原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年2月9日

(平成22年2月9日(火) 18:53~19:12  於:会見室)

1.発言要旨

 お待たせしました。閣議後の会見を行わせていただきます。
 今日は幾つかありますので、少し早口でしますが、まず、本日の閣議決定案件でございます。NHKのいわゆる平成20年度財産目録。それから、平成20年度業務報告。それに対して大臣意見書を付してですね、国会に提出すること。放送法第37条第2項の規定に基づき、国会の承認を求める件。これは予算ですね。それから、日本放送協会平成20年度財産目録、貸借対照表、損益計算書、資本等変動計算書及びキャッシュ・フロー計算書並びにこれらに関する説明書並びに監査委員会及び会計監査人の意見書を国会に提出することについて。日本放送協会平成20年度業務報告書及び同報告書に付する総務大臣の意見並びに監査委員会の意見書を国会に送付することについて。これを決定させていただきました。それから、地財計画1件、法関係5件、政令1件。これを閣議で決定したところでございます。その中で、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案。本日の閣議で、独立行政法人通則法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。本法律案は、独立行政法人に対して、不要となった財産の国庫納付を義務付ける等、所要の改正を行うものです。法案については、今後、国会で御審議いただくことになりますが、本法案が成立した暁には、平成22年度予算において約6千億円の不要財産が国庫に納付されることが見込まれております。民主党のマニフェストに掲げられた、いわゆるキャッシュフロー・マネジメント、中央政府が持っている余分な資産を国民にしっかりとお返しをし、そして有効なお金の使い方をするということでやっていきたいと思います。
 それからもう一つですね、これ、予算委員会で質問が出ていて、幾つか誤解をされるような質問、自公政権時代に、滑り込んで天下り先に行っている者を、さも私たちの政権で天下りに行ったかのような御発言がありますが、それは違います。で、幾つか、私が大臣にならせていただいてやってきたものでございます。まず、5代連続法人の特定ポストに関する府省庁あっせん状況調査。初回の調査分、これはもう皆さんにもお示しをしましたけれども、こういう形になっています。それから、独法非人件費ポストに関する調査。年収1,000万円以上についての調査。その後、年収600万円に下げて調査をしました。こういうポストをなくしていく。それから、国公法に基づく退職公務員の再就職情報について、定期的に閣議報告・報道発表をする。今後の対応ですけれども、国公法改正で新設予定の監視機関との連携による監視体制の強化。もちろん、天下りのファーストシートと言っていた、正に前政権がやってきたものは全部廃止をし、5代連続法人の特定ポストについても改めて調査を実施する予定であります。
 これで最後ですけれども、前政権時代、今日も長妻大臣とお話をしましたけれども、前政権時代で、これは所管の大臣が独法については決めるわけですけれども、仮にその理事長が決定しているものについても、大変な、その年齢的に見ても、それから天下りという観点から見ても、前政権時代に決まったことであっても、その後に変えることができないのか。サンセットする規定はできないのか。これも併せて議論をしていきたいというふうに思っています。
 私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)2問お願いします。まず最初に、郵政改革の素案が昨日公表されましたが、当初1月中という予定でしたが、限度額や出資比率など主要な項目がまだ決まっていません。大臣御自身は、この二つの項目についてどんな考え方に基づいて、また、どんな点に配慮して決めることが重要だとお考えでしょうか。
(答)これは決めていませんが、それは広く、多くのかたがたからお話を聞きたい。特に、イコールフィッティング。これ民営化会社ですから、中央政府の支配といったものについての、やはり一定の歯止めが必要とともに、これが1点目です。イコールフィッティング。それから2点目は、これはユニバーサルサービス。三事業一体の事業ができるようにする。そのためには何が必要かというと、やはり金融2会社が、これは当初どおり銀行法上、あるいはかんぽについてもですね、保険法上の会社、一般会社という形になるわけですけれども、その中でも、では何ができるのかといったことについても、ここはできるだけ自由にして、そして、しっかりとした収益モデルをつくっていく。この二つの考え方にあるのは、国民共有の財産である地域性、郵政を地域性・公益性、こういったことをですね、頭に置きながら変革をしていく。今回、民営化形態はそのままにしていくわけですから、私が今一番大事なのは、市場のチェックが効くということ、これも併せて追及をしていきたいというふうに考えています。以上の3点です。
