前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年9月29日

(平成21年9月29日(火) 11:30~12:01  於:国土交通省会見室)

1.発言要旨

 まず、閣議の報告をさせていただきたいと思います。官房長官から独立行政法人等の役員人事のあり方等については、今後、独立行政法人等の抜本的な見直しや、国家公務員制度改革の議論を踏まえた上で検討する。しかし、9月末にかなり多数の役員が任期満了になることから、その方針というものを今回内閣として決定をさせていただきました。公務員OBが就任しているポストの後任者を任命する場合には、公募により後任者の選定を行う、そして選考の公平性及び透明性を十分に確保するということを各大臣として行うようにとの指示がありました。それから、引き続いて総理から、公務員の天下りの斡旋の根絶についてのお話がありました。公務員の再就職については、府省庁による斡旋を直ちに禁止するとともに、官民人材交流センターによる斡旋も、組織の改廃等により離職せざるを得ない場合を除いて今後一切行わない。天下り斡旋の根絶を図ります。ただ、公務員が天下りをせず、定年まで勤務できる環境を整備するなど、公務員制度改革を速やかに実施していくということになりますので、ただ単に天下りは無くす訳でありますが、官民交流センターによる斡旋も無くす訳でありますが、公務員制度改革によって、官僚の人たちが定年まで働けるような環境を合わせて作っていくということを内閣としてやっていくということになります。次に財務大臣から指示がありまして、閣議が決定されたことについては、平成22年度の予算編成についてでございますけれども、概算要求を白紙からやり直して、10月15日までに各省庁の予算要求をしてくるようにというお話がございました。なお、その段階で、財務大臣のお話に合わせて総理から、要求段階において既存予算の削減額を明らかにして欲しいとの指示もございました。15日が提出期限でございますけれども、15日以降も仙谷行政刷新担当大臣と共に、不要不急の事業を無くしていくために話し合いを行うということになろうかと思います。なお、我が省所管の独立行政法人の長の人事については、9月30日付で任期満了となる、独立行政法人日本高速道路保有債務返済機構理事長 勢山廣直さんについては、10月1日付で再任をさせていただくということは閣議でご了解をいただきました。この方は民間出身の方であって官僚OBの方ではありません。それから、海洋政策の担当を私しておりますけれども、担当の副大臣、政務官をお願いをいたしまして、馬淵澄夫副大臣、長安豊大臣政務官に海洋担任を兼務していただくということになりました。閣議については以上にございます。

