原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月16日

(平成22年4月16日(金) 8:53~9:15  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。私の方からは二つでございます。今日、閣僚懇談会でも出ましたけれども、新成長戦略、この取りまとめについて、私たちはもう既に ICT維新ビジョン、緑の分権改革、様々なものを出していますけれども、更にそれをエッジを利かせて、そして、電子政府についてもですね、しっかりと進めてまいりたいと思います。例えばこういう役所の光熱費、あるいは、様々なコストについても、一体幾ら掛かっているのか。一般の企業であればICT化して即座に分かるものが、まだこの霞が関については旧来型という状況でございますので、コストカットも含めて、しっかりと前に進めていきたいと思います。昨日、政務三役会議でも指示をしましたけれども、ハットカズシステムを、この任期、あと3年ちょっとですけれども、その間で、どのように、いつまでに、何を、どれぐらい減らしていくのかと。その工程についても一週間以内に素案を作って出すようにということを言ったところでございます。これがまず第1点です。
 それから、第2点は、昨日、石井富山県知事がお見えになりまして、地方財政について御提案を頂きました。その中で、これは福岡でも、麻生知事と会見をさせていただいたのですが、是非、改めて、皆さんに御理解を頂きたいと思いました。これは、中期財政試算でございます。中期財政試算で、私たちは財政再建をどのように果たしていくのか。公的歳出のうちの半分が地方というふうに認識をされているとしたら、それは間違いで、3分の2が地方です。そのうちに何があったかというと、平成9年、この中期財政試算を作ったわけですけれども、経済成長率を1.75、この緑の線です。3.5と仮置きしたときに、当時の一般会計の税収は58兆円でした。今年は、ここ平成22年ですから、93兆円になっていなければいけません。当時の試算どおりいけば。1.75でも、74兆円。ところが、経済失政によって、私たちは多くの先進国からも遅れを取ってきたわけです。0.8とか、ひどいときにはマイナス2.1、マイナス0.8。税収の弾性値は1.1なんていうふうに書いていたのですけれども、このところによってはマイナス4.2、マイナス4.3という状況です。その結果、税収は37兆円になっているということを、まず皆さん、御理解を頂きたい。つまり、成長なくして財政再建なし。ここで例えば、消費税を2%、つまり5兆円上げ下げしたところで、何の解決にもならないということが、この絵を見てお分かりになると思います。もう一つ、このところ出てきている、私が言う悪しきプライマリーバランス論です。それは何かというと、本来は、財政再建の目標は、さっきお示ししたように、GDPに対して、国民総生産に対して、幾らの財政赤字があるかという目標を立てなければいけない。プライマリーバランスというのは基礎的財政収支ですから、つまり、この部屋全体での財政赤字について考えなければいけないのを、このコップの中だけで見ているのと同じなのです。そこで、今、プライマリーバランスは、国・地方はどうなっているかというのを示したのがこれです。地方のプライマリーバランスは、大変な財政再建努力で、もうゼロを超えているわけです。ということは、プライマリーバランスは、要するに、1年間で得る収入の中で1年間の歳出を賄っているという状況が発生しているわけです。では、それに対して国はどうなっているかというと、正に超赤字体質。1年間で得る税収でも、自らの歳出を賄えないという状況がずっと続いているわけです。ここでまた、過去、財政を失敗した人たちが、今ごろまた出てきまして何を言っているかというと、国と地方を合わせたプライマリーバランスを均衡させろと言っているわけです。この意味を、是非、皆さんに今日申し上げたくて、会見の中であえてもう一回やりました。国と地方のプライマリーバランスを合わせろと言えば何が起きるかというと、こっちはもうゼロを超えているのですけれども、国・地方で合算すると、ここももっと歳出削減しろと。その分、国の方は、歳出削減努力が薄くて済むわけです。もっと言うと、国の方の目の前のごみを、自分たちが掃除できないからといって、地方に押しつけることになるわけです。これは絶対に駄目だよというのを、先週、麻生知事会長と話をしました。