前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年12月25日

(平成21年12月25日(金) 11:30~11:59  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 私から2点、まず冒頭お話をさせていただきます。まず今日の閣議で了解をいただいた幹部の人事について発表させていただきます。本日の閣議で、元株式会社大分フットボールクラブ代表取締役溝畑宏氏を、1月4日付けで観光庁長官に任命することについてご了承いただきました。もう1点でございますが、コメントを発表させていただきます。これは皆さん方にお届けをさせていただきますが、JALの再建についての問題でございまして、これについては財務大臣から政府保証というものを付けないというお話の中で、様々な問い合わせが来ている訳でございます。今日皆さん方にお伝えをしたいのは、内閣の方針として来年度当初予算での対応は行わない方向となっている訳でございますけれども、ただ同時に平成21年11月10日に5閣僚で交わされました、「日本航空再建のための方策について」という合意文書は当然ながら生きている訳でございます。この合意文書の中では、「日本航空に対する関係金融機関による融資について適切な信用補完に関する予算及び法的措置を含む方策について検討する」ということが書いてある訳でございます。繰り返しになりますが、来年度当初予算での対応は行わないという方向になっておりますけれども、併せて皆さん方にお伝えをしたいのは、このコメントの一番下の段にも書いてありますように、日本航空に対する関係金融機関による融資に対する適切な信用補完に関する法的措置及び企業年金の削減のための法的措置を含む方策については、検討を継続しております。なお、企業年金の削減については、1月12日に日本航空が示されます同意取付け状況というのを踏まえながら、この年金の問題についてはどうしていくのかという議論をしていくことになろうかと思っております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)JALの関係ですが、今日この時点でこういうコメントを出された狙いといいますか趣旨をお願いします。
(答)藤井財務大臣が政府保証をしないということを仰ったことに対しての動揺が広がっているやに聞いておりますし、またそれに関する問い合わせも伺っております。私は株価というものに一喜一憂しないということは従来から申し上げてまいりました。藤井財務大臣のご発言があった後もそれほど大きな株価に変化がございませんが、政府としての5閣僚の確認の方針というものはしっかり堅持をしているし、そしてまた信用補完に対する法的、予算的なものについては検討を継続をしているということでございまして、そのことを皆さん方に明確にお伝えをしておきたいということでございます。
(問)観光庁長官の人事ですが、溝畑さんを起用される理由と本保長官のこれまでの仕事についての評価を改めてお願いします。
(答)本保長官に対しては、私は大変よく頑張っていただいたと思っております。今までの働きぶりについては心から敬意を申し上げたいと思っております。一旦国土交通省を辞められた後、長官は平成19年7月の総合観光政策審議官就任以来、今まで2年半、観光庁の初代の観光庁長官として大変ご尽力いただきましたし、所謂海外の観光客の誘致、或いは2千万人構想の前倒し計画の策定、そして平成22年度の概算要求の大幅積み上げの中身の精査等、本当によく努力をしていただいたと思っております。従いまして、本保長官のお仕事ぶりについて何ら瑕疵があった訳ではありません。今回溝畑さんを何故選んだかということについては、2年半本保長官が蒔いていただいて下地が出来てきたこの観光行政、特に来年は、私は有言実行の年だと思っております。海外からの観光客というものをいよいよ具体的に増やして、数字として表していかなければいけないと思っておりますし、そして同時に社会実験としての休日の平準化、これは成長戦略にも明確に書き込まれる訳でありますが、この社会実験というものを省庁連携をしてやっていかなくてはなりません。こういった時に民間の、大分フットボールクラブというのは大分トリニータでございますが、初めは大分という地方都市でスポンサーもなかなか無いという全くのゼロの状況からスポンサーを自らかき集めて、そして初めの観客は3人だったと聞いておりますけれども、今や大分トリニータの平均の観客数は2万人ということを聞いております。