鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年6月12日

(平成21年6月12日(金) 9:23~9:44  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。今日も明るくいきましょうね。
 今日は閣議前に第7回地方分権改革推進本部がありまして、私が司会・議事進行でございまして、丹羽委員長から、いわゆる「義務づけ・枠付けの見直しに係る第3次勧告に向けた中間報告」、それから直轄事業負担金について意見が既に出されておりますので、そのようなことについて御発言があって、地方分権推進のために政府を挙げて協力していこうと。既に勧告が出されている事項については、「地方分権改革推進要綱」や「工程表」など、政府の既定の方針となっておりますので、年内の地方分権改革推進計画、年内に基本計画を作る。年度内に新分権一括法案を提出するというこの作業を加速していこうと、こういうことでございます。直轄事業負担金の見直しについては、総理からも言及がありまして速やかに検討を行っていこうと。総理からの御発言は、今年度は今回の地方分権改革の最終年度だから具体的な成果を出そうと。道路・河川の地方への移管など、既に勧告が行われていることについては作業を一層加速していこうと。各閣僚はリーダーシップをとれと。直轄事業負担金については見直しが進むよう取り組んでくれと、こういうことでありました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)重ねての質問で申し訳ないのですけれども、日本郵政の社長人事に関してです。首相は昨日の夜のぶら下がりで早く結論を出した方がいいのではないかというお話をされましたが、官房長官等の調整の状況はどのようになっていますでしょうか。
(答)私は、国会の審議等あるいは記者会見を通じていろいろと自らの考えを申し上げてきたと思うし、そうした中で、国会の審議等で明らかになった様々な事柄があると思います。それは公社時代のバルクセールだって、これはもちろん西川社長時代ではないにしても、公社時代のバルクセールだって、実に疑惑だらけではないですか。1万円のかんぽの宿が6,000万円で転売されると。1,000円で売られた土地が4,900万円で転売されるなどということが、平気で行われてきた恐ろしい実態があるのです。その延長線の上にかんぽの宿という象徴的な問題が起きたから、私は、日本郵政という会社は、確かに平成19年の10月1日に民営化された。民営化されたけれども、まず国民共有の財産によって作られてきた会社である。で、非常に公的性格が強くて、郵便も金融もユニバーサルサービスが義務付けられている。そして、公的な特殊会社が3つある。日本郵政持株会社と、郵便事業会社と郵便局会社は特殊会社であると。で、株は全部、今、国が持っていると。そういう中で私の権限も様々に定められていると。それは、報告徴求でも監督権限でも認可権限もあると。それは、要するに、怪しげな、国民共有の財産を棄損するようなことがないようにと。で、郵政文化がきちんと守られて、利便がおかしくならないように。つまり、国民に不便が広がるということがないようにとか、そういう意味合いで私の関与が認められているのだろうと。そういう会社の中で国民共有の財産、あるいはかんぽの宿であるならば、かんぽ生命加入者の共有の財産が平気で棄損されてきている。その状況について私は厳しく指摘してきたし、国会でも様々な意見が言われ、追求があったと。私ども政治家、あるいは閣僚は、国民の財産が棄損されることは絶対に許してはならないという基本的な立場を持つべきであると。そういう観点で私は、西川社長という方はいい方かもしれないし、優れた経営者であったかもしれないけれども、少なくとも準備会社の社長になられた平成18年の1月、その後、公社の総裁も兼ねられて、今日まで頑張ってこられたけれども、これでは国民共有の財産が棄損されてきたことは許すわけにはいかないという観点でものを言っているわけですから、したがって、取締役を続けられることはいかがなものかと申し上げているわけで、個人的感情でも何でもない。強いて言うならば、目盛りは、正義の目盛りで判断する。というわけですから、少なくとも、今日までいろいろな方がいろいろな意見をおっしゃる。もちろん、応援のはがきは何千枚と来ています。頑張れというはがきは何千枚と来て、とても目を通せる状況ではありませんし、国会議員も多数ですけれど、国会議員でない私の、従来からいろいろとお話をしているマスコミ界とか、政界周辺の方からも、あるいは地元支持者からも、それは猛烈な応援というか、絶対折れてはならんという。それは、私はそういう観点でやってきているわけで、少なくとも現在までいろいろなお話、調整話がないわけではないが、物事の本質に絡んだ調整話は一つもありません。
(問)大臣、今までの流れを今一とおりおっしゃっていたのですけれども、本質的な調整話はないということは、官邸から、やはりここは西川さんを続投させるので、大臣の進退にまつわる話というのはあったのでしょうか。
