菅大臣記者会見要旨 平成22年1月12日

(平成22年1月12日(火) 17:06~17:33  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は閣議の後に2時間前後の閣僚懇談会を開きました。昨年の段階で合宿でも、という表現をしておりましたけれども、合宿という形にはなりませんでしたが、通常国会を前にして全閣僚から幾つかの重点課題について、その取り組みのことについての意見表明がありました。また、全体として各省庁が自ら監督している、いわゆる特別会計とか独法とか、あるいは公益法人等についてもしっかり見直しに取り組むようにということで、意見交換をしたところであります。

 私の感想から言いますと、1つは、こういう会がこういうタイミングで出来たのは非常に意味があることかなと思っています。もちろん、これ1回には限らないかもしれませんが、ややもすれば国会が始まるとそれぞれの国会での答弁に忙しくて、内閣全体としての統一性と言いましょうか、そういうことについて議論する場が少なくなるわけでありますので、そういう点では、通常国会が始まる直前にこういう形でとれたのは大変良かったかなと思っております。また、さらに言えば、そういう中でもやはり厚生労働関係の来年度の予算というものを見通した時に、厚労大臣自身も言われていましたけれども、非常に子ども手当の増額も、あるいは年金の3分の2を2分の1にしたものも、これは前の政権時代に行ったわけですが、恒久的な手当てがされておりませんので、それに対してどうするかといった問題等々、この分野については特に早めの議論が必要かなということも私からも申し上げました。

