前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月4日

(平成22年6月4日(金) 9:43~10:08  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 先ほど、最後の閣議が鳩山政権でございまして、内閣の総辞職の閣議決定に署名をしてまいりました。8か月半という短い間でございましたけれども、皆さん方には大変お世話になりましてありがとうございました。

2.質疑応答

(問)お疲れ様でした。鳩山内閣の国土交通大臣としての8か月半というのを改めて総括していただけますでしょうか。
(答)私が国土交通大臣並びに内閣府特命担当大臣にならせていただいて、まず国土交通大臣でございますが、二つのことをやってまいりました。少子高齢化、人口減少、そして莫大な財政赤字、この三重苦の中で、予算全体の見直しをしなくてはならないし、今までのような総花的な公共事業というのはもうできないし、無理であるという制約要因の中で公共事業の見直しを行わせていただきました。予算の削減と、そして空港については、基本的にはもう新規の空港は造らない。港湾については、選択と集中。そして河川については、新たな評価軸で、できるだけダムに頼らない治水ということでありますし、道路についても無料化の関係ともございますけれども、公共事業費の削減の対象にも当然、道路も入れるということでありますし、鉄道につきましては、整備新幹線については、既着工のものについては粛々と行うけれども、他のものについてはゼロから見直すということをやらせていただきました。あとは、国土交通省というのは、かなりたくさんの独立行政法人、また公益法人がございますが、天下りの問題と、本当に必要な公益法人なのかという見直しを、着手をし始めておりますし、解散を含めて決めていったところも幾つかございます。そういう意味では、国土交通省のいわゆる予算の使い道を抑制し、そして天下りを含めた組織改革というものを行うということを着手をしたのが、一つの大きなポイントでございました。もう一つは、国土交通省というのは、安全を司る役所ではございますけれども、それと同時に経済官庁でございますし、国土交通省所管の経済分野というものについてできるだけ成長させるということで様々な取組をしてまいりました。一番始めに取り組んだのは、予算、税制改革でございましたので、特に住宅について住宅版のエコポイントとか贈与税の非課税枠の拡大であるとか、あるいはフラット35の利率の引下げとか、そういうことをやらせていただきましたし、また10月に成長戦略会議を設けて5分野での様々な御提言を頂く中で、出来るところからはやっていくということで例えば、羽田と成田の内際分離をやめて、羽田の国際24時間拠点空港化を目指していくとか、あるいはインバウンドを増やすための中国へのビザの発給要件の緩和とか、そういった様々な取組を行ってまいりましたし、その仕組みを成長戦略会議の提言によって作ることができたのではないかと思っております。8か月半という短い間でございましたので、方向性は示して着手はし始めたものもございますけれども、さはさりながら、仕組みをいざこれからしっかりと整えていって、そのレールに乗せるという段階での鳩山内閣の総辞職というのは極めて残念でございますし、この方向性をしっかりと継続していただくような方向で、次の新内閣も努力をしていただきたいと思っております。あとは、内閣府特命担当大臣として一番大きな問題として頭に残っておりますのは、沖縄の問題であります。沖縄振興というものがメインの仕事でございますけれども、普天間問題というものが、極めてこの政権に重くのしかかって、結果的に辺野古というところに造らせていただくという日米合意が行われたわけでありまして、これと直接関連付けるわけではございませんけれども、やはり引き続き沖縄の振興、経済発展というものをどのように確保していくのか、これは基地問題とは別個にやっていかなければいけませんし、私は今回の日米合意については、沖縄の皆さん方には失望を買っている。選挙の時には少なくとも県外と言ったのに、結局、普天間飛行場の代替施設が戻ってきたということについて沖縄の皆さん方は失望をされて、また怒っておられるというのは当然、理解をできるところでございますが、この日米合意をしっかりと着実に実行していくことが、ひいては沖縄県民の負担軽減に必ずつながるし、また引き続きそれをやり続けるということが新政権の私は課題ではないかと、このように思っております。