前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月8日

(平成22年6月8日(火) 22:10~23:06  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 お疲れ様です。菅内閣の下で、国土交通大臣、沖縄・北方対策担当の内閣府特命担当大臣及び宇宙開発担当大臣を拝命いたしました前原でございます。改めてまたよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答

(問)引き続きよろしくお願いいたします。では幹事からまず伺います。菅内閣の国土交通大臣に就任されたことについて抱負をお願いしたいんですが、併せて今日菅総理の方からは具体的にどのような指示を受けられたのかということと併せてお願いします。
(答)それではまず菅総理からどういう仕事をということでおっしゃったことについて、まず文を読ませていただきます。1つ目が高速道路を段階的に原則無料化し、地域の活性化、流通コストの引下げを推進する。地域住民の移動手段を確保し、環境問題に対応するため、公共交通を含め総合交通体系の確立に取り組む。2番目、時代に合わない国の大型直轄事業を全面的に見直すとともに、今後、国が行う事業については、費用や効果を厳格に検証した上で、進める。3番目、地方公共団体や地域住民が主役となった観光地域振興策の支援や訪日外国人観光客の増加など、観光立国の実現を総合的に推進する。その際、我が国の成長戦略の策定、実行に当たり、積極的に貢献する。4番目、基地問題による沖縄県民の負担の軽減を常に念頭に置きながら、沖縄の魅力や特性を最大限に活かし、沖縄の自立と発展を支援する。5番目、北方領土問題の解決に向けて、取り組む。6番目、日本航空の再建に取り組む。また、航空輸送の安定と安全の確保や、航空産業の発展に積極的に取り組む。そして、最後に、海洋政策及び宇宙開発を担当させると。こういうことで指示を頂きました。ちなみに、鳩山政権の時とどこがどう違うのかということでございますが、鳩山政権のときは改めて読ませていただきますと、1番目が、高速道路を段階的に無料化し、地域の活性化、流通コストの引下げを推進するということで、違いはですね、「段階的に無料化し」が鳩山内閣でございましたけれども、菅内閣の下では、「段階的に原則無料化し」ということで、「原則」という文字が入ったということと、併せて、「地域住民の移動手段を確保し、環境問題に対応するため、公共交通を含め総合交通体系の確立に取り組む。」という視点が新たに菅内閣では加えられたということでございます。そして、鳩山総理のときは、2番目には、「行政刷新会議において策定する方針に基づき、時代に合わない大型直轄事業を全面的に見直すとともに、今後国が行う事業については、費用や効果を厳格に検証した上で進める。」ということでありまして、「行政刷新会議において策定する方針に基づき」というものがなくなっているということでございますが、これは8か月半の今までの実績といいますか、行ってきたことによって、このような文言が外されているのではないかと思います。それから、鳩山内閣の下での3番目は、「地域の魅力を活かし、地方公共団体や地域住民が主役となった観光政策を支援するなど、観光立国の実現を総合的に推進する」と、こういうことでありましたけれども、かなり具体的に指示がおりてきております。つまりは、「観光政策を支援する」だったのを、「観光地域振興策の支援や訪日外国人観光客の増加など」という今まで我々が取り組んできたことについて、具体的な指示がなされているということで、今までやってきたことを更に進めるということと、そしてこの観光立国というものが菅内閣においては、我が国の成長戦略の策定、実行に当たり積極的に貢献するということで、観光立国というものが地域振興、日本の経済の振興にプラスになると、そういった観点での指示が具体的になされているということでございます。それから、鳩山政権のときは私防災担当もしておりましたので、4番目の防災は省かせていただきます。5番目が、「沖縄の魅力や特性を最大限に活かし、沖縄の自立と発展を支援する。」であったのが、やはり普天間の問題で沖縄の皆さんに御迷惑をおかけしておりますので、「基地問題による沖縄県民の負担の軽減を常に念頭に置きながら」ということが加わっております。北方領土の問題については同じ書きぶりでございますが、新たに今回8か月半で取り組んでまいりました日本航空の問題が追加をされていると。ただ日本航空の問題だけではなくて、航空産業全般の問題として、航空産業の発展に積極的に取り組むと、こういった視点がなされているわけでございます。抱負でございますけれども、今日皆さん方に8か月半何をしてきたのかということをお配りをしておりますので、それを御覧いただきたいと思いますが、まず今日思い起こしながら、これを作ったわけでありますけれども、初めて閣僚になったときにはまず補正予算の凍結でございました。