが、会われた目的と、特に島袋前市長との会談については、現職の稲嶺名護市長は市長は二人いるのかというような発言をするなど不快感を示しているのですが、そのような沖縄の反応も踏まえてどのようにお考えでしょうか。
(答)こういう仕事をさせていただいておりますといろいろな方とお会いをいたします。その方々と会ったかどうかということも含めて、いちいち皆様方にそれを申し上げることは、そこまで必要ではないのではないかと思いますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)海保のヘリの関係ですが、先ほど廃船の調査の過程で起きたのではないかというように受け止めましたが、具体的には大臣が受けた報告ではどのような調査をしていたかというのは分かっているのでしょうか。
(答)まだ分かっておりません。先ほどはデモ飛行との関係で申し上げて45分の時間の差がありますねということと、直線距離にして17キロメートルの距離がある中で、ずっと低空飛行をしていてそれで引っかかったということは、それはあり得ないということを申し上げたまでであります。そしてまた、因果関係がないとはいえ、それを長官や私に報告をしていなかったということ、そして報道がされた中で報告をしてきたということについては、私は第六管区については厳しく反省をしてもらわなければいけないと、このように思っております。いずれにいたしましても運輸安全委員会の専門家の方々が事故原因については調査を、今しっかりとしていただいておりますし、またその事故直前の調査状況についてもこれから様々なヒアリング等、分析をしながら明らかにしていきたいと思いますし、明らかになった時点で責任を持って皆様方にはお伝えをさせていただきたいと思っております。
(問)ホルムズ海峡のタンカー事故ですが、18日に第一回の専門家の会合が開かれましたが、その後、警察庁等からの付着物の分析ですとか、外国当局から新たに情報が寄せられたということはありますでしょうか。
(答)第一回の会合をしていただきまして、全省庁的に御協力をいただいていることに大変感謝をしております。調査は慎重かつ丁寧に行われておりまして、私にも逐次報告が上がっております。新たな中身についても報告は受けておりますが、これもある程度固まった段階で、皆様方に御説明ができるような状況において御報告をさせていただきたいと、このように考えております。

(以上)

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