前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月2日

(平成22年3月2日(火) 8:39~8:55  於:院内内閣記者会3)

1.発言要旨

 私の方から3点お話をいたします。仮配分の問題に関しまして、今総理から口頭の注意をいただきました。そのポイントはこの仮配分の資料を民主党に提供した際、その取扱いについて十分な留意がなされていなかったことということでございまして、その点に関する口頭注意がございました。私の方からは今回自公政権においては事業計画の発表も一部でありました。しかし、11月の事業計画も全面公表し、そして本来予算が成立した後に出されていた箇所ごとの事業評価も2月1日に出し、そして仮配分も示したうえで国会の質疑に資するかたちで透明性、客観性も担保したいという思いについては総理からもご理解をいただきましたし、よりそういった透明性を高めた議論を進めて欲しいという指示がございました。それから2つ目でございますが、チリの大地震による津波において各方面万全な体制を期すということでご努力をいただいたわけでございます。昨日、気象庁からある意味での謝罪があったわけでありますけれども、今朝、私は果たして謝罪をすべき問題なのかということを気象庁には申し上げました。つまりはまだまだ津波の予測というものの精度が低いということはございますけれども、やはりしっかりと準備をするという点においては、その津波の程度が過小であるよりは過大であった方がより周知徹底できるという意味においては私は謝罪をするに当たらないということを気象庁に申し上げまして、また今の閣僚懇談会でもそういった趣旨のこと、閣僚の皆さん方へのご努力に感謝をした後に同趣旨の発言をいたしましたところ、鳩山総理からも同感だとこういう趣旨のお話がございました。何れにいたしましても、これからは精度を上げていく中で国民の皆さん方に適宜適切な避難をしていただけるような体制というものをしっかりと整えてまいりたいと考えております。最後でございますが、建築基準法の見直しに関する検討会の設置についてでございます。私が大臣に就任して以来、建築基準法の見直しポイントは3つございまして、手続きの簡素化、これは日数のこと、そして2つ目は提出書類の簡素化、そして3つ目が厳罰化ということでございますが、前の2つに関する見直しの検討会ということで、1月22日に建築確認手続き等の運用改善の方針を取りまとめて公表をしたところでございますが、この建築基準法の制度の見直しについては引き続き検討を進めることとしておりまして、この度、有識者や実務者から構成をいたします建築基準法の見直しに関する検討会を設置して、第1回の検討会を3月8日に開催をさせていただくこととなりました。本検討会で主に3つについて議論をいただきたいと思っております。1つは構造計算適合性判定制度の対象範囲、それから2番目には建築確認審査に関わる法定期間、そして3番目は厳罰化ということでございます。つまりは、これを踏まえて必要なものについては法改正を考えていきたいと考えております。まずは運用改善で、確認期間の短縮とか、或いは提出書類の簡素化というものをやっていきますけれども、これはあくまでも運用でありますので、この適判の対象範囲、法定期間、厳罰化は法律改正に関わる問題でありますので、議論をしていただきたいと考えているところでございます。私の方から以上です。