2兆3,300億円のうち、国土交通省が執行停止、返納したのは、約40%の9,200億であったと。これが1つの大きなポイントでございました。この財源によって補正予算というものを作るということになりました。また凍結をした事業で平成22年度の予算では復活をしたものもありますけれども、これはよく申し上げているように、合併施行、薄皮饅頭方式という責任の所在が不明確なやり方は、民主党政権、連立政権では採らないということで、施行主体、施行方法の見直しを行うことによって、国幹会議で決まったものについては22年度の予算には入れたと、こういうことでございます。そして、大きな柱として、予算の縮減と同時に成長戦略ということで、10月には成長戦略を5分野で立ち上げまして、5月17日に報告書をまとめていただきました。ちなみに、昨日はまだ職務執行内閣ではございましたけれども、第1回の国土交通省成長戦略推進会議を立ち上げまして、私が議長になりまして、この5つの分野をしっかりと実行していくということで、全省庁挙げて取り組むという体制を作りまして、今その具体化、スケジュール、工程表というものを落とし込んでおりまして、また総政局を中心に2010年の国土交通省の政策というものに、しっかりとこの成長戦略会議で出されたものを落とし込んでいくと、こういった作業を推進会議で昨日指示をしたところでございます。それから次に、交通基本法の制定と関連施策の充実ということで、私がいつも申し上げているように、人口減少、少子高齢化、莫大な財政赤字、この3つの制約要因の中で、過疎がどんどん進んでいく、高齢化も進んでいく、移動の権利、また環境というものを考えたときにはこの全体の総合交通体系をどうしていくのかということが必要だということで、この交通基本法の法案の策定に取り組んでまいりまして、大方中間の取りまとめまではなされたわけでございますので、これをしっかりとこれから推進していくということも考えられるわけであります。そして次に、「コンクリートから人へ」という考え方に基づきまして、国土交通省では15.3%の公共事業費の削減をいたしました。これは政府全体として予算の使い道を変えるということで、我々の公共事業費というものを削減したわけでございますけれども、しかし真に必要なものについてはしっかりやっていくと同時に、これから税金や借金のみに頼りきらないという意味で、PPP/PFIというものを大々的に取り入れて行っていくということで、秋の臨時国会なのか、平成23年の通常国会なのかわかりませんが、PFI法の改正というものは出させていただくということで、これは内閣府と今共同して作業を進めているところでございます。それから経済成長というものを行っていくということで、日本の建設業界、あるいは鉄道を含めて、日本のインフラ、あるいは交通手段というものを海外に展開をしていくということで、具体的な取組を始めております。アメリカ、それからベトナム、ベトナムでは日本式の新幹線というものの採択が決まっているわけでございますし、また高速道路、あるいはこれから最も力を入れていきたい分野の1つとしては、水ビジネス、国土交通省としては下水道、こういったインフラというものを外に展開をしていくということを、具体的に今取りまとめをしているわけであります。ベトナムでは一部の地域で日本の下水道を採用するということになりました。また、この海外水インフラPPP協議会というものを設立をいたしましたので、官民一体となって、これから日本の水ビジネス、下水道の仕組みというものを徹底的に海外に展開をしていくということを具体的にやり始めていきたいと、このように思っているわけであります。また、私の発案でJBICの政令改正というものも行いましたし、またそれをベースに高速鉄道あるいは車両というものを海外にしっかりと売り込んでいくということも引き続きアメリカのみならず世界にしっかりとやっていきたいと考えております。それから入札契約制度の改革推進でございますが、ここにも書いてございますように、私が大臣に就任してから指示をしまして変わったことは、ペーパーカンパニーや、あるいは民事再生法を受けた企業が経審の点数が高くなって、結果的に仕事がとれるというのは極めてアンフェアだと、こういったことを問題意識として野党時代から持っておりまして、そしてこれの改善の指示をいたしまして、この改善はもう既に整っているところでございます。入札契約というのは不断の改革が必要でございますので、総合評価方式の更なる透明化というものも指示をしているところでございますので、不断の改革を加えていきたいと。この8か月半でペーパーカンパニーや、あるいはこの再生企業に対するアンフェアな仕組みというものを改善をしたわけでありますので、更に必要なものについては変えていくと。そして、入札ボンドの拡大というものも行ってまいりました。入札ボンドというのは、いわゆるボンド会社に入札の際の評価をさせるという意味で、より第三者が客観的な評価をさせるための入札ボンドというのを拡大をしていくということもこれから考えていかなければいけないのではないかということでございます。