原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年10月6日

(平成21年10月6日(火) 11:17~11:32  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。お待たせをして申し訳ありません。閣議後にですね、総理に地域主権の改革の進め方について、もうすぐ地方分権改革推進委員会の第3次勧告、これを目前にしてですね、今までの1次、2次にわたる勧告と、それから私たちの基本的な考え方、その御説明を執務室で申し上げて、そして総理の方からは、地域主権改革というのは、これは1丁目1番地だから、自民党政権の時代にはできなかったことを正に国民にお約束をしたとおり、しっかりと実現に努力をするようにという御下命を頂きました。
 そして今日の閣議でございますが、本日の閣議において、先週10月2日に労働力調査及び家計調査の結果を公表したことを事後報告をいたしました。内容については、皆さん御案内だと思いますが、ここで、8月の就業者数が6,296万人となって、1年前に比べて109万人の減少となっています。また一方、完全失業者数は361万人となって、1年前に比べて89万人も増加をしています。これは季節調整値でございますが、完全失業率は5.5%になり、前月に比べてここは0.2ポイント低下をしていますが、なお厳しい状況が続いています。全国二人以上世帯の8月の消費支出は29万1千円で、1年前に比べて実質2. 6%増加しているということでございまして、2か月ぶりの増加という数字でございます。これを受けてですね、閣議後の閣僚懇談会でも、また、藤井大臣からも、経済について目を離さずにしっかりと政権として対策を適宜適切に打っていくというお話がございました。
 また、今日の閣議では、それぞれ、今まで各省で精査をしてきた第2次補正予算、これの扱いについて、行政刷新会議担当の仙谷大臣の方から、今までの経過と、それから、これからの一定の方向性についてお話がございました。今日の5時以降に一定のものが出ると思いますが、さらに私ども総務省といたしましても、副大臣等連携をしてですね、深掘りを進めていきたい、あるいは、更なる調整を進めてまいりたいというふうに考えています。
 また、今日各紙、日本版FCCについても御議論が出ていますけれども、これも何回も申し上げますが、人間の、正に報道の自由、人権そのものでございますので、私たちは間違ってもこれを更なる規制機関というふうにはとらえておらないということもですね、併せて申し上げておきたいと思っております。
 冒頭、私の方からの御報告は以上でございます。
 また、各地域の首長さん、市長さん、多くの御提言を頂いておりますことも結びに御報告を申し上げます。地域のことは地域で決める。本当にこの大臣就任以来ですね、数多くの皆さんが、地域の方もこうやって検討するよと、協力する。我が総務省は、消えた年金の問題を所掌する役所でございますが、この問題についても地域の方から、昨日は大阪市の平松市長さんもお見えでございましたけれども、名古屋市も私たちも積極的にこの消えた年金問題について取り組んでいきたい。ただただ国に任せるだけではなくて、地方としても協力をしていきたいというお話がありますが、平松市長さんはじめ、多くの首長さんからも、そういう国との協働というお話を頂いていることを最後に申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)地域主権の進め方について総理に説明されたと。で、第3次勧告が出た後に、分権委の扱いをどうするのかということと、例えば、新しい推進体制を、どういう案を考えているのか、この点について伺います。
(答)そうですね。そのことについても、これまだ省内で議論をしようと思っていますが、これまで3次にわたって大変な御努力を頂いている、その分権委員会の皆さんに心から謝辞と敬意を払いたい、これがまず第1です。
 そして、2番目の認識は、とは言え、この3次にわたるまで、では政権側は、前の政権ですね、何か前に進めたのかということで、この後、法律上は、この勧告を受けて、まだ4次まであるわけですけれども、その4次まで受けて、推進体制を作り、法律を作りというふうな形になっています。私の方から総理に申し上げたのは、今まで、本当に分権が進んでいません。そんなスピードでやるわけには、私はいかないというふうに考えています。したがって、明日出るのか、あさって出るのか、その勧告の中身を見ながらですけれども、今まで義務付け・枠付けについても、あるいは国と地方の協議機関についても、そういうものも待たずに、できるだけ早い国会で、一つでも二つでも形にしていきたいと、私はこのように考えていますと総理に申し上げました。総理の方からは、正に今までの政権でやれなかったことをやるから政権交代なのだと。1丁目1番地のこの地域主権改革を強力に進めるようにという御下命を更に頂いたところでございます。
 地方分権改革推進委員会の扱いについては、そのときに、いろいろなバージョン、考え方をお話をしましたが、まだ公表できる段階にはなっておりません。
(問)FCCの関係なのですけれども、大臣の案としては、免許の付与や取消しなどについての責めは、そのまま総務省が負い続けるという形であり、あとメンバーについては公選制でというお考えなのでしょうか。