沖縄振興計画のレビューをやりつつあるところでの総辞職ということで、これも極めて残念でございますが、いよいよ来年が最終年でございますので、ポスト沖振というものをしっかり作っていくための、特に沖縄の自立的な経済発展というものを担保するための振興計画というものを、新政権にはしっかりと作ってもらわなければいけないと思います。また、宇宙については、これは考え方をまとめることができました。これも先ほどの国土交通省の成長戦略会議と同じでありますけれども、レールを敷くことができましたので、これについてしっかりと取り組んでいくことが大事なことだと思っております。あと、大きな宿題としては、体制の問題、宇宙行政の一元化の問題というのがございますけれども、これは引き続き議論ということになりましたので、新政権の下で体制の問題も含めて、しっかりと取り組んでいくことが大事なことではないかと思っております。いずれにいたしましても、政権交代による様々な施策の転換というものに着手ができたということは、これは自負を持っておりますけれども、これからそれを軌道に乗せていく、あるいは実行に進めていくことが大事なことではないかと思っておりますし、また、国土交通行政では大変大きな問題であったJALの問題、これから更生計画がまとめられる中で、財務三表がそろそろ出される状況で、しっかりそれをチェックして、そして3年以内に着実な再生を図るということをこれからやっていかなければいけないので、これからがJALの再生の正念場だと私は思っておりますので、新内閣ではそういったことをしっかりと引き続き行っていただきたいと、このように考えているところであります。以上です。
(問)国土交通大臣をまだ続けたいというお気持ちはありますか。
(答)新代表が新総理になられて人事については決められることでございますので、私としての個人的な思いはありますが、それを皆さん方に申し上げることはいたしません。これは人事権というのは、新たな代表、総理が決められることでございます。
(問)新しい民主党の代表が決まると、小沢幹事長の後任の幹事長人事というのが一つ焦点になってくるかと思うのですが、大臣としてはどのような人物が幹事長に就くのが望ましいというふうにお考えになりますか。
(答)これは新たな代表がお決めになることでありますし、私は菅さんを応援をするということで、菅さんには私の考え方をお伝えをしてありますが、そういったことや、あるいは様々な方々の意見を包括的に考えられて、これは菅さんがもし新代表になられたらお考えになることでありますので、私から言及することはございません。
(問)総辞職のあとにお聞きするのは大変恐縮なのですが、高速道路会社の人事の件ですが、今日の一部報道で3社の会長、社長人事について、今度の株主総会で退任させて会長職を辞めるというような報道があったのですけれども、事実関係についてお聞かせください。
(答)現段階で調整をしている段階ですので、今、公表する段階ではございません。
(問)菅さんの対抗馬として樽床さんが、大臣と同じ政経塾御出身で出られていますが、樽床さんについての今回出られることに対しての思いについてお聞かせください。
(答)もう二十数年来の付き合いになりますし、人柄、識見、大変素晴らしい方だと思っております。独特のキャラクターで、また非常に人なつこい方でございますので、それだけ人を惹き付ける魅力も持った方ではないかと思っております。
(問)改めてですが、菅さん支持にまわられたお考えで、まずそれはなぜなのかということと、菅さんを支持することでいわゆる小沢さん達のグループの方を抑えることができるとお考えになっているとしたら、それはなぜかということをお聞かせください。
(答)私はこの間の鳩山さんの最後の演説には甚だしく感動いたしました。やはり8か月半で辞めなくてはいけなかった無念というものもございますけれども、政権交代を託されて実現はできなかったけれども夢を追いかけて、それを引き続き、政権交代を託していただいた国民の皆さん方の思いに立ち返って頑張ろうではないかと、その足を引っ張ったのは普天間の問題であり、政治とカネの問題であったと、そこをしっかりとリセットする中で改革は着実に進んでいると、それを進めていける人を選んでもらいたいという話でございました。私は、菅さんは副総理として、また私は菅さんも鳩山さんももう16年余り、初当選からずっと同じ政党会派で活動してきておりますし、この二人のやはり信頼関係というのは極めて強いものがあります。そういう意味では鳩山さんがやり残された思い、そして政権交代の原点というものをしっかりと受け止めてやっていただけるのは、今まで長年鳩山さんと苦楽を共にしてこられた菅さんであり、またそれを引き継ぐという強い思いを持った菅さんだと思ったので、私は応援をしたと、応援をさせていただくということでございまして、それ以上でもそれ以下でもございません。
