福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月30日

(平成22年4月30日(金) 9:59~10:16  於:合同庁舎4号館6階605号室)

1.発言要旨

 どうも、おはようございます。
 まず、事業仕分けに関して、国民生活センターが事業仕分けの対象になり、水曜日、議論になったこと、その結果について申し上げます。
 国民生活センターの重要性については、認識していただけたことはよかったと思います。指摘をいただいた件については、真摯に受けとめます。そして、これについては改善、改革を含めて、しっかり検討してまいります。1つ、全国消費生活相談員協会のことについても御指摘がありました。この社団法人全国消費生活相談員協会は、天下り団体ではありません。理事長と専務理事は、もちろん民間の方で、実はお2人合わせて総額470万円という報酬なので、本当に月10万円ちょっとで、非常勤なのですが、実は常勤的に働いているので、女性の方ですが、むしろボランタリーに、非常にボランティア的に働いていただいていまして、天下り団体ではありません。それで、御指摘いただいたことなどは真摯に受けとめますが、役員が高額の報酬を受けているとか、天下りの人だというわけではなく、会長は無給でありまして、ですから、これは天下り団体ではありませんので、改善やどうしていくかということは、もちろん検討してまいりますが、むしろボランタリーに働いていただいているということは一言申し上げたいと思います。
 また、御指摘いただいた消費者庁との役割分担、消費者庁と国民生活センターとの役割分担、連携のあり方については、これはきちっとやってまいります。両者の役割分担の明確化に向けた検討がされる必要があります。その際、国民生活センターが長年の経験によって培ってきたノウハウや専門性が活かされ、また同時に、消費者行政の司令塔としての消費者庁が、効果的かつ迅速にその機能を発揮できることが必要だと考えています。既に事務方には、この点を整理するよう指示しております。事業仕分けにおける取りまとめも含めて、私自身のリーダーシップで検討を急ぎたいと考えています。
 それで、今日、群馬県に参ります。これは、高崎市に行きまして市長と懇談した後、障害者施策の概要説明を受けます。それから、国立重度知的障害者総合施設、国立のぞみの園を視察いたします。これは、今、障害者制度改革推進会議の下で、障害者施策を議論しておりますので、国立の重度知的障害者総合施設をしっかり見学してまいりたいと思っております。
 あと、ジオスの破産に関する消費者庁の対応なのですが、これについては26日月曜日にはジオスの破産管財人、27日火曜日には英会話等を引き継いだ株式会社ジー・エデュケーションの代表取締役社長に対し、来ていただいて、それぞれ消費者にわかりやすく情報提供することなど、必要な対応をとるよう働きかけました。今後とも、消費者庁として、消費者からの相談の受付状況も踏まえ、必要な対応をしっかりやってまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)小沢幹事長の問題についてなのですが、今日、前原大臣がワシントンのほうで「影響はある」ということで、その後、「御自身で判断していただきたい」ということで、自発的な辞任に含みを持たせたような感じのコメントをされているのですが、福島大臣は現状で、参院選への影響、いろいろ世論調査でも厳しい数字は出ていますが、それについて現時点でのお考えと、今後の対応についてはどうされていくのか。
(答)検察審査会の起訴相当の結論は、重く受けとめなければならないと思っております。今後は、検察審査会で起訴相当と出たのを受けて、検察庁がよりほかにどういう証拠ができるのか、公判廷の維持ができるのかも含めて、しばらく検討されると聞いています。ですから、その結果も注視したいと考えています。
(問)今回も、いわば国民目線で、小沢幹事長は起訴すべきということになったと思うのですが、それがやはり民意の反映ということで、参院選へも今後、同じような反応があるのではないかと見てとれるかと思うのですが、そこら辺について、福島大臣のお考えはいかがですか。
(答)検察審査会が起訴相当と出したことを受けて、検察庁がより補強できる証拠があるかどうかも含め、検討されると思います。これは刑事手続ですし、そこでしっかりされることを注視してまいります。
(問)今の小沢幹事長の関係も含めて、民主党内に審査会のあり方を検討する必要があるのではないかというふうな議連ができる動きになっているのですね。この間までは検察非難だったのに、今度は審査会までという感じになっているのですけれども、これに対しては、大臣としてもそうなのですけれども、法律家としてもどう考えるかお聞かせ願えますか。
(答)私は、世の中のさまざまな制度について議論する、あるいは議連ができることを、悪いとかと言うことは、ちょっと今の段階ではできませんし、それからその議連が、どういう立場で何を射程においてやろうとしているかがちょっとわからないので、ちょっとコメントしづらいです。
 むしろ、私自身は、検察審査会の結論が出て、法律家としても思うのですが、検察庁が、証拠がより補強できるか、あと、前回の起訴しなかった検察庁の判断と何を違ってどうするのかということは、やはり粛々とこれはやらないと、公判廷の問題になりますので、それを注視したいと思っております。
