鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月30日

(平成20年9月30日(火) 10:32~10:57  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議で御報告いたしましたのは、労働力調査と家計調査の結果でございます。8月の完全失業率は、季節調整値で残念ながら前月に比べて0.2ポイントの上昇で、4.2%となったわけでございます。1年前に比べると、就業者数は6,405万人と41万人減少して、完全失業者数は272万人と23万人増加をしてしまいました。
 これは舛添厚労大臣の方から有効求人倍率の説明がありましたが、確か0.03ポイントばかり悪化をしたという報告だったと思います。我が国の雇用情勢は決して上向きではないわけでございまして、やはり補正予算等を早く成立させること、これが麻生総理の言う国や国民や経済の基礎体力をまず増強する、基礎体力を増強するために、まず景気対策だという。これはこういう労働力調査とか有効求人倍率に反映をしておると思いまして、こういう結果を見ましても、早期の景気対策が重要であるということが分かります。
 全国2人以上世帯の8月の消費支出は29万1千円で、1年前に比べ実質で4.0%減少し、6か月連続の減少となったという報告を閣議でいたしました。消費が美徳とは申しませんけれども、消費支出が減るというのは、大変残念なことでございますから、これも景気対策が必要である。介護医療、年金という将来に対する不安がなくなれば、消費は増えると一般に言われておりますから、そういう政策課題もあるなと、こう思っております。

2.質疑応答

(問)昨日の総理の所信表明演説ですけれども、地域の再生について、「もし霞が関の抵抗があれば、私が決断する。」ですとか、結構、踏み込んだ地方分権に関する発言もあったのですが、総務大臣としてどのように受け止めておられますか。
(答)あの草稿はもちろん、日曜日の朝に初めて見たわけでございまして、実に力強い。麻生総理の所信表明演説について野党はいろいろと、もちろんショックを受けて、びっくりして、いろいろなコメントを出していますけれども、私が国会議員になって30年以上、あれほど見事に言い切った、国民にも分かりやすい言葉で自らの方針を述べ切った所信表明演説というのは聞いたことがありません。私は本当に素晴らしい内容だったと思っております。
 総理は総務大臣の経験者であると同時に、またかつては事業の経営者、私など経験しておりません会社経営者であったという感覚があって、その上で全国161か所を回って、地域が、あるいは地方がくたびれている地域があるな。またくたびれ方も地域格差があるなということを実感して、景気対策が、そして地方を元気にすることが大事だという観点を強く持って総裁選挙に臨んで総理大臣になったということでありましょうから、非常に力強い部分があります。つまり地方分権とは何であるかと。地方分権というのは地方自治体というか、首長さんたち、地域事情を一番分かっている市町村長や知事さんたちが地域の経営者となって、その経営者としての十分な権限が振るえるようにすることが分権であるということを総理ははっきりおっしゃっているわけです。また地方分権改革については、この間申し上げましたように、8~9割のものがゼロ回答と、省庁のかなり激しい抵抗が予想されるわけです。今のままでは問題がありますよというふうに提起された事柄に対して8割、9割が今のままでいいのだというのが各省庁の回答だったわけで、それを総理は意識をされて、国の出先機関の問題は二重行政の無駄があると、これを地方自治体に移していくべきであると、昨日は言い切っておられます。そして、そのことに関しては私が決断しますと、こういう強い文章だったので、私の決断は要らないのかなと思ったぐらいです。これは私が決断しますということですから、総理の強い決断が、私にも伝わってくるわけで、私もこれは気を引き締めて頑張っていかなくてはいけないと、各省庁の抵抗を廃して闘う総務省であってほしいし、私は闘う総務大臣にならなければならないと、こう堅く決意をしているところでございます。
(問)同じ所信表明演説の中で、地域主権型道州制を目指すということもあったと思うのです。これについてはどのようにお考えですか。