2.質疑応答

(問)先日のテレビ番組で言及がありました空港整備特別会計なんですけれども、これの見直しの方向性ですね、一般財源化なのか、特会の形で別のものにあらためるのか、内容と時期についてお考えをお聞かせ下さい。
(答)今日の閣議の前に、藤井財務大臣そして行政刷新会議担当の仙谷大臣とも話しをいたしまして、この空整特会、空港整備勘定というものについての抜本的な見直しについてはご理解をいただきました。藤井大臣からも思い切ってやってくれというお話もございました。今、こちらの方で問題意識としているのは、空港整備特別会計、今の社会整備特別会計、空港整備勘定というものが、着陸料或いは施設使用料というものをベースに財源が主に構成をされている訳でございますけれども、このことによって今までは空港整備が行われてきて、ともすれば採算の合わない空港というものも、この特別会計によって造られ続けてきた。そして、航空会社には空港を造ったんだから飛ばすようにということで要望が出て、結局は採算が合わない路線も飛ばさざるを得ないということになったことが、今のJAL問題の一つの要因になっていると、全ての要因ではございませんが、一つの要因になっているという認識でございます。今は予断を持たずに、空港整備特別会計の抜本的な見直しをやっていくということで、改革案を今まとめている最中でございまして、現段階において具体的に皆様方に申し上げられる段階ではございませんけれども、10月15日が概算要求の締め切りということになれば、当然ながらそのタイムスケジュールを睨みながら、空整特会の見直しというものをまとめていかなければいけないのではないかと考えております。
(問)関連で一部報道で、その財源となります着陸料とか使用料の値下げを検討するといった報道があったのですが、その点についてはお考えは如何でしょうか。
(答)どういう意図でそういった記事が流れているのか分かりませんですけど、我々として未だ具体的な内容を予断を持って決めている訳ではありません。抜本的見直しをするということで具体的な中身については今検討中でございます。
(問)ダムの関係ですが、八ッ場、川辺川をそれぞれ視察なさいまして地元との一定の意見交換をなさいましたけれども、改めてこの段階で大臣として今後中止するに当たっての課題が何であるかと、それに今後どう対応されていくのか、整理してお伺い出来ますでしょうか。
(答)この2つのダムを、まずは本体工事を中止していく上で大事なことはいくつかあるのかなと思いました。一つはやはり八ッ場でありますと57年間ご苦労されてきた、また川辺川ダムの水没予定地だった五木村の皆さん方にとっては43年間辛酸を舐めるようなご苦労をおかけしてきた。こういった方々のお立場に立って、住民の皆さん方との粘り強い話し合いというのはこれからも継続していかなければならないと思いますし、しっかり誠意を尽くしてお話し合いをさせて頂きたいと考えております。そして二つ目に大事なことは、今ダム本体工事の中止ということを申し上げましたけれども、法的にダム事業の中止をする訳ではありません。生活関連でお約束をしているものについては着実に実施していくということをしっかりやらせて頂きたいと思います。また、五木村の和田村長さんも仰っておりましたけれども、やはり下流の人達の治水、利水に役に立つと思って苦渋の決断をしたのであるということでありますので、今まで国は八ッ場についても、或いは川辺川、これは熊本県では白紙撤回ということが言われていますけれども、国としては中止という考えは決めていなかった訳ですので、現政府として中止を決めた以上、それに代わる利水、治水の代替案を早急に具体的にまとめてお示しをしていくということも大事なことではないかと思っております。
(問)一点目にご指摘頂きました地元との話し合いの継続ですね、特に八ッ場の方は白紙前提なら話し合えない、テーブルに着けないという厳しい状態になっている訳ですけど、これをどう打開していくお考えでしょうか。
(答)ある程度時間は掛かると思いますし、中止ということを明確にさせて頂き、しかし生活関連の事業は継続させて頂くということで、暫くこの姿勢で臨ませて頂きたいと思いますし、我々としては何時でもお話し合いをさせて頂きたいという姿勢の中で、何らかのきっかけというものがあれば是非何らかの形で話し合いをさせて頂きたいと思っております。また五木村の方はこの間も多くの住民の方々がお越しを頂きまして住民の方々からもご意見を頂戴致しましたし、あの会合は私は1回目だと思っておりますので、また五木村、或いはお隣の相良村というところもございますけれども、そういった方々としっかりとお話し合いを更に進めていってご理解を頂く中で、中止となった場合の補償措置の問題や、或いは皆様方が心配されている利水や治水の問題についての話し合いもさせて頂きたいと考えております。
(問)さっき概算のやり直しの話もあったんですけど、八ッ場ダムの本体工事の事業費ですね、これはやり直す際にはどういう扱いに、もう入れないというお考えなんでしょうか。
(答)当然ながら中止をするということになりますので概算要求の中味には入れないということになります。
(問)生活関連は入れるということですね。
(答)それは継続して事業を行っていきたいと思いますので、細かい整理はこれからやっていかなければならないと思いますけれども、我々の方針は本体工事は中止、そしてお約束をした生活関連は継続をする、そして新たな補償措置を新規立法によって行うということを予算の中にもしっかり担保していきたいと思っております。ただ細かな詰めはこれから財務大臣とも相談をしていきたいと思います。相談に乗ってくださるということは今日の財務大臣との話し合いでは空整特会のみならず、この補償措置についてもご理解を頂きました。
(問)今日、概算要求について指示があったということなんですけど、国土交通省としてこの概算要求の作業をどういう方針で臨んでいくのか改めてお聞かせください。
