前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月22日

(平成22年6月22日(火) 11:30~11:56  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 私の方から三点お話をさせていただきたいと思います。まず一点は、国土交通省政策集2010についてでございます。昨年の9月の政権交代以降、国土交通省におきましては成長戦略会議を作りまして、海洋、航空、観光、そして国際展開、官民連携、そして住宅、不動産、都市、こういった5分野の成長戦略をまとめてまいりました。今までは、公共投資というものを中心とした国土交通行政でございました。もちろん、これも必要でございますけれども、現下の財政状況、そして日本の置かれている少子高齢化、人口減少という背景を基にして公共投資は抑制をする。しかし、成長戦略である今のような5分野については徹底的に伸ばすような施策に変えていくということで、言ってみれば、国土交通行政のパラダイムシフトを行ってきたところでございます。そのようなパラダイムシフトを受けまして、この国土交通省政策集2010というものは、今後の国土交通省全体の方向性を明示すべきものでございまして、一つが変革、二つ目が環境・暮らし関連の政策、三つ目が安全・安心、セーフティネット関連政策といった三本柱で構成をされているところでございます。この政策集2010でまとめたものを、平成23年度の概算要求に盛り込みまして、着実に施策を実行していくという形にしていきたいと考えているところでございます。二つ目は交通基本法の制定と関連施策の充実に向けた基本的な考え方(案)を公表させていただきます。交通基本法につきましては、次期通常国会の提出に向けまして、昨年の11月より、前の副大臣であった辻元さん、そして当時の三日月政務官を中心に関連施策の検討の指示を私の方からいたしまして、その後、交通基本法検討会を13回にわたりまして開催するとともに、タウンミーティングや地域公共交通全国会議などを通じまして、交通の現場で頑張っておられる方々の生の声を聞いてまいりました。また、パブリックコメントを二度にわたり実施をいたしましたところ、延べ569件の貴重な御意見を頂いたところでございます。現在の菅内閣におきましては、三日月副大臣、そして津川政務官に担当をお願いしているところでございまして、この度、政務三役で交通基本法の制定と関連施策の充実に向けた基本的な考え方の案をまとめさせていただきましたので、公表させていただきます。中間整理と同様に三つありまして、移動権の保障と支援措置の充実、二つ目が交通体系、まちづくり及び乗り物、三位一体の低炭素化の推進、三つ目が地域活力を引き出す交通網の充実と、この三つの柱で整理をさせていただいております。今後、パブリックコメントを再度実施いたしまして、皆さん方から幅広く御意見を頂きまして、最終の取りまとめに反映をさせていただきたいと考えております。三点目でございますが、明日23日、沖縄全戦没者追悼式への出席のため、総理とともに沖縄を訪問いたします。日程等の詳細につきましては、内閣府の事務方にお問い合わせいただければと思っております。私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)政策集の中で、社会資本整備重点計画の見直しという項目があります。これは具体的に、例えば、新しい計画というのは、いつまでにどういったものをまとめたいというお考えはありますか。
(答)まだそれは具体的に決めているわけではございませんけれども、道路、鉄道、河川、そして空港、港湾、都市、住宅も含めて全ての政策転換を行っているところでございますので、全省庁的な議論を踏まえながら、どのようなものにしていくのかということについては今後、検討していきたいと考えております。
(問)確認ですが、現計画、数値目標等も幾つか入っているものもありますが、これはもう白紙ということでしょうか。
(答)白紙の手続はやっておりませんが、政権交代後、政策のパラダイムシフトを行ってきて今回の政策集をまとめたということは、それを前提にはしていないという意味においては、新たな施策で出発をしているということを御理解いただければと思います。
(問)今朝方、官邸の方で、韓国の哨戒艦の沈没に関する関係閣僚会議があったのですが、大臣はそこではどのような御報告などされたのでしょうか。
(答)これについては、官房長官から説明をされるということが取り決めになっておりますので、詳しくは申し上げませんけれども、一つは今、海上保安庁がどのような警戒態勢と様々な疑義がもたれる可能性がある船舶の検査の実績等について報告をさせていただきました。その程度にとどめておきたいと思います。
