前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年8月6日

(平成22年8月6日(金) 17:45~18:06  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 それでは、私の方から二点お話をさせていただきたいと思います。まず、ホルムズ海峡におけるタンカーの事故原因についてでございます。本日の閣僚懇談会で、ホルムズ海峡で発生いたしました我が国への原油輸送タンカー事故の原因調査について、各閣僚の協力をお願いしました。我が国への原油供給量の8割強が通航するホルムズ海峡での事故は、我が国の海上輸送に対する脅威となる可能性を有しておりまして、日本国政府といたしまして事故原因を調査した上で、適切な対応をすることが何よりも必要な事案でございます。このため、我が国の安定的な海上輸送確保の観点から、当省つまりは国土交通省が中心となりまして事故原因調査を進めるよう海事局に指示をしているところでございますが、関係省庁の専門的な知見も不可欠でございますので、本調査の円滑な実施に御協力いただくよう各閣僚に協力のお願いをいたしました。現在は、損傷の状況等について事実関係の収集を行っている段階であります。テロとの報道もありますが、今後これらの分析を行いまして、事故原因の究明に努めてまいる予定でございます。なお、本船は、フジャイラ港を既に出港しております。出港時間など本船の動静につきましては、テロとの情報もあることなどから、発言は控えさせていただきたいと思います。次に、国際コンテナ戦略港選定に関してでございます。今週3日に行われました第7回国際コンテナ戦略港湾検討委員会におきまして、各港湾からの提案について委員の皆様に採点をいただきました。その結果は、お手元にお配りをしているように、1,000点満点中、1位が阪神港、769ポイント、2位が京浜港、729ポイント、3位が伊勢湾、553ポイント、4位が北部九州港湾、277ポイントという結果になりました。委員会といたしましては、700点台のポイントを示した阪神港及び京浜港の2港を国際コンテナ戦略港湾と選定すべきであるとの御推挙を頂きました。その後、政務三役におきまして協議をしました結果、委員会の推薦のとおり、共に700点台のポイントを獲得した阪神港及び京浜港を国際コンテナ戦略港湾として選定することといたしました。また、553ポイントで3位につけた伊勢湾につきましては、ターミナルコスト低減策や24時間化、情報化などの荷主サービスの向上などにおきまして最高得点をマークしております。また、他の分野でも高い評価を受けているところでございまして、今後も現行レベルの国の支援を継続することといたします。なお、伊勢湾につきましては、今後の民営化の進展等提案された施策の取組状況や基幹航路寄港の実績、取扱コンテナ数の動向等によりましては、今般選定された二つの国際コンテナ戦略港湾と入替えもあり得る、いわば次点と位置付けたいと思います。最後に、277ポイントの4位になった北部九州港湾については、残念ながら選定に漏れましたけれども、日本海におけるアジアへのゲートウェイとして、提案されている国際RORO船、あるいはフェリーを活用した定時シャトルサービスの推進などその特色を活かした育成がなされるべきであり、国として支援は惜しまないところでございます。なお、採点に当たっての国際コンテナ戦略港湾検討委員会のコメントに関しましては、参加された港湾管理者の皆様の求めに応じて閲覧していただくこととしております。本日の発表で、国際コンテナ戦略港湾の選定は決定いたしましたが、港湾の国際競争力の強化は、やっとスタート台に立ったに過ぎません。国際コンテナ戦略港湾に選定された港湾の関係の皆様におかれましては、港湾経営の民営化や広域からの集荷など提案された内容を、スケジュール感を持って着実に実施をしていただきたいと思います。国土交通省におきましては、目標達成年次の2020年まで、国際コンテナ戦略港湾検討委員会において、計画書の実施状況を、毎年きちんとチェックすることといたしております。また、3年後をめどに中間評価を行いまして、その際、提案された内容が着実に実施されていない場合には、取消しや入替えもあり得ることもあらかじめ申し上げておきます。