原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月30日

(平成22年3月30日(火) 12:16~12:36  於:会見室)

1.発言要旨

 閣議後の会見がぶら下がりで非常に短かったもので、今日は特に、市町村合併から天下りの調査、それから記者会見のオープン化ということで、あるいは労働力調査、家計調査。重複を避けてお話をさせていただきます。
 まず記者会見のオープン化、これ、お約束をしておりましたけれども、行政が情報を公開し、国民に対する説明責任を適切に果たすという観点から重要なことと考えています。先週、官邸のオープン化といったことについてもステップを上げることができました。各府省の記者会見のオープン化の状況についての調査結果が取りまとまりましたので、公表いたします。調査結果の概要を申し上げると、AからDまで。A、フリーランス記者等も、一定の手続を経て、質問権を持って参加できる記者会見を開催しているのが14府省庁。B、フリーランス記者等も、質問権はないけれども、一定の手続を経て参加できる記者会見を開催、これが 4府省庁でございます。最初の14府省庁を言いますと、内閣官房、内閣府、これは菅大臣、川端大臣、福島大臣、仙谷大臣、平野大臣、私、それから金融庁、公正取引委員会、消費者庁、総務省、法務省本省ですね。それから外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、都道府県労働部のこれは一部、農林水産省、経済産業省、環境省となっています。Bについては、前原大臣のところの内閣府、金融庁、これは金融庁は亀井大臣が2回やっている関係で、記者クラブ主催の会見、厚生労働省本省都道府県労働部の一部と国土交通省となっています。それから、Cの日本新聞協会加盟社の記者等は、一定の手続を経て参加できる記者会見を開催しているものが3府省庁ございまして、それは内閣府の中井大臣のところ、それから国家公安委員会、防衛省でございます。そしてD、記者クラブ加盟社の記者のみ参加できる記者会見を開催している、これが3府省庁となっていました。この府省は、内閣官房、官房長官ですね。それから宮内庁、法務省、その中の地方検察庁、矯正管区といったものでございました。引き続き、更なるオープン化について閣内でも議論をしていきたいと思っています。
 それからもう一つ、午前中の会見でお約束しました、今回の郵政事業についてのことでございます。お手元に2枚の資料を差し上げているというふうに思います。
 今何が起きているかということで、分社化在りきの民営化をただすのだということにしております。今、五社体制なわけです。五社体制でやっているものが何を生んでいるかというと、様々なサービスの低下、事業計画、継承計画からすると、相当その下を行ってしまっている。ではどうするのかと。国営に戻す気は全くございません。その中で国民の郵政事業における権利を保障するために、郵便局のネットワークをまずは維持すると。この維持という、津々浦々まで維持するか、しないか。もし、しないということであれば、別のモデルが成り立ちます。あるいは郵便事業だけ税金で賄うと、足りない部分を賄うということであれば、国民には増税をお願いするのですけれども、それは一つの考え方です。しかし、私たちはそれを、そういう立場に立たないということで閣議決定をしているわけです。税金を投入するのではなく、自立的な経営による郵便局のネットワークを維持するということで、このネットワークの維持は、税によって成り立っているのではありません。もう御案内のとおり、特に金融二社の手数料収入、これによって郵便局会社の収益の82%、具体的に言うと、銀行手数料が6,481億円、保険手数料が4,152億円、郵便事業手数料が2,132億円ということで成り立っているわけです。ところが三事業とも厳しい経営状況でございまして、承継計画と平成20年度の決算の比較を見てみても、郵便事業が340億円だったものが298億円、郵便局は500億円だったものが408億円、ゆうちょ銀行は3,210億円を見込んでいたものが2,293億円、かんぽ生命は410億円が383億円と、こういう現状になっているということでございます。