(答)そうですね。一つの、要するに有限である電波を監理をし、そしてそれを所掌する役所が、その権限を基に、「あなたのところ、この放送の内容はおかしいでしょう。これはこんなふうに変えた方がいいのではないでしょうか。」という、いわゆる番組の中身にまで入ってくる、あるいは、政党の大きな圧力を背景に、政治的な介入とも受け取られかねないことを行って、表現の自由を侵すということは、これは絶対にあってはならないと考えておりまして、そういうものをウォッチする機関、あるいは、言論の自由の正にとりでと言ってもいいようなものがあるべきではないかというふうに考えています。
 ですから、私がFCCと言うから、アメリカのFCCを皆さんイメージをされるのかも分かりませんが、アメリカのFCCは、かなりの権限があって、その中身まで、いろいろな検討を進めるというふうに言われていますけれども、私が考えているものは、そういうものとは違います。
 この委員については、総理が任命をされるやり方がいいのか、それとも、もっと言論の自由ということであれば公選にして、国民全体がお選びになるのがいいのか、いずれにせよ、どのような形がいいのか、言論の問題に関することですから、放送や報道の自由に関することでございますので、1年間じっくりと議論をしていただいて、その上で国民的な御議論を頂く中で、しっかりとした結論を導いていきたいと、こう考えています。
(問)すいません、関連で、日本版FCCと言われるものは何をチェックするのかなのですけれども、例えばこの春、行政指導が民放に対して相次いだと思うのですが、こういう行政指導が正しいかどうか、必要であったかどうかというようなことをチェックするという理解でよろしいでしょうか。
(答)一義的にはですね、その政治権力やその言論機関に対する不当な介入というものをチェックするべきだというふうに考えています。
 個々の今お話になった行政指導については、どうであったかということは私も、もう1回検証してみたいと思います。
 これの元々の発想は、私が筆頭理事をさせていただいているときの放送法の改正案でした。あるテレビ局の不祥事から出てきたものと言われておりましたが、そのときの与党案を見てみると、かなり危ぐを感じざるを得ないものでございましたので、当時、与党の筆頭理事、非常にリベラルな方でございましたけれども、私たちが参議院で、野党で、全体で過半数を取ったということもあって、それで修正の上に、そういう懸念をできるだけ払拭できるような形で放送法の改正案をまとめさせていただきました。ただ、そのときに特に私が思ったのは、それはたまたま政権の中にそういう方がいらっしゃったから、紙一重でというか、言論の自由を守るということができたのかも分からないということであってはならないと。だれが政権に就こうが、どのような政権になろうが、絶対に守らなければいけないというのは、報道の自由であり、表現の自由であり、放送の自由であると。そのことから考えている機構でございます。是非、御理解を頂ければというふうに思います。
(問)昨日ですね、亀井郵政改革相が日本郵政の役員人事について10月中に、交代を指示したいとおっしゃいました。大臣の御所見をお願いします。
(答)今日、閣議前にもですね、亀井大臣といろいろお話をさせていただきました。亀井大臣がお話のとおり、これは、前の野党時代のときからチームを作ってやってきています。やはりガバナンスをしっかり効かして、日本郵政を郵政事業における国民の権利を保障するためには、必要な体制の一新というものが大事だという認識は亀井大臣と同じであります。
(問)大臣も、では10月中に辞めるべきだということですか。
(答)10月中に一新すべきだという思いを持っています。
(問)大臣、分権の関係で一つだけ。先ほどのお話で、分権委の4次勧告は新政権でもお受け取りになるお考えかどうかということと、年度内に作成することが決まっている分権改革推進計画とそれに伴う出先機関改革大綱は、それぞれ新政権ではどうするのか。
(答)そうですね。4次勧告については、それをどうするかというのはまだ詰め切れていません。まだ、3次勧告が厳密には出ていない状況なので、その3次勧告を見て、そして、法律的には4次勧告までということになっていますけれども、その扱いについては両論あります。新しい政権で、税のところが必ずしも、当時の安倍政権がお作りになったこの委員会と、私たちが考えている一括交付金を中心とする地域主権の改革、あるいは間接税のところについても、それは考え方が一致をしていない部分というのがあります。ですから、そこのところをどう考えるのか、一つは完璧に3次勧告まで受けて、4次勧告はもう別の機会にするのか、それとも4次勧告まで受けて、そしてそれを合わせてセットでやっていくのかということは、まだこれからの議論です。
(問)大臣、もう一点だけ確認したいのですが。民主党が国会に提出された、通信・放送委員会設置法案について、あの中身については白紙になると。例えば、委員会は内閣の外局に置く、任命は総理大臣が行う、あの辺の話というのは、法案の中身というのは、もう完全に白紙になるわけですか。
(答)あれは私たちの考え方として出していますね。その上で、ただ、私が申し上げているのは、これは言論の自由、報道の自由というところですから、1年間多くの皆さんの、当事者も含めて、お考えを聞きながら、私たちはあの法案を出しましたけれども、臨機応変に、あるいはその法案に縛られることなく御議論をしていただきたいと、こう考えています。
(問)どうありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

(以上)