それから、大きな柱としては、八ッ場ダム、川辺川ダムの中止というものを宣言をして、そして川辺については流域の市町村に御協力を頂いて、ダムにたよらない治水というものの議論がほぼまとまりつつございますし、最終的には御迷惑をおかけした五木村に対する生活再建というものの仕組みをどのようにしていくのかといったところが残っているわけでございまして、五木村をモデルに生活再建の裏付けとなる法律を作るということで、内部でその作業を今進めているところでございます。八ッ場につきましては、再検証の中に入れてはございますけれども、中止の方向性を打ち出して、予断ない再検証をしているわけでありますが、そのバックグランドになるのが河川の有識者会議、中川会議でございますけれども、これについてもかなり議論が最終場になってまいりまして、新たな評価軸を作ってもらうと。なぜできるだけダムに頼らないということは先ほど申し上げたように、今までのような総花的な公共事業、あるいは3つの制約要件がないときの公共事業とはもう時代が違っているんだということで、この河川についても評価軸を変えていくという意味で専門家に集まっていただいて、有識者会議を作ったわけでありますけれども、これについての取りまとめがほぼ最終段階にきておりますので、これを物差しとして今本体工事前のダムについては全て凍結をしているわけでございまして、それぞれの河川流域の新たな評価軸に合わせての判断をしていくということが今後の大きな二期目の私の仕事になってくるのではないかと、このように考えているところでございます。それから、高速道路の段階的な原則無料化ということでございますけれども、これにつきましては今のところ予定として、6月末から1,626キロメートル、約20%の無料化を社会実験としてやらせていただくという予定でおります。来年3月まででございます。上限制も含めて国会で今審議をしていただいておりますので、これもどうなるかということも踏まえながら第二期においては、高速道路の料金の在り方、整備の在り方というものもしっかりとまとめたいと、こういう思いを強く持っているところでございます。それから、住宅関係でございますけれども、これも私が大臣になった直後に指示をいたしまして、後でJALの話をいたしますけれども、景気の二番底というものが心配をされておりました。経済官庁として住宅というものは極めて重要だということで、住宅版のエコポイント、それからフラット35の金利の引下げ、それから500万円だった生前贈与の非課税枠、贈与税の非課税枠を1,500万円に拡大をするということをやりましたし、また専門家の方々に御議論をいただき、またPIを行っていく中で6月の頭から建築基準法の運用の改善を行っております。提出書類の簡素化、そして確認期間の短縮、こういったものが6月からはなされているわけでございまして、業者の方々にとってもかなり大きなプラスになっていくのではないかと思っております。ちなみに、景気が回復をしているという面もございますけれども、こういった様々な政策効果によりまして平成22年4月の住宅着工戸数は、前年同月比0.6%増ということで17か月ぶりにプラスに転じたということでございますし、中でも分譲マンションは前年同月比35.8%増と1年4か月ぶりに増加をしていると、こういうことでございます。こういった視点というものは、これに安住することなく今私が指示をしておりますのは、リフォーム市場、それから医住近接、医住近接というのは要は病院とか社会福祉施設ですね、そしていわゆる環境対策、この環境対策をいうのは何かと言うと住宅版エコポイントは更に拡充をするということで、これは経済産業省、環境省と協力をしながら今進めておりますし、また4点目といたしましては耐震、これは何らかの更なる税制措置も含めて概算要求までに成案を得ていかなくてはいけないというふうに思っております。そういう意味では、リフォーム、それから医住近接、そして環境対策としての住宅版エコポイントの拡充、そして耐震ということで、更なる住宅政策の後押しをしてこの経済の柱としての住宅政策というものをしっかりと今後も更に軌道に乗るように努力をしていきたいと、このように考えております。中央新幹線の整備につきましては、これは交通政策審議会に2月に諮問をいたしましたので、粛々とこの議論は進めていただくと。ポイントになるのは、財源の議論も含めてでありますけれども、未着工の整備新幹線をどうしていくかということは二期目の私の責任として議論をして決めていきたいと。その際の基準というものは、B/C、これをしっかりやるということと並行在来線の問題、あるいは地域負担含めての負担の問題、こういったものもしっかりと併せて二期目の私の任期の中で、この未着工についてどうするかという判断を下していきたいと、このように考えているところであります。それから、日本の鉄道システムの海外輸出というものは先ほど申し上げたとおりでありまして、更なるトップセールスをこれからも続けてまいりたいと考えております。