(答)いやいや、総理からは何もありません、総理に私の気持ちは既にお話はしてありますけれど、総理から「だから、こうしろ。ああしろ。」というお話は一つもありません。ただ、いろいろ総理周辺の方や自民党が動いているようですけれども、率直に言って、西川さんが私に謝ることで西川続投を認めたらどうかというような話も幾つかありました。しかし、それは筋が違う。西川社長が私に謝ったって全く意味がないので。西川さんが謝るべきは国民にですよ。西川さんのガバナンス不備のためにいろいろあってすみませんというのは、国民に対して謝るならまだ分かる。この間委員会だったかで答弁いたしましたけれども、これだけのことがあったのですから、やはり、体制を一新して出直すのが日本郵政のあるべき道ではないでしょうか。例えば、しつこいようですが、西川さんかあるいは日本郵政の上層部というのは、一般の民間企業では許される手法を取っているかもしれない。しかし、これは公的企業だから許されないことが一杯あると思うのです。例えばですね、非常によくある手法というのは、側近というか、息の掛かった人間を選定委員にするわけですよ。その選定委員会が選定した者が公認された者となって物事を行う。そうすると、その選定委員会に、息のかかった者が固まっていたらどうしようもないでしょう。CPTが、価格ではなくて企画競争で採点をして、それも具体的な採点基準があまりなくて博報堂を選んだと。コミュニケーション・プロジェクト・チーム、CPTですね。三井住友関係者が一杯入っている。そういうCPTメンバーというのを決めて、それで、今までは、郵政省の時代は広告に関する契約は全部一つずつ選定していたものを1社にするということを決めていくわけですよ、このCPTで。要するに、民営化までは広告代理店は1社にすると。民営化後は、責任代理店制度を使ってグループ全部1社に任せるということをCPTというのが決めるわけですね。で、そのCPTが博報堂に決めるのですよ。民営化後の責任代理店を博報堂にするときも同じようなメンバーで決めるのですよ。しかも、企画競争で選定するわけですから、審査基準は抽象的で点数による評価ではない。メンバーの合議で博報堂にしようと。そういうやり方は一般の企業ではいいかもしれないけれども、国民の財産を元にしてできた会社は、そういうことをやってはいけないのです。だから逮捕者が出てもこれからも博報堂でいくと。
 具体的に申し上げましょうか。平成21年4月16日、博報堂エルグの執行役員が起訴された。これを受けて日本郵政グループ内において博報堂との契約の維持の是非について議論があった。4月23日、日本郵政グループの宣伝会議において横山専務執行役の指示により、不適正利用にかかわったのは子会社であり博報堂本体でないことから博報堂を変更する意向がない旨、各事業会社に口頭で伝達。前の日に郵便事業会社が、どうしましょうかと日本郵政に尋ねたところ、口頭で、博報堂で続けると指示があったのですね。それに対して、日本郵政に対して郵便事業会社は、博報堂は契約手続の規定の入札停止用件である会社に損害を与えたものに該当するのではないかという意義申立てを事業会社が日本郵政に対してしています。つまり、責任代理店制度の下で博報堂、それがつるんで損害を受けたのだから、博報堂を外すべきではないかということを言っている。
 だから、私は国民の財産の棄損ということに関して言えば、その2,400億円の物が109億円になっていったマジック。あのラフレさいたま、280億円だったか、300億円近くのものでしょう。それが十何億円という、数字は忘れましたけれども。あのすごい建物が何で十何億円になるかということに関して、明らかに意図的に下げているわけですよ。それは自然に下がったものではない。だから、そういうことについて私はガバナンスがおかしいと言っているのですから。それは執行体制か、執行部か取締役か分からないけれども、西川さんたちが謝るべき相手は国民であって私ではない。
(問)大臣、揚げ足をとるような質問で恐縮なのですが、今朝、自らの進退に関して、「総理の指示にはすべて従うしかない。」とおっしゃいましたが、であれば、西川さんの続投を認めなさいというのにも従わざるを得ないということでしょうか。
(答)いや、それは違います。質問をした趣旨があったでしょう。「そういうことであれば従わざるを得ないでしょう。」と申し上げたのです。
(問)大臣が西川さん続投を認めない姿勢を貫いておられますけれども、総理が西川さん続投の意向であればですね、最終的には大臣を罷免する以外にないという選択もあろうかと思いますが、それでも大臣は今日の御主張を続けられますか。
(答)はい。
(問)罷免されることが分かっても変えませんか。
(答)はい。そんなことで自分の信念を曲げたら、男ではないですよ。総理は分かってくださると私は信じている。
(問)繰り返しになりますが、総理ではなくて官邸とか首相周辺が、大臣の進退について大臣に何かお示ししたことはないですか。
(答)まあ、具体的にどうしろという話はないですね、まだ。
(問)大臣、罷免は覚悟ということですが、自発的に辞任することはないわけですか。あくまでも罷免によってということで。
(答)常識的にはそうなのでしょうけれども、私はあまりそういう話はしたくないけれども。私の主張が受け入れられなかったら、それは、もしですよ、仮定の話ですよ、内閣の方針として西川さん続投であると、まだ総理からそういう話は1回も聞いていませんけれども。もしそうであるならば、タイミングによって罷免あるいは辞任ということは十二分にあり得るということを申し上げた。罷免というのは、先方がお決めになることで、辞任というのは私の方から自発的にやることですから、違いはありますけれども。
(問)ほか、よろしいですか。
(答)どうもありがとうございました。

(以上)