二つの意味で駄目です。一つは、中央政府の財政規律、中央政府の行政改革努力を大変あいまいなものにする。その結果、地方にそのつけ回しをする。これ以上地方が公共サービス格差を拡大すれば、それは、地方そのものがやっていけないということになると。このことを今日2点、私の方から申し上げました。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社の共同通信の中島です。1問お願いします。「新党たちあがれ日本」が略称を「日本」とする方針を決めたことに対し、同じ略称を使用している「新党日本」側がこれを問題視しています。総務省は、公職選挙法上は可能との見解を示していますが、選挙の投票や得票数のあん分などをめぐって有権者に混乱が生じる可能性も指摘されています。この問題について、いつまでに、どのような対応をなさるお考えか、大臣の御所見をお願いします。
(答)そうですね。これは現行法上、私たち総務省は略称についての規定がないのですね。その結果、公職選挙法においては、衆議院比例代表選挙に関し、政党の名称及び略称の保護のため、国会議員5人以上又は直近の国政選挙の得票が2%以上に該当する政党は、名称及びその略称を中央選挙管理会に届けるものとされています。この場合ですね、今申し上げた二つの要件に該当する限り、同一の略称を有する他の政党が既に届出をしている場合でも、受理をされることになっているわけです。いろいろな御意見を聞いていると、なんで総務省は認めるのだと。おかしいじゃないかと言われますけれども、仮に、衆議院比例代表選挙で両政党が同じ略称で名簿の届出を行った場合には、選挙において当該略称を記載した投票があん分されることになりますから、つまり、同じ「日本」でどっちに入れたかということが分からないで、そういうことが起こるわけです。ただ、今の法律の中では、私たちにはそれを止める手立てはないわけでございまして、早急に制度的な担保について、国会でも御議論を頂ければというふうに考えているところでございます。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。ちょっとお伺いしたいのですけれども、民主党政権になりまして、一括交付金、補助金の一括交付金化ということがあったのですけれども、地方交付税から変わるということで、不交付団体への制度設計についてお伺いできればなと思っているのですけれども、その辺り、大臣はどのようにお考えになっているのでしょうか。
(答)いや、交付税が変わるわけではないです。いわゆるひも付き補助金をなくして、そして、一括交付金化するということでございますので、今、地域主権戦略会議の中で主査を設けて、そして、どのようにするかということを、この夏の地域主権戦略大綱に盛り込むべく、制度設計を、今検討しているところです。
(問)先ほどの「日本」の略称の関係ですけれども、総務省の見解としては。
(答)会社名だけでも。
(問)すみません、共同通信です。「日本」の件ですけれども、法改正をしなければ同じ略称を受理せざるを得ないという御見解でいいのかという点と、あと、新党日本から質問状が来ているかと思うのですけれども、それが期限までに回答されないことについても反発をしていますけれども、どのように対応されるお考えでしょうか。
(答)前段についてもですね、どのようなことができるのか、ただ、今の現行法における、私たちが、総務省が、独自の判断で届出をされた、届出を受理することになっているわけで、それを私たちの判断で、AとかBとかいうことが言えるかどうか。逆に言うと、それは総務省の権限を越えているのではないか。そこを検討してみたいと思います。後段については承知していませんので、あとで精査をしたいと思います。
(問)フジテレビの大塚と申しますが、昨日、大阪の橋下府知事と会談されたのでしょうか。もし会談されているのであれば、その中身を、言える範囲でいいので教えていただきたいと思います。
(答)大塚さん、昨日、出るとき御一緒でしたから、知っていて聞いているのですけれども、橋下さんは何て言っています。
(問)私の口からは、ちょっと言えないのですけれども。