また国土交通省といたしましては、資料をお手元にお配りをしておりますが、選定をされた国際コンテナ戦略港湾に対しては、港湾経営の民営化の促進、内航を始めとするフィーダー網の充実等に向け、直轄事業の国費負担率の引上げや、港湾経営会社への固定資産税等の減免などを始めとする予算面、税制面の要求を行いますとともに、港湾法を抜本的に改正をすることといたしまして、平成23年の通常国会に提出をする予定でございます。これによりまして、国土交通省成長戦略における港湾力を強化し、海洋国家日本を復権させ、日本経済の国際競争力の強化を実現していきたいと考えております。なお、詳細につきましては、後ほど港湾局より御説明をさせていただきます。私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)戦略港湾の関係なのですが、選ばれた京浜と阪神に関しては、今継続案件もあるかと思うのですが、来年度予算では具体的にそれぞれ新規の事業はやるお考えはあるのでしょうか。
(答)これから御相談に乗らせていただくことになろうかと思います。今日発表させていただいたばかりでありますので、計画書のとおり進めていただかなければ、3年後の中間評価では京浜港、阪神港というものは取消し、あるいは伊勢湾が頑張っていただければ入替えもあり得るということでございまして、様々な計画を達成するための御要望を承りたいと考えております。いずれにしても私はこの選定というものは、これを着実に実行していただければ4港とも半分の目的は達成することになると思っております。つまりは民の経営の視点、あるいはばらばらだった埠頭、あるいはそれぞれの港の統合的な運営、つまりはコストを下げて荷物が集荷をされる状況を作らないと、港というものはそこに船も来ませんし、そして使われることはないわけです。したがいまして、提案いただいたことを4港とも着実に実行していただくことが大事だと考えております。そして残りの半分は、特に選ばれた京浜と阪神の2港においては、先ほどお話をしましたように、税制面、予算面での国際コンテナ戦略港湾としての特別の措置というものを港湾法も改正をし、しっかりとバックアップをしてまいりたいとそう考えております。
(問)ホルムズ海峡での爆発事故に関連して、現地の報道でテロだという断定的な報道も出てきているのですが、これについて事実確認、調査の状況を説明していただければと思います。
(答)UAEのCoast Guardが調査の結果、手製爆発物(home-made explosives)の残留物が見つかっており、今回の事故はテロリストの攻撃によるものとしていると、こういう報道があるのは御承知のとおりでございます。外交ルートを通じましてUAE当局から事実関係の確認を行うように指示を先ほどいたしました。当省が行う事故原因調査の中で、報道がなされている船体損傷部の付着物のサンプルも採取しておりまして、その分析を行う予定でございます。国土交通省といたしましては事実関係に関する情報に基づき、可能性のある原因について予断なく分析を行ってまいりたいと考えております。なお閣僚懇で各省の協力を求めたところ、国家公安委員長、そして外務大臣から、惜しみない協力をさせていただきたいという意見表明を頂きました。大変心強く思っておりますし、最後に菅総理大臣から、全省庁を挙げて取り組まなければ、我が国の原油の8割以上がホルムズ海峡を通ってきているのであって、これに対して毅然とした対応を取らなければ日本の生命線にもかかわってくるといった総括を頂きましたので、しっかり全省を挙げて今回の問題の原因究明、そして国際機関、他国と協力をする中で犯人の逮捕というものにつなげていきたい、また再発防止にもつなげていきたい、そう考えております。
(問)沖縄について二点お伺いしたいのですが、先日大臣は沖縄市長の訪問を受けて、泡瀬の埋立て事業の再開の方針をお伝えになっていましたけれども、大臣はかねてから経済合理性を厳しくチェックした上で判断したいというふうにおっしゃっておりました。再開を判断するに当たって、何に基づいて、何をもって経済合理性があるというふうに判断したのか。特に、四つの条件を出したようなんですけれども、その条件は特に実施することが義務になっているわけではなく、実施されているかどうかチェックする仕組みもないように思います。また、市が大臣の所に計画書を持ってきた当日に再開の回答を出すということは、GOサインありきではないかという印象も否めないんですけれども、その辺も併せてお聞かせいただけますか。