(問)今日の閣議決定された地域主権戦略大綱についてですが、その中で、来年度から、一括交付金を導入するという方針が示されております。一括交付金ですが、自治体に財源の使い方を全部任せてしまうと、今回の政策集に挙げたような国交省が示すまちづくりとか、そういった政策誘導ができなくなるのではないかという懸念もありますが、国として使い方に関して一定の関与を残すべきかどうかについて、大臣のお考えをお願いします。
(答)今回決められたものにつきましては、今後詳細については詰めていくということでございますので、総務省や他の関係省庁と話をしながら詰めていきたいと思っておりますが、我々は一括交付金と交付税の違いというものをやはりしっかりと精査しなければいけないと思っております。交付税というのは地方自治体に渡して、そして自由に使っていただくお金でございますけれども、交付金というのはこれは政策目的があって行われるものでありますので、この一括交付金というものを政策目的を実現するためにはどういうハンドリングを国でするのか、あるいは国の関与についてはどのような限定の仕方をするのか、こういったことについては今後制度設計を関係省庁と詰めていくということになろうかと思います。
(問)政府の新しい成長戦略ですけれども、首都圏空港含めてオープンスカイの徹底と、あとLCC参入促進、最近日本の航空会社でもLCCを検討しているところもあるようですけれども、こういうオープンスカイの方針について、改めて御見解を聞かせください。
(答)このオープンスカイというものについては、協定を結んだ国とどこの空港と結びたいかとか、あるいは路線、それから便数、こういうものについては自由に決められるというのがオープンスカイでございますが、今まで日本はオープンスカイを進めていきたいと考えておりましたけど、首都圏空港の枠というものが満杯で、なかなかそれが実現をしたくてもできなかった背景があったのは御承知のとおりでございます。この度10月に羽田におきましては、4本目の滑走路ができて、30.3万回の離発着がこれから管制の精度を高めていく中で徐々に上げていって、最終的には深夜早朝含めまして、44.7万回ということで、14.4万回の枠が増えるわけでございますし、また成田におきましても20万回から22万回、そして地元の御理解等を賜って、最終的には30万回ということで、首都圏空港の枠が増えることによってオープンスカイというものが名実ともに首都圏においてもできる素地が整ったということになろうかと思います。いずれにいたしましても、今まで総花的な公共事業をやってきて競争力が失われているもの、あるいは核になるもの、ハブになるものが空港においても港においてもなかったという大きな問題点がございます。そういう意味では選択と集中によって、ハブ、あるいは核を作っていくという政策を空港、港湾政策両面においてやっていきたいと思っておりますけれども、特に空港においても造ったものについては徹底的に利活用していくということが私は大事なことだと思います。考え方は特に羽田と成田の内際分離は撤廃をするということで、羽田の24時間国際拠点空港化というのをやってまいりますけれども、ただハブを造ればいいという問題ではなくて、これからやはりポイントトゥポイントの飛行というものが大変重要になってまいります。その意味においては今御指摘のあったようなLCCというものを日本の航空会社でも導入されるところがあると伺っておりますし、ヨーロッパ等では2割から3割くらいがLCCによって占められていて、その比率は今後高まっていくだろうと言われております。したがいまして、造った空港を徹底的に利活用する、そして我々が目指す3,000万人のインバウンドというものを達成するためにも、徹底的にこの空港を利用していただく中で日本の航空業界のLCC参入というものもしっかり後押しをしていくような施策を公租公課の見直し等も含めて行っていかなくてはいけないと思っております。
(問)菅政権が成立して、各社の世論調査が若干10ポイントほど下がってきていますけれども、それは菅総理が打ち出した消費税がそれに影響しているのではないかという見方もありますが、これについての大臣の御見解と、それから明日沖縄に菅内閣になって初めて総理と行かれますけれども、こうした時期、改めて菅内閣として、また沖縄・北方対策担当大臣としてどのようなメッセージを沖縄に持って行きたいのか教えてください。
