前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月21日

(平成22年5月21日(金) 10:00~10:29  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 私の方から2点お話をさせていただきます。まず、3月26日に韓国の哨戒艦が爆破、沈没するという事案がございまして、昨日、韓国政府から北朝鮮の魚雷によるものであるという断定がなされまして、様々な検証結果を踏まえて、我が国としても韓国の立場をしっかりと支持をしていくと。そして、国際社会とともに北朝鮮を強く非難をするという声明を発表したところでございますけれども、それを受けまして、私から海上保安庁の鈴木長官を呼びまして、警戒態勢に遺漏なきよう万全を期すようにということを指示をいたしました。またそれを受けて、鈴木長官の方から各管区の本部長宛に、日頃の警戒活動をしっかりやられているわけでありますけれども、不審船対応ユニットも含めてしっかりとした対応をとる。特に重要施設、原発などのそういったものに対する警戒監視態勢というものをしっかりやるようにと、こういった指示がなされたところでございまして、日ごろの日本、海に囲まれた領土でありまして、海上保安庁が一義的に警備を担っておりますけれども、こういった事態になりまして、不測の事態が起こるとも限らないわけでありまして、いつにも増して警戒態勢を強化し、万全を期していくようにということで指示をして、その態勢がとられているところでございます。
 それから2つ目でございますけれども、日本航空が盛和塾向けプログラムというものを作ったことについてということでございまして、先週の金曜日、1週間前に、記者の方からお尋ねがございまして、事実関係を調査する旨お伝えをして、その調査結果を公表したいと思っております。航空局の調査によりますと、本年の3月に盛和塾、これは皆さん御承知のとおり、稲盛和夫京セラ名誉会長の経営哲学を学ぶという会でございまして、全国で5,500人くらいの経営者の方が入っておられる組織だというふうに伺っておりますけれども、名誉会長が日本航空の会長になられたので、日本航空を支援をしていこうということで、日本航空の利用促進を図ろうではないかという呼びかけがなされたところでございまして、この動きに対応して日本航空が盛和塾向けプログラムというものを作成しまして、具体的には、塾生向けの専用デスクの設置、旅行商品の8%割引、そしてマイレージの上位会員向けサービスの提供、そしてまた、塾生から紹介を受けた方に対しましては、ボーナスマイルの提供、国内線ラウンジの利用券の提供などを行っていたということでございます。盛和塾の塾生の方々は、純粋に稲盛会長を応援したいと、稲盛会長が会長を引き受けられた日本航空を応援したいと、そういう気持ちで行動されておりまして、盛和塾の方から日本航空にそういった特典を求めたことは一切ないということを聞いておりまして、様々な報道等もあり、特定の団体を特別扱いしているではないかという指摘を受けていることについて、盛和塾側がこれについて非常に困惑をしていると、そういうつもりではなかったと、こういうことで、盛和塾の方から5月20日付けで、引き続き日本航空の応援は続けるけれども、もとよりメリットを求めての気持ちは一切ないので、盛和塾向けプログラムのメリットは辞退したいと、こういうことがございましたので、日本航空としてもそれを受け止めて、盛和塾向けのプログラムについてはなくすということになったと報告を受けているところでございます。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)今の盛和塾の件で、盛和塾側は純粋な応援の気持ちだったということですが、JALの独自の判断というのは適切だったのかどうかということと、その判断については、稲盛会長はかかわっておられたのかどうかということについて教えていただきたいんですが。
(答)盛和塾の方からは、純粋に稲盛会長を卓越した経営者として尊敬をし、だからこそその経営哲学を学ぼうということで盛和塾を作られている。そして、その稲盛名誉会長が日本航空の会長になられるということで、日本航空の再建を応援しようじゃないかということで申し入れをされて、それを日本航空が応えたということだと思っておりまして、私はそれが稲盛会長の指示だというふうには聞いておりません。しかも、盛和塾の方々、私も稲盛名誉会長とは昔から既知を得ており、御指導いただいておりますし、また同じ京都だということもありまして、盛和塾のメンバーで私が知っている方もたくさんおられますけれども、もとよりメリットを求めるというようなことで始められたものはないのだろうということで思っておりますので、日本航空がそういう気持ちに応えて作られたプログラムについて、様々な報道等がなされて本意ではないということで盛和塾の方からお断りをするという申し入れがあって、日本航空がそれを受け入れたということではないかと思っております。