(答)まず、持って来られて一発でOKを出したというのは大きな間違いでございます。当初、東門市長さんは3月末までに新たな計画を決定したいということをおっしゃっていたことは御記憶だと思います。実は、何度も何度も計画書の練り直しをこちらからお願いをしておりまして、持って来られたものについても、専門家、有識者の方々にそれを御判断いただくということで、かなり多方面から精査をしていただきました。その結果としては、かなり良い結果をまとめていただいたと思っておりまして、この間持って来られて、そしてそれをパッと見てGOサインを出したということでは全くございません。数か月にわたって、沖縄市から出てきたものについて何度も突き返し、またバージョンアップをされてきたものについては、有識者の方々からの知見を加味する中で、更なるブラッシュアップをお願いしてきたところでございまして、相当程度の時間と、そして計画のすり合わせを行ってきたということについては、御理解をいただきたいと思っております。なお、最終的にはこれは沖縄市が、沖縄県と協力してやられる事業でございまして、我々が4点の条件を出させていただきましたけれども、これは我々は補助をする立場でございますので、当事者である自治体が責任を持って、しっかりと遂行していただきたいと思っております。
(問)関連して、国としては、新港地区の浚渫土砂の処理もセットで泡瀬埋立てをやられると思うんですけれども、それを進めたいというお考えもあって、竣工を進める前提で何度も市と練り直して判断したということは、中止というお考えは無くて、竣工を進めたいと、両方ともやりたいというお考えで相談されてきたのかどうか。
(答)いや、それは前の記憶をひもといていただければ、事実とは異なるということをお分かりいただけるはずであります。この記者会見だったと思いますが、私は判決が出た直後だったと思いますけれども、仮に泡瀬の一期工事というものをやられなくても、浚渫工事は切り離して、国土交通省港湾局としてやりますということを申し上げていたはずでございまして、この工事をやるために認めたというのは事実に反します。つまりは認めなくても、あるいはそれが仮に中断されていても、あの自由貿易地域の復興のために国策として、あの地域を選定し、浚渫工事をやるということを考えていたわけでございますので、切り離して当初から考えていたということでございます。
(問)今日、小中学生が作る豆記者の訪問を受けて、普天間についての質問もお受けになっていて、大臣はそれに対して、移設を受け入れてもいいという所はあったが、運用面だとかで反対があり、なかなかうまくいかなかったとお答えになっていたんですけれども、受け入れてもいいと言っていた自治体というのはどれぐらいで、どこなんでしょうか。
(答)それは機微に触れるテーマでございますので、結果としては、その申し出について政府としてお応えできなかったと、あるいはそれは様々な検討から難しいという判断をしたわけでございますので、ここで申し上げることは不適切だと思っております。
(問)広島で菅総理が記者会見をされまして、核の抑止力が必要だという認識を示された上で、非核三原則は日本として厳守すべきだという認識を示されましたが、こうした核の在り方について、まず大臣の見識をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)今日が広島で原爆が投下をされた日でございますし、また3日後には長崎に原爆が投下された日でございます。多くの方々の尊い命が失われました。改めて亡くなられた皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、長期にわたって被爆をされて苦しんでこられた方々、またその御家族の方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思っております。あのような悲惨な戦争が二度と行われてはいけないと思っておりますし、その原因となった核などの大量破壊兵器というものは、望むらくはこの世から全く無くなったほうが良いということは事実でございます。ただ現実にそういった兵器があり、日本も日米同盟関係の中で、アメリカの核の抑止力の中に入っているわけであります。ただオバマ政権が誕生して、世界全体で最大の核保有国であるアメリカが率先をして減らしていこうということを他国にも呼びかけ、ロシアとの間である一定の合意が得られたことは第一歩であると評価ができると思います。米露だけではなくて、中国やイギリス、フランス、あるいは他の核保有国がしっかりとまずは第一段階として、自ら持っている核の削減を行いながら、全廃に向けての世界共同の歩調をとっていかれることを心から願っておりますし、また唯一の被爆国として、日本もその先頭に立って働きかけをしていかなければいけない、そういう思いでおります。