今年は残念ながら経営難に陥ってその責任を取る形で辞められた訳でございますけれども、ゼロから大分トリニータ去年ナビスコ杯で優勝しております。そして自ら歩いてスポンサーを獲得し、そして宣伝をしてきたと、こういった今までの実績というものは正に本保長官が今まで蒔いてこられた種を大きく具体的に開花をさせていく上で必要な人材であり、今までの経歴ではないかと思っております。そういう意味では大分トリニータというものをJ1昇格まで名もないフットボールチームからゼロから立ち上げて来られた溝畑さんの手腕に大きく期待をしているところでございまして、とりあえず任期は2年ということでございますので2年間で結果を出して頂きたいということを溝畑さんにはお願いをしているところでございます。
(問)もう1点、幹事社から質問ではないのですが要望をお伝えします。今年最後の定例会見だと思いますので、事務次官会見の廃止についてですが、記者クラブとしては依然として復活を要望しております。今後ともご検討を引き続きお願いしたいと考えております。

(問)昨日、鳩山総理の元公設秘書と元政策秘書が起訴されましたけれども、これについての受け止めと、昨日の総理の会見は国民の理解を得られたかどうかということも含めてお伺いいたします。
(答)政治資金規正法違反に問われて、お一人が在宅起訴、お一人が略式起訴になられたことについては私は極めて重い問題だと受け止めております。政治家として昨日鳩山総理は国民に対して謝罪をされてお詫びをされた訳でございますけれども、私は記者会見のビデオを見させて頂きまして真摯に謝罪をし、やり直しをさせて頂きたいということを国民に対して虚心坦懐に求められたんではないかと思っております。鳩山総理ご自身も仰っておりましたけれども最後は国民がどうご判断されるかということでありますけれども、私は鳩山内閣の一員としてしっかり総理を支えて政権交代という国民が下して頂いた日本の再生のためのチャンスというものをしっかりと着実に実行していく、そして国民の政権交代をして良かったと言って頂けるそんな政治政策を実現をしていくために鳩山総理と共に頑張っていきたい、それが我々に課された使命であるとこのように考えております。
(問)政権運営の影響というものは。
(答)とにかく鳩山総理がしっかりと自らの使命というものを認識をして頂いて頑張っていかれる以上は閣僚の一員として支え続け、また自らの職責を果たしていきたいと考えております。
(問)観光庁長官人事ですが、先程仰られた溝畑さんは経営責任を取って辞められた方なのですが、その方を当てられる妥当性と、溝畑さんに白羽の矢を立てられてのは大臣なのか、それとも誰からのご推薦なのかその辺の経緯についてお聞かせ願います。
(答)確かに今年は経営が悪化をして、そしてその責任を取られる形でお辞めになられましたけれども、皆様方にお配りをしたご経歴を見て頂きますと大学を卒業してから自治省に入って、そして大分県に出向されてからずっと大分の地で、平松知事の頃だったと思いますけれども、平松さんに買われてそしてサッカーというものをクラブチームを立ち上げると育てていくということをゼロからやって来られたその手法というものは、今年の経営責任は問われた面はありますけれども、今までのゼロから観客3人から平均2万人に仕立て上げて、自らトップセールスをしてスポンサーを集めて、そしてJ1に定着を長らくさせ、そして昨年はナビスコ杯で優勝したとそこまで導いた功績というものは大変大きいのではないかと思っておりまして、その馬力そして未開の土地を開拓していく想いというものに大きな期待をしているところでございます。
(問)大臣が選ばれたということでしょうか。
(答)私が何人かの候補者の中から選ばせて頂きました。
(問)整備新幹線についてお尋ねいたします。未着工部分区間に関して大臣は当初白紙という内容を表明されていたと思いますが、昨日の政務三役の会合で復活の兆しも見えてきたとこの決め手は何だったのか。地方から見て小沢幹事長の下に地方の要望が上がっていってそこから潮目が変わったように感じられたのですが、やはり小沢幹事長の影響というものは大きいでしょうか。