 今回、国営に戻すなどという、とんでもない御議論がございますが、これです。今はどうなっているかというと、政府が持株会社を持ち、そしてその下に郵便事業会社四つの、五分社化体制になっているわけです。これを国民から見て、三事業一体に供給できるようにしたいというのが今回の改革の大きな流れでございます。そして、ここの政府と、持ち株のところ、これの出資比率は同じ、3分の1、3分の1です。そして、今の法律だと、民営化後10年後、ここの株は、全部売り払いますよということですけれども、売り払ってしまえば、それを買い戻すこともできるという修正条項は入っていますけれども、わざわざ売り払って、また高いお金で買えば、それこそ国民の負担になるわけです。そして、買い戻さなければ、先ほど私が申し上げた、郵便事業を、今度は収益モデルがなくなりますから、郵便事業を何でやるかというと今度は税金でやるということになるわけです。ですから、国民の皆さんに私たちは正直に申し上げたいのは、何を選択されますかと。この間の総選挙でお願いを皆さんにしたのは、三事業一体で、そして今のこういうガバナンスが欠如して、ビジネスモデルとしても、コンビニもできます、国際事業もできます、何でもできますと言っていたものが、ある意味そのことが、違う現状になっていますよというところからスタートしているということを皆さんに御理解を頂きたいと思います。
 それと、国民新党や社民党の皆さんと、ずっと議論をしてきたところで、私たちが亀井大臣とつくった案はこれです。私たちは国営に戻すことは絶対ありません。それをこの民営化というのは、市場をしっかりと、市場のチェックがいく、そういう会社にしていきましょうと。今、上場さえできていない。その状況を、ちゃんとガバナンスを利かせましょうねということで。そして、ここにぶら下がる金融二社についても特殊会社にしようと。銀行法上や、あるいは保険法上の規定を受けるのではなくて、特殊会社にしようという御議論があったものを、私たちはいわゆる普通会社にしますという、大きな方針を立てているわけです。これがどこが国営なのかというのは、全くそのためにする議論でございます。
 全株国が保有すべきだという意見を、先ほど申し上げました、3分の1、3分の1にいたします。あるいは、もう元のような公社一社化体制という議論もあったわけです。しかしそれを、しっかりと普通会社をつくるということで三社化にしているわけです。そして一般の、銀行法上の会社であれば、それには制限がありません。預金制限なんか全然ないわけです。無制限にするべきだということがあったのを、限度を、これは国が出資を3分の1すると、間接的にまた3分の1をするということで限度を設けているというのが私たちの案でございまして、これを国営化案だというのであれば、シンガポールのテマセックや、あるいはオランダのING、特定の国の機関を、成功している機関ということで言うわけですけれども、民営化会社、これも民営化ではなくて国営という論理になるわけでございます。
 今日、閣僚懇の中でも幅広く議論いたしますが、私たちは、この、最後に申し上げたいのは、政府が出資をして、そしてユニバーサル義務を、ここに負わせます。ユニバーサル義務を負わせる、そのためには、この会社が自分でしっかり稼がなければいけません。世界をまたにかけるためには自己資本比率が8%なければいけません。あるいは地域でよければ自己資本比率は4%でいいわけです。しかし、私たちは、ここにユニバーサル義務をかけるから、今のような、こうやって自由化をしていくわけですけれども、それでも1,000万円という制限では、手足を縛ったガリバーが、正に国民の方に倒れ込んでしまうから、それは今回少し、自由の部分を広げましょうねということを言っているにすぎません。そのことを是非御理解を頂きたい。
 郵政というのは、これまで、昨日も政策会議で議論がありましたけれども、長い間、本当に議論を積み重ねて、亀井大臣、こういう意見がある中を、ここまでしっかりとまとめていただいた、一緒にまとめてきた案でございますので、総理もそのことを十分支えて、しっかりとまとめるということで私たちも頑張っていきたいと思っています。
 以上です。