(問) 小沢さんに対する抑止力になるかどうかということについてはどう思われますか。
(答)自らが代表選挙に出るとかいうことであれば、自分の思いを申し上げることはできるかもしれませんが、私は担ぐ側に回ったわけですので、担がれた方がそういった判断をすべてトータルでやるということで、担ぐ人間が言及する話ではないと、そう思っております。
(問)一般調査では前原さんの人気は非常に高いのですが、今回出られなかった理由は何かあるんですか。
(答)日本の総理をやるというのは、それなりの覚悟と見識と経験と、すべてが兼ね備わっていないと私はいけないと思いますし、そういう意味では短い間でありましたけど、大臣をやらせていただいて、また違う責任感の重さという、違う世界を見させてもらいました。まだまだ研鑽をしなくてはいけないと、こういう思いをもっておりますので、しっかりこれからどのような立場であれ、日本の政治を変えるという国民の負託に応えるために頑張っていきたいと、このように考えております。
(問)8か月半、どうしても方向性を示したとかレールを敷いたとか着手をしたということが多くなってしまうと思うんですけど、御自身でこれはやり遂げられたと思うものを具体的な政策としてあれば挙げていただきたいのと、これはちょっとやり遂げられなかったなというものが、印象に残るものがあれば、具体的な施策としてあれば教えていただきたいのですが。
(答)8か月半ですので、レールを敷き、軌道に乗せ始めたものもあれば、先ほど申し上げたようにその結果が出始めているものもありますけれども、この段階でどの政策がどうのこうのというのは8か月半というのは短すぎると思います。
(問)改めて国交大臣であられた鳩山内閣としてのこの8か月半の評価、辞め方も含めての評価と、改めて次の内閣にどういったことを期待するのかということを、総括的に教えてください。
(答)誤解を恐れずに言えば、野党のときと与党のときというのは見える世界が違うということを改めて鳩山内閣で気づかせてもらったと、あるいはそれを経験させてもらったということだと思います。政権交代のある政治というのは、私は今回の政権交代でやはり大事なんだなと思いました。野党のときは選挙に勝つために、ともすればできるかできないかわからないけれども、例えば発言をしたり約束をしてしまうと。私も選挙のときは副代表でありましたけれども、いろんなところに選挙応援に行かせてもらいました。今でも覚えているのは、田中美絵子さんという石川の応援に行ったときに、その田中美絵子さんを応援されている方々が駅まで迎えに来られて、そして演説をする前に私にこうおっしゃったんですね。北陸新幹線は民主党政権になったら必ずやりますと、これを演説の中に入れてくださいと、こういうことをおっしゃったわけであります。私はこの立場になるということは想像だにしておりませんでしたけれども、いや、そんなできるかできないかわからないことについて私は言うことはできないということで、私はそういった地元の方が演説の直前に、これを言ったら田中は勝てるので言ってくださいと言うことを言うことはできませんでした。私が良い悪いとかではなくて、恐らく鳩山代表も、ほかの幹部もいろんな地域を回るとそのようなことの連続だったと思います。ローカルマニフェスト的なものも含めて。しかし、それはやはり本当に政権を取ったときにやれるのかやれないのかということをしっかり考えながらやらないと、私は結果としてできなかったら国民に対して嘘をついたことになるということだと思います。私は松下政経塾の時に在学中に、売上税の廃案過程というのを、今の熊本県知事の蒲島教授の下で勉強したんですけれども、中曽根内閣のときの売上税はなぜ廃案になったのかということで、様々な政策的なアプローチ、あるいは政策決定の過程のアプローチを研究したんですけれども、結論は極めて単純なものだったんですよ。それは中曽根総理の公約違反だったんです。大型間接税はしないとおっしゃってて売上税を導入しようとした。そのことに対する国民の反発だったんですね。中曽根さんはそのとき何とおっしゃったかというと、売上税は大型間接税ではないと、中型間接税だとおっしゃったんです。これについてまた国民は怒って、そして結果的に売上税は導入できなかった。これが私が政経塾のときに勉強した1つの政策決定の大きなポイントです。