JR不採用問題の対応というのは、もう和解をしまして鉄道運輸機構にも指示をいたしましたので、これも粛々と進んでいくのではないかと思っております。港の関係につきましては、今大きく3つのことを進めております。1つは、国際コンテナ戦略港湾の選定を今行っておりますし、またこれは6月中に決定をすると。公表の時期については、また政務三役で相談をしたいと思いますが、できれば6月中に決定をしたいと、このように考えているわけでございますけれども、それとオーバーラップをして今度は国際バルク戦略港湾というものの選定にも公募を今始めたところでございまして、今までの自民党政治の総花的な港湾整備というものを「選択と集中」に変えていくということをしっかりとやっていきたいと思っております。それと同時に、重要港湾、この103港を40程度に絞り込むという作業も本格化をさせているところでございまして、相当程度絞り込みが進んでいるところでございます。これも私の二期目の段階でしっかりと皆さん方に公表させていただくことになろうかと思います。航空関係でございますけれども、8か月半の中で大きな仕事の1つが日本航空の問題だったと思います。これについては、まだまだ評価が定まるものではございませんけれども、問題をずっと先送りをして、そして経営実態というものについても詳しく関与しなかったものについて自らタスクフォースを作って資産査定をしっかり行って、タスクフォースに再建計画を作ってもらって、その報告書の中にまとめられていた企業再生支援機構を使い、企業再生支援機構が1月19日に支援決定を行うと。そして今、その会社更生法の適用ということで更生計画をまとめられている段階でございますので、これをしっかりと我々はチェックしていくということを行っていくということ。これを私は、いろいろな評価がありますけれども、今まで先送りをしてきた自民党の議員でさえ質問で火元責任は我々にあると言っているものを、ボヤと言うか火事になっていたものを消して、そして再生に乗り込んでいるということで、私はこれをしっかりと着実に行っていくことが、そしてテイクオフにもっていくことが二期目の私の大きな役割だろうと思っておりますし、また今日菅総理大臣からも御指示があったようにJALの再生と同時に航空産業全体をどのように発展をさせていくのかということも大事でございます。そのために、我々としては空港整備勘定の見直しとか、またそれに起因をする関空と伊丹の一体運用の中でのコンセッション方式の採用、そして天下りと言われていた空港環境整備協会というものを抜本的に見直して、まずは駐車場は切り離して空港ターミナルと一体になって運営をさせるという仕組みに変えていく、こういったことを一期目に判断をしたわけでございますので、それを着実に実行していくということが二期目の私の大事なポイントであり、そのことがJALのみならず日本の航空会社の足腰を強くしていくと。特に、公租公課というものが極めて高いと言われております。これの負担軽減をすることによって、日本の航空産業の後押しをしていくということもしっかりとやらせていただきたいと思います。同時に、オープンスカイというものを徹底的にやっていくということで、昨年末には日米オープンスカイ協定というものを結実をいたしましたので、これをしっかりやっていくということになろうかと思います。そして、これは自民党政権の私は大きな評価されるべき点だと思いますが、4本目の滑走路を造ってくれていたと。それが今年の10月に供用開始になりますので、これを機に内際分離の政策をやめるということを宣言をして、それの準備を着々と進めているわけでございますので、内際分離を外し羽田の24時間国際拠点空港化を行っていくと。今30.3万回の離発着回数を最終形は44.7万回まで増えていく、つまりは14.4万回増えるわけでありますが、9万回以上を国際線に振り分けるという作業を着実に行っていきたいと。そして名実ともに羽田の24時間国際拠点空港化を進めていきたいと思っております。同時に、今22万回の成田を地域の皆さん方にも御協力をいただいて、30万回までにしていくという作業の中で成田と羽田が一体化した首都圏空港というものの枠が、スロットが空くということで名実ともにオープンスカイというものができるというふうに思っておりますので、これをしっかり行っていきたいと、このように考えております。また、私の二期目では恐らくここまでになろうかと思いますけれども、関空の伊丹の持株会社化をやると。法改正が必要でございますのでそれをしっかりとやって完成をさせると。そしてできれば、そのコンセッション方式のいわゆる相手先を探すということもしっかりとやっていきたいと考えております。ただこれは、あまり焦らずに私はやっていかなくてはいけないと思っております。コンセッションになぜしたのかと、完全民営化ではなくてコンセッションにしたのは、地べたは国が持っておくと。そのいわゆる利用権については売却をいたしますけれども、やはり国のインフラでございまして、これは契約も含めてどういった資金が入ってくるかということはちゃんとチェックをしなくてはなりません。