菅大臣記者会見要旨 平成22年3月9日

(平成22年3月9日(火) 8:45~9:03  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 今日の閣議の席で外務大臣の方から、密約に関して今日の午後のある時点で何らかの発表をするという趣旨のお話もありまして、私の方からもそれに関連する財務省の関係についてはかなり調査を進めておりますけれども、外務省の発表を待って、あまり間を置かないできちっとした報告を、皆さんを含めて国民にしたいということを申し上げました。時期としては今日の今日ということも考えましたが、やはり外務省が範囲も広いですし、色々な表現もありますので、一応外務大臣の発表を踏まえて、明日以降出来るだけ早い時期にきちっとした形で皆さんにお知らせしたいと、このように思っております。

 また昨日、新しい年金の検討会が総理の下でスタートいたしました。私がこの間イメージしていた経済財政に関する検討項目について、ほぼ検討の場が出そろったと見ております。つまりは成長戦略、それから社会保障と税の共通番号、また税調の専門家委員会を含めた新しいスタート、そしてこれで年金の抜本改正というのか、新年金制度というのか、そういうものの検討の会がスタートしました。やはり3月、4月が非常に重要だと思っております。私としてはそれぞれに色々な形で関わっておりますけれども、3月、4月、5月というそれぞれの時期の中での全体の進行をしっかり見守って、それぞれが色々な形で関連しておりますので、その関連を持った形で6月の中期財政フレームなり、そういったものに向けて形作っていきたいと、このように考えております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今お話のあった年金の検討会について2点ほどお伺いしたいんですが、1つ目がこうした社会保障の制度改革を進める場合に、与野党協議のような場が必要なんじゃないかという話があると思うんですが、今の時点で大臣がそのようなものについてどういうふうにお考えになっているのかという点が1点と、2点目が財源の問題なんですが、かつて民主党は3%の消費税引き上げということを年金制度と絡んで言及していたことがあると思うんですけれども、財源の問題についてどのように今の時点でお考えで、それが中期財政フレームなどとどういうふうに関係を持っていくのかという点についてお伺いします。
(答)年金についてはかなり、もう4~5年以上になりますか、民主党としてはずっと取り組んできてかなりの蓄積がありますし、考え方もそれぞれの段階ではある程度整理したものを発表もしております。ただ、さらに状況が年齢構成等含めて変化してきていることもあります。そういう意味で改めてしっかりと、基本的なところに戻った議論が必要だと思っております。与野党協議というのは従来から年金のような非常に長いスパンで考えなければいけない政策については、スウェーデン方式と言われているような中でもそういうことが言われておりますし、私達も念頭には従来からあるわけですけれども、今の段階で言えば、まずは鳩山政権として、この間色々な議論はありましたけれども、まず鳩山政権としての基本的な考え方をまずまとめると。その後にどういう扱いをするかということになろうと、そんなに1年、2年ということではなくて、少なくとも3月、4月、もうちょっとかかるかもしれませんが、何らかの方向性が出た段階でのどういう議論の仕方をするかということの選択肢には与野党協議ということも入ると思いますが、今すぐ、例えばいつ頃からどうしようというようなことはまだちょっと考えるのは早過ぎるかなと思っております。
 財源の問題も、もともと税調大綱の中でも、昨年の大綱でも社会保障制度のあり方と関連して消費税を考える時には考えるということも言っていますし、年金制度の中でも税制との関連も従来言っていますので、まさにそういうことも含めた議論が始まるということです。
(問)党の方の方針で政務三役と都道府県連会長の兼職を解消するようにというような方針が出ております。これについての感想と、大臣自身が都連の会長を現在お務めになっていらっしゃいますので、都連会長をお辞めになられる考えがあるのかどうか、以上お願いします。
(答)今回のことが必ずしもなくても大臣、副大臣はそれぞれ忙しいものですから、県連というか、私の場合都連の会長あるいは幹事長といった役職をどうしようかということで、実は既に、例えば幹事長は、かつては鈴木寛参議院議員だったんですが、今文科の副大臣ということで先日私の方で鈴木寛幹事長の辞任を認めて阿久津議員に幹事長になってもらっています。また選対委員長であった加藤公一議員も法務副大臣ということで、これも辞任を認めて山花衆議院議員に選対委員長になってもらっています。実は私自身も既に、1人は都議会議長の田中良会長代行がおられるのですが、加えて海江田万里衆議院議員に会長代行に先だってお願いをして、常任幹事会でも確認してもらってそういう体制になっております。
