菅大臣記者会見要旨 平成22年5月21日

(平成22年5月21日(金) 8:41~8:54  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 日本経済の色々な数字は、昨日も会見しましたように、明るい方向に進んでおりますが、一方でユーロ安が進んでいるという状況があります。そういった意味では、為替の問題は基本的には市場の問題ではありますけれども、行き過ぎた円高ということにならないように、よく注視をしておかなければならない、このように思っております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2問伺います。今もちょっと触れられましたけれども、今朝のニューヨーク市場でも円が一時88円台、米欧市場ではユーロ安や株安現象がかなり起きています。昨日の日経平均も1万円割れ寸前という状態だったんですが、これらの市場についての受けとめを改めて伺いたいのと、日本経済に与える影響をどう見ているかというのが1問目です。
 2問目ですけれども、日本の財政も、そういう意味では大臣が普段から仰っているようにソブリンリスクを意識しなければならない状況にあると思われますが、そんな中で、民主党内に「国家財政を考える会」というのが何か議連として発足されるというようなことが報じられております。そういう動きがあることについての感想と、次期参議院選挙において、政権党として民主党が財政問題をどう訴えるべきかというお考えがあれば伺いたいと思います。以上2点です。
(答)受けとめということですが、今それに先立って私から申し上げたこと以上には特にありませんが、先ほどの繰り返しになりますけれども、直接的には色々ドイツの空売り規制等が逆に、ややマーケットが逆に反応したといいましょうか、そういうふうにも言われています。いずれにしても、ヨーロッパの色々な金融財政の問題が、マーケットの動揺がまだ完全にはおさまっていないというふうに見ております。特に週末を控えて、色々ポジションを、この間、解消しておこうというような動きも出るやに言われておりますので、先ほど申し上げたように、そういったことが行き過ぎた円高になることは望ましくないと思っていますので、よく注目をしていきたいと、このように思っております。
 それから、党内に何かそういう団体ができたというのは、報道では私も聞いております。この問題は、私が言ったとか誰かが言ったということを超えて、日本の財政の状況の問題点というのは、10年、20年にわたるこれまでの財政運営、そして今日まで、今日の時点における財政運営も含めた問題でありますので、内閣が6月には中期財政フレームとか財政運営戦略を出して、きちっと方向性を出すのは当然の責務であることは当然ですが、同時に、与党の中でもそういったことに強い関心なり危機感を持っていただいている方が色々な行動をされるということは、大変ある意味では心強いと思っております。参議院選挙ということでありますが、私はこの問題は選挙のテーマになる、ならないということをさらに超えて、やはり与野党を超えて、特に政権交代があったばかりでして、ギリシャもややそこが似ているのですが、前の政権時代からの問題と、そして今の政権による財政運営の問題とが重なる問題ですので、つまりは責任は、少なくとも前の政権にかかわった政党も、今の政権にかかわっている政党も責任をシェアしているという立場にお互い立った中で議論をしていく、あるいは参議院選挙の場でもそういう立場に立った議論が必要ではないかと、このように思っております。
(問)2点お願いします。今仰った中期財政フレームや財政運営戦略なんですが、国債の発行枠、今度の予算では44.3兆円以下というお話がありましたけれども、12年度以降はどのようなイメージを持っていらっしゃるのか。また、それをどう財政運営戦略等に反映させたいと思っていらっしゃるのかを教えてください。
 それから2点目は、先ほど行き過ぎた円高にならないようにというお話がありましたけれども、水準は仰っていただけないのかとは思いますが、もうかなり行き過ぎた円高に近づいているという認識なのか、そこら辺のイメージを教えてください。
(答)私が44兆3,000億、つまりは今年度の国債発行を来年度予算で超えないように全力を挙げる必要があると、努力する必要があると申し上げたわけですが、もしかしたら何か皆さんの中に、44兆3,000億円で十分だと思っておられるとは思わないのですが、私はこの数字そのものも、大変ある意味では財政健全化という方向でいえば、これで十分とは必ずしも思っていません。ですから、これを超えないように最大限の努力をするという表現を申し上げているわけです。つまり44兆という額は、国債の償還が60分の1ルールでやっていますけれども、60年ルールでやっていますが、そのことを勘案しても、その水準を出せば、国債が毎年30兆を超えて積み上がっていくわけですから、例えば中期財政フレーム3年間ということになると、3年間で100兆ぐらい積み上がることになるわけで、ということは20%ぐらい積み上がる、つまり200%を超えるということになるわけで、そういうことが果たしてマーケットとの関係等を含めて大丈夫と言えるかといえば、誰も確実にそのことを大丈夫と言える人はいないわけですから、そういう点で、今、12年以降の話を聞かれましたけれども、12年以降の数字というよりも、今私が申し上げたような発想で物事を考える必要があると。単に44兆3,000億を何か固定して、翌年はどうするんです、翌々年はどうするんですと、そういう状況ではないのではないかと。あえて私が44兆3,000億と申し上げたのは、決してそれで十分な健全化ではないという認識を前提に言っているわけでして、そういう意味で、色々な場面で色々な議論を今やってもらっているのです。もちろん、その一つは税調専門委員会でもありますし、あるいは先ほどの党の中でも色々な議論が起きていますし、国際機関からも、IMF等からも色々な指摘を受けていますし、色々な議論がやはりまさに今必要でもあるし、そういう状況が、今議論が深化する、深まる状況にあると、こう見ています。
(問)すみません、円高のほうの。
(答)いつも言うように、為替の水準そのものはマーケットが決めることですし、あまりそれそのものにストレートに触れることは立場上避けたほうが良いと言われております。一般的に言えば、やはりいわゆる貿易、輸出ということを考えたときに、適正な水準で安定的にあることが望ましいわけでして、それが大きく適正な水準を外れていくということは望ましくないと、一般的にはそういうことです。
(問)為替の問題ですが、為替だけではなくて、欧米では株も崩れています。金融マーケットそのものが今崩れかかっておりますが、各国との連携した対応、あるいはG7として今後どう対応していくのか、直近の対応等、もう既にお考えでしたらお願いします。
(答)株価も、ヨーロッパ、アメリカ、東京マーケットもかなり大きく値が崩れております。何か対応するかということでありますが、この間、御承知のように、G7も含めて、主にはユーロ圏あるいはEU、さらにIMF、G7、場合によってはG20、色々なところの議論を踏まえて、一定の方向性が、先週ですか、先々週出されたわけです。つまりは総計で7,500億ユーロというものを、いざというときに備えて対応できるようにすると。それによって、ヨーロッパの状況がおさまるかということを期待もしたわけですが、なかなかそこまで、おさまるところまで今来ていないわけですが、今すぐ何かそれに追加的とか、それに何かするという、そのことは私は必ずしも必要がないというのか、今はその大きな枠を約束どおり順次実施していくことで、マーケットに安心感を与えていくことになるのではないかと思っております。現実に、ギリシャについてはもう既に、さっきの7,500億ユーロとはまた別枠ですが、1,100億ユーロのほうですが、適宜資金が提供されているというふうに聞いておりますし、ギリシャ状況などを含めて、それぞれの国の努力がある程度軌道に乗ってくれば、大きな枠組みとしては合意ができているわけですから、マーケットもより冷静になってくるのではないかと予測もし、期待もしております。

(以上)

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