2.質疑応答

(問)仮配分の問題ですが、国会でもかなり審議をされて、党に出したこと自体については問題は無かったという官房長官の話もありましたが、にも関わらず処分が出たという部分についての受け止めを改めてお聞かせください。
(答)提出をしたことについては、提出と言うか、それを見せたことについては法律的な面、或いは大臣規範等含めて問題無かったと思いますが、それが県連を通じて自治体に流れたということは想定外でありました。つまりはそういった取扱いについて、十分な周知徹底がなされていなかったということについては政務三役、特に責任者は私でございますので、私に瑕疵があったと考えております。それに対する処分、口頭注意だと厳粛に受け止めたいと思います。
(問)今の想定外というところなんですけれども、資料を渡してきたら、多かれ少なかれ伝わるというのは当然予想できることで、ちょっと注意力を欠いていたかなという思いがするんですが、その点についてお願いします。
(答)そのご批判は甘んじて受けなければならないと思っております。そのことに対する処分、口頭注意であったと思います。
(問)それから何か他の面も含めて資料の取扱いについて考えられていることはありますか。
(答)そうですね。先程、冒頭で発言させていただきましたように、今回の取組みが政権交代が起きて出来る限り公共事業の箇所付けのプロセスを透明化していきたいという思いの中で、11月末での事業計画の発表、そして本来なら予算が通った後に行っていた箇所別の事業評価の公表、これを2月に行うと。そしてまた仮配分というものも国会議論に資するかたちで出していくと。こういったことは本来、やっていかなくてはいけないことだったと思います。今回、これは国土交通省から地方自治体に内々に示す前に党を通じて出されたことというのは極めて遺憾でございました。そういう意味では、今後、今回の反省を踏まえて改善をしていきたいと考えております。
(問)その関係で、いわゆる予算配分のルールを透明化していくという過程の中で、いわゆる党とか自治体から寄せられる陳情等はどのように反映させていくのかという点をお願いします。
(答)地域からの要望というのは私は大事だと思います。それだけ地域が熱心に求めておられるということでありますので、またその代弁者が議員でありまして、それを構成するのが現時点では与党である民主党と社民党と国民新党ということになります。また、私は再三予算委員会でも答弁しておりますように野党の皆さん方からの要望というものをしっかり承っていきたいと思っております。そういう意味では、地元要望、政党要望、与野党を越えて事業を進めていく上でひとつの判断材料にこれからもさせていただきたいと考えております。
(問)休日の分散化なのですが、春と秋に2回、土曜と日曜を含む5連休を創設すると。全国を5ブロックに分割して時期をずらして取得すると。こういう構想でよろしいでしょうか。
(答)まだ検討段階でございまして、私が本部長のいわゆる観光立国推進本部の休暇分散化ワーキングチームで他省庁の副大臣等も含めてご議論いただいているところでございまして、また国土交通省成長戦略会議の観光分科会でもご議論いただいていることでもございますので、固まり次第皆さん方にはご報告をさせていただきたいと思います。
(問)箇所付けですが、党の方ではまだ処分が出ていませんが、そのことも含めて今回のこういった結果に大臣がどの程度ご納得されているかということと、週末に北澤大臣が小沢幹事長の進退について参院選の前までにという話をされました。昨日も大臣は会合で参院選への影響は厳しいという認識を皆さんに示されたようですがそこを踏まえて受け止めをお願いします。
(答)党に資料を出したのは、我々国土交通省ですのでその資料の取り扱いについて十分周知徹底を図らなかったということにおいて、国土交通省の責任者である私が処分を受けたことについては納得をしております。こういうことのないように今後注意をしてまいりたいと考えております。それから、私は何度も申し上げていることでありますけれども、小沢幹事長という方は40年程度国会議員で、しかも中心の政治家でその都度その都度あられた方でございますので、私はそういう意味では自らがしっかりと、どうすれば参議院選挙に勝てるのかというご判断をされるのではないかと思います。
(問)進退とかということではないのですか。
(答)進退という問題は、あのようなキャリアを積んだ方はご自身で判断をされることであって、私のような小沢幹事長から見ると政治キャリアが少ない人間が軽々に言う話ではないと考えております。
(問)独立行政法人が国債保有をしている問題で、住宅金融支援機構が3,000億円のうち1,700億円を保有していますが、大臣の見解と対応方針をお願いします。
(答)まず、正式な数字を申し上げますと住宅金融支援機構が平成22年2月28日時点、つまり一昨日ですね、その時点で保有している国債は3,950億円でございます。報道では1,793億円でありましたが、あれは平成20年度末ということでございまして、現在は3,950億円でございます。うちその9割に当たる3,572億円分は政府からの出資金の運用分でございます。私共が政権交代後、第一次補正予算の見直しを行いまして、このフラット35等の事業量を精査した結果、平成21年度中に活用が見込まれない出資金2,300億円につきましては国庫返納するということにしておりまして、独立行政法人通則法の改正が成立施行され次第、2,300億円を返納するということにしております。この住宅金融支援機構は皆さんご承知の通り、前身が住宅金融公庫でございまして、他の独法とは私は趣旨が違うと思っています。つまりはフラット35等のそういったいわゆる金利を下げてその分を保証するということでありますが、こげ付いた時に備えるということで、現金で積んでおくのか、或いは何らかの運用をするのかということで考えれば、少しでも利潤を生む運用ということを考えた場合には、安定的な運用財源である運用先である国債というものにそれを求めていたということには問題はないと思っております。つまりは他の独法は、私は詳しく精査をしていませんが、他の独法は利潤を国債で運用していたという疑念が持たれているわけでありまして、この住宅金融支援機構については趣旨が異なるということをご理解いただければありがたいです。
(問)独法や公益法人の事業仕分けについて枝野大臣の方では約300程度でとの話ですが、事業仕分けについては国交省独自にやっていくとの話ですが、今はどういった状況でしょうか。
(答)今日、枝野さんから閣僚懇でご指示がございまして、独法や政府系公益法人の事業仕分けについては行政刷新でもやっていくけれども、その準備というものを各大臣において進めていただきたいという要請がございましたので、これは当初から政務二役に、国土交通省所管の独法、公益法人については自ら仕分けをすると、そしてそれを行政刷新担当大臣の下で行われる独法、公益法人の事業仕分けに資するかたちで協力をしていくということをお約束をしておりますので、順次作業を進めていきたいと考えております。
(問)そうすると国交省で何か切るのではなく、ある程度選択したものを枝野さんの所に出すというイメージなのでしょうか。
(答)いいえ。ゼロベースで行政刷新担当大臣としてやっていただくものと思いますが、その事前資料というもの、或いは参考にしていただくべき国土交通省としての仕分けというものをしっかりやりたいと考えております。その点は枝野さんには信用していただいているのではないかと思います。

(以上)