(答)言えない。相手のあることなのでですね、あれですけれども、お会いをいたしました。橋下知事とは定期的にお会いをし、地域主権戦略会議でも議論をしているわけでございます。昨日の話の内容は、それこそ相手のあることなので、ここで総務大臣として申し上げることではございません。ただ、一般論として言えば、私は、稀有のリーダーだと思っていまして、こういう志を持った方が、今、ワン大阪ということで頑張っておられますけれども、私たちは地域主権戦略会議で責任の明確化、例えば、これは大阪に限らず、Aという県で、県が持っている施設と、そこの県都が持っている施設が大幅にオーバーラップしていたり、あるいは全体的な地域戦略というのが一緒にコラボできなかったり、そういったことについてどうするのだということをですね、橋下知事とはずっと議論をしているわけです。例えて言うと、大きな県の中に、また大きな、その中に市があって、それが別の方向を向いているときに、発展はなかなか、統一的な発展はできません。ですから、私たちは補完性の原理で、基礎自治体がまず権限を持って、それができないところは広域自治体、あるいは道州ということを言っているわけです。そこのところの整理を、いつも橋下知事とはやっています。もう今、都市間競争になっていますから、自らの地域を自らでデザインする強力なリーダーシップ、これが必要だということは、いつも言っているところでございます。
(問)フリーランスの畠山理仁です。3月末の、ちょっと前のことになるのですけれども、また記者会見のオープン化状況についての調査結果のことでお伺いします。同じAでも濃淡があるということを、大臣は以前の会見でおっしゃいました。現段階での調査結果だということもおっしゃいました。4月9日からですね、大臣はユーストリームで自ら会見を、ユーストリーム中継で開くということをやられておりますが、総務省はAの結果だったわけですけれども、ユーストリームで中継をされるということは、まだまだ不十分だというお考えからやられているのでしょうか。
(答)いや、総務省というよりか、いろいろなメディアの媒体が新しく出てきていますよね。特にこういう記者会見では、皆さんからいただく時間も限られていますし、逆に、さっきのようなことだって、本当は30分ぐらいないと、見ている人が、例えば、プライマリーバランスって何だとか。今、確か4分ぐらいでやっていると思います。4分では伝えられないもの、あるいは、直接御説明した方が、で、双方向で反省会とかもこの間、テストですけれどもやらせていただいて、そういう双方向で深められるもの、これをもっと大事にしたいということでやっているわけでございます。今が不十分だというか、常に新しい可能性に挑戦したい。こういうことでやっています。
(問)続けてなんですけれども。あの、すいません、ちょっと意識が飛んでしまいました。先に。
(問)大臣、すみません。いいですか。読売新聞の古川です。おはようございます。自民党が公職選挙法の改正案の要綱をまとめて、インターネット選挙についての解禁に前向きな要綱になっています。多分、大臣もお聞きになっていらっしゃると思いますが、ウェブの更新や、それから、制限付きではあるのですけれども、メールとかツイッターとかについても認めると。一方、民主党の方は、ウェブの更新はいいのだけれども、メールについては、なりすまし対策とかがなかなか難しいのではないかということもあって、切り分けてやるべきだという意見もあるようなのですが、前々から大臣はこの問題について、非常に積極的な御意見をお持ちだったと思うので、こういう各党が夏の参院選に向けてやろうとしている動きを、どういうふうに受け止めていらっしゃるかという、御感想を頂けますでしょうか。
(答)一言で言うと、歓迎しています。やはり公職選挙法自体も禁止というか、いわゆる選挙活動の、すべての人たちが選挙に、しかも、政策を中心としていろいろな御意見を作り上げていく、あるいは、公約についても更にブラッシュアップしていく。そういう意味でも、この新しいメディアが持つ可能性というのは、とても大事だと思いますし、バリアという点から見ても、とても大事だと思います。各党各会派において一歩踏み込んだ意見が、案が出てきているということを、まずは歓迎をしたいと思います。確かに今おっしゃるように、なりすましの問題であるとか、誹謗中傷、それをどうするのだと。ただ、最高裁の、この間も判決が出ましたし、一定のネット環境、ネットでの安全な環境に向けた法的な整備も進んでいるということを考えていますので、私たち論点整理をしていますので、総務省としてもしっかりと国会の御議論の下支えをして、国民の御期待にこたえていけるようにしたいと思います。
