前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月30日

(平成22年3月30日(火) 9:47~9:55  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

 私の方から2点ございます。1つは「交通基本法に関する中間整理について」でございます。交通基本法につきましては、次期通常国会を目指して辻元副大臣、三日月政務官の下で、今まで検討会を8回やっていただきまして、そして2月には広く意見募集を行ったところ、360件を超える貴重なご意見をいただきまして、政務三役で「交通基本法の制定と関連施策の充実に向けて」という中間整理を取りまとめたところでございます。後から三日月政務官がお話させていただきますが、ポイントは3つありまして、移動権の保障と支援措置の充実、そして環境にやさしい交通体系の実現、地域の活力を引き出す交通網の充実、ということでありまして、簡単に申し上げれば、これからどんどん高齢化社会が進んでいくに当たって、なかなかご自身で車を運転される方はなかなか難しくなってくると、そういう意味においては公共交通機関というのは経営的に大変厳しい状況におかれておりますが、移動権を確保する手段として大変重要だという意味においてどう公共交通を国土交通省政府全体として支援をしていくのかといったことを環境面と併せて考えていくということでございます。2つ目は「ボディスキャナーの実証実験」について発表させていただきます。3月13日に私を議長としてアジア太平洋地域の保安担当大臣が集まっていただきまして、航空保安ですね、そして会議をさせていただきましたが、その時に共同宣言を取りまとめましたが、この中に昨年の12月末にアメリカで起きましたテロ未遂事件については、いわゆる化学薬品を下着に縫い付けて爆破をさせようとしたという未遂事件が起きました。今までの金属探知機では防守出来ないということで各国が共同してこういった新たなテロ対策、水際防止をやっていこうということで合意をしたわけでございまして、その時に積極的に議論されていたのがボディスキャナーでございました。これを受けまして我が国も7月を目途に成田空港でボディスキャナーの実証実験をさせていただきたいと思っております。ミリ波タイプというものを3機種くらい選定をし、大体1ヶ月間くらい実証実験をしていきたいと考えております。このボディスキャナーと言いますと、プライバシーの問題とか様々な問題がございます。この実証実験をする3機種の中の1つは、完全に体のラインが、体のラインというか全て映るものでございます。他方、3機種の内の1つはこれはマネキンに模してチェックをするとこういうものでございます。いろいろなものを少し実験をしていきたいと思っておりまして、その検討するための実行委員会を4月に設置して女性の方も入っていただき、或いは公安当局にも入っていただく中で7月の成田での実証実験というものを行っていきたいと考えております。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)国労問題ですが、今月中に結論をという話だったのですが、進捗状況と結論を。
(答)3月末までにということで、菅財務大臣と平野官房長官と私の方で話をしておりまして、今、三日月大臣政務官、大串財務大臣政務官、松井官房副長官のところで話をしていただいておりますので、後で三日月政務官から合わせてお話をしていただければと思います。
(問)交通基本法の話ですが、無料化とか公共交通機関は自分達の経営の圧迫だと言っている。最近の経営が厳しい公共交通機関をどう支援していくか、この論理矛盾についてどう説明をされるのですか。
(答)論理矛盾だとは思いません。この高速道路の段階的な無料化社会実験というのは、これは料金を下げる中で物流を、或いは人的な移動というものを活発化して地域経済を活性化させるということであります。また他方、様々な公共交通機関をどのように活用していくのかということを考えていくというのがこの交通基本法の考え方でございまして、道路、鉄道、それからフェリー、高速バス、そして航空、こういった様々な交通機関をどのようにバランス良く利活用していくのかということが今後検討課題になるわけでございまして、その中での高速道路のあり方というものを12月末までにまとめていくということでございまして、全てを無料化するということも我々は言っておりませんし、部分的な無料化実験も行いますし、また4月の上旬には上限価額制も試行、社会実験としての上限制というものも発表させていただきますので、そういった結果を見ながら今ある公共交通をどのように交通基本法の理念に基づいて利活用していくのかという全体像を12月までにしっかりとまとめ上げていきたいと、このように考えております。
(問)先週末に発表されましたいわゆる公共事業の箇所付けですが、道路について言うと党、それから地方の要望をかなり反映された結果となっていて、それからいわゆる民主党が選挙が弱いと言われている所に集めている気がするのですが、それについては如何でしょうか。
(答)箇所付けについては、事業評価、そして地元の用地の買収等の進捗率含めて極めて厳密に精査をいたしました。皆さん、凍結になったものは少ないじゃないかと仰いますけれども、そもそものスタートから考えていただきたいのですが、新規は全部凍結しています。つまり、継続事業しかやっていません。新規は全部凍結をして、そして継続事業でも精査をするということでありますので、全体の額としては前年度比0.83です。そして、事業箇所にすると0.76ということで道路についてもかなり絞り込んでいるということですので、どちらの方向を向いて批判をされているのかわかりませんが、新規は全部凍結したということで地方からは批判されておりますし、そういう意味では厳密な精査の中で継続事業においてこういった判断をしたと、こういうことであります。

(以上)