お金に色は付いておりませんので、このチェックというのは極めて大事だと私は思っておりますが、いずれにしてもそれは行動規範というものをしっかりと定める中で日本のインフラというものをしっかりと国が関与する形で、しかし運用については自由な民間会社の経営に任せていくということで、着実な関空の1兆1千億円の負債の軽減というものをしっかりと行っていきたいと考えております。最後に観光でございますけれども、これも経済の点で力を入れてきたところでございます。3つの柱があると常に申し上げておりますが、インバウンドを増やすということ、今年が1千万、そして将来的には3千万ということでございまして、プロモーションを活性化させる。ジャニーズ事務所の嵐にも観光立国ナビゲーターになってもらいました。今、プロモーションビデオを作っているところでございますしロゴマークも変えるということで、今、徹底したアピールをしていく準備をしておりますし、また中国、韓国、台湾、そして香港、こういった所を第一段階の重要なマーケットとしてプロモーションを行っていくということでございまして、特に中国では7月から、先般岡田外務大臣から御発表いただきましたけれども、ビザの発給要件の緩和というものを観光立国推進本部で決めていただきましたので、これをしっかりとやっていくということによって、相当程度インバウンドが増えてくるのではないかと思っておりますし、また台湾の血が入っている蓮舫さんも大臣になっていただきましたので、蓮舫さんにも行政刷新だけではなくて観光立国、日本の経済活性化のためにも一役にも二役も買ってもらって、アジアのインバウンドというものをしっかり増やしていく努力をしていきたいと、このように考えております。ちなみに、これも先ほどの住宅と同じで、景気回復というのは全体がございますけれども、今のところ昨年と比べまして4月までは全体のインバウンドは前年度比で約25%増になっております。しかも中国に限って申し上げれば41.3%増ということで、マーケティング戦略というものをこれからも更に進めていくことによって数字をしっかりと上げていきたいと、このように考えております。それから、休暇の分散化ですね。ゴールデンウィーク、シルバーウィーク、これはいよいよ二期目の大きな仕事になってくると思います。これは、玄葉政調会長とも十分に相談をし、枝野幹事長とも十分に相談をしながら国民全体の理解が得られる形でまずは実験をこなしていただくということで進めてまいりたいと考えております。また、他省庁連携については様々なツーリズムというものを観光庁で今取り組んでいただいているわけでございますけれども、特に私が力を入れたいと思っておりますのはメディカルツーリズムであります。やはり高齢化が進んでいく中で、日本の医療というものは産業としても私は成長分野であると思っております。他国は我が国に先駆けてメディカルツーリズムをいろいろやってきている国はたくさんございますけれども、それをまずは他の国に追いつけ追い越せという形でしっかりやっていくということで、この8か月半の間にやってきたこと、あるいは仕込んだこと、これを着実に実行していく、有言実行の二期目にしていくということで頑張っていきたいと、このように考えております。以上です。
(問)高速道路の問題ですが、枝野幹事長が昨日テレビの番組の中で一度整備をしてどういう方向に進めるか検討する必要があるとおっしゃいました。大臣としては、今、国会で審議中の法案、並びに4月に発表された新料金案について見直す考えというのはあるのでしょうか。
(答)現時点においてはありません。今、国会に閣議決定をされたものを出しているわけです。しかも、衆議院の本会議で趣旨説明をして質疑までしていると、しかも、党からいろいろ言われましたけれども、最終的には鳩山総理大臣との間で見直しはしない、国権の最高機関である国会で議論してもらって、その結果を踏まえて国土交通省として総合的に判断をするとその姿勢には全く変わりはありません。
(問)先ほどおっしゃっていた川辺川ダムの五木村の生活再建法案ですが、これは来年の通常国会に出すことを想定されているのでしょうか。
(答)自民党政治の公共事業というのは一度始めたら止まらない、止まらないので止めたときを前提にした生活再建の仕組みがない、これがまた逆説的に言えば、止まらない理由でもあったわけです。一度やり始めたら止まらないと、したがって、我々は止めるということを決心をしたわけであります。繰り返しになりますけれども、当該自治体の皆さん方には私は大変御迷惑をかけていると思っておりますが、その方々の御迷惑をかけているというそういった申し訳ない気持ちをしっかりと形にしていくことが大事だと思っておりますので、新たな評価軸を作ると同時にこの生活再建の法案の中身も今詰めておりまして、これは来年の通常国会には出さなくてはいけない法案だと考えております。
(問)それは五木村に限らず、今後、新たにダムに頼らない八ッ場ダムとか、そういった選択肢も出てくるのでしょうか。