2.質疑応答

(問)フリーランスの畠山理仁と申します。記者会見のオープン化の調査について伺いたいと思います。14省庁がAランクという、そういう評価と。
(答)四つの、AというからAが一番いいとか、ABCDに価値はないのですよ。
(問)なるほど、なるほど。ただ。
(答)Aランクだと、A級ライセンスと言うと、さもいいみたいですけれど、まだ単にABCDを付けただけです。
(問)その中に内閣官房がAということなのですけれども、これはかなり実態と違うのでおかしいのではないかというふうに思っております。それは官房長官の会見というのは、いまだにオープンになっていないわけなのですね。これはどこに調査をされたのかということを伺いたいのと、あと、先日、フリーランスの寺澤有さんが、国家公安委員長などの記者会見への参加を求めて、東京地裁に仮処分申請をしました。東京地裁は、庁舎管理の観点から会見室への立入りを制限するのは裁量の範囲内だという判断をされています。今後、こうした判断を盾に実際は、建前では入れるというふうに言っていても実際は入れないというケースもたくさん出てくると思うのですけれども、大臣のお考えを。
(答)1点目の御質問については、畠山さん少し誤解をされていて、お手元の。ペーパー来ていませんか。ペーパーを御覧いただければ、ごめんなさいね、分かると思いますが、内閣官房の中も、内閣総理大臣が先週、僕ら総務省と同じようになったということで、それから官房長官はDという形になっていますので、そこは後で、この詳しい資料をお伝えいたします。
 それから個別の係争のある案件については、個別の案件は僕はコメントできません。ただ、一般論として言えば、様々なアクセスの機会の保障といったことを鳩山政権としては目指していきたいと思います。
(問)後戻りすることはないということですか。
(答)保障を目指していきたいと思います。
(問)分かりました。ありがとうございます。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。先週なのですけれども、全国知事会のプロジェクトチームが、出先機関のうち296事業を移管要請ということで、多分大臣の方にも話がいっていると思うのですが、それで逢坂誠二議員がツィッターでそのようなことを、大臣かどうかちょっと分からないのですが、話し合ったということをされていまして、もし、差し支えなければ、その内容ですとか、もしくは、内容が話せないのであれば、大臣の見解などをちょっとお伺いしたいなということなのですけれども。知事会の方としては、業務を移管させるだけではなくて、財源と人材の移管も求めていくということなのですけれども、その辺りをお願いします。
(答)これは出先機関については、原則廃止ということをマニフェストでお約束をしています。逢坂さんと何を話し合ったかというのは、今御質問のように、ちょっと中身については言いませんが、一般論として言うと、事業仕分けというのは事業の有効性を検討するものです。要するに、理念、政策、施策、それから様々なプロジェクト、色々なものがありますけれども、その中の一番現場に近いところをやるもの。私は、枝野さんと今、話をしているのは、この事業仕分けという手法も使いながら、事業が存立している権限、あるいは正当性のそのものについての検討をしていきましょうということを言っているわけです。知事会の御意見も伺いながら、これは地方分権改革推進委員会の勧告、この中にもございました。ただ、これは私たちが、しゃにむにやってみても、今度は受け手、受け手の本気度も見られています。ですから、全国一律に、この機関を原則廃止して地方に移管すると、権限、財源ということを一律でやる気はありません。逆に言うと、条件が整って本気なところ、大阪の橋下知事もおっしゃっていますけれども、そういったところから優先的に、これは、受けたくもないのに金だけよこせ、受けたくもないのに権限だけよこせとなどということを知事会はおっしゃっているわけではないです。逆に自分たちの本気度、地域主権という改革は、国が地方に対して何かの権限を与えるのではなくて、自らの地域が自らのことで様々な地域をデザインしていく責任を持つということでございますから、そういったところについて優先的にやっていきたいです。これを6月の地域主権戦略大綱、その中に様々な結果を盛り込めたらと、方向性を盛り込めたらというふうに考えています。
(問)先ほどの記者会見のオープン化について関連で2点質問させてください。ビデオニュースの竹内と申します。まず1点が、情報公開を進めていきたい民主党としては大変重要な政策の一つだと思うのですが、この調査結果を受けて、今後、そういう点でどう生かしていくのかということについて、今後のこと、具体的な考えがあればお教えください。あともう一点、細かい点なのですが、この調査結果、今日の閣僚懇などでほかの閣僚に伝えたかということと、あと首相が、先日金曜日の会見で、私がオープンにしましたよということを他の大臣にも申し上げてまいりたいという旨の発言があったのですが、首相から首相自身の会見をオープンにしたことについて今日の閣僚懇で発言があったか、お伺いしたいと思います。
(答)閣僚懇談会の中身については、申し訳ありません、これは外には出してはいけないということになっておりますので、御容赦を頂きたいと思います。その上で、これはあくまで一般論でございますが、官邸からもこうやってやると、そして総理の強い意志をこの間において伝えていただいているところでございます。そこで私のこの会見になっているということで、御理解いただきたい。
 そして、今後どうするかということですけれども、やはり今回の状況を各閣僚、各省において精査をしていただいて、更なるアクセスの自由、ここに向けた議論を各省で深めていきたい、政権全体でも深めていきたいと思っています。
(問)毎日新聞の望月ですが、この今説明された内容について、今日の閣僚懇で同じような説明をされるというおつもりでしょうかというのが1点と、あともう一つ、これは限度額を引き上げたときの運用をどうするかというところの答えが見えていないのは、これは利用者目線から見ても、要するに、我々はよくマスコミ批判を受けて、その金融機関の視点で見ていると言われますが、利用者の視点から見ても、どういう運用をするのかはっきり分からないままやみ雲に2倍に引き上げるというのは、いかがなものかとも思うのですが、それについてはどう答えられますか。
(答) 1点目の御質問については、これを全部説明する気はありません。各閣僚は、これは知っていることでありますし、これまで3年、4年、5年にわたってずっと議論をしてきたところでございます。ただ、望月さんがおっしゃるように、分かりやすいように再整理をするために、質問を受ければ答えようと思っています。
 それから2点目も、これは望月さん、大事な御質問でございまして、どうやるかということは閣僚の中でも随分議論をしています。今日、その後者の望月さんの大事な御質問については、後者の方を私の方から提案をしようと思っているわけです。いわゆる中央、あるいは地方を含めてオーバーバンキングの状況がある中で、信金、信組、あるいは第二地銀、都市銀行と競合しないような資金の運用の在り方というのはいったい何なのか、これはこのことも含めて私たちはキャッシュフローマネジメントというのをずっと言い続けてきたわけです。例えば海外の成長点への投資、融資、これはどういうものがあるのか、あるいは官民連携による事業への投資、融資、これはどういうものがあるのか、外国債や個人向けの貸出し、それは何があるのか、そして民業を圧迫しないためには何が必要なのかという、後段のことを今日閣僚懇談会で、問いがあれば答えようと考えています。大変大事な御指摘ありがとうございます。
(問)いかがでしょうか。どうもありがとうございました。
(答)ありがとうございます。

(以上)