前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月27日

(平成22年4月27日(火) 9:29~9:49  於:院内・内閣記者会3)

1.発言要旨

 私から独立行政法人の理事長の人事についてお話をいたします。本日の閣議で、独立行政法人奄美群島振興開発基金理事長として公募による選考を経て、澤田正晴さんを、4月28日付けで任命することについて、ご了解を頂きました。民間の方であります。日本GE株式会社GEリアル・エステート資産管理事業本部プロジェクトリーダーだった方でございます。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)高速道路料金の話なんですけれども昨日、小沢幹事長が記者会見で、結局最終的には政府が決めると。突き詰めて言えば内閣総理大臣が決定するというような仰り方をされているんですけれども、この点についてのご認識をお願いします。
(答)そのとおりで。ただ、内閣総理大臣が決めるのではなくて、国土交通省で決めるということであります。
(問)先日の二律背反の発言について考えたんですけれども、場合によっては東京外環という大きな1兆円のプロジェクトが仮に入っていなければ、割引と建設も両方成り立つのかなと思ったんですけれども、その辺いかがでしょうか。
(答)東京外環というのは、昨年4月27日の国幹会議で決められたことでありますので、ただ、施行主体と施工方法について再検証を行うために凍結としていた所なんですね。利便増進事業で仮にやらなければ、これは直轄事業でやるわけですので、それだけの大きな規模の事業をやるということになると、他の公共事業も国幹会議で決定している事業ですので、他の公共事業のしわ寄せになる、道路事業のしわ寄せになることは間違いないということですので、よく利便増進事業というのは東京外環と名古屋二環という大都市だけしか恩恵を受けないじゃないかと。地方に全く関係ないという言い方をされる首長さんもおられますけれども、実はそうではなくて、利便増進事業で組み込むことによって直轄事業でやれる他の地方への公共事業の枠はそれだけ増えるということでありますので、他の地方にも、望んでおられるところにはプラスになるということは改めてお伝えをしなくてはいけないなと思っております。
(問)昨日、事業仕分けでURが俎上に上がりまして、特に高級物件の売却を指摘されたということですが、その結果について大臣はどのようにご覧になっていますか。
(答)事業仕分けの結果については、真摯に受け止めて、その結果に基づいて改善策を講じるということをしていきたいと思っております。ただ、10兆円ほどの負債がありますので、ではいくらで売却できるのかということと、残すべき事業を何に限定していくのかといった細かな整理も必要でありますので昨日、仕分けをしていただいた中身を受けて国土交通省として検討していきたいと考えております。
(問)ゴールデンウィークの訪米について改めて。今日、総理から正式に許可というか。
(答)まだじゃないですかね。
(問)現地で、JRのトップの方とかも含めた、ある種官民のトップが総出でトップセールスをされるということは今までなかったことだと思うのですけれども、改めて狙いと、受注に向けた勝算についてお聞かせください。
(答)アメリカへの高速鉄道の売り込みには、民間企業で言えば、JR東日本、JR東海、それから川崎重工の3社が一緒に行かれるということでありまして、アメリカがオバマ政権になって、1月の下旬にフロリダで高速鉄道計画への補助金配分というものを発表されて、かなりいろんな地域で高速鉄道を考えておられると認識をしております。それぞれの国が激しい受注合戦を広げている中で、日本も素晴らしい鉄道技術があるわけですから、新幹線を45年間、死亡事故ゼロ。そして平均遅延時間は1分以内と。そして専用軌道を走りますので軽量化をして、そしてランニングコストも安いし環境性能にも飛び抜けて優れていると、こういったものをしっかりと売り込んでいきたいとこのように思っております。そのためには、民間企業だけの売り込みではなくて政府も、例えばJBICの政令を改正して官民あげて日本の素晴らしい鉄道技術というものをしっかり米国に広めていきたいし、そしてそれがひいては日米同盟関係の多層性、そして深化に繋がっていくのではないかとこういう思いで努力をしていきたいというふうに思っております。勝算があるかどうかは、とにかくやってみると、今までの政府の関与の仕方は、やれるものは応援するみたいなことでしたけれども、そういうリスクも取らないといけないだろうということで、勝算があるかないかは分かりませんが、しかし、官民あげてオールジャパンで売り込みを米国のみならず各国にこれからも図っていくということで取り組んでいきたいと考えております。
(問)訪米についてですが、その中でトヨタ問題に関して、意見交換する可能性といいますか、また今、リコール対策室で電子制御システムについて検証が進められているということですが、その中で問題等が見つかったのかどうか教えてください。
