古川副大臣記者会見要旨 平成22年3月11日

(平成22年3月11日(木) 16:08~16:35  於:合同庁舎第4号館11階共用第1特別会議室)

1.発言要旨

 お待たせいたしました。それでは今から定例会見を始めたいと思います。
 まず最初に、今日の副大臣会議の報告をさせていただきます。今日は既にNHKさんのほうでも報道されているようですけれども、与党と政府との間での意思疎通のあり方についての、党代表として鳩山総理が小沢幹事長とお話をされて決められた、その政府と与党との間の政策の決定のあり方についての御報告と御説明がございました。その中では、マニフェストの検証、策定のあり方について、政権公約会議というものを鳩山代表の下につくって、またその下にマニフェスト企画委員会というものをつくり、政府側、党側から両方出て、ここで検討する。そこにさまざまな形で提言や提案をしていただく研究会や、今まで質問研究会といわれていたものが政策研究会に変わりますけれども、そういう形にして、より政府・与党間の連携を密にしていこうと、そういうお話と意見交換がございました。それが副大臣会議の報告であります。
 あと今日、皆様方に、国家戦略室が事務局を務めております会議の、これはホームページにも出ているものでありますけれども、確認の意味で皆様にお示しさせていただきました。色々な会議等が立ち上がってきておりまして、それについて、ばらばらでまとまりがないのではないかというような御指摘もあるようでございますが、主なものは全て国家戦略室のほうがかかわって、まさに国家戦略的な見地からこれまでのような各省庁の縦割りばらばらではなくて、それぞれの政策が全体として整合性がとれるような、そういうものを見通してこうした会議のリードをしている役割を今戦略室は担っております。
 特に、皆さんからよくこの関係を聞かれますから、簡単に私の認識を申し上げておきますと、やはり今の日本の、特に国内でいえば大きな問題は2つあります。1つは、どう今低迷している経済を立て直して将来に向けて新しい成長を実現していくのかというところと、もう一つは、膨大な財政赤字を抱える中で、どうこの財政規律を維持していくか。その2つが、いわばこれは非常にお互いうまく両方のバランスをとりながらやっていかないと、どちらかだけふかしていくというと、もう一方がうまくいかないということにもなりますから、そこはそういう意味での、2つとも非常に大きな問題ではありますが、そのバランスを考えてやっていかなければいけない問題であります。その大きな柱となりますのが成長戦略の策定会議と、中期財政フレームやあるいは財政運営戦略をつくるために今検討会を行っておりますけれども、そういう流れだというところであります。
 そしてこの両方にかかわっていくものとして、1つ大きなのが、税制改革を行っていくということ。小泉さんは構造改革ということを言われたわけでありますけれども、一番の国の構造改革というのは、やはり税制を抜本的に変えるということであって、その点からいいますと小泉さんは一番の構造改革につながる税制改革に手をつけなかったということが、私は小泉構造改革の一番大きな問題であったというふうに当時から思っておりましたしそういう発言もしてまいりましたけれども、まさにこの税制のあり方を根本から変えていくということは、国のあり方を、あるいは経済を含め大きな影響を与えるものであります。そういう意味ではこの政府税制調査会のほうも、国家戦略大臣も会長代行でありますし、私メンバーでありましてかかわっておりますけれども、この税制改革というものが進んでいくことが成長戦略にもまた財政規律の確保にも当然両方につながっていくという話になるわけであります。
 そしてまた、新年金制度に関する検討会が始まりましたけれども、時代に合った新しい社会保障制度を構築すると。特に老後の安心を確保する、高齢化社会が来ているわけでありますから、年金制度、これを一日も早く構築するということ、これまた将来の安心を確保するという意味で日本の成長にもつながる話でありますし、また、この年金制度に対する信頼を確保すると、きちんと財政的な面も含めて、その財源も含めてこの制度について明らかにしていくということは、これは財政規律という面からしても大きな役割を果たすことになると思います。そういった意味では、税制改革と社会保障制度の抜本改革、年金制度をはじめとする社会保障制度の抜本改革は、まさに成長戦略やあるいは財政規律の両方に資するものであって、成長戦略や財政規律をどう維持していくか、そういう政策を考える上でこうしたものを並行的に進めていくということ大事になってくるかというふうに思っております。