(答)地域を限定した法案ではございません。ただ、一番初めに地域の方々に御同意をいただいてモデルケースになるのが五木村、川辺川ダムだと考えておりますので、五木村を1つのモデルケースとして法案を作成をしていきたいと、このように考えております。
(問)鳩山前首相も菅首相もクリーンな民主党を作ると強調していますが、民主党がお金にクリーンであるためには何が大切だとお考えでしょうか。あと2問あるのですが、小沢前幹事長は自らの政治資金を巡る疑惑について、説明責任を果たしていないと指摘されていますが、政治倫理審査会の出席や野党が求めている証人喚問には、民主党、あるいは小沢前幹事長はどのように対応すべきとお考えでしょうか。最後に、幹事長を退いても党内で最大勢力を持っている小沢前幹事長と、大臣はどのような距離感を持っていかれるのでしょうか。
(答)お金にクリーンというのは、企業団体献金の禁止ということがよく言われるのですが、しかし今回問題になったことは、企業団体献金の禁止という法律の枠の外の話なんですよね。結果として私は問題のすり替えになっていると思うのです。もちろん、企業団体献金を廃止するということは、衆議院選挙のマニフェストに入れておりますので、私は賛成でありますし、やっていかなくてはいけないと思っておりますが、法律でいくら厳しくしても政治家がそれに反することをする、あるいは隠れて抜け穴を作るということがよくないことであるわけでありまして、そこは最終的に一人一人の政治家の姿勢、そしてお金に対する考え方、これが問われているのであろうというふうに思っております。それから、小沢前幹事長の問題でありますけれども、御本人も政治倫理審査会に出ることはやぶさかでないと、説明責任を果たすことについては前向きなお話をされていたやに私は記憶をしておりますので、幹事長を退かれても説明責任を果たすということで、政治倫理審査会にお出になって自らの主張を堂々とされるべきではないかと思います。あと距離感の話がございましたけれども、距離とかそういうものは考えたことはありません。同じ民主党で政権交代を実現して、自民党で出来なかった政治を一致団結して全員野球でやっていくということでございますので、そんな距離感とかいうことの方が私はおかしな話だろうと、こう思っております。
(問)高速道路の無料化についてお伺いしたいのですが、冒頭、今回、菅首相からの指示では「原則」という言葉が付け加わったということがありました。これの意味することの受け止めと、もう1点、今回6月下旬から始まる無料化は、料金収入ベースで言うと全体の5%程度ですが、その後、段階的に進めるとしたら財源を確保しないといけないのですが、それはどのようにお考えでしょうか。
(答)「原則」が入ったというのは、私が繰り返し国会で「原則」ということを言っていたことを踏まえて、おっしゃっていただいたと思いますし、私が作り上げた言葉ではありません。これは昨年の衆議院のマニフェストに原則無料化と書いてあるから、私は「原則」という言葉を使っていたわけで、鳩山政権の申し渡し書には、「原則」が抜けていたのが入ったに過ぎないと思っております。もう少し丁寧に御説明をいたしますと、原則無料化というのは、元々、首都高速、阪神高速は料金は頂きます、有料で続けさせていただきますということを申し上げてきたわけです。これの背景にあるのが、交通量の多いところを無料にするとより混んで、むしろ高速道路の意味を成さないということが、この「原則」に入っている、だから首都高速、阪神高速は除外をさせていただいたと、そうであれば他の高速道路も大都市近辺で無料化をすればむしろ混むようなところ、渋滞が起きて高速道路の意味がむしろ低減をしたり、相殺をされてしまうようなところについては、これはロードプライシングの考え方で有料にするということも我々は考えていかなくてはいけない。それを試すために社会実験として、今回少ない金額、少ない路線かもしれません、しかし、20%の路線でそれをやっていくということでございますので、社会実験を積み重ねながら最終形を決めていきたいと思っておりますし、先ほども認証式のときに、仙谷官房長官、あるいは玄葉政調会長とも、これについては是非政調が復活したわけでありますので、政府と党が一体となってしっかりと最終形を連携して決めていこうと、こういう話をしたところでございます。
(問) 今回、菅総理は自らの内閣について、奇兵隊内閣というふうにおっしゃっておりますけれど、仙谷さんや枝野さんなど大臣と親しい方が非常に入っているこの内閣を、大臣としてはどのように評価していらっしゃるのか、また、そういった重要閣僚と同じグループに所属する閣僚として、今回の菅内閣ではどのような役割を果たしていきたいのかということをお伺いしたのと、菅総理も先ほどの会見で沖縄の負担軽減ということに非常に配慮したことをおっしゃっておりますけれども、沖縄担当大臣として普天間の問題を、菅内閣としては、鳩山内閣の反省を踏まえてどのように推し進めていくべきだとお考えでしょうか。