(問)そうすると、今の日米同盟に入っている中では、核の抑止力というのは日本として必要だというお考えなのでしょうか。
(答)この日本を取り巻く地域、地理的な状況を見ると、核を保有していると宣言をして、2度にわたっての核実験を行った北朝鮮、またミサイルも日本を射程に入れて、そして核を大量に持っているロシア、中国、こういった国があるのも事実でございます。そういう意味では、使われてはいけない兵器ではございますけれども、仮にある特定の国が核と、そして運搬手段を合わせたものを脅迫の材料に使い、そして日本の主権が脅かされ、そして日本の国民の生活というものが大きな制約とともに、苦しい状況に置かれるようなことは、これは絶対に避けなければならないことであり、その意味においても日本は自ら持たないということを非核三原則で宣言をしているわけでございまして、同盟国であるアメリカというものにそういった面については日米安保条約に基づいてしっかりとその抑止力というものを期待をするということを我々としては考えていかなければいけない現状に残念ながらあるということだと思います。
(問)民主党の代表選挙について、民社系等も独自候補をという話をしています。大臣はかねてから菅総理を支えたいとおっしゃっていますけれども、このように動きが活発化する中で具体的にどういった形で菅総理を支えていこうというふうにお考えでしょうか。
(答)二つございまして、一つは本当にこの国の総理になってこの国を良くしていく、国民の幸せを追求するというビジョンと行動力と、そして気概のある方はどなたでも私は手を挙げて出ていただきたいし、またそういった方々の代表選を通じて民主党が本当に政権与党たりうるということを国民に見せていくことは、私は大変プラスなのではないかと思っております。二点目は、その上で、私は菅総理御自身も代表選挙のマニフェストをまとめられて、代表に再び選ばれたときには総理としてねじれ国会という厳しい状況の下で、どうこの国難を切り開いていくのかということを改めてしっかりとお示しをされるべきではないかと思いますし、またそれが私は党内での菅総理への支持を広げていくことになると思います。やはり、一国のリーダーとしてもう一度菅総理も自分はこの国をこのように変えていきたいと思っているというビジョンをしっかり示して代表選挙を戦っていただきたいと、そう思っております。
(問)高速道路の件ですが、無料化の社会実験が1か月強経ちました。高速道路の通行量も増えてはいる一方で、一般国道の通行量が減って通過されてしまうような町というのが出てきて、商店の売上げが減っている所があるということがあります。こういった事態というのは、想定をされていましたでしょうか。今後、無料化の社会実験を続けていく場合に、他省庁と連携して、あるいは自治体と連携をして地域振興策のようなものをとっていくようなお考えはあるのでしょうか。
(答)社会実験をしているという意味は、期限を区切ってどういうメリット、デメリットがあるかということを把握するために社会実験を行っているわけであります。当然ながら、無料化をした区間の並行の一般道については車が減って、そのことによって渋滞が緩和されるとか、あるいは排気ガスが減るとか、あるいは事故が減るというメリットもある一方で、当然ながら走る車の台数が減るということは、その界隈の商店や食堂等の売上げが減るということは、当然想定をされていたわけであります。そのプラス、マイナスというものを、最終的には地域でどのように受け止めていただくのかといったこともヒアリングをしながら、トータルとしてそのメリット、デメリットというものを勘案をして、どのように地域も我々に対して御意見をおっしゃってこられるかというものも踏まえて新たな段階に社会実験を進めていきたいと、こう考えております。

(以上)

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