(問)もう1点ですが、昨日の政策会議で、長谷川政務官が政務官の立場で独自に補足意見を提出しました。またその後の、会議後のブリーフで、政府案と意見が合わない場合は当然辞めさせていただくとも発言されました。政府の一員の政務官の立場で、独自に意見を出したことへの大臣の所感と、あと、意見の内容の評価、意見を出されたことについての評価というのを教えてください。
(答)これは亀井大臣からですね、今日お話がありまして、厳しく注意をしましたということでありました。私も、総務大臣政務官という立場からすると、これは政府と意見が違うなんていうのは、政府の一員ですから、土台あってはならないことでございますので、政府と違うことを述べたというよりも、むしろ自分たちが留意をしなければいけない観点といったことについてメモ出しをしたのだというふうに思っています。ただ、誤解をされるようなことはあってはなりませんので、そのことについては、この後の政務三役会議でもしっかりと事実関係、昨日、あの後会いましてね、真意についてお話をいたしました。あふれんばかりの情熱があって、少し言葉が先へ行ったのかも分かりませんけれども、内閣の一員としての自覚と責任を持った行動をこれからもしてくれるように期待をするものであります。
(問)先日なのですけれども、国土交通省が国直轄事業負担金の廃止を求める法案を提出されたと思っているのですが、これはやはり地方自治にも関係すると思うのですけれども、それの感想と、もう一つ、都道府県、これは国直轄事業負担金というのは、都道府県に求めるものだと思うのですが、都道府県が市町村負担金という同じようなシステムをつくっていまして、これに対する大臣、廃止とか縮小について、どういうふうに指導されていくのかということをお伺いしたいと思うのですけれども。
(答)正に説明のつかないお金は取ってはならない。直轄事業負担金は原則廃止。 今回、国土交通省が政府として出した法案は維持管理費。まっ、初年度ですがね。後はこれを全部廃止していくということで、大変スピード感を持ってやってくださっている前原大臣はじめですね、仲間にここは敬意を表したい。同じ理由で、これが中央政府であろうが、あるいは広域自治体、都道府県であろうが同じことでありまして、自分たちはぼったくりのお金を取っちゃいかんと言いながら、自分たちも取っているというのは、おかしな話ですから、それはしっかりとやめていただく。こういうことが必要だと考えています。
(問)自殺についての緊急プランができたと思うのですけれども、あの中で総務省は、インターネット上の自殺情報に関するホットラインセンターと組んで、情報提供すると思うのですけれども、自殺サイトにはいろいろな種類があって、必ずしも誘発するような情報ばかりではなくて、むしろ自殺者を助けている情報もあるのですけれども、そういった現状に関する御認識はどんな、お持ちでしょうか。
(答)そうですね、自殺総合対策会議で、私は三つのことをそこで提案をしたわけです。一つが、今大変深刻になっているドメスティック・バイオレンスであるとか、あるいは、様々な生きにくさ、働きづらさを感じているかたがたに対してどうするか。一つは法制上の措置。うつ基本法、あるいはひきこもり基本法といったことをつくるべきだという提案をしました。二つ目は、寄り添う、その仕組み。この寄り添う仕組みということで今、関連の、インターネット上の様々なところで、ホットラインをつくってみたり、あるいはネット上で仮想空間をつくって、もう仮想空間というより、そのかたがたにとっては大変大事な生きるよすがとなっている、そういう市民公益活動、これをサポートしていきたいと。それから、もう一つは、自殺の大きな原因になっている多重債務問題。もし、だれかに相談することができて、荷物を少しでも軽くすることができれば、亡くならなくてよかった、経済的な理由で命を絶つ、あるいは、連帯保証人という日本独特のその制度もある。ここのことについて答えを出すべきだという、私はこの三つを提案したのですね。その中でも、基本法については、私たちが立法でやることですけれども、2と3については、様々なネット上や新たな情報通信機器を使って、サポートができることだというふうに考えています。
(問)先日の政務三役会議でですね、大臣が御発言をされていた電波利用料の見直しについてお伺いしたいのですけれども。大臣自身はですね、現在の電波利用料の負担額の在り方について、どのような問題意識をお持ちでしょうか。一部ではですね、通信事業者の負担額と放送事業者の負担額の差が大きすぎるという意見もあるところですが、どのような方向性で、この負担のバランスを見直すおつもりでしょうか。