(答)後者については、今の段階で何らか問題が見つかったという報告は受けておりません。ラフッド運輸長官との話し合いの中でトヨタの問題も私は議論したいと思っております。ただ、それは微に入り、細に入りということではなくて、日本と米国の経済関係というものをこのトヨタの問題が歪めてはいけないし、また、日米同盟関係という重要な二国間関係を傷つけるものであってはいけない、そういう観点からのお互いの確認をして大所高所からしっかりと対応をしていきたいと、また、トヨタは日本の企業であると同時に米国の企業でもありますので、やはりトヨタが発展することが日本のみならず、米国の雇用の受け皿になり米国の経済の発展にも寄与するといったことについては、しっかりと話し合いをしていきたいと考えております。
(問)25日に沖縄の県民大会があったのですが、沖縄市長選がございまして、東部海浜開発の1区については見直したうえで進める、2区中止の東門美津子現職が、1区、2区とも推進を主張した候補を破って当選しました。これに対して市民の民意というのはどう受け止めるかということと、あと、この事業については今後計画を見直して計画を出されると思うのですが、その辺についてもう一度、どういうところ、どういう観点から大臣は見ているのでしょうか。あと一点、県民大会がございました。現在、名護市辺野古現行案の杭打ち方式での修正の案が浮上しております。これについて県民大会があったばかりなのですが、その杭打ち方式について県民の理解を得ることが出来るかについてどう思われますか。
(答)東門市長が再選をされたことに心からお祝いを申し上げたいと思います。これは沖縄市の市民の選択でございますので我々は真摯に受け止めて、従来通り、沖縄市、また東門市長と連携をしながら沖縄市政の発展に出来る限り努力をしていきたいとこのように考えております。従来から東門市長には申し上げておりますように、泡瀬の事業の問題につきましては、2区は中止と、1区は中断して、そして中身についてしっかり精査をして出し直していただきたいという方針には変わりはございませんし、東門市長もこれから4年間市政の負託を受けられたわけでございますので、しっかりと検討をされたうえでご相談があるものと考えております。それから県民大会があったあとにということでございますが、正直申し上げて、具体の中身については今申し上げることができる段階ではございませんし、またいずれ政府から正式な決定がなされたときにご報告ができるのではないかと考えております。
(問)関連して、総理は今朝、最終的な段階にあるというふうに記者団に述べられていて、また、キャンベルさんも一部の報道のインタビューに対して、具体的な提案を受けているという話をされましたけれども、改めて5月末の決着に向けて地元への了解、特に沖縄の窓口としてどのようにして得ていくかということと、それから小沢幹事長が、全国を、私が一番回っていると思うけれども、どこに行っても値上げになるということは非難囂々だと、国民の声を伝えるのが党の仕事だというようなことを仰っていますけれども、党が国民の声を伝えると、政府よりも党の方が知っているという幹事長の認識というのは、政府と党のあり方はどういった関係だとお考えでしょうか。
(答)この5月末までにということについては、総理も再三仰っていることでありまして、ご自身の決意を持って、今、事に当たられると思います。現在、予断を持って申し上げることは差し控えなければいけないと思っておりますし、沖縄担当大臣、閣僚の一員として、総理がお決めになったことについてしっかりとサポートをし、一致協力をして努力をしていくという、これに尽きるだろうと思っております。それから、後者の問題でありますけれども、様々な観点からご意見をいただくということは大変重要なことだと思っておりますので、党であれ何であれ、国民の声というものを真摯に受け止めて、政策に反映をしていくことが大事なことだと、このように思っております。
(問)県民大会9万人という数についてはどういうふうに思われましたか。
(答)主催者発表で9万人ということで、多くの方がお集まりになられたなという印象であります。
(問)反対の意見は強いというふうに感じられましたか。
(答)沖縄県民の思いというものは、この県民大会で伝わってまいりました。
(問)昨日、小沢幹事長が昨日の発言の中で、前原大臣が道路問題についてどんなことを言ったか、報道したのか全く関心はないというふうに言われたのですが、その件についてはいかがでしょうか。
(答)もういいんじゃないですか。
(問)普天間関係なんですけれども、訪米で普天間問題について大臣がどなたかと意見交換をされるということもあるんでしょうか。
(答)公務で今回は訪米いたしますけれども、毎々旧知の間柄の外交安保、あるいは日米両国の問題について話し合う人たちというのはいると思います。ただこれは一国会議員、衆議院議員として意見交換をさせていただくということでございます。あくまでも今回の公務は、国土交通大臣としての高速鉄道への売り込みということでございます。
