古川副大臣記者会見要旨 平成21年12月17日

(平成21年12月17日(木) 18:10~18:32  於:合同庁舎第4号館4階共用408会議室)

1.発言要旨

 お待たせしました。それでは会見を始めたいと思います。
 まず昨日行われました仙谷大臣部局の政務三役の報告からしたいと思います。15日に総理から行政刷新推進関係で年明け以降、独法及び公益法人について、各種規制及び支援措置制度について、それぞれ見直しという御指示がございました。先の経済対策でも、規制改革は主要テーマを決めて、行政刷新会議の下で取り組むことが決められました。刷新会議としてこうした課題について年明け、どういう体制や、またスケジュールでやっていくのかについて、自由な議論をしたところです。昨日の段階では結論が出たわけではなく、議論を踏まえて事務方のほうも含めどういう形でやっていけるか案をつくり、それを踏まえて検討するということになりました。以上が仙谷部局の話です。
 菅副総理部局の政務三役会議は、時間の関係で非常に短くなりました。1点は本日から行われております、日銀の金融政策決定会合への対応方針について議論いたしました。中身はお話しできません。次に、15日に北海道で開催されました北海道雇用戦略会議の結果報告を受けました。また、14日月曜日開催の内閣府政策会議において経済対策について説明したところ、与党のほうからさまざまな御意見をいただいたとの報告を受けました。既にその模様については、津村政務官のほうから皆さんにはブリーフィングしていると思います。最後に事務方から経済情勢の報告を受けました。
 私から一点皆様方にお伝えしておきたいことがございます。予算編成のあり方に関する検討会の論点整理につきまして、11月30日までパブリックコメントを募集しておりました。締め切り後の結果は、単純合計ですけれども101件のコメントがございました。ただ同じ人が何件も出していたり、全く内容が関係のないようなものもあるようでございまして、これらについては今後精査し、その精査した内容の報告を受けた上でどういう形で取り扱うかを決めていきたいと思っております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)昨日民主党からの予算に対する要望が出ましたけれども、ガソリン税の暫定税率の維持と、あと子ども手当の所得制限をつけるという、マニフェストと多少違うような内容がかなり入っているわけですけれども、この点について戦略室としてマニフェストの具体化の調整をされてきた立場としてどのような見方をお持ちなのか、今後どういうふうに対応されていくのかを伺いたいのですが。
(答)マニフェストの主要事項については、予算関係閣僚委員会の決定を受けて、国家戦略室を中心にどのような形で優先順位をつけて実行していくのか、実施していくのかということを、関係の各担当からヒアリングし、また菅副総理を中心に大臣同士で意見交換などを行ってきている、まだ途中の過程でございます。そういう意味では、今回の党からの要望も、最終的な取りまとめに向けて議論している中で、最終的にトータルとして政府として取りまとめできるように、参考にしながら、国家戦略室といいますか菅副総理の下で最終的なまとめに今後入っていくことになろうかと思います。
(問)この点で副総理を中心に取りまとめをされていたと思いますが、なかなか調整が、我々が見ている範囲では各省いろいろな意見があってまとまっているように見えなくて、結果的に党のほうが時間にしびれを切らしたという形で、ああいうほとんど結論めいたような要望を出してきたようにも見えるわけですが、その点はどのようにお考えなのでしょうか。
(答)その点は全く違うというふうに私も聞いております。まさに政府として、今回予算の基本方針も示させていただいて、国債の発行額を平成21年度の第1次補正後の発行額以内に抑えるというところが決まってくる。その中で、党としても、ではどういう形でマニフェストで約束したものの中で、どういうものに重要度を置いているのかについてお示し頂き、意見を私ども政府のほうに頂いたという意識でおります。そういう意味では別にしびれを切らしてとかというわけでは全くないというものであります。とにかくマニフェストでお約束した事項というのは、今までの仕組みなどを大きく変えるというものでありますから、当然そこはいろいろな議論があって然るべきだと思います。同時に、これは今行われているCOP15もそうだと思うのですけれども、ある種まだ時間がある段階だと、なかなか皆さん最終的にはこういう形でまとまっていこうというところがあっても、時間がある限りは最後まで自分の立ち位置から、できるだけ離れたくないというのが、これは人間の自然の感情のところだと思います。最初はいろいろな論点がありましたけれども、何度も関係者で議論する中で、論点はかなり整理されつつあるという感じがしております。そういう意味では、党からの要望もありましたが、それも踏まえて最終的な形にまとめていくことについては特に私も心配いたしておりません。時期が来ればといいますか、最終的な取りまとめまでには、内閣としてまとまると思っております。
(問)昨日官邸で民主党の要望があったときに、小沢さんから「本当に政治主導なのか、もっとちゃんと決断するべきなのではないか」というような趣旨の発言があったというふうに聞いていますけれども、これについてはどう受けとめていますか。
