菅大臣記者会見要旨 平成22年4月2日

(平成22年4月2日(金) 8:50~9:13  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。1つだけ若干の報告をいたします。

 財務省改革のプロジェクトを、私が財務大臣になった直後に、1月29日に発足させまして、自ら応募してくれた人たち20人がPTをつくって精力的に議論してもらっています。具体的には、次官にお願いしましたので、常に次官が出席して、外部からは片山元知事とか、色々な人に順次来てもらってヒアリングをし、更には地方部局などにもそれぞれ3カ所ほど行って色々な意見交換をし、また省内からの意見の募集、433件あったようですが、それに加えて在京在外の大使館の調査11件、こういうことも実施をし、PTメンバーによる議論も色々行っていただいています。私自身も、1週間ほど前ですか、3時間ばかり少しリラックスしてというか酒を飲みながら侃々諤々の議論をしたところです。現在これらを踏まえた意見集約の段階にありますが、先日次官を含めたPTメンバーから、現時点での検討状況について若干の報告を受けました。全体としては、財務省の新たなビジネスモデルの構築に向けて見直すべきところは大胆に見直すとの方針の下で、財務省が志高くオープンな組織にしていこうと、質の高い政策を柔軟に発信する組織にしていこうと、国民から信頼される組織にしていこうと、こういうことで生まれ変わるための必要な取組を活発に議論をしている、こういう状況であります。

 具体的に、当初私は、平日にデートができる勤務環境の整備というようなことをちょっと象徴的に申し上げたのですが、議論していただいている中堅、若手の皆さんからは、平日にデートも家庭サービスもするが、しかし、やらなければいけないときには国民のために寝食を忘れてやるのだという、そういう勤務環境というか、いつでもデートができるというほうがよいのかなと思ったら、皆さん自身がデートとか家族サービスもやるときにはやるけれども、一方では、これはというときには寝食を忘れてでもやるという、そういうあり方が必要だというのを彼ら自身が言っているということであります。また、指示待ちの役人にはならないといった議論もなされております。

 いずれにしてもPTの皆さん自身が、変化を恐れず従来の霞が関の慣行、色々な縦割りとか色々なことを壊すような意欲的な提言をしてもらいたいと。また、かつての省内改革のように言いっ放しで終わらないように、何か方向性が出たときに、それを恒久的に推進する体制を考えてみたいというか考えてほしいということを重ねて指示いたしております。今後さらなる議論、フィージビリティーも検討した上で、今月中ぐらいを目途に最終提言をしてもらう予定で作業を進めていただいております。その点が1点です。