(答)これは私が、その先に道州制を見据えて地方分権改革をやるべきだと、何度かここで申し上げたことと全くイコールではないか。ただ私は理想論も言ったので、道州と言っても、単なる衆議院の比例選挙区のブロックのような、従来からの、私は法務大臣もやっておりましたけれども、高等裁判所や高等検察庁を置くのもブロック単位でしょう。それでいいのかということは考え直す必要があるので、川勝平太さんのような考え方だって、特に取り入れてビジョンを早く確定したほうがいいということを申し上げております。要は総理も当然、我々も道州制を目指すということは、もう決めておるわけでございます。道州制を遠くに見ているから、今は何もやらないということも、私は若い頃、そう考えておった。一気に道州制にして、ドーンとやってしまえと、こういうことですが、そうすると結局道州制はできないのだろう。だから、具体的に分権改革を進めながら、そこのもうひとつ大きな壁を越えて道州制というときにドーンといけばいいわけですね。例えば、そうなれば、一般に国でしかできないと思われていることも、道州だったら権限を移譲してもいいという事柄は、すぐには思いつくわけではありませんが、かなりあるだろうと思います。ただしそうなると、今の地方交付税の論議と全く同じで、ものすごく強い道州、財政のいい道州と、ものすごく悪い道州に分かれるとよくないから、分け方というのはこれから一生懸命考えたほうがいいと思っています。
(問)アメリカの下院で、不良資産を買い取るという金融安定化法が否決されまして、ダウが大きく下げました。それを受けて東京の株価も下げているのですけれども、日本経済に与える影響という点と、地方の再生という観点からも含めて、追加的な政策対応が必要かどうかということをお伺いします。
(答)アメリカ議会の仕組みを、私は完全に熟知しているわけではありませんが、上院はまだ採決してない。上院が採決して、あまり使いたくない言葉だけど、結果がねじれた場合には、何か話し合って、また動く可能性があるというふうに聞いております。
 これは日本でも、国有化というのもあったわけですが、銀行に資本注入するに当たって、日本での議論というのは、多分銀行マンは、かなり給料がいいではないか、少なくともうちの事務所の秘書の倍ぐらいはあるわけで、そういうところに国が資本注入するというのは一体いかがなものかというようなことが随分反対論としてあったわけです。それを押し切って我が国はそこのところは成功したのだと思います。何か、アメリカでもそういう議論があったというふうに聞いておりまして、意外なことに共和党の方が反対者が多かったようですね。そういう、いろいろなねじれを生むクロス・ボーティングというのはやっぱりいいですよね。投票行動に党議拘束のないクロス・ボーティングってすごいなと思うのだけれど、すごいと言って喜んでいる場合ではないわけです。そのことが直ちに日本の金融に大きな影響があるとは私は思っておりません。というのは、それだけ金融というか、銀行の体質強化を経験済みで、体質強化した、これが生きてくると思うのです。住専などという問題があったときに、6,850億円で助けるのは反対と言って、私は新進党時代、座り込んで尻を冷やした方に当時はおったわけでありますが、それもやや若気の至りであったかなと今では思うわけで、ああいう経験が生きてきております。
 それからもう1つは、私は総理のように経営者であったことがないので、これはあくまでも人から教えられたことですが、金融というものと実物経済とか実態経済というものが直ちに結びつくものではないわけですよね。だから、その辺は我が国はかなり体質は強くなっているのではないかと、こう思っております。決して、全て、事態を安心して見ていていいというわけではありません。昨日のアメリカの下げ幅は相当なものなのか。
(問)777ドルですから。
(答)空前ではないの。
(問)空前です。
(答)今日は、日本の日経平均、今どのくらい下がっていますか。
(問)一時、500円までいったのですが、今、400円台だったような気がします。
(答)いきなり寄付き辺りで500円ぐらい下がったのね。我が国の経済は底堅い強さは持っているというふうに思っておりまして、ですから、アメリカの金融の問題が日本の実態経済に直ちに響くものではない。まず日本の金融は強いということを申し上げたいと思います。でも、私が言ってもあまり信用性がないから、それはやはり中川大臣や総理大臣がきちんとおっしゃるでしょう。700いくつ?