(問)県民大会で、仲井眞知事は結構全面反対という内容ではないようなメッセージを発信していらっしゃいましたけれども、逆に地元の高校生とか稲嶺名護市長とかは絶対許さないというようなことを言っていました。先ほど大臣、沖縄県民の思いは伝わってきたと仰いましたけれども、大臣にとっての沖縄県民の思いというのはどういった思いだったのでしょうか。
(答)日本の国土の0.6%の沖縄県に、米軍の約75%の施設区域が集中しているということについての、やはり過重感、これが大きなものだと思っております。そういうことで、総理も今までできるだけ県外にということに固執をされて努力をされてきたんだと思っております。最終形がどうなるか、また政府としてどのようなご提案をさせていただくのか、今様々な角度から調整が行われているわけでございますので、現時点において具体のコメントを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)大臣、今日沖縄の代表の皆さんとお会いには。
(答)お会いしますよ。
(問)何かそこでお話されるようなことがあるんでしょうか。
(答)ご要望を承るということであります。沖縄担当大臣ですので、沖縄の方々からご要望があればできるだけお会いをして、その要望は真摯に承ると。最終的な判断は担当大臣として、あるいは政府としてさせていただくということでございます。
(問)JALの問題なんですけれども、地方路線を大幅に縮小するということで、昨日も16県の関係者が要望に来たと思うんですが、かなり地方の路線がターゲットになっているということで、地方では地方経済とか観光客誘致に影響があるということで懸念の声が出ているのですが、どういうふうに対応していこうと考えていらっしゃますか。
(答)現時点において私が伺っているのは、4月28日に稲盛会長が記者会見をされて発表されるということで、その中身について確定をしたとか、具体の中身については報道ベースでは伺っておりますけれども、正確なものについては今、承っておりませんので、正式に発表されてからその中身を見て、今後の国土交通省としての考え方、対応について検討したいと考えております。
(問)国家公務員の新規採用を大幅に減らすという方針についての見解をお願いします。
(答)これだけ財政赤字が多くなって、そして我々がまず身を削って国家公務員、これは当然ながら国会議員を含めてでございますけれども、数の見直し、縮小を考えていくというのは、当然のことだというふうに思っております。ただ、今日閣僚懇で私が申し上げたのは、地方の出先機関というものを2割以下にということで検討を、ということでありましたが、大きな国家公務員の縮減ということについては全く異論はありませんし、またそうしないと日本の財政が持続可能ではないと私自身も思っておりますので、出来るだけの協力はさせていただきたいと思っておりますが、ただ一挙に前年比2割以下、そして早期勧奨退職もやめるということになったときに一気に来年度の採用にしわ寄せが来る可能性がありますので、そういう意味においては総理と総務大臣には現実対応の中で、私は決して自分の今受け持っている省の立場で物を申し上げているのではなくて、やはり公器としての現実的な対応というものも相談してもらいたいと、こういったことは申し上げまして、総務大臣からはそれは当然ですねということで、今後事務方を含めて話し合っていくことになろうかと思います。
(問)関西の空港の問題ですが、伊丹と併せて売却するという構想なのですが、これは相手先というのはどういうところのイメージですか。1社なのですか、それとも複数ですか。
(答)明日の成長戦略会議は公開で開催をさせていただくということですので、詳しいことは今申し上げるべきではないと思っております。
(問)沖縄の泡瀬の問題ですが、東門市長は3月末までに計画を説明をしたいと以前仰っていましたが、そういう説明はまだないのかということと、市長選で1区推進の市長が再選されたということで、民意としては1区は推進したいという思いはあるのですが、今沖縄市側にボールがあると思うのですが、選挙の結果を受けて内閣府として今後対応が少し変わってくるのかという点をお願いします。
(答)3月末までにというお話があったということも存じ上げておりますし、相談をしながらというお話があったことも存じ上げておりますが、私にまで上がっていないのかもしれません。少なくとも私自身がその中身について相談を受けて指示をしたということはございません。ただ、可能性の話でありますけれども、担当部局と内々沖縄市がお話されているかもしれません。もう1つは、沖縄市の市民の民意というものについては当然東門さんを選ばれたわけですので、重く受け止めなくてはいけないと思いますが、ただ国費を出す立場としては経済合理性とか、あるいはその前提となる中身というものは厳しくチェックをさせていただくということでございます。

(以上)