 それから、これは私の感想ですが、だいぶ日経平均も上がってきて、また色々な背景の中で円安がかなり進行してまいりました。まだまだ全体の経済の動向は自律的という点でやや弱み、弱さがありますけれども、全体としては少しずつ上向いていると。逆に言えば、こういうときだからこそ、それで安住しないで、しっかりと新成長戦略を軸にして、需要拡大、あるいは外需だけに依存しない内需の拡大を目指す次の戦略といいましょうか、そういうものをより力を入れていきたいと、このように考えております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先日、参議院選挙の民主党マニフェストに向けた政権公約会議が始まりました。大臣は、マニフェストの総点検というのを最近主張されておられますが、その総点検でのポイントを改めて伺いたいと思います。
(答)その場でも申し上げましたが、ちょっと幾つかの会議が重なっているので、どちらかの場で申し上げたのですが、マニフェストというのは両面から成っているわけです。色々、子ども手当とか戸別所得補償とかという歳出の面と、いわゆる207兆円の総予算から無駄を削減して、当初は7兆円とか、4年目に16兆円とかの財源を捻出するという歳入の側面と、両面から成り立っているわけです。ですから、総点検という場合には、初年度の予算はもう設立をしたわけですが、歳出、歳入の両面から総点検をした中で、次に向けてその両面でのマニフェストの実効性について考える上での大きな前提となる材料を総点検の中でしっかりと見出していきたいと、こういう趣旨のことを申し上げました。あとは、色々な場ができておりますので、仙谷さん、あるいは高嶋さんの政府と党のほうの合同の会議ができておりますし、また各省庁は、やはり自らの関係のことは自らの関係のこととして、各大臣にそうした点検を自らやってもらいたいと思っておりまして、子ども手当等については私のほうからも、少し関係閣僚には従来から、これは早目にやっておいたほうがお互いよいのではないかということで申し上げているところです。今から正式なスタートが、政権公約会議でスタートが切れましたから、そういう方向で進めていくことに、私の立場でできる範囲のことはやっていきたいと思っています。
(問)追加ですけれども、その総点検は両面からというふうに今おっしゃられましたけれども、特に歳出面の部分で、衆議院選のマニフェストに掲げた主要施策の内容変更であるとか、あるいはそのものの削除であるとか、あるいは4年間の工程表ということになっていますけれども、その工程表上の先送りということも含めてすべきだというふうに大臣自身はお考えになっていらっしゃいますでしょうか。あるいは、総点検については党側にやはり反発もあるようなのですが、その辺についての見解も含めて伺いたいと思います。
(答)だからこそ総点検をするわけで、実行するにしても総点検が必要だし、もしかして、暫定税率のように必ずしも予定通りできなかったことも初年度にあるわけですから、そういうことも出てくるのかこないのか、そういうことも含めて検討する場合に、事前のこれまでの点検が必要だろうということです。色々な考え方がそれぞれのところから出るのは当然で、ですから、総理出席の下の政権公約会議の席で、先ほど申し上げたような趣旨のことをその場で問題提起をし、基本的にはそういうことも含めてやっていきましょうということになったわけですから意見が色々出るのは当然です。ただ一応の方向性として総点検も含めてやりましょうということはその場で確認されたと、こういうふうに理解しています。
(問)大きく分けて2点伺いたいのですけれども、まず補正予算についてなのですが、亀井大臣が昨日、5月中にも補正編成が必要だという考えを、テレビ、あとは記者団等に述べられました。まず大臣自身、補正予算の編成についてどうお考えかと、あと、かねがね財政運営をめぐって亀井さんとは口論なることもありますが、亀井大臣の財政出動に対する考え方をどう見ていらっしゃるか。これが大きな1点。
 もう1点は選挙に関してですが、参院選の定数複数の選挙区について、2人以上を擁立するという小沢さんの方針に対して、静岡ですとか京都で反発も生まれていますが、複数擁立の方針についてはどうお考えでしょうか。
(答)補正予算について、国民新党、それからテレビを見ていましたら、社民党のほうでも何かそういう考え方を少し検討されているというふうに報道で見ております。今の私の立場としては、景気あるいは経済活性化の予備費が1兆円積んでありますので、例えば各方面から指摘の多い学校の耐震化などは予備費の支出を、これは国会開催中は基本的にはできないことになっていますが、準備はできますので、そういうことを含めた具体的な検討を進めているところです。そういうことを含めて、現時点ではまだそうした予備費の活用というところで追加的な経済活性化というものに取り組んでいきたいと。補正予算そのものについて、まだゆっくり、国民新党の案も説明いただくことにはなっているのですが、ちょっと私のほうもどたばたしていて、これから色々そういう御意見も伺いたいと、このように思っております。
 亀井さんとの議論は、まさに色々な面でなかなか活力に富んだ議論をさせていただいています。いつも申し上げるように、私は単純な意味での緊縮財政論者ではありません。常に景気の動向、経済の動向を見ながら、今年度の予算もかなり大きな予算になって、一方で、国債44兆円というところで、マーケットに対する信認も崩れないようにしていくと。亀井先生は、どちらかといえばそういう経済というものをより活性化することにウエートを置かれた議論が多いわけですけれども、本質的に私と違っているというよりは、そういう全体のバランスをとる上での多少の球筋が違うぐらいですから、方向性はそう調整ができない範囲ではないと、この間の議論でそう思っています。