(答)今日の閣僚懇談会でも私から消費税についてお話をいたしましたけれども、私はやはり二つのことが大事だと。総理は覚悟を持って日本の現在の財政状況、長期債務、国と地方合わせてGDPの1.8倍にも及ぶ長期債務を抱えている現状において、しっかりとした社会保障なり、あるいは他の施策を遂行していくためには、今の歳出歳入構造というものを一体的に見直していかなければいけない、その中において税制の抜本改革というものは避けて通れない状況になってきていると。あえて選挙の前に総理がおっしゃったということについては、やはり閣僚としてはしっかりと菅総理を支えて、一致協力してぶれずにそれを国民とともに議論をしていく環境を整備していくことが大事だということであります。二つ目は、菅さんがおっしゃったことは、今年度中に改革の中身を決めていくということであって、参議院選挙で我々が仮に勝たせていただければ、お墨付きをいただいたということで、中身について国民に諮ることなくやるということではございません。しっかり議論をした上で、そして次の総選挙でその中身について信を問うた上で国民の御判断を仰ぐと、こういうことでございますので、そういう意味においては何か我々のメッセージというものがしっかりと届いていない面もあるかもしれませんけれども、あくまでもこの鳩山政権から続いた4年以内で上げるということではないと。そして消費税を含めた抜本的な税制改革について、菅政権としてしっかりと議論してまとめていくと。そしてまとめたものについては、実施をする前に国民に対して解散総選挙という形で信を問うと。これが我々の一致した考え方でありますし、また蓮舫さんからも発言がありましたけれども、徹底的に無駄を削るということを大前提としてやっていかなければいけないと、これが私が先ほど申し上げた歳出歳入の一体的な改革でございますので、無駄を削る、天下りを無くし、公益法人等の事業仕分けをしっかり行っていく中で、歳出歳入の一体的な見直しを不断に行っていくということを、これは前提としているということでございます。それから明日、菅内閣になってから初めて、私も総理とともに沖縄に訪問させていただきますが、明日は全戦没者追悼式に参列をさせていただくということでございます。先般、仲井眞知事から口蹄疫の問題で御要望がございまして、農水省含めて今調整をしているところについては回答を申し上げるわけでございますけれども、基本的に明日は日本で最大の地上戦が行われて、多くの一般市民の方々も含めて亡くなられて、御苦労された沖縄の御霊に心から敬意を表し、そして慰霊をさせていただくというのが趣旨でございますので、そういった気持ちで明日は沖縄に行かせていただきたいと思います。
(問)閣僚懇談会では、総理その他の閣僚からの御発言はどういったものがあったのかということと、今4年以内で消費税を上げるということではないとおっしゃいましたけれども、解散総選挙の前倒しということは今視野に入っていないということなんでしょうか。
(答)4年以内というのは、我々に与えられた任期がマックス4年ということを申し上げただけであって、解散総選挙をいつやるかということは内閣総理大臣がお決めになることでございます。閣僚からは、国民新党の自見大臣も含めて、総理の発言についてしっかりサポートしていくと、こういった発言が相次ぎまして、総理の発言等について否定的な発言は一人もございませんでした。
(問)総理御自身からは。
(答)最後に、皆さん方のお気持ちはありがたいと。ぶれずにしっかりと信念を持って消費税についても発信をしていきたいと、こういったお話がございました。
(問)今日発表した政策集の中に、JRの三島会社と貨物の経営基盤強化の必要性に触れてありますが、これについては予算要求の段階で具体的にどのようなことを検討されているのでしょうか。
(答)これから概算要求の中身については詰めていくことになると思いますけれども、ご承知のとおり、三島、貨物についてはまだ国鉄改革が未完だと我々は思っておりまして、そういう意味では基盤強化であるとか、在り方について、今しっかりと議論を進めているところでございますので、それに見合った形での政策要求、予算要求というものをしっかりやっていきたいと考えております。
(問)高速道路の無料化についてですが、今月28日から実験が始まると思いますが、来年度分については2か月後の概算要求で要求することになると思いますが、実験期間をこの2か月ぐらいで8月の予算要求で反映していくのかどうか、それとももう少し先まで実験を見ていくのかお考えをお願いします。
(答)社会実験を行った上で、どのような最終形にしていくのかということについては、その社会実験の結果を踏まえたものにしていくことになろうと思いますけれども、ただ他方で、概算要求の時期が迫ってきておりまして、平成22年度においては1,000億円の予算というものを我々は使って社会実験をやっているわけでございます。私が菅総理大臣から国土交通大臣の再任をいただいた時に渡された指示書については、社会実験を通じて段階的な原則無料化というものを実現をすると。その時には、他の総合交通体系にも配慮をしてといった指示書が手渡されたわけでございますけれども、この原則無料化ということについては、首都高速道路、阪神高速道路は除外をしているわけでありますが、そのポイントは交通量の多いところで無料化をすれば、むしろ渋滞がよりひどくなって、そして円滑な物流を阻害をするということで、むしろ経済にも環境にもマイナスの効果が出てくるということでございます。