(問)稲盛会長が知らないところで、そういうJALとしての優遇の判断がなされたということは、適切ではないように思えるのですが。
(答)そこは、日本航空が定例記者会見されるところで伺っていただきたいというふうに思います。我々としては、皆さん方からそういう事実があると聞いているけれどもどうなのかというお尋ねがありましたので、事実関係を調査するということで1週間お時間をいただいて今日御報告したわけでございまして、詳しくは民間企業、これはもちろん企業再生支援機構が管財人となって更生計画をまとめている段階でありますので特別な立場にはありますけれども、民間企業が行われたことについてでございますので、日本航空に直接お尋ねをいただきたいと思います。
(問)国の出先機関改革についてお尋ねしたいのですが、内閣府の地域主権戦略室が今日から各省庁と地方関係者を交えて分権の意見交換をすることになっておりますけれども、全国知事会等が地方整備局が行っている道路や河川の一部業務を地方に移すべきだとおっしゃっていますけれども、今回の意見交換では、国交省としては地方整備局や地方運輸局の見直しについてどういうふうな意見を言うつもりなのか教えてください。
(答)私は、地方分権論者ですし、多層的な行政機構の無駄を廃して基礎自治体、あるいは道州というのか、あるいは地域連合というのか、地域が主体となって物事を決められるというかたちに変えていくべきだという考え方を持っておりますし、鳩山政権も1丁目1番地だということをおっしゃっておりますので、しっかりと協力して進めていきたいと考えております。ただ、私は閣僚懇談会でも再三申し上げてきましたけれども、私はそういう考え方に立つけれども、受け皿論がしっかりなされていない状況の中で出先機関の改革と言われても、それはいかがなものかということを申し上げてまいりました。例えば、河川にいたしましても先日利根川の水防訓練に行きましたけれども、この利根川というのは複数の都県にまたがる川でありますし、この利根川を管理しようと思うと1都県では管理しきれないわけです。全体でどう利根川水系を管理するのかということがかかわってくるわけでありますので、部分部分を切り取って、ではこれは都がやりますとか、あるいはこれは県がやりますとか、そういう議論には私はならないだろうと思います。したがって、道州制というものを引くのか、あるいは広域連合というものを、しっかりとした受け皿をされるということであれば、私は積極的に出先機関というものを地方に委譲すると、その一部なのか全部なのか、それは今後の議論になりますけれども、そういったことについて私は協力していきたいと思いますけれども、非常に小さな基礎自治体、市町村があって、そして先ほど申し上げたように河川にしたって、あるいは道路にしたって、都県を、あるいは複数の県をまたがるものというのはあるわけです。またがっていないものについては、基本的には自治体管理になったりしているわけです。国道というのは、そういう意味では国が今まで中心的に、大きな観点から、広い広域的な観点からやってきたということでありますので、今の市町村、あるいは今の都道府県というものを前提に出先機関の議論をしても、私はそれはトータルとしての分権の整合性を失ってしまう議論になる可能性があるということで、いわゆる受け皿論、あるいは分権の最終形をどうしていくのかと。私は、都は特別な行政区域だと思いますけれども、府県というものもなくすというような道州制をむしろ知事さんがおっしゃってくるのであれば、それは出先機関の議論としては私は非常に傾聴に値すると思いますけれども、府県というものを温存したまま一部だけを府県にという議論は、私は全体の議論としてはうまくいかないのではないかと思いますので、受け皿論を並行して、最終的にどういう分権像を国として持つのかといったところで出先機関の見直し、在り方については積極的に関与していきたいと、このように考えております。
(問)海上保安庁の監視態勢ですが、これは政府に韓国なりアメリカなり、または日本独自に何らかの情報が入ったのでしょうか。それを受けての対応なのかどうか。あとは、不測の事態というのは、大臣としてどのようなことを想定されているのか。また、強化というのは具体的に監視する船を増やすのかどうかお願いします。
(答)情報収集は、様々な情報収集機関、これの一つとして海上保安庁も情報収集をしっかりやって、情報収集体制の強化というのは図っているわけでありますけれども、やはり危機感を持って何が起こるかわからないと、もちろん常に危機感を持って対応していただいているわけでありますが、特に韓国の哨戒艇が北朝鮮の魚雷によって爆破、沈没したということを受けて、各国の調査チームが参加をする中で綿密な調査が行われてきて、そして昨日北朝鮮の魚雷であるという断定がなされたわけであります。それに対して北朝鮮はねつ造だということで強い抗議をしているわけですね。これから先どのような状況が生ずるのかということは予断をもって考えることはできません。あらゆる状態に対応するために、日頃の警戒監視プラス、こういった状況を踏まえて、先ほど申し上げたような不審船対応ユニットを始めとした即応体制、あるいは臨海重要施設や関係機関との連絡体制をより緊密強化をしていくということを私の方から鈴木長官に指示をし、鈴木長官から各管区の責任者に対して具体的な指示をしていて不測の事態に備えるということでございます。