(答)白紙の考え方は全く変わってません。白紙であって昨年末の政府与党合意というものは見直す。未着工については繰り返し申し上げますが白紙であります。しかし、基本方針、あとは整備計画の方針、こういったものを決めました。そして、幾つかのハードルをもし越えたものが出てきたら、それは北海道かどうか分かりませんが、出てきた場合には早く着工出来た方が良いだろうということはあると思います。未着工については全くの白紙であります。今回、自民党時代と違う点を盛り込ませて頂いたのは3点あります。1つは、並行在来線をどうしていくのかということであります。並行在来線というものは、これから環境問題、或いは高齢化社会が到来していく中で、地域の極めて重要な足として存続をしていかなければなりませんが、今までの新幹線整備で地方に委託をした並行在来線の経営が上手くいっていない、或いは地域から何とかしてほしいという相談が相次いできております。従って、この問題をどう考えるかということもJRも真剣になって考えてもらいたいというものがなければいけないというのがまず1つです。2つ目はJR貨物の問題でございます。JR北海道はトレイン・オン・トレインということで、貨物についてはしっかりと出来るんだということを仰っていますけれども、私はまだそれが実用可能性があるかどうかは極めて疑問だと思っております。そうした場合に、JR貨物は、例えば北海道と本州を結ぶ大変重要な役割を果たしている訳ですけれども、新幹線を通した場合にそれがどうなっていくのかという問題点もありますし、これもクリアしてもらわなくてはなりません。それと、あとは、今の2つは制約要因でありましたけれども、もう1つは、今までの国と地方の負担、そして譲渡料の前倒しということで造ってきたものにプラスして、民間の資本を導入してやれるものがあるのかないのか検討していこうということになっております。こういったものが、どの区間かは別にして、例えば民間の資本を入れる中で、今までと全く違った形態の中で運営が可能ということになれば、それは早くに着工すれば良い訳でありまして、それについても排除する必要はないということであります。従って、様々な検討を加えたものの中でやれるものがあればやっていくということであって、党からの要望があったから変わったということでは全くありません。現状は全くの白紙。未着工については全くの白紙であります。
(問)では小沢幹事長が登場して潮目が変わったかのような地方の印象というのは間違っているのですか。
(答)どのような印象を持たれるかは自由でございます。私が申し上げたいのは考え方は一切変わっていない。未着工は全くの白紙であると。
(問)昨日、JR東海から中央新幹線調査報告書が提出されましたが、今後整備計画の決定権者は大臣になりますし、交通政策審議会の対応も含めて、今後の国交省としての対応が1つと、それからあとルート問題と地域の関係、それから駅舎の負担問題というのは大臣としては仲介をするお考えなんでしょうか。それから、もう一点、大臣は環境面を重視される考えを今も表明されていましたけれども、南アルプスの長大トンネルという構想が1つあって、これについて環境面から影響が無いのか大臣のご所見をお聞かせください。
(答)昨日、JR東海からリニア中央新幹線の建設費、輸送需要などに関する調査報告書が提出されました。この中央新幹線は、我が国の基幹的な高速輸送体系を形成する極めて重要なプロジェクトだという認識を持っております。今回、調査報告書の提出を受けたことによりまして、全国新幹線鉄道整備法第5条の規定に基づく調査が終了して今後は中央新幹線の営業主体、それから建設主体、それから整備計画について交通政策審議会に諮問することとなります。これから私がやらなければならないのは、交通政策審議会に諮問するに当たって人選をしなくてはいけないということと、速やかにそういった人選をして議論を始めて頂くということになろうかと思っております。そして2点目のご質問でございますけれども、地元との協議というものはこれからも継続して頂くということになると思います。必要な地域との議論はJR東海もしっかりとやられてきたと認識をしておりますけれども、長野県を含めて地元からは更なる調整をといったご要望も出ているようでありますので、JR東海は出来るだけ説明責任や内容の報告周知を徹底するために汗をかいてもらいたいと考えております。環境面でございますけれども、何れに致しましても、この交通政策審議会の諮問が行われて、営業主体、建設主体の指名が行われ、また整備計画の決定をされた後には、環境影響評価というものが行われる訳でありますが、その段階で先程ご指摘のあったルートとか具体的な駅というものが出て来ることになろうかと思いますので、その時点までに様々な観点でのご懸念というものについてはJR東海が地元と相談をする中で、或いは我々の交通政策審議会での質問に対してお答えを頂きたいと考えております。