そういう意味では、大都市近辺の主要幹線においては、料金を頂くということになろうかと思いますけれども、他方で、段階的に進めていくということになれば、私は今回1,626キロメートル、宮崎の今の工事区間が供用されれば1,652キロメートルになるわけでございますけれども、それともう無料で供用しているものが1割あって、3割がこの6月28日からは無料になるわけでございますけれども、段階的に進めるということであれば、当然ながら、更に無料化区間は来年度要求は増やしていくということが当然だと思いますので、私は1,000億円を上回る額の概算要求をして、そして、無料化区間について来年社会実験になるのか、あるいは最終形になるのか、それについての判断はまだいたしておりませんけれども、今年以上の概算要求をしていきたいと考えております。
(問)整備新幹線についてですが、昨日札幌で講演された中で並行在来線の経営について、国が何かバックアップできないか、JRとの協力も含めてできないかというお話をされたようですが、それはどういうことを想定されているのですか。
(答)これは今、検討チームを作っておりまして、具体的に議論をしておりますけれども、今までは並行在来線というのはJRは全くタッチしないと。そして、地域の3セクとして自治体が経営をするということでありましたけれども、現状においてはこの3セクの経営について相当御苦労をされているということで、何らかの支援措置ということを当該自治体の知事さん達から御要望を受けているところでございまして、そういうものを踏まえるとJR各社が全て並行在来線は自治体に任せるということではなくて、何らかの形で、この何らかの形ということについては今議論をしているところでありますけれども、関与できるかできないかという可能性も含めて、中身を今、議論させていたただいているということでございます。
(問)今日発表の政策集の金融メカニズムの中で、インフラファンドとODAの活用について触れられています。先日、ベトナムの国会で高速鉄道に関して否決されましたけれども、大臣も御懸念されていたように財政の不安に関してということでしたが、今回の政策集というのはますます重要になってくると思いますが、大臣の今回の否決に対する御見解をお願いします。
(答)これからインフラを海外に展開をしていくためには、このお金というものをどのように考えていくかということは大変重要なポイントになろうかと思います。1つには、ODA、政府開発援助というものの活用があろうかと思いますし、またJBIC等の活用というものもあろうかと思います。また他方、今回の政策集にも盛り込ませていただきましたし、政府全体の新成長戦略にも書かれておりますけれども、新たなインフラファンドのようなものをしっかり作っていくということで、後押しをしっかりしていかなくてはいけないと思っております。今回のベトナムの件につきましては、政府が日本式の新幹線方式を導入するということを決定をされていたわけでありますが、それを国会に諮ったところ、国会においては賛成も反対も過半数を上回らなかったということで、決まらなかったという認識をしているところでございます。また、国会に諮られた時の前提として、日本の新幹線方式という前提で諮られたわけではないというふうに私は伺っております。いずれにいたしましても、私がベトナムに行きました時にも申し上げたのは、ODAを供与するということになればハノイ~ビン、それからホーチミン~ニャチャン、これについてのフィージビリスタディ、2020年までというのはなかなか難しいですよということを私がゴールデンウィークに行った時も申し上げました。したがって、この二区間を2020年にこだわられるのであればもう少し短くする、あるいは二区間の地点をこれにこだわられるのであれば2020年というものを少し先送りをして、もう少し長い期間で実施をするとか、そういった柔軟性を持たないとなかなか難しいですよということは申し上げましたし、先日ベトナムのドゥック交通運輸副大臣が来られた時には、この二区間の短縮ということも視野に考えるということを言及されていたところでございます。いずれにいたしましても、我々としては日本の新幹線方式が導入されることを期待しておりますし、これからもベトナム政府との信頼関係の下で、JICAがフィージビリスタディを行いますので、この区間の短縮、そして2020年というものを更に先延ばしをして、実現可能な案をベトナムと作ってベトナム国会の了解を得られるように、ベトナム政府と協力をして日本式の新幹線導入というものを実現に向けて、今後も努力をしていきたいと、このように考えております。

(以上)

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