(問)5月3日の憲法記念日について、憲法審査会が、全く今、衆参ともに動いていないというか、呼ばれてもいない。それに対して、この間、超党派の議員の大会でも、早期にという声もあって、その状態自体が違法ではないかという意見もありますが、その辺りをどうお考えでしょうか。
(答)全く違法だとは考えておりません。また、今の日本の現状、国民の思いとしても、憲法の理念、例えば生存権といったものや、表現の自由もあるかもしれませんし、プライバシー権もあるかもしれませんが、さまざまな権利、とりわけ今は生存権が大事だと思いますが、そういう憲法の価値をどう活かしていくのかというのが大事なときであって、憲法、とりわけ憲法9条を変えたいという議論を積極的にやるような状況ではないと考えています。
(問)共同通信の世論調査で、内閣支持率が20.7%になりまして、麻生内閣の末期や安倍内閣、福田内閣の末期よりもかなり下がっていまして、この状況で参院選が間近に迫っているわけですけれども、何が足りなくて、何が体制立て直しに必要だというふうにお考えでしょうか。
(答)社民党自身は、去年、衆議院選挙で「生活再建」、「いのちを大切にする政治」を訴えました。それは、民主党の「国民の生活が一番」ということと、かなり共通項があったと思うのです。私は、昨日は連合メーデーでしたし、この間も20代、30代の若い女性たちと働く現場の話をして、働き過ぎてうつ病になったとか、深刻な話、高齢者の皆さんや介護の話、障害者施策などを聞くにつけ、今、国民の皆さんが一番思っているのは、「生活再建」だと思っています。その「生活再建」、生活を立て直してほしいということに対して、やはり真摯に具体的に変えていく。こういう成果ができた、待機児童解消もそうですが、そういうところをきちっとできるだけ示せるように、内閣の一員として頑張っていきたいと思っております。政権は代わったけれども、自分の生活がなかなか変わったようには思えない、政治がなかなか変わったように実感できないというところがあると思うので、私自身は、一つは閣僚として、もう一つは社民党党首として、1人の国会議員としても、その実感が出るように頑張ってまいります。待機児童解消などは、この間、横浜市長と意見交換して、横浜市が特区申請をしたのですね。今度、千葉市、さいたま市、東京都下のいろいろな首長たち、あと、沖縄県とやりますので、これをやると、大都市圏でやれば7割、待機児童が解消できるのではないかと思っておりまして、そういう愚直な生活に根差したところで成果が出るよう頑張っていきたいと思っております。
(問)毎回ですみません。普天間の件でお伺いしたいのですけれども、沖縄に4日に総理が行くことになっておりまして、現地では結構、当日に反対集会をやるとかというふうな県民の反発が強まっているようです。今の段階で沖縄に入ることについて、県内設置案を含めた案を説明するのではないかというのも出ていますが、これについてお願いします。
(答)5月4日に総理が沖縄入りすることについて、沖縄の人たちから、やはりきちっと意見を聞いてほしい、あるいはいろいろな意見が実際起きていると思っています。私自身は、せっかく沖縄に行くのであれば、沖縄の人たちと本当にとことん話をしてほしいと。この間、県民大会があって、9万人が参加したとのことでしたけれども、その国外、県外へと、沖縄県内にはつくらないでほしいという沖縄県民の皆さんの本当に切実な思いを、総理自身がしっかり受けとめていただきたいと思っております。総理も、記者会見で、しっかり受けとめたいとおっしゃっているので、沖縄入りをするのであれば、沖縄の皆さんの県民大会でもはっきり出た、国外、県外へと、沖縄県内にはしないでほしいという思いをしっかり受けとめていただきたいと思っております。今回の総理の沖縄入りが、その沖縄の熱い本当に必死の思いを受けとめるという機会になるようにと思っております。
(問)4日の総理の沖縄入りの前に、今言われている徳之島と浅瀬、桟橋案というのを総理が示すのではないかということも言われていますが、与党3党でまだ協議していない中で、そういうことは沖縄では伝えないでほしいとか、そういう社民党としての意思を総理に伝えるお考えはありますでしょうか。
(答)それは伝えております。
(問)既に。
(答)はい。
(問)それは、どういう場面で伝えられたのでしょうか。
(答)電話で、やはり沖縄県内というのは、沖縄の人たちは望まないのではないかと。桟橋案、埋め立てではなく、では杭打ちだったらよいと沖縄の人たちは思わないと思いますよ、ということは伝えております。
(問)それは今日ですか。いつの日でしょうか。
(答)今日、電話をいたしました。
(問)今の発言に関連して、総理からは、それに対しては県内移設案をやはり堅持したいというような御意向は示されたのでしょうか。
(答)いや、そんなに明確ではありません。私はとにかく、辺野古の埋め立て、今、桟橋というか、杭打ち案が出ていると。それは誰からか聞いたというわけではなく、報道からも言われていて、それはやはり辺野古の埋め立てをしない代わりに杭打ちでやるというのは、結局、それは沖縄の人たちは納得しないと思いますよと。あるいは、とにかく地元の同意が必要だと言っていたわけですから、それは同意は得られないと思いますよ、というこちらの見解をお伝えしたということです。
(問)総理は、それに対してはどのようなことをおっしゃったのでしょうか。
(答)それは、ちょっと2人のやりとりですから、社民党として、埋め立てがだめだということであれば、杭打ちの案も、それはだめだと思いますよ、あるいは、地元の賛成は得られないと思いますよ、ということを、社民党として、党首としてお伝えしたということです。

(以上)