つまりは、政治家の言葉というのは重いし、国民に負担を仮に課すことであったとしても、あるいは国民に対して厳しいことであっても、政治家が覚悟を決めて言ったこととやろうとしたことが食い違っていないということが極めて大事だと私は思います。そういう意味では、ずっと野党にいて、先ほどの選挙応援のときでもいろいろな地域を回って、その地域でこの人を当選させるために演説にはこれを入れてくださいと言って、軽々にそれを入れてしまったときに、言葉というのは一度発したら言霊ですので、魂を持って走り始めると。そういうことの中で、この鳩山政権というのは苦しんだ面もあったと。しかし、それは私は裏返してみれば貴重な経験でもあったし、これから衆議院では多数を握らせていただいているわけでありますので、参議院の結果がどうなるかわかりませんけれども、この8か月半のマイナスの面の経験というものも貴重な経験としてしっかり捉えて、先ほど申し上げたように国民の政権交代の負託、期待というものをしっかりと実現をするということが、私は大事なことではないかと思っております。
(問)大臣が初登庁のときに建設中止を表明された八ッ場ダムについてですが、大臣は何度も足を運んで話をさせていただきたいとおっしゃっていましたが、法的な建設中止や生活再建の見通しが立たないまま退任されることを今どのようにお感じでしょうか。
(答)これは、現場の方々には本当に申し訳なく思っております。現地の方々に何の罪もありませんし、むしろ初めは絶対ダム反対だと、筵旗を立てて反対をされていた中で時間の経過とともに苦渋の決断をされてダムの建設容認へと変わっていかれた。しかし、政権交代でまたそれが変わって地元の方には大変混乱、御迷惑をおかけしているということについては、私は改めて申し訳なく思っております。ただ、57年間かけてやろうとしてきたことができなくて、またそれは進んでいる最中ではございますけれども、方向転換をして8か月半でそれが解決するなんてそんな甘いものではありません。しかし、なぜ中止を決めたのかと、またできるだけダムにたよらない治水というものをやろうとしたのかという方向性は明確であります。今までのような河川計画では、いくらお金があったって足りないと、いくら時間があったって足りないと。今の利根川水系の基本高水では、八ッ場ダム一つ造るだけでは全く足りなくて、あと五つか六つ造らなければいけないと。あるいはスーパー堤防にしたってこのままの進捗状況では400年ぐらいかかると、十数兆円のお金がかかると。こういうものを政権交代を機に、今までの施策を見直していくということを一歩歩み始めたわけでありますので、地元の方には誠に申し訳ないという気持ちは強く持ちながらもその方向性を変えていく、それは一朝一夕でできるものではありません。その方向で次の内閣でもしっかりとぶれずにやっていくが大事だと、私はそう思っております。
(問)今の関連で、今回鳩山内閣、民主党政権になって初めて内閣が替わる事態で、いろいろな政策の積み上げをしている途上の段階で大臣始め政務三役が替わる可能性があるということですけれども、これまで積み上げてきた政策、検討会議とか有識者会議でまだ結論が出ていないものの検討過程は、新しい大臣と政務三役の下でどの程度変わり得るのか、あるいはそのまま引き継がれるべきものなのか、その辺はどのようにお考えですか。
(答)これは、選挙があって政権交代が起きて、そして大臣が替わるということではありませんので、基本的には同じ民主党政権で総理が替わるということですので、基本的な政策は私はどの役所においても踏襲されると、それは間違いないことだと思っています。
(問)今の質問と関連するのですが、国際社会も大いに注目した政権交代の中で、それが自民党時代と変わらないわずか短命で終わったことに関して、例えば大臣ですとアメリカのラフード長官やベトナム等海外とのコミットメントの中で今回座を退くというかたちについて、もう一度総括的なコメントをお願いします。
(答)二つ申し上げたいのですが、一つは総理大臣はころころ替わるべきではないと。私が鳩山さんが頑張っていただきたいと申し上げ続けたのはその点でございます。二つ目には、政権選択の選挙によって政権が替わるわけではありません。今まで積み上げてきたもの、各役所、各局で今まで積み上げてきたものについては、基本的に踏襲をし、それからやっていくと。仮に政務三役が替わったとしてもその方向に変わりがないと思っておりますし、仮に替わるということがあれば次の政務三役には我々がやってきたことをしっかり説明して踏襲していただきたいと考えております。

(以上)

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