(答)私は国土交通省の職員の方々への初めての挨拶の中で申し上げたのは、国土交通省という役所に皆さんは働いておられるけれども、一国民として今の日本の現状を率直に見て頂きたいという話をしました。人口が減少してきている、そして少子高齢化がどんどん進んでいっていると、しかもGDPの1.8倍を超える長期債務を抱えているということになれば、我が省だけが予算を確保して今までの事業をやり続けられるなんてことはできっこないし、そういうことを要求するということはこの国全体の持続可能性を失わせてしまうことになると。私は、色んなご批判がありますけれども、ダムの事業の見直し、或いはこれから道路の事業の見直し等全ての事業の見直しを聖域無く国土交通省所管でもやっていきたいと思っておりますけど、それはこの省という、小さな、大事な仕事ではあるけれども、国家の持続可能性というものをどう担保していくかという観点から、白紙から我々の事業費を見直していくことになろうかと思います。勿論必要なことは予算を付けてやっていくということになろうかと思います。そういう意味では、未だ総理や財務大臣から数値目標などは示されておりませんが、私なりにある程度の覚悟を持って白地から相当程度の抑制をしていかなくてはいけないんだろうという覚悟の下で、副大臣、政務官と連携をしながら概算要求を詰めていきたいと考えております。
(問)道路の話が出ましたけれども、これまで国土交通省も建設中の国道を600余り見直して17を一回凍結してまた復活した経緯がありますが、これをもう1回やり直すですとかそういうことはお考えでしょうか。
(答)現時点においては考えておりません。我々が政権に就く前にそういった決断をされたものについては前政権の決断だということになりますけれども、ただ話は補正予算以降のことについては今精査をしておりますので、我々が責任を持つのは補正予算以降であるという認識を持っております。
(問)賃貸住宅の関係ですが、家賃保証会社17社が家賃滞納者の共有データベースを作るということを今日発表する予定がありまして、一方で滞納者のブラックリスト化になってホームレスが増えるじゃないかという批判もあります。これは国土交通省の審議会の中でも議論されて来たテーマでありますので、大臣のご所見をお願いいたします。
(答)発表された内容を精査して様々な観点から我が省としての対応を決めていきたいと考えております。
(問)JR西日本の運輸安全委員会の情報漏洩問題ですが、前回会見された後も問題がボロボロと出て来まして、運輸安全委員会の中立性に大きな疑問符が付いている事態になっていますが、罰則を含めた法改正のことを言及されましたけれども併せて今国鉄出身者に偏っている委員の構成であるとかそういったところも見直すべきではないかとの声が上がっていますが、その辺りどのようにお考えでしょうか。
(答)今おっしゃった運輸安全委員会ですが、この人選については様々な観点からご指摘がありますようにどう客観性を担保していくのかといった観点が必要だと思っています。今明確な方向性を決めている訳ではありませんが、今回の悪質な事例を踏まえてしっかりと検討して結論を出していきたいと、このように考えております。
(問)ダムの見直しを考えていらっしゃいますが、143のダムのうち87のダムは事業主体が県等なのですが、見直す場合は補助金をストップさせるとか何かそういうことを考えていますか。
(答)143のうちの2つについては中止ということで八ッ場と川辺川についてはお話をさせて頂いている訳ですが、他のものについては今精査を個別にしております。今お話のあった自治体が主体に建設をされようとしているダムもあります。これについては国土交通省、国が補助金を出すということになっている訳でありますけれども、こういったものについて我々見直すという方向性になった時には当然ながら当該自治体と話をさせて頂くということになろうかと思います。いきなりばっさりこちらが方針を決めるのではなくて、当該自治体とお話をさせて頂くということになろうかと思います。
(問)見直しになった場合は補助金とかそういったお考えもおありですか。
(答)ですから自治体と話をさせて頂きたいと思います。
(問)昨日、東国原知事と会われた時に東九州自動車道について前向きな発言をされたということがありましたけれども、改めて高速道路の整備のあり方についてのお考えと、必要な高速道路とは何かという点についてのお考えをお願いします。
(答)昨日、宮崎県の東国原知事とお話をいたしまして知事が従来から仰っているこの九州の東側が高速道路が途切れてしまっていると、完成していないということについて私もこれは良くないと思うと、これについては必要だという認識を持っているということは申し上げました。ただ、時間軸については昨日は話として申し上げておりません。今後、先程お話をしましたように相当程度国全体として予算の仕組みを見直していかなければいけないと思いますので、B/Cを含めた費用対効果、或いは地元自治体からの要望、要望というのは、たとえばそこが切れているためにつながないと意味がないという道路が全国にもかなりありますので、そういった所は当然ながら事業継続をしていこうということになると思いますが、それ以外のものについて果たして必要かどうかということは我々の厳格な基準を設けて慎重にその見直しをやっていくことになろうかと思います。何れにいたしましても、今の国幹会議というものは廃止をいたします。そして新たな高規格道路をどうしていくのかという、その仕組みそのものも含めて検討していきたいと考えております。
(問)必要だけれども優先順位が低い公共事業があると思いますが、今回のシーリングが設定されていない中での概算要求というところはどのようにご判断されていきますか。
(答)先程申し上げましたように我々なりの明確な選定基準というものを設けて、その中心になっていくのは費用対効果になって来ると思いますけれども、そして透明性を持った事業選定が行われる仕組みを作っていきたいと思っています。