(問)JALの件でお伺いしたいのですけれども、前原さんはずっと公平な競争条件、公平な競争条件とおっしゃってましたが、今回の割引制度というのは他社との公平な競争条件という意味ではやはり適切ではなかったと大臣はお考えですか。
(答)日本航空からの説明としては一般の法人と同レベルの優遇措置であって、別に特に盛和塾だけことさら優遇したものではないという説明はされていますけれども、先ほどお話をしましたように、盛和塾は別にそういう見返りを求めるために支援を発表したのではなくて純粋に経営者として尊敬をする稲盛さんが会長に就かれた日本航空を支援したいということを考えておられたわけでありまして、だからこそそういった特別な扱いは辞退をするということをお話をされているわけでございますので、それはそれで私は盛和塾の御判断としては、極めて動機が純粋なものとして判断をされたことなのではないかと思います。
(問)JALの対応については前原さんとしてはどのようにお考えですか。
(答)ですからJALの説明としては、一般法人向けと同レベルの特典であったという説明は受けております。したがいまして、先ほどお答えをしましたように、詳しく他の特典と違ったのかどうかということについては直接JALの方にお問い合わせいただきたいと思います。
(問)JALを利用しているお客さんというのは他にもたくさんいるわけで、その方々との公平性という意味ではどのようにお考えですか。
(答)一般論で申し上げて、様々な特典というものを、日本航空のみならず他の航空会社も作ってるわけですよね。特典ということになれば、一般に正規料金で買う方と、その特典が与えられた法人等とは違うわけでありまして、それは日本航空1社の問題ではないという認識は私は持っております。
(問)昨日、広島地方裁判所で、広島市内の国道2号バイパスについて騒音が受忍限度を超えているということで、国と広島市に賠償を認めました。一方で、健康被害までは認めず、今後の工事については差止請求を棄却したのですけれども、国としての受け止めと、今後も整備計画区間が残っていますけれども、どういうふうに対応されるかお考えを教えてください。
(答)整備については着々と行っていきたいと考えておりますけれども、裁判所の判断が下されたわけでございまして、今後の対応については判決文をしっかりと吟味をして対応していきたいと考えております。
(問)騒音対策については改善の余地はありそうですか。
(答)その判決文の内容を見て、我々としてどう対応するかについては考えてまいりたいと考えてます。
(問)さっきの哨戒艇の関係なんですが、大臣から海上保安庁長官、長官から各管区への指示ということなんですが、具体的にいつ行われたのか。それで大臣は長官と会われたのか、あるいは電話だったのか。もう一つは、先ほどの冒頭説明の中で原発の警戒態勢をというお話。
(答)原発などですね。臨海重要施設。
(問)これは海保との絡みでは具体的にどういう状況とか施設を指すのでしょうか。
(答)昨日、関係閣僚会議プラス、国民新党、社民党の党首が集まった会合がございまして、そこで状況説明が外務省からあって、総理からこういった方針でいきたいというコメント案が示されて、それを了解したわけであります。そして総理の指示で、各方面として万全を期してもらいたいという御指示が総理からありましてその後、国会の連絡室で鈴木海上保安庁長官に来てもらいまして、直接会って、私の方から総理からこういった指示と政府としての方針が示されたので、海上保安庁としても万全を期してもらいたいといった指示を直接会ってしたところでございます。それは、関係閣僚会議が終わってすぐだったと思います。それから各海上保安本部長あてについては、打電で海上保安庁長官から行われたと報告は受けているわけであります。繰り返しになりますけれども、日々緊張感を持って警戒監視をやっているわけです。つまりは、海の警察というのは海上保安庁ですから、これは日頃厳しい気象状況の中で、大変な環境の中で、海上保安官は一生懸命がんばってくれているわけでありますが、しかしそれに加えて、韓国の哨戒艇が爆破沈没した事案というものが北朝鮮の魚雷によるものだったということが韓国政府から発表されて、それを日本国政府として分析をした結果、韓国の立場を支持するということを政府として決定をし、そして北朝鮮を非難するということを行ったわけでございまして、それに対して、それに対してというのは、韓国の発表に対して北朝鮮はねつ造であるということで発表しているわけでございまして、そういった状況を踏まえて、何が起こるか分からないという緊張感をより持って、日頃の警戒監視というものをよりしっかりやってもらいたいと、こういった指示を鈴木海上保安庁長官に行ったということでございまして、日ごろからそういった原発や、あるいは様々な重要施設というのはございます。