(答)そうですね。やはり国民利用者の目線、これが一番大事だというふうに思っています。国会でも、附帯決議やいろいろなところでも指摘をされましたけれども、電波利用料というのが大きくなって、そして、それがある意味での特別会計化してしまう。その電波利用料の、高額な電波利用料が国民の様々な、情報通信における権利を侵害してしまうと、こういうことはあってはならないと考えています。その中で、放送事業者が支払っておられる電波、これは私たちはオークション制というものもかつて、言っていたわけです。で、今もそれは捨てたわけではなくて、貴重な電波を、ではだれが、どのような、その合理的な理由によって使っていくのかと。公共性・公正性をどう担保するのかというのが一つ。それから、もう一つは、今お話のように、携帯の電波。この電波について、その適切な利用料というのはどの辺にあるのかといったことをですね、これもタスクフォースの中で議論していただいていて、透明性・公平性・公正性、それから将来を見越した先見性、こういったところから議論を詰めていきたいと考えています。
(問)昨日の小沢幹事長の会見についてなのですが、幹事長は一連のその政治資金の問題について説明責任を十分果たしたという旨の発言がございました。これまでの幹事長のもろもろの御説明を振り返ってですね、更なる幹事長の説明責任があるかどうかについて、大臣の御所見を頂きたいと思います。
(答)個別の案件について、特に政治資金、所管でございますので、私からのコメントはありません。
(問)昨日、大阪府の方で、包括外部監査人の方から、公社とか、3セクに対する短期貸付を問題視するような報告があってですね、橋下知事の方も、こういったものは禁止してほしい。財政操作に当たるというようなことを言われていたのですけれども、総務省は今までこういった不正とまでは言えない処理に対しては寛容だったと思うのですが、これについてお考えがあればお聞かせください。
(答)それはオーバーナイトの手法と言われるものを指しておられるのだと思います。要するに、単年度貸付を1回全額の返済を受けて、そして翌年度初日に再度貸し付ける、これがいわゆるオーバーナイトの手法。これを是正するようにというふうに、大阪府の包括外部監査報告書において、府から公社等への貸付金に関し是正の指摘があったという御質問だと思います。これに対して、私も地方財政の透明性、あるいはコンプライアンスということからすると、こういう出資法人等に対する短期貸付を反復かつ継続的に実施する方法による支援は、違法とまでは言えません。ただ、安定的な財政運営及び経営の確保の観点からは、本来長期貸付け又は補助金という形で対応すべきであり、早急に見直すように助言をしているところでございます。これは大阪府だけではなくてですね、やはり私たちは公会計制度も、そもそも見直そうと考えているのは何かと言えば、主権者である地域の、この場合は大阪府民ですけれども、府民から御覧になった場合に、しっかりと透明性が確保されているのか、あるいは府の財政のサスティナビリティ、持続可能性をどこまでその府民が判断されるのか。やはり判断ができないようにするというやり方はまずいというふうに思います。いずれにしても、実態に即して、住民、議会に対して、十分な説明責任を果たすことが重要だと、このように考えています。
(問)各紙の世論調査で内閣支持率が下がってきているかと思うのですが、このことについての御感想と、小沢さんの幹事長続投について、また続投が参院選に与える影響についてお聞かせ願えればと思います。
(答)国民の信頼、あるいは支持がなければ、私たちがやろうとしている改革はできません。あの夏に私たちを選んでくださった、それは政治を変えたい、そして、国民に政治を取り戻したいと、そういう思いの1票だったというふうに思います。その原点を真しに受け止めて、日々のやるべきことをやっていく、これだけです。よろしいでしょうか。
(問)先ほど、小沢幹事長の説明責任についてですね、大臣は所管の大臣なので個別の案件については、お答えできないとおっしゃいました。一方で、大臣は記者会見のオープン化というのを進めてこられたわけですけれども、東京地検がですね、記者会見というのがオープンになっておりません。どのような決定がなされたかということもですね、司法記者クラブに対してしか発表していないのですけれども、説明責任を放棄したとも思えるような、この検察の態度についてですね、内閣の一員として何か思われるところというのはございますでしょうか。
(答)内閣の一員としてはですね、個別のことに対応している行政機関についてはもちろん言えないということが、私のまず大前提です。それから、2点目は、これは行政評価を持っていますから、すべての公的機関が、より説明責任をしっかりと果たして、そしてオープンにするということは、私たち総務省が各行政機関を勧告やあるいは指導、助言をする上でも大変大きな観点なのですね。そういうところから見て、これは今おっしゃった機関だけではなくて、どのような、今までは長い間、一党支配というか、自民党の政権が続いてきたわけで、その中で当たり前とされてきたこともゼロから見直して、行政管理、あるいは行政評価という中で、全体を、どこか一つの組織を特別に調べるというわけではなくて、全組織について、だれがどのようにイニシャライズして、イニシャライズというのは自分の身分を明らかにしてという意味ですけれども、会見をやっているのか。1回調査を検討させてみたいと思います。では、すみません。
(問)ありがとうございました。

(以上)