(答)まず、1点目、2点目は併せてお答えをしたいと思います。私、今回、皇居での認証式2度目出させていただきました。1度目というのは、政権交代直後で初めての大臣にならせていただいたという高揚感がございましたけれども、今回は全く違う気持ちでありまして、例えば、おめでとうございますと言われても、その言葉は私にはピンとこない言葉であります。つまりは、鳩山政権の一閣僚として総理を支えきれなかったということもございますし、また、今回支持率が上がっているということは、これは結構なことでありますけれども、私はやはり今回うまくやらないと政権交代というチャンスを頂いた国民の皆さん方に顔向けができないと、そういう思いでおります。そういう意味においては、有言実行内閣、これが私のこの内閣に課せられた使命だと思います。つまりは政権交代で期待したのだから期待どおりにやってよと、そういう国民の素直な気持ちに応える、そのことが私は大事なのではないかと思っておりますので、とにかく申し上げたことを着実に行っていく、それの一言に尽きるということでございます。もう1つは、沖縄の負担軽減の話でございますが、これも菅総理から役割の紙を頂いたときに、申し渡し書を頂いたときに、どうしますかということについて伺いました。また近々、5閣僚になるのか、何閣僚になるのか分かりませんけれども、沖縄の問題については別個お話をしたいと、相談したいとこういうことでございましたので、まず私はこのタスクフォースか何か分かりませんけれども、これは総理が決められることでありますけれども、しっかりと沖縄にコミットメントするようなチームをもう一度作り直して、責任者も決めてしっかりと取り組むことが大事だと思います。沖縄の皆さま方に、選挙のときには少なくとも県外、できれば国外ということを言って日米合意ではそれができなかったわけであります。それについて、私は徹底的に沖縄の皆さま方にお詫びを申し上げると同時に、当該地域の皆さま方には誠に申し訳ないし、御協力をお願い続けなければいけないわけでありますが、ただ、沖縄全体にとっては着実に負担軽減につながっていく、普天間飛行場の返還も含めて、そういったことを沖縄の皆さん方にしっかりと御理解をいただくことで日米合意を着実に進めていくことが私は大事なことだろうと、このように考えております。
(問)八ッ場ダムについてお伺いします。大臣は冒頭、八ッ場ダムは再検証の中に入れているが中止の方向を打ち出して予断なく検証を進めていくというお話がありましたけれども、そうしますと今後、建設中止の法的手続きをどう進めていくのか、住民の生活再建の仕方、取組についてどのように進めていくかということについて御見解をお願いします。あともう1点、鳩山政権下では18%減という大幅な公共工事の削減が、地域の雇用の受け皿である建設業が疲弊する形になっているという声も上がっているのですが、改めてコンクリートから人へというスローガンについての大臣の御見解をお願いいたします。
(答)まず、八ッ場ダムでございますけれども、八ッ場ダムと川辺川ダムが当初就任直後に中止ということを申し上げたわけでありますけれども、八ッ場ダムと川辺川ダムの大きな違いは、川辺川ダムについては熊本県知事が白紙撤回という御主張をされていて、そして政権交代と歩調が合ったということでございますが、八ッ場ダムについては、流域の首長さん、自治体の皆さん方は推進をということをおっしゃっておられます。そのことを踏まえて、検証対象に乗せたわけでありまして、今は予断なき検証というものを行っていくというお約束をしておりますので、その評価軸が定まった段階でしっかりとお示しをするということが大事なことだと考えております。18%減、これは我々国土交通省では15.3%、農林水産省を入れて18%減ということでありましたけれども、確かに建設業界にとってはこれだけ事業が減るということについては、相当程度の衝撃、あるいは影響があると思います。しかし、今までのように大盤振る舞いを続けていって、イタリアやスペインやポルトガル以上の対GDP比長期債務を抱えていて、いつそれが破裂するか分からないというような状況を野放しにしておいていいのかという問題点の中で、歳出を全面的に見直すということを行ったわけです。言ってみれば私の一期目の最大の仕事内容というのは、この予算の見直しにあるといっても過言ではないかもしれません。これを前原だったらやれるだろうということで、鳩山さんは国土交通大臣に指名をされたんだと思います。しかし、再三、私は国会で答弁しておりますように、予算の使い道を変えたのです。つまりは、地方交付税これは増額をいたしましたし、農業の所得保障、あるいは子育て支援、あるいは高校の無償化、そういった現物支給というものは行われて、地域全体にとっては、お金が違う形で、落ちるような仕組みを作ったわけです。そういう意味においては、私は、もちろん、その建設業から他の産業へ移るための転業支援ということもしっかりと引き続きやっていかなければいけないと思っていますが、今までと同じようにやっていたらこの国はもたないんだという危機感の下で、政権交代を1つの契機として予算の使い道を変えたということでございますので、使い道が変わったことによって、違うお金の流れになったんだということを御理解いただくと同時に転業支援というものをしっかりやる、あるいは、私が進めておりますようなPPP、もしくはスーパーゼネコンなんかはもっと海外で仕事をしてもらうと、そして地域の仕事にまでスーパーゼネコンが顔を出さない、口を突っ込まないような形にしていって、地場の建設業界にしっかりと仕事がいく、そういった棲み分けも今まで再三再四業界団体との会合でも申し上げてきましたし、それも今後進めていきたいと、正に政権交代で改革は着実に進んでいるんですよ。私はこの着実な歩みを進めていくことが二期目の菅政権に課せられたことだと思いますし、国土交通行政を託された私の責務だと思っています。