 また、全体としてもう1つの大きな柱として、パイを大きくするというのか、成長戦略というものもそれぞれの立場でかなり意見が出まして、この分野はどちらかというと積極的な意見が多く出たように思います。昨年の暮れ、12月25日に予算案が決まり、30日に成長戦略を発表し、年明け、藤井財務大臣の体調不良の辞任がありましたが、私が後任に就いて仙谷さんが国家戦略担当になり、そういう中で色々な出来事は起きておりますけれども、鳩山内閣がしっかりと指導性を発揮して政権運営に当たっている。そういうことがこの数日、幾つかのメディアが鳩山内閣に対する支持率が少なくとも下げ止まった、あるいは少し反転したということを報道されているのも、私は年末年始の鳩山総理のこうした的確な政権運営が反映しているというふうに見ていまして、これから国会が始まりますが、その中でもこうしたしっかりした対応を、総理を中心にやっていきたいと思っております。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)3点お伺いいたします。1点目は、今日の長く時間をとりました閣僚懇談会で、特に副総理の方から各大臣に対して指示というのか、何らか投げかけたような発言がございましたら、そのご紹介をいただきたいのが1点です。
 2点目ですけれども、今日の閣僚懇でも各省庁の特別会計や独立行政法人、あと公益法人の見直しが主なテーマだったのかなと思うんですが、副総理の立場で今回の見直し作業についてのスケジュール感をどのように考えておられるかというのを伺いたいと思います。これは2012年度の予算編成にかかわる問題かと思いますので、具体的に出来れば伺いたいと思います。
 3点目ですけれども、これは財務大臣としてお答え願いたいんですが、財務省所管の例えば特会や独法等もあるわけで、現段階で財務大臣のお立場として特に見直すべき余地が大きいと思っているものが具体的にあれば、ご指摘を伺いたいと思います。
(答)今、冒頭申し上げましたように、一通り、一応5分程度ということで全閣僚が話をされた後に、私なりにその中身を受けて、先ほど申し上げたように厚労関係は大変ご苦労が多いので、場合によっては長妻大臣の方から必要なら仙谷大臣とか私、財務大臣とか、何人かでもうそういう時間をとって議論をするようなことも、これは長妻さんの方から言われたところもあったかもしれませんが、そういう機会を作ったらどうですかということも申し上げました。また、長妻さんの方は、あらかじめご本人の方から色々独法のあり方等についても、特に関係の深い大臣と議論したいということも言われていたことを受けて、これまではどちらかと言えば総理とか官房長官とか私の方が何人かの閣僚、正式には閣僚委員会という場を通して意見調整をしていたわけですけれども、これからは逆の、逆という言い方は変ですが、課題の多い大臣の方からそうしたことについて相談をするための会を、他の閣僚に要請されるというのも一つの形ではないですかと、そういうことを申し上げておきました。場合によったら、そういうことが具体的に行われるのではないかと思っております。
 それともう1つは、これも先程ちょっと言ったことですが、この議論の中でやっぱり3つのパターンがあるのかなと。1つは、いわゆる無駄な支出を削る。例えば天下り先で余り必要のない仕事をしているようなところを削るといった本当の無駄を削るという部分と、それから歳出の中身を大きく変える。これは無駄と若干ダブるところもありますが、今回の予算案で言えば農業土木などを大きく削減して、戸別所得補償に振り向けた。これは優先度にメリハリをつけたというのですか、そういう分野。さらには、パイを大きくする中で場合によったら税収を伸ばすという形で対応していくという分野、そういう3つの分野について、それぞれ今後も、多少性格が違いますから、必要に応じて分けた形での議論を続けていきましょうと、こういったことを少し申し上げました。
 それから、見直しの展望ですが、まさに本格的な見直しをある意味では今日から始めたというふうに私は認識しております。先週の段階で私も含む何人かの、たしか官房長官と仙谷大臣だと思いますが、その名前で各大臣に今日の議題についての4項目の、こういうことについて少し考えてきてほしいというのをお配りしておりました。その中には今申し上げた独法とか特別会計とかも入っておりますので、かなり具体的なところまで用意されたところもあります。私自身も実は、財務省については資料の説明を昨日受けて用意をしておりました。そんなことでまずは本格的には今日からスタートして、国会、予算が上がるまでは予算議論が中心になりますけれども、予算があがった後には改めてその間に各省庁で準備をされた色々な問題なり、精査をまた改めて共通の場に出すなどして進めたい、こういう見通しを持っております。財務省について、ちょっと今日資料を持ってきませんでしたが、先日、事務方にも指示をし、昨日は政務三役と一緒に財務省が監督しているそうした特別会計等の一応説明を受けました。これからしっかりと、まず「隗より始めよ」という言葉もありますので、財務省についてもしっかりと、そういうことも含めて取り組みたいと思っております。
(問)2点あるんですけれども、まずは仙谷大臣との役割分担なんですが、財政運営戦略ですとか、中期財政フレームというのは、結果的にどちらが所管されるのかというのが1点。2点目はJAL問題なんですけれども、更生法の活用ですとか支援機構の支援などを軸にしたプレパッケージ方式で、政府はこれでいこうというふうに確認していると思うんですけれども、それは実際どういう認識でいらっしゃるのか。また、別の私的支援とかそういう方式はあるのか。今日の株価もストップ安になったようですが、こういう信用不安の問題もあります。これについて政府が支援などを表明するお考えはあるのか。その2点をお願いします。
(答)まず仙谷さんに私が担当していた国家戦略担当という役割を改めて総理の方からお願いをされたわけです。ですから、これまで国家戦略室に、ある意味でそこがやるべき、あるいはそこの仕事としてされたものについては、担当は私から仙谷さんに代わりましたけれども、仙谷さんの担当ということになります。特に、税財政の骨格ということについて、従来も、当時は私がそちらの担当で、藤井財務大臣が財務大臣としての担当であったわけですが、ある意味での役割分担でこの間もやってきたつもりであります。ですから、これからも骨格的なところについては仙谷さんの方に中心になってもらって、もちろん必要な資料等で財務省が出さなければいけないものは協力をしていくと、こういうことになることは言うまでもありません。