 そして、そうした抜本的な税制改革や年金改革をはじめとする社会保障の抜本改革を実現するその環境整備として必要なのが、社会保障・税に係る番号制度をはじめとする環境整備でありまして、まさにそこにつながっていくためにこうした議論というものもやっているわけであります。
 さらには、今、今日も夕方、閣僚委員会が開かれる予定でありますけれども、地球温暖化の問題、この環境問題も、いかにこれをチャンスととらえて将来の環境分野を中心に成長につなげていくかと、そういう視点を持ってまとめていくということであります。ここには書いておりませんが、国家戦略担当大臣が取りまとめになっております雇用の問題についても、やはり人々に居場所と出番というものをつくっていくという鳩山政権の下で、雇用のあり方、働く場所、そして働く仕事の内容、そういったものを含め安定して雇用の場を提供していく。さらにはそのスキルアップを図っていく、様々な雇用政策というのもこれまた成長戦略にもつながっていく話でもあります。
 そういった意味では、国家戦略室がかかわっている担当大臣、そしてまた室長である私がかかわっている部分というのは、それぞればらばらではなくて、最初に申し上げました日本が直面している将来の成長、そして財政規律の維持、そこにつながるような形で全体を整合的にまとめていくと。そういう考え方の下に戦略室のスタッフ一同、チームとなって取り組んでいるところであります。ぜひその点を皆様方にも御認識いただきたいということをお願い申し上げたいと思います。私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)最初の政権公約会議なのですが、これまで政府と与党のコミュニケーションについては、政策会議で各省で行われてきたと思うのですが、そちらとの位置付けの違いというのを教えていただけますでしょうか。
(答)これはマニフェストをつくっていく、その中心的な場になってくるのだと思います。当初より私ども、このマニフェストをつくるというのは、やはりこれは党として党の中でつくっていくというものであります。日頃の政策、国会に出すような法案とかそういうものとは別に、やはり政権公約というものについては、これは次の選挙、政権公約ですから基本的には総選挙なのですけれども、しかし今年あります参議院選挙等もいわば昨年の総選挙でお示しした政権公約、マニフェストをベースにして、これをどういう形で発展させていくのかと、そういうことも含め議論する場というものが必要でございますから、それはこの政権公約会議の下に置かれますマニフェスト企画委員会を中心に行っていく形になると。ですからここの場で個別の、今例えば各省から政府として提案をしている法案の議論とかそういうことをする場ではないと。そういう意味で区分けは、明確な役割分担はここのところではできるということだと思っております。
(問)そのマニフェスト企画委員会と政権公約会議のメンバーはどういった方が入るのでしょうか。
(答)今決まっておりますのは、議長が鳩山代表で、その下に党・政府首脳ということで、まだこれからその具体的な人選については決まってくることになろうかというふうに思っております。企画委員会ほうの政府側の委員長は仙谷国家戦略担当大臣、そして党側のほうは高嶋筆頭副幹事長が委員長になられると。その下で、主査として政府側のほうは私で、党側のほうは細野副幹事長がなると。あと委員としては、そこに、政府側でいいますと松野、松井両副長官が入ってくるかと思いますが、あとどういう形で入ってくるかというのは、委員についてはまだ固まっておりませんが、党側のほうも、今のところは桜井参議院政審会長や、三井国対委員長代理、海江田政治改革推進本部事務局長や、伴野副幹事長、阿久津副幹事長と、そういうところが今のところ委員に挙がっておりますけれども、これもまだ実際に立ち上がって会合をしているわけではありませんので、何らかの準備会合のようなものを今決まっているメンバーの何人かで近々行って、その上で具体的な、最終的なここにかかわってくる委員の人たちも決まってくることになろうかというふうに思っております。
(問)そのスケジュールなのですが、まず初会合がいつぐらいで、何か成果物が出てくるとしたらいつぐらいを目指すのかということを教えていただけますでしょうか。
(答)近々にも準備会合は行われることになろうかと思いますが、そこでの会合を踏まえて今後の進め方等も考えていくことになろうかというふうに思っております。成果物というのはまずは今度の参議院選挙のときのマニフェストの案を作成する場になっていくのではないかというふうに思っております。