(問)普天間飛行場の移設の関係ですが、地元の反発があっても日米合意を進めるべきだという内容の扱いが出ていますが、大臣は普天間移設を進めるに当たって地元の合意が必要かということと、先ほどチームという話があったんですが、このチームというのは、普天間移設に限ったことを考えたチームなのか、またそれに例えば地元の関係者を入れることも考えているのか。次に今年度の沖縄関連の予算に沖縄本島の鉄軌道調査を含めた交通体系の見直しのための調査費が盛り込まれていますが、地元沖縄では鉄軌道の導入に期待が高まっていますが、大臣としては将来的には鉄軌道導入について前向きに検討するお考えなのかお聞かせください。
(答)地元の合意を頂くように丁寧にかつ粘り強くお願いをしていくということは、極めて大事なことだと思っています。その意味では沖縄担当大臣として、知事や関係自治体、あるいは議員の皆さん方、あるいは住民の皆さん方としっかりと対話をする中で合意を頂くように努力をしていきたいと考えております。それからチームについては、何らかのタスクフォースのようなものと菅総理はおっしゃっていましたが、作られるのは菅総理ですし、どういった構成メンバーにするかということを決められるのも菅総理御自身がお決めになることだと思います。それから鉄軌道についてですが、3,500万円の調査費をつけさせていただきまして、沖縄県とも相談しながらこの3,500万円の調査費で、しっかりと夢のある議論をしていきたいと考えております。
(問)整備新幹線についてお伺いしますが、先ほどのお話の中で未着工区間の建設に向けた判断ということが二期目の大きな仕事だとおっしゃいました。今の段階で夏をめどに着工の判断をすると今までおっしゃっていたと思いますが、現段階の検討状況についていかがかということと参院選の前になるのか、後になるのか、今留保している90億円の使い道についてはいつ決定されるのかお聞かせください。
(答)夏までにと言いましたか。
(問)夏をめどにということをおっしゃっていました。
(答)今検討をしています。90億円も恐らく私の会見記録や国会での答弁を見ていただければわかりますが、必ずそれを使うとは言っておりません。そういった90億円は用意しているということで、財源も必要ですし、B/Cをきっちりやらなければいけませんし、そして岩手県や青森県の知事からは、並行在来線について何とかしてほしいという要望も頂いているわけです。地方財政の問題も含めてありますし、今回、菅総理から総合的な交通体系ということで、話がございまして、今までいろいろ造り続けてきたわけですね。空港も98ある、港は別としても高速道路もいっぱい造ってきた、鉄道もあると、整備新幹線もあると、こういうようなもので、あれもこれもという発想から国民がいかに脱却できるかといったところが、私は極めて大事な発想だと思っております。必要であればそれを選ぶのであれば、何かを捨てる覚悟が本当にあるのかどうか、それも含めて私は地元の皆さん方とお話をしながら判断をしていきたいと考えております。少なくとも参議院選挙前に判断を下すということはありません。
(問)三日月政務官を副大臣に昇格させた理由と後任に津川さんを充てた理由についてお伺いします。
(答)まだ決まっておりません。
(問)政調との関係について、教えていただきたいのですが、基本的にこれまで政務三役であらゆることを決めていた面が強いと思いますが、政調ができて政策決定というものがどのようになるのか、また、高速道路の混乱の時に確か会見で政調が必要ではないかとおっしゃっていたと思いますが、それができることによりどのような利点があるのか教えていただけますか。
(答)当初は政策は内閣に任せると、党は口出しはしないと、こういう話だったのが、年末の要望とかあるいは今回の料金では党の要望がきたわけですね。従来から政調があって党と政府が正に一体となって政策調整が行われていれば、私はこういうことはなかったと思っておりますし、これから玄葉大臣が政調をどのように形作るかと、いろいろな相談と言いますか中身についての話はしつつありますが、玄葉大臣が決められて、また、政調と内閣の在り方については閣議でも御相談があると思いますので円滑に党と政府が一体として政策を決められるようなメカニズムをしっかり作っていきたいと考えております。

(以上)