 また、経済財政担当という立場はそのままでありますので、今日の総理からの指示も、私に対しては藤井大臣の後の財務大臣をお願いするとともに、「私の」というのは、これは総理ですが、「私の指示の下、国政全般について私を補佐するとともに、我が国経済の再生に全力を尽くすようお願いいたしております」と。「また、成長戦略の取りまとめを引き続きお願いいたしております。」こういうことですので、成長戦略の取りまとめについては今後とも私が担当するようにということであります。しかし、いずれにいたしましても、仙谷さんの役割も行政刷新会議とともに国家戦略会議は広い意味では官房の仕事、もっと言えば総理直属の仕事でありますので、私も財務大臣というのは、財務大臣としての仕事がありますが、副総理という立場で言えば、総理を直接支える仕事でありますので緊密に連携をとってやっていきたい、こう思っております。
 JALの問題については色々報道がありますけれども、私の立場は従来からいつも申し上げておりますように、いわゆる支援機構、当初は支援機構の担当という立場が中心であったわけですが、今は財務大臣という立場も重なりました。しかし、それも含めて、これも総理の方から全体の取りまとめについて少し私の方で汗をかくようにという指示をいただいております。そういう中では、支援機構が主な関係する銀行、そして航空行政を担当する国交省、国交大臣、さらにはJAL本体等々と十分協議をして、一定の方向が出されることを後方支援するというのが私の役目で、この間もそういう役目で必要なことをやってまいりました。これまでも5大臣による支援表明を既に出しておりますけれども、それだけで十分なのか、ある段階ではそれに加えた何らかの支援表明が必要なのか。この辺りは今申し上げたような枠組みの中で必要であれば必要な対応をとる、こういうことになろうと思っています。
(問)JALの件で加えてご質問なんですが、今日も株価がストップ安になるなど、かなり必要な支援は、これから必要があれば表明するということだったんですが、マーケットはかなり敏感に反応していると思うんですが、スケジュール的に今後どのように政府としては決めていきたいかということと、あとは株主としての責任というのをどのように考えるかという2点をお伺い出来ればと思います。
(答)スケジュールについても基本的には支援機構自身が判断すると。ただ、その判断という意味は、当然ながら、関係する主要な銀行等を含めて、それと運行の問題がありますので、国交省を含めて、また必要な関係機関含めて色々そうした協議をする中でスケジュールが固まってくると、そういうように思っています。それから、株主責任という、まあ責任という言葉は色々ですけれども、やはり元々が株式会社というのは有限責任ですか、つまりは、出資はするけれども、出資がその会社が何かがあった時はそれ以上超えての責任は問われないわけですから、お金を貸している銀行は銀行としてのまた色々な、債権をどうするかということがありますので、やはり基本はそういう資本主義というと大げさですが、株式会社というものの原則に則って何らかの再生のための手続きに入った場合には、その手続きにふさわしい形での、ある意味での、有限ではあっても責任は分かち合うというのがルールであろうと、このように思っています。
(問)予算の見直しのことで、今日の主要な議題である特会、独法、公益法人の見直しですけれども、具体的に今まで民主党は207兆円の特別会計と一般会計を通じた予算の組み替えを示してきたわけですけれども、今日は平成22年度予算の純計の額、定量的な議論はされたんでしょうか。
(答)今日は、どちらかと言えばそれぞれの省庁が、それぞれ関係するところについてそういうものをきちっと意識をして洗い直すようにという、そういう趣旨から今日の主要な議題にそういうものを入れておりました。必ずしも具体的にそれぞれの省庁が幾ら幾らという数字を挙げたわけではありません。また、私の方も財務省の資料としては、一応全体の姿を調べておりましたけれども、そこはまずは、認識としては全体を見ていなければいけませんが、担当する省庁のことをしっかり取り組んで欲しいという趣旨で、この時期にこうした議論をスタートしたということです。
(問)民主党のマニフェストに、4年間で無駄の削減とか予算の組み替えによって具体的に幾ら幾らの財源を確保するという主張がありましたけれども、一度予算編成を経験されたお立場から見て、改めてそういった目標は達成可能であるとお考えでしょうか。
(答)制度的な問題、さらには組織の問題、それからいわゆる埋蔵金の問題等々、同じ207兆円から、例えば初年度9.1兆円という数字を挙げておりましたが、そういうものを考える上でも色々な中身の性格があります。また、この間はまさにリーマンショック以来の税収の極端な落ち込みという新たな、マニフェストで国民の皆さんに訴えた時以降、新たな問題も生じております。ですから、マニフェストで申し上げたことが、もう既にそのままの形で実行出来ないところも出てきて、それについては総理の方から、暫定税率などについては国民の皆さんに謝った上で理解を求められたということは、皆さんもご承知のとおりです。そういった経緯はありますけれども、改めて今日議論を始めたのは、平成22年度の予算については9月16日に組閣をしたという時から数えて3カ月半の間に政府原案を作成するという中でやったわけでありますので、時間も含めて色々な制約の中で、制度問題にはなかなか深く入れませんでしたし、まして組織問題にはなかなか手がつかなかった。そういう意味では、今年こそが正念場だと思っておりますので、そういう意味で制度問題、組織問題、そういうものに深く切り込むというか、そういうものまで含めた見直しを徹底しようということで、今の段階で何かもう、とても無理ですといった、あきらめるつもりは全くありません。
(問)今のことにも関連しますけれども、特別会計とか独立行政法人の見直しを当面は各役所のご努力というか、自分のところの領域をまずやってもらって、例えば特会の廃止とか民主党は言っておりましたけれども、全体として見直しの計画を大臣が主導して何か政府全体で作られるというところまではまだいかないということですか。
(答)これは色々な分野がありますから。例えばストレートに特会に関わるかどうかは別として、幼保一元化といったようなことはマニフェストにも言っていますし、この3カ月の間ではそこまで踏み込めませんでしたが、そういうことに踏み込んでいけば、当然今度はいろんな保育所の整備とか、そういったもののあり方等も、あるいは税のあり方も関係してきます。あるいは、私のところにも関係の深い納税番号、これは税調でも基本的にはやるという方向で決定しておりますので、こういう問題も踏み込んでいけば、場合によったら税と社会保障の共通のものをやるとすれば、年金制度とか社会保障制度にも関わってきます。ですから、そういうものについて初めから手をつけませんというのではなくて、逆に言えば、手をつけることを前提として、それぞれのまずは自分の足もとをよく見て欲しいと。税調とか、そういうまたがったところでは、場合によっては早めに納税番号のPTといったものも、これも国家戦略室との連携もありますので、まだ具体的な日程等については相談しておりませんが、そういうことについては、私の意識ではそういうなかなか時間のかかる課題については早めに手をつけようと、そういう考えです。

(以上)

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