 私自身がどうするかということは、実は規約上会長が空席になると選挙ということに一般的にはなるものですから、ちょっとこの時期に、実質上話し合いで継続が出来ればよいと思っているのですが、そんなことも若干あったものですからまだ私自身は、もう実質的な仕事は代行にお願いしていますが、一応まだ都連会長という肩書は残っているという形になっています。どのようにするか海江田代表代行とも相談中で、参議院選挙がもう目の前ですので、都連の中が今の体制でしっかり運営出来るように、私自身が辞任しても代表代行のもとで運営出来るように、そういうことを今相談しているところで、まだいつどうするという結論は出していませんが、私自身は今回の党からの話があるなしにかかわらずそういうことで実質的に私が引いても大丈夫なような体制を作っていると、こういうことです。
(問)全般的な意味で政務三役と都道府県連会長の兼職の解消方針についてはどのような受け止めを持っていらっしゃるでしょうか。都連という意味ではなくて、あくまでも党のマネジメントとして今回の方針についてどのような感想をお持ちですか。
(答)一般的に言えば、もちろん県連によっては議員の数が制約されていてなかなか交代が難しいというところもありますけれども、一般的にはやはり内閣に入っているメンバーは物理的にも忙しいですから、特に大臣、場合によって副大臣は、人材が一般的には多数いるわけですから、兼任しない方がいいのかなと、どちらかと言えばそう思っています。
(問)年金の与野党協議の件ですが、1年、2年というのではなくて3月に方向性が出た段階で、どういう議論をするかというふうにおっしゃいましたが、5月を目途に基本原則をまとめるというふうにおっしゃっていますが、まとまり次第、参院選前後に出来れば与野党協議を呼びかけたいというような趣旨の発言という理解でいいんですか。
(答)5月にまとめるというのは、古川君が事務局長ですので、そういうことを念頭に置いているのかもしれません。年金はご存じのように相当大きな問題ですから、ある段階は行くと思いますが、制度設計も相当大変ですから、多分専門家に色々意見を聞くというか、そういう形も必要になるというふうに認識しています。ですから今の段階で、先ほど3月、4月と言ったのは、逆に3月、4月に色々なテーマについて進めなければいけないということを申し上げたので、必ずしも3月、4月の段階で与野党協議に入るというふうな意味で申し上げたつもりはありません。まだその辺りの日程感についてはこれからです。そのこと自体も検討するということです。
(問)少なくとも1年後以降に呼びかけるというんじゃなくて、もうちょっと早いスパンで呼びかけるという意図でよろしいんですか。
(答)参議院選挙もあるものですから、参議院選挙の前にどこまでの形が打ち出し得るか、これは中期財政フレームを含めてですが、そういうことも視野に置いて、1つの目途は参議院の前なのか後なのかという、そういう意味で1年、2年先でということではなくてと言ったのは、どちらかと言えばそういうニュアンスです。
(問)先ほどのアメリカとの密約の件なんですが、発表は明日以降ということなんですが、その無利子口座の大体の全貌というのはもう分かったのかということと、そういう無利子口座を使ったやり方というのは国民から見ると分かりにくくてどうかと思うんですが、当時の時代状況からしようがなかったというふうにお感じになるか、それともやっぱりもっときちんとすべきだったとお感じになるか、大臣のお考えを教えてもらえればと思うんですが。
(答)無利子口座については少なくともかなり長い期間そういうものが存在したと。そしてある段階でそれがいわば解消されたというか、そういう事実関係は分かっています。それの色々報道も出ていますが、それに対する適切だったかどうかという問題については、これはやはり全体の中できちっとご説明したいと思いますので、あまり部分的に言って後になって違うじゃないと言われても困りますので、そこは全体の発表の中で申し上げたいと思います。
(問)各社の世論調査で内閣支持率が4割を切ったりとか、あるいは参議院選挙の投票先について自民党と民主党が拮抗するようなケースも見受けられるんですが、政権発足から半年程度たちましたけれども、どのように受け止めていらっしゃるでしょうか。
(答)今ちょうど半年目を迎えようとしておりまして、この間色々な課題に取り組み、内閣として色々、私は全体としては前進をしていると思っております。ただ確かに幾つか「政治とカネ」の問題などを含めて国民の皆さんから厳しい見方をされているということもよく認識をしております。私の立場で言えば、先ほど申し上げた年金、成長、番号、税制を含めて、もう何十年にもわたるやるべきでやれていないことに対して、しっかりと、かつ果敢に取り組むことが私はこの内閣のマニフェストと並ぶもう1つの課題、もっと言えば最大の課題であると言っても言い過ぎではないと、こう思っております。そういう点でやっとそういう歴史的な、戦後60年余の中で、特にこの20年ぐらいやらなければいけないことが進んでいない、それに正面から取り組む体制が整ったと、そのように思っておりますので、その取り組みを通して国民の皆さんの信頼を得ていきたいというか、しっかりしたことをやっていけば私は信頼を取り戻せると。つまりは今の色々な問題、それはそれなりに重要ですけれども、「政治とカネ」の問題も重要ですし、色々な問題が重要ですけれども、今私が申し上げたような歴史的な大転換点に対してどのような形で取り組めるかということこそが、私はこの鳩山内閣の真価が問われる問題だと思っておりますので、昨日の年金制度の検討会がスタートしたことによっていよいよこれからだと、これからそういう形で信頼を政策実行の面で回復していくように私としては頑張りたいと、こう思っています。

(以上)