(問)朝日新聞の堀口です。おはようございます。郵政の関係ですけれども、郵政法案の閣議決定の時期の見通しなのですけれども、20日という、亀井さんはこれまでおっしゃっていましたけれども、可能なのかどうか。もし、ずれ込むようであれば、いつぐらいにできそうか。連休前とか、連休明けとかですね。国会の日程も詰まっているようですけれども、見通しをお聞かせください。
(答))堀口さん、これは、もうできるだけ早くとしか言えません。ほとんどもう論点はまとまっていますから。あとは条文にするのに、時間が、事務的な勝負だというふうに考えています。できるだけ早く出せるように努力をしていますし、そういう指示をしているところでございます。
(問)毎日新聞の望月です。おはようございます。以前お尋ねした、児童ポルノ対策のブロッキングの件なのですけれども、通信の秘密との関係で、できるのか、できないのかという、お考えの整理ができていれば教えていただきたいのですが、どういう理論立てで、正当行為なのか、緊急避難なのか、どういう理論立てで、できる、できないという判断されたのかもお願いします。
(答)今、これ議長を大島内閣府副大臣の下でですね、児童ポルノ排除対策ワーキングチーム、これ6月をめどに対策案をまとめて、犯罪対策閣僚会議で決定をしようと考えています。そこで今、望月さんの御指摘のブロッキングの扱いですけれども、通信の秘密を侵害する、その上で、ブロッキングを認める場合の考え方について。で、警察庁の考え方は、刑法第7章第35条の正当行為、つまり、法令又は正当な業務による行為は罰しない。この中に入るのではないか。私たちは緊急避難、自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り罰しない。この二つの考え方があるわけでございまして、様々な通信の秘密、これは、前回も申し上げましたけれども、絶対に侵してはならないものでございまして、そことの法益の考慮ということで、検討を今しているところでございます。
(問)すみません。フリーランスの畠山理仁です。思い出しましたので、もう一度会見のオープン化状況の調査結果のことでお伺いします。この調査結果について、岡田外務大臣がですね、なぜ評価されなければいけないのかという不快感を表しておったのですけれども、この調査が出た後にですね、ほかの閣僚の方に、この結果について説明するなど、何か行動されたことはありますでしょうか。
(答)閣僚懇談会とかで丁寧に説明をしています。新政権になって何ができたのか、そして、何ができなかったのか。これはかねてから約束をしていることですから、 PDCAサイクルで、自らがプランしたものが、どのようにチェックされていくかということを、総務省の横くしの機能を使って、今こういう状況ですよというモニタリングの一つとしてやっているわけです。
(問)あとそれでですね、この調査結果の中で、厚生労働省がBという評価になっておりました。本省なのですけれども。ただですね、厚生労働省は、参加申請をしたところ、一定の手続をとれば可能というのがBの評価なのですけれども、幹事社さんが、一定の手続をとるところまでいっておりません。幹事社だけでは決められないので、来週総会を開いて、そこで相談させてくださいということで、この調査結果自体が、正確に実態を反映したものではないのではないかと思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
(答)いや、総務省として、自信を持って出したものです。
(問)すみません。
(答)すみません、もう。
(問)すみません。先ほどの回答の確認ですけれども、大臣の御発言で、私たちは緊急避難、やむを得ないという発言をされた、私たちはというのは、総務省はという理解でよろしいのですか。
(答)そうですね。総務省、今、事務方に整理をさせていますけれども、先ほど申し上げました、第35条の正当行為だけ言い切るには、通信の秘密というのは、もっと重いのではないか。ですから、37条という考え方があるのではないか。いずれにせよ、この二つをですね、今、分かりやすくこの二つを言ったわけです。刑法の条文を。事務方に整理をさせているところでございまして、近々整理ができれば、もっと詳しく考え方について御説明できると思います。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうございました。

(以上)

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