 それから選挙のことは、私は東京の会長を降りまして、正式に先日の東京の常任幹事会で認めていただきまして、あとは海江田会長代行を中心にした、例えば東京でいえばそういう東京の執行部のほうにあとを任せておりますので、色々気になることはありますが、まだそちらまで、何と言いましょうか、色々関与するという余裕はまだまだないので、財政、経済分野で当面、目一杯というか、そちらに全力を挙げていきたいと思っています。
(問)自民党に関する質問を2点なのですが、1つは自民党内で執行部刷新を求める声が相次いでいることへの受けとめと、あともう一つ、若林元農相が押しボタンを押してしまった問題についての受けとめと、2点お願いいたします。
(答)これも同じなのですね。それはコメンテーター的にいえば、色々それは自民党のことも見ておりますけれども、今私の、特に財務大臣あるいは経済財政担当大臣としてああだこうだとあまり言う、そういう立場でもないかなと。まあ冷静に見守っているというところでしょうか。
 それから若林さんの話は、私もちょっと新聞とかテレビでしか見ていませんが、ちょっと考えられないですね。もし国会の採決を本人以外の人ができるとなったらこれは憲法上の問題ですから、うかつというレベルではちょっと言えないぐらい重大なことだとは思います。中身そのものというよりも、国会の決議が本人の意思と関係なく決まるなどということがあったというのは、それはもう議院内閣制が根本から原理が覆りますから、ちょっと考えられない出来事だなというのが感想です。
(問)先般「新しい公共」の中で、NPO法人の寄附税制の優遇策の方向性がまとまりましたけれども、今大臣として、「新しい公共」の中でこの制度をやる意義というのをどうお考えかということ。また詳細はこれからということですけれども、実際、具体的にやった場合に、いつぐらいにその効果として寄附が増えるとか認定法人が増えるというのが見えると思っていらっしゃるか。その2点をお願いします。
(答)これは、2つの場が若干関連して動いていると認識しています。1つは税調の中にこういった問題のPTができて、その中で議論が進んでいるというところが1つです。それからもう一つは、総理自らの円卓会議、私も基本的には出席しておりますが、そういう中での意見交換なり、総理のかなり強い、こういうNPO的な分野に寄附が集まりやすい形がとれないかという議論の場があります。これが色々連動して動いていると認識しています。まだ最終的な形は決まっておりません。ですから、連動した中で、手続的にはやはり円卓会議の意向も十分踏まえながら、税調のPT、最終的には税調で決めていくと。もちろん税調の決定の前には総理にも事前に相談するということもありますので、2つの場面が緊密に意見交換をしながら、最終的な形はやはり税調で決めたほうが、税の部分はですよ、良いのかなと、こう思っています。
(問)明日の日中財務対話と温家宝総理との会談なのですけれども、改めてどういった議論を期待されているかという点と、人民元の問題について、大臣のほうから何かお話しされたりする用意があるかどうかという点だけお願いします。
(答)明日は、財務大臣同士というか、そういう部分、あるいは事務方を含めての交流というものが、もともとの2年に1回の定期協議という位置付けがあります。それに加えて、温家宝総理、李克強副総理との会談というものが予定されております。まずは、そういう財務省同士の交流というものをしっかり実のあるものにしていきたいと、こう思っております。温家宝総理、あるいは李克強副総理との会談も、色々な意味で私も期待いたしております。
 私の関心の大きいところは、今の新成長戦略を進める上で、中国というのはある意味でのアジアにおける、まさに最も成長を続けている大きな国でありますので、具体的な課題まで入れるかどうかわかりませんが、例えば天津のほうに、今、環境都市構想というのが動いているとか、海南島をリゾート及び環境の拠点にしたいとか、あるいは、一部もう動いていますが、高速鉄道の問題とか、場合によったら水の問題、更には原子力発電所の問題、更には、あそこは非常に石炭を使っておりますので、石炭火力におけるCO2をあまり出さない技術の問題、そういう日本と中国が成長の分野でウィン・ウィンの関係を具体的につくっていけないか。今回は、経済界の人が同行するという余裕はなかったのでできませんでしたけれども、そういう道筋も場合によっては問題提起してみたいと思っております。
 それから人民元の問題は、イカルイットのときのG7の中でも、それぞれの国が非常に慎重にこの問題を取り扱っておられました。このことが重要な問題であるということは十分認識しておりますけれども、扱い方として、何か例えば圧力をかけるようなニュアンスに受けとめられるというのは必ずしも良いことではないのではないかと。アメリカの議会等が色々と言われているようですが、そこはそういうスタンスではなくて、日本の経験の中で、例えば過剰流動性でバブルが生じる、1980年代終わりの土地バブルの失敗等のこともありますので、孫文がかつて「張価帰公」という言葉を使って、三民主義の中で膨張する価格は公に戻せというのが、これが土地税制の孫文の基本なのですが、台湾ではそれに沿った税制がやられていますが、中国の場合には若干制度が違っておりますけれども、そういうこの日本の経験を踏まえての議論は場合によったらしたいと、そんなふうに思っています。

(以上)

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