(問)JALの関係ですが、1つ目は動揺が広がっているということですが、具体的にどういった動揺が広がっているというように大臣は把握されていますか。2つ目は特に法的措置ですが、年金削減が例えば3分の2の同意が実現した場合でも、例えば将来似たようなことが起こることを想定して法的措置をしておくという考えか、3分の2が成立したら法的措置をしないのかどうかお聞かせください。
(答)お問い合わせの案件というのは、政府がバックアップをすると言っていたのがその方針が変わったのかどうなのかということのお問い合わせが根本にあって、それに派生をして様々な業種からのお問い合わせもありますので個別の問題になる訳でありますが、根本的には方針が変わったのかというお問い合わせでありまして、方針は変わっておりません。先程申し上げたように、また皆さん方にお配りをしたように関係金融機関による融資に対する適切な信用補完に関する法的措置及び企業年金の削減のための法的措置を含む方策について検討を継続しているところです。お尋ねの企業年金というものが、仮に3分の2以上の同意が集まってクリアをされた場合ということですが、これがわかるのが1月12日ということです。どの時点で法律というものをまとめるかということにもよりますし、また仮にそれがクリアをされても信用補完に関する法的措置というものについての検討を行うことになろうと思いますので、そういう意味では3分の2の同意が越える、越えないに関わらず、この法的措置についての検討は副大臣を中心に進めて参っているところでございまして、今後も引き続き続けて参りたいと考えております。
(問)気の早い質問で恐縮ですが、今年1年を振り返って大臣にとって最も印象に残っていることがあれば教えて頂きたいのと、来年は寅年で大臣は年男になると思うのですが年男を迎えて来年に向けての抱負があればお願いします。
(答)何が印象に残ったのかというと、全てが印象に残っております。大臣に着任をさせて頂いて以来、取り組んできたこと全てに感慨深いものがあります。まずは、国土交通大臣に任命されるとは正直思っておりませんでしたので、その後今まで党として積み重ねてきた考え方、方向性、そして私が次の内閣の初代の社会資本整備担当大臣として作成をした公共事業の見直し、こういったものをとにかくレールを敷くということがこの100日間の私の主要な仕事であったという風に思っています。河川については、出来るだけダムにたよらない河川整備というもののレールを敷く。そして高速道路については、補正の見直し含めて予算の抑制ということ。また、港湾や空港につきましても予算は抑制をしながらも選択と集中、或いはハブ化拠点整備ということで海外に取られている荷物やお客さんをどう日本に取り戻すかということの方向性というものを打ち出させて頂きましたし、また財政出動に頼らない景気対策という観点においては観光立国というものを名実共にやっていくんだということで予算もかなり増やしましたし、大きな柱を3つ立てております。外国からの観光客を早く1500万人、2000万人、そして3000万人構想まで持っていくということ、そして休日の平準化、また他省庁の連携による新たな観光というものの開拓というものをやる中で地域を元気にし、そして日本の観光資源、これはハードのみならずソフトも含めて世界中にアピールをしていくということの方向性をこの100日で示せたのかなと思っております。ただ、政治は結果でありますのでこの方向性を示したものをいよいよ来年1年間は有言実行、この4文字に集約されていると思いますけれども、実行して徐々に結果を出していくということ。そのことによって、政権交代を国民の皆さん方に実感をして頂き、そして政策変更、税金の使い道を変えるという内閣の意思というものをご理解を頂く。それが来年、我々に課された大きな課題ではないかと思っております。たまたま年男、寅年で48歳になる訳ですが、今与えられたポストを天命だと思ってしっかり頑張っていきたいと思っておりますし、若干脱線気味になりますけれども寅年で京都生まれの京都育ち、関西人として来年は阪神タイガースに頑張って貰いたいと、心から祈っております。優勝して貰いたいと思っております。以上です。

(以上)

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