(問)今朝出たGDPの2次速報の件で、結果に対する受けとめと、あと現状の景気認識について先ほど経済情勢について厳しいとおっしゃいましたが、副大臣の現状認識を伺いたいのですけれども。
(答)今回の2次QEの数値は下方改定とはなりましたけれども、実質では前期比年率3.8%と高い伸びであることには変わりないというふうには思っております。
 一方、名目では前期比の年率で0.5%と低い伸びでとどまっておりますし、今回のQEの結果を見ますと、10-12月期におきまして景気は持ち直してきているということでありますけれども、やはりまだ依然として自律性には乏しくて厳しい状況にあると、そういったものを反映しているのではないかというふうに考えております。
(問)国家戦略室の関係で、成長戦略の策定について、今各省でそれぞれの案をまとめているという段階だと思うのですけれども、その進捗状況と、恐らく3月中旬頃からまた省庁のヒアリング等が始まると思うのですが、その辺りスケジュールは今のところどのような感じですか。
(答)これは2月に開催しました策定会議で、各省で整理をお願いしたもの、そろそろヒアリングを戦略室のほうで始めることになろうかというふうに思っております。
(問)今のところまだ日程については。
(答)まだ具体的な日程は。でも近々にはヒアリングを開始することになろうかと思います。
(問)今のGDPについては自律性に乏しいというお話でしたけれども、特にまだどういった点で日本経済は自律性に乏しいというふうに見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)まだやはり輸出に頼っている面というのが大きいわけであります。しかもまだ国内を見ますと雇用者所得なども伸びているような状況にない。やはりそういう意味では、内需が本格的に戻ってきているという状況にはないのではないかと。やはり内需が着実に回復しているという状況が見えてくるということが自律性を伴っている回復というふうにみなせるのではないかと思いますので、そういう段階には至っていないと。そういう認識であります。
(問)今回GDPで設備投資が7四半期ぶりにプラスとなりまして、徐々に改善の兆しが出ているのですけれども、ちょうど今、企業が設備投資の計画をつくっているようなところだと思うのですが、特に法人税についても、見直しについて期待感が出ておりますけれども、それについて今後どのように議論を進めていきますでしょうか。
(答)これは先週も申し上げましたけれども、法人税のあり方の見直しにつきましても、税制調査会のほうで、今専門家委員会のほうでまず税制全体の見直しから入るという議論がスタートしたところであります。ですから専門家委員会で出てくるそういう結果も踏まえながら、税制調査会としてもそこで出された視点なども踏まえて、これは法人税だけでなくて他の税目も含めてですが、議論を進めていくということになろうかというふうに思っております。
(問)国家戦略室の関連の会議の関連でお伺いしたいのですけれども、将来の安心のために社会保障制度の抜本的な改革を行うという位置付けだと思うのですけれども、今回新しい年金制度についての検討は始められましたが、医療ですとか介護ですとか、まだ非常にゆがみがある部分をたくさん抱えている社会保障制度の分野はあると思うのですが、この辺の改革というか検討の場を設けていかれることはあるのか。6月の財政運営戦略に向けてそういった社会保障制度全体の改革の道筋というものを示されていくことにはならないのかということをお伺いしたいのですけれども。
(答)医療や介護を含めた社会保障全体というものは、これは政府全体としてやっていかなければいけないことだと思っています。
 年金と医療や介護との若干の違いは、年金の場合は制度全体を根本から見直していくというときには、これはもう厚労省だけではなくて幅広い様々な省庁を越えた検討というものが最初から大事になってまいりますから、そういう意味でこの検討会においても、事務局のところには厚労省のほうも加わっていただいてお手伝いしていただきますけれども、戦略室が中心となって最初からやっていこうというところであります。ただここは新年金制度に関してそうやるということであって、今の年金制度の問題点等については、担当の厚労省の中で既に様々な検討や、改善のためのいろいろな議論が行われているというふうに承知いたしております。