(答)「決断すべきではないか」というお話ではなくて「政治家主導になっているのか」というところの御発言はございました。それは役所などにまだまだリードされている部分があるのではないかという御懸念ではないかというふうに思います。この点については、私ども精いっぱいの努力をいたしておりますが、ただ同時にいろいろな体制の整備等、十分にまだ新しい体制の中になれきっていないというところもあります。今、過渡期の段階であります。政治家と官僚との関係でいっても、今までと全然違って、もう完全に政治が主導権を握ってやっている部分というのはたくさんあります。その一方で、まだ全てがそこまで至りきっていないという部分があるのも事実だというふうには思っております。そういった意味では、今後とも当初私たちが目指してきた政治主導というところをきちんと実現するために努力はしていかなければいけないと思っておりま。幹事長がおっしゃられたというのは、私たちに対する叱咤激励だと私は感じております。
(問)趣旨は、政治と官僚の調整、官僚との関係ではなくて、政治主導で政治がちゃんと決められるにもかかわらず、閣僚同士が言いっ放しで何も調整が進んでいないと。まさに国家戦略室の機能が党のほうから見ると不満だったのではないかという気もするのですけれども、その辺いかがなのですか。
(答)私の感想は先ほど申し上げたとおりであります。私は、幹事長がおっしゃったのはまだ幹事長の目から見れば十分とは言えないのではないか、もっと頑張れ、そういう叱咤激励をいただいたというふうに私は感じました。
(問)今日総理が外遊に出発される前に、これからの予算編成についてこういう方向性でやってほしいということを副総理や関係閣僚に指示を出したというふうにお聞きしているのですが、今具体的に戦略室のほうでどういう方向で、差し支えない範囲で、どういった指示を受けているかということでお聞かせ願えますでしょうか。
(答)それはもう最後の取りまとめに向けての、総理の御指示を受けて取りまとめていくというところでございますので、具体的にどういうことかということを今の段階でコメントする状況にはございません。
(問)今日午後、党の細野副幹事長や財務省の副大臣も含めて折衝があったかと思うのですが、こうした実務者レベルで政府と党の要望のところをすり合わせしていく作業というのは、どういうテンポでどういったところで実務者レベルでまとめていくという、そのスケジュール感も含めてもしあれば教えてください。
(答)昨日党からの要望をいただきましたが、非常にシンプルに書いてあるものですから、書いてあることの意味合いについてよく趣旨が理解しにくい部分があり、そうした点についてお互いに内容や事実を確認する作業を中心に行いました。具体的な協議をしていたというわけではございません。
(問)先ほどもお話に出た政治主導の関連でお尋ねしますけれども、火曜日に予算編成の基本方針がまとまる前に、先週末、財務省が事業仕分けの結果に基づく査定によって、マニフェストなどに関連する部分を除いた一般会計の総枠というのを示したわけですけれども、これというのはやはり本来であれば基本方針が示された後にマニフェストを除く部分、総枠についても示すべきであって、財務省が先行してやってしまったというのはちょっとこれは政治主導というのとは、また話が違ってくるのではないかと思うのですけれども、そのあたりの受けとめはいかがなのでしょうか。
(答)御存じのようにこれは藤井財務大臣に加え、当然菅副総理、そして仙谷大臣の3大臣で調整してすすめた話です。財務省が行ったということではありません。
 今回の予算編成については、もともと非常に時間がタイトな中で、しかもいろいろなことが初めての中でやっています。年内編成という時間的な制約もあり、一つずつ詰められる部分は詰めていったほうがよいだろうという中で、もう既に固まって見えている事業仕分けの結果の反映については基本方針を待ってというのではなく、早目に対処していこうということを3大臣が確認したということです。内閣として、予算関係閣僚が一致して行ったということです。決して予算編成の基本方針の前になったから問題だと、私は感じておりません。また財務省が勝手にやったというわけでも全くありません。今後の日程を考えていけば、固められる部分は先に固めていこうということは、私には非常に自然なことだと思っております。
(問)繰り返しになりますけれども、先週金曜日の段階で出たものが、基本方針を結果としてきちんと踏まえたものになっているのか、ひょっとしたら時間的な制約がある中で拙速になっているのではないかと、その辺で国民にひょっとしたら誤解を抱かせることになるのではないかとも思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
(答)事業仕分けの結果をきちんと反映するということについては、もともと予算の基本方針の中にも書いてあります。そういう意味では基本方針よりも前に決まったことによって、何かがゆがめられたわけでも全くありません。内容を見ていただければわかりますけれども、ほぼ、指示したとおりに満額に近い形での削減というものが行われたわけでありますから、そういう意味では、私は問題は何もなかったと思っております。
(問)官房長官が、先日国家戦略室の局への格上げ法案、政治主導確保法案というような法案になるのだと思いますが、通常国会に提出して4月ぐらいには局に格上げしたいという意向を示されたのですが、これに戦略室としてはどうかかわっていかれるのか、その法案提出に向けてどういうふうな議論をされるのか教えてください。
(答)これは、官房長官の下でやっていただいている話でございます。我々戦略室が法案に関与していくことはありません。もちろん内容などについては、逐次報告や相談等はいただいております。戦略室自身がこの法案に対して関わっていくことは今のところは考えてはおりません。

(以上)