(問)JALに関する確認をしたいのですが、98の国内空港を作ってしまった訳だからどのように飛ばしていくかという知恵を併せて考えていくと仰られていて、この真意なのですが新しい空港は作らないけれども98空港の地元が廃止してもいいよと言わない限りは基本的に活かしていく、残していくというお考えなのでしょうか。それから地方で飛ばしていく上で国が何らかの支援策を考えていくということなのでしょうか。
(答)今、日本航空については私が任命をさせて頂いたタスクフォースが日本航空の経営状況というものを連日土日も返上して徹底的に洗い直しをして頂いております。そして自主再建に向けた考え方を10月末を目処に作って頂くことになっていますので、そのタスクフォースの作業をしっかり見守っていきたいと思っています。私が申し上げたのは98空港は造ったと、それは空整特会というお金でいろいろな地域の要望或いは政治家の要望もあったかもしれません。そして造るだけ造って飛行機会社には飛ばせということで赤字路線を強いてきた面があると。ですからこういう仕組みを空整特会の見直しを含めて抜本的に見直しをしていくということでありますので、今予断を持って具体的にこういう形で物事を決めていくということを決めている訳ではありません。様々な検討を加えていきたいと考えています。
(問)空整特会の件ですが、10月15日を目処に検討するということは、原則としては来年度予算から見直しを取りかかりたいということですか。
(答)その通りです。
(問)道路の話に戻りますが、国幹会議が廃止されることには驚きましたが、それはなさるということでお決めになったということですが、新たな高規格道路を選定していく透明性というのは、先程時間軸と仰いましたが、幾つか途切れている道路が各地にあって、どれを一番最初にやっていくか、順番をどうやって決めていくというのはどのようにお考えですか。
(答)そういう制度設計をこれから考えていくということです。そして国幹会議に変わる仕組みを検討していくということです。
(問)国幹会議の大きな問題点と今後の手続き、法令を改正等も必要かと思いますが、このスケジュール感、例えば通常国会に提出する等その辺如何ですか。
(答)スケジュールはまだ決めている訳ではありませんが、国幹会議というのは皆さん方もご承知の通り、急に招集させられて説明を受けて議論は数分という、まさに正当性を与えるための機関でしかないと私は思いを持っています。ただこれは我々民主党の議員も国幹会議に入っていましたので、これが全て悪の根源だというつもりはありません。我々もこの仕組みというものがおかしいという事があればその責任の一端を担わなければいけなくなる訳ですが、先程申し上げたようにこれから予算が制約をされる、そして必要な道路もある。その客観的な基準というものを決めていく中でどのように道路整備を行っていくのかということをその国幹会議に変わるもので明確な基準を作ってしっかりと決めていくということを検討していきたいと考えています。
(問)確認ですが、4月に国幹会議が開かれた時に決まったものが幾つかありますが、あれは白紙に戻すということになるのでしょうか。
(答)前政権で決まったことについては基本的に先程の復活した17事業のことも含めて我々はそれを踏襲するということでありますので、今後のあり方をどうしていくのかということを国幹会議を廃止して、その器もそうですが、どう高速道路、高規格道路を決めていくかとということを決めていきたいと思います。今後、そのことを決めていきたいと思います。
(問)外環道等というのはそのままの計画を踏襲するということですか。
(答)過去の国幹会議で決めたものについては我が党も入っている中で決めたことですので先程申し上げたように責任を共有しているという認識です。
(問)タスクフォースの進捗状況が大臣に入っていればお聞きしたいのですが。一部の報道で委員会設置会社に移行するとありますがその真偽をお願いします。
(答)報道は報道であって一々お答えをする必要はないと思いますし、そういうことは全く聞いていません。しかもまだ任命をさせて頂いてから数日しか経っていません。土日返上で一生懸命1日12時間以上やって頂いていますので、報告というか今日何時から何時までやりましたと誰から話を聞きましたという程度の報告は受けていますが、中身については専門家の方々もこれからではないでしょうか。10月の終わり位に骨子が出てきますのでゆっくり見守って頂ければと思います。
(問)概算要求でかなり公共事業含めて抑制ということですが、マクロ経済や雇用への影響はどう見ていますか。
(答)そこは今日も議論に上がりました。閣議の中で。これは各省の問題ではありません。これは予算全体でどういう形にしていくのかということ。そしてマクロ分析をする中でどういった効果というものが、減らす予算と増やす予算がありますよね。我々が約束している子供手当や様々なところはかなりの増額がなされる訳で、社会保障費も含めて。ですからそこの乗数効果、減らすことに対するマイナスの乗数効果、そういうものは内閣全体として注意深くそういったものに配慮していくと、目配りをしていくということは今日の閣議でも議論がありましたし、我々もそういったところはしっかりと注視しながらやっていこうということは確認をしたところです。
(問)補正予算見直しの現在の作業の進捗状況と見直し額の規模と目処をお願いします。
(答)進捗状況はほぼ100%終わっています。しかし額を今申し上げる段階ではありません。他の役所では額が出ている所もありますが、まさに我々が、副大臣、政務官を中心に精査をして頂いたものを内閣官房と摺り合わせをしている段階でありまして、今の数字を申し上げてもあまり意味のないことだと思いますので、確定をした段階でしっかり皆さん方にはその背景も含めてご説明をさせて頂きたいと思います。

(以上)

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