特にそういった施設は海に面しておりますので、そうすると海上保安庁が日々の警戒活動を行っているわけでありますけれども、さらにそういったものについての強化を行ってほしいと、こういうことを総理から私が指示を受け、そして私から長官に指示をして、長官から各管区の本部長に対して指示をして、そして末端までその指示を徹底させるということを昨日行ったということでございます。
(問)コンテナ戦略港湾の件ですが、6月中に選定するという方針に変更はないでしょうか。
(答)現時点で方針変更はございません。今、手を挙げておられる4つの港湾から、その取組、そして意欲、具体的な方策についてヒアリングを行っているところでございます。大変重要な国家戦略になりますので、慎重を期して、そして公平にやらないといけないというのは私が言うまでもありませんし、徹底的にプレゼンテーションをしていただこうということで、必要があれば更なるプレゼンテーションも4つの区域からやっていただくことも考えております。
(問)八ッ場ダムについてですが、15日に群馬県で水防演習をした際のぶらさがりで、大臣は有識者会議で評価軸を考えてもらっているが中止の方向は変わらないとおっしゃりました。一方で群馬県知事においては、大臣は白紙の状態で検討させてもらうとおっしゃったということで、地元からは大臣の本旨が見えないという声が上がっているのですが、現時点で八ッ場ダムについての大臣の方針は、建設中止なのでしょうか、それとも白紙なのでしょうか。
(答)何も変わってません。一言も私は違うことは言ったことはありません。中止の方針を示して、そして予断なく検証をしていくということでありまして、私の方針に何ら変わりはありません。それだけです。
(問)普天間についてですが、一部報道で前原大臣が19日に都内で名護市の前市長の島袋さんと地元の経済人の方とお会いして普天間の辺野古移設について意見交換したと聞いてますが、その会談で辺野古について話されたのかということと、記事ではその中で新たな北部振興策の受け入れについての提案があったということでよろしいでしょうか。
(答)そういう事実関係は一切ありません。
(問)振興策はタイミングが非常に難しいと大臣はおっしゃっていたのですが、そのタイミングで現市長ではなく地元の経済人に接触して提案するというのは適切な対応だとお考えでしょうか。
(答)だから、事実は一切ありませんし、私は繰り返し申し上げているように、知事ともお話をしている内容については、この普天間を絡めた議論は一切しておりません。それは今することは私は沖縄に対して失礼だというふうに思っております。ただ、知事とも常に意見交換をしているのは、あと2年弱で現在の沖縄振興計画が切れます。今年はレビューの年だということで、私も就任以来2回沖縄に行き、知事も来られていろいろな意見交換をさせていただいております。したがって、この振興計画というものは別に北部に限らず、沖縄の自立的な経済発展をどう担保していくのか、今までの振興計画をしっかりレビューをして、新たな計画をどうつくっていくのかという前提で行っているものでありますので、普天間に絡んだ振興計画を議論しているということは一切ありませんし、また総理からもそういう指示も一切ございません。
(問)先週の本会議の答弁で恐縮ですが、環境影響評価法の改正案の答弁で、特に中央新幹線における戦略的環境アセスメントについての決意というものを聞かれていると思うのですが、確認ですが、中央新幹線の計画にも戦略的環境アセスメントを行うということでよろしいのでしょうか。
(答)今、交通政策審議会で議論をしていただいておりますけれども、この中には当然ながら今申し上げたような環境アセス、そして新たな国全体として取り組んでいくという戦略的な環境アセスメントも当然含まれていくということでございます。
(問)つまり審議会での舞台で行うということを決めると。
(答)審議会がこれについてどうするかということを決めるわけです。その中に当然ながら一要素として環境影響評価も入るということでございます。
(問)それはルートも含めて、アセスを行った上でルートもということですか。
(答)ルートは今、JR東海が地元とも話をされておりますし、最終的に決定に至るというのはそのルートも含めて、その交通政策審議会で方向性が決められるわけでありまして、それを国土交通省に上げていただいて、国土交通省としてそれを認可するかどうかということになろうかと思います。

(以上)

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