 医療や介護についても、これはまずはそうした担当であります厚労省のところで様々な今後の改革に向けての議論というものを既に始めているところでありますので、まずはそこでの議論の推移というものを見守りつつ、それが厚労省の範囲を越えて政府全体、他省庁も含めたそういう全体的な調整が必要になってくるような状況というものが見えてくれば、そのときには国家戦略室もかかわっていくということはあろうかと思います。現時点におきましては、まずは担当である厚生労働省においてこの医療や介護というものをどういうふうに変えていくかということを検討していただくべきものだというふうに思っております。
 特に医療や介護というのは、変えていくにしてもかなり現状の制度からどういうふうにうまくつなげていくかというものが、年金以上にそこは難しい問題といいますか、注意していかなければいけない問題だと思っております。そういう意味ではまずは所管している厚生労働省において、この医療や介護の改革のあり方というものについては検討していただくというのが、現時点においては好ましいのではないかというふうに思っております。
(問)QEに関してもう1点お伺いしたいのですが、GDPデフレーターが前年比マイナス2.8と、1次速報のマイナス3.0から若干よくはなっているのですが、過去最大の下げ率には変わらないということで、デフレ認識についてお伺いできますか。
(答)これは従来から申し上げているとおりでありまして、政府も日銀も、1日も早いデフレ脱却を目指していかなければいけないというところでは認識は一致しているわけであります。それぞれがそれぞれの立場でできることがないかということを考えて、1日も早くこのデフレの状況から脱却できるように、そういう努力をしてまいりたいと考えております。
(問)デフレの度合いについては、深まっているとか、やや弱まっているとか、その辺の認識はありますか。
(答)少なくともデフレの度合いが深まっているというふうには思ってはおりません。ではもうこの状況からすぐにでも回復できるような、そういう状況に弱まってきているようなところまで見えているかといえば、そこまでにもいっていないのではないかと。緩やかではありますけれども、まだデフレの状況が続いているというところではありますので、先ほど申し上げたように、そうした状況認識に立って、1日も早くデフレ脱却ができるような努力をしてまいりたいというふうに思います。
(問)先ほどマニフェストのお話があったのですけれども、政権公約とはそもそも総選挙のものであるというお話がちょっとありましたが、政権をとったらこうするという性格のもので去年も出されたと思うのですけれども、参院選でのマニフェストというものの位置付けですけれども、ちょっとイメージとして、政権を持っている者としてどういうマニフェストを出すのかあまりイメージがわかないのですが、そこは今どんな感じのイメージを持たれているのか、ちょっと伺えればと思うのですが。
(答)これから議論する話ですので、今の時点で、こういうものとか、そういう具体的なイメージが私もあるわけではありません。ここはぜひ皆さんにも考えていただきたいところではあろうかなと思います。最近、選挙のときに出すのはみんなマニフェストという形になってきているわけなのですが、基本はこれはやはり総選挙で政権をかけて戦う政権選択の選挙においてこれから4年間の主要な目指すべき政策項目についてお示しするというのがマニフェストだという認識で私どももつくってまいりました。従来から、では参議院選挙のときに出すマニフェストというものはどういうものかというのは、野党の時代から、この点についてはちょっと衆議院とは違うのではないかというふうに考えてきておりました。
 ですので、今度政権を担った形の中での参議院選挙でお示しするものでありますけれども、それをどういう形にしたらよいのかということについては、まさにこれから議論を始めるわけでありますので、その議論の過程の中で決めていきたいというふうに思っておりますが、やはりそこは少し私の認識では、衆議院選挙でお示しするマニフェストとはちょっと違うものになってくるのではないかなというふうに思っております。
(問)新年金制度に関する検討会の実務者レベルの会合なのですけれども、これは外部の有識者というのは固まったのかということと、初会合はいつ頃開かれるのかということをお願いします。
(答)もう来週にもやりたいというふうには思っておりますけれども、外部の有識者というのは、これを固定のメンバーで入れるか、あるいはその必要に応じて呼んでお話を伺うかということでありますが、当初は必要に応じてちょっと来ていただいてお話を伺うというような形でやりたいと思っております。

(以上)

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