(問)777。
(答)途中経過の400ドルぐらいしか知らなかったな。最終的に700まで。大きいんだね。
 私は環境問題の専門家ではないけれども、結局人類の繁栄を伸ばすということが環境問題への対応なのですよ。今からあと40億年も経たない、20億年か30億年経てば、大体もうこの地球は溶けて、太陽に飲み込まれるわけだから、あまり未来永劫、未来永劫という言葉は環境問題で言うべきでないので、自然と共生していく中で人類の繁栄をどれくらい伸ばしていくかということを考えて様々な勉強をいたしますと、実態経済とサイバー経済と両方あるという話がよく出てくるのです。金融取引はしばしばこのサイバー的な要素があって、サイバー経済と実態経済というのは本来かなり違う部分があるわけですから、そこの関係というのは非常に難しいわけです。もちろんサブプライムローンというのは、より実態経済に近いものかもしれないけれども、思惑を込めていろんなお金が行き来する中で、その辺をきちんと処理することは環境を考える場合では大事ですよということをよく言う学者さんがいます。梅原猛先生とかそういう方々は、サイバー経済に惑わされないで、実態経済を見てみなさいよということをよくおっしゃっています。
(問)国会の関係なのですが、与党内にも、予算委員会を開かずに解散した方がいいのではないかというような声もあるのですけれども、総務省も、補正予算関連も含め法案を出していますけれども、こうした予算委員会を開かずに解散だというような声に対してどういうふうにお考えになりますか。
(答)私はそういう考え方に与するものではありません。ただ、解散というのは総理大臣の専権事項ですから、解散時期について、私がいつ頃だということは絶対に口が裂けても言わない。ただ総理も景気対策は最優先で、日本経済全治3年、まず景気対策で体を丈夫にしようとこういうことでしょう。で、そのためのまず第一歩として補正予算があるということで、総務省ベースで言えば、やはり一番大事なのは、約656億円という暫定税率失効期間中の地方自治体の穴、この約656億円に更に内閣府という形になっていますが、実質は総務省である約260億円を足しますと、予算書に出ている数字、916億円というのが昨日も中川大臣が読み上げている数字で、この916億というものは大変大きな影響があるというか、これが取りあえず地方を元気にするというか、しのいでくれというために絶対必要ですから、これは通さなくてはならない。そのほかに、合併に伴う40億円の前倒し支出もあります。地方を元気にするという根本問題は、申し上げたような道筋だと思うけれど、ここで穴のあいた656億円を地方に出せないまま政治空白で選挙なんていうことは、私には考え難いですね。地方を何と心得るかと、私としてはこういうふうに申し上げたい気持ちです。
(問)今日、千葉県の銚子市の市民病院が医師不足と経営難で。
(答)医師不足で390床ですか。一気に全部閉じちゃうのかな。
(問)休止らしいです。
(答)私も新聞を見てびっくりしたのですが。
(問)総務省としても公立病院の効率化だとか、定住自立圏構想で効率的な地域づくりを目指していますが、そういった政策の過程で、こういったことがほかにも起きてくるのではないかという懸念が一つ、それと、今回の閉鎖に伴う受け止めをお願いします。
(答)昨日、総理が読まれた所信の中で、不満というのは場合によってはエネルギーになるが、不安というは人をして立ち止まらせて、委縮させるという意味のことがあった。400床くらいある病院が一気に閉鎖に追い込まれるようなことがあるとしたら、大変に不安を増大させることになりますから、厚生労働省と協議して、緊急に手を打たなくてはいけないことなのだろうと思います。これが制度的なものなのか、制度的というのは、医師の大学病院からの引き上げという問題だと新聞には書いてありましたが。要するに臨床研修の仕方が変わって、大学病院にとどまらなくて自由に選べるという制度的な問題や医師不足という問題が根底にあるということはよく分かるのです。一部には、経営の仕方がまずいのでは、という声があるのでしょ。その辺は私はまだニュースを得たばかりですから。省内の担当は自治財政局の公営企業、そこだけではありませんが、真剣に受け止めて、我々ができることは何か、また、再発防止のために我々が関与できることは何か、研究します。
(問)内閣総理大臣補佐官(地方再生担当)として、山口議員が。
(答)山口俊一先生。
(問)大臣との担務の分担については、何か、指示があったのでしょうか。
(答)私は、総務大臣と内閣府特命担当大臣でございますが、内閣官房としての地方再生と道州制、郵政民営化も担当しておりまして、そういう意味で言えば、山口俊一先生のような優秀な若手で、しかも気脈気心の通じている方が補佐官として就任をされ、しかも麻生総理が「私が決断します。」というのが、あるわけだから、その総理の決断を私が非常に受けやすい、総理がどういう決断をしそうなのか、あるいはするのか、あるいはしたのか、それを、この山口補佐官が就任されると、私はやりやすくなりますね。
 形式的にはいろいろありまして、広く総理に進言及び命を受けて意見具申を行うということになっている。直接に行政各部の総合調整を行うものではなくて、内閣の重要政策の地方再生について、内閣総理大臣に進言、意見具申を行うとなっていますが、現実の政治は、例えば地方を元気にするという総理の最大の眼目の1つ、これを総務大臣として私が任された。総理は、俺も自分で乗り出して決断するぞという中に山口俊一補佐官がいたら、こんなに私にとってやりやすいことはない、こう思っております。
(問)今のところ、役割分担をして切り分けている形ではないのですか。
(答)私はもちろん自分でいろいろ総合調整しなくてはならないかもしれないし、彼は進言役かもしれないけど、そういうふうに捉えたくはないですね。あまり形式にとらわれないで、麻生総理、間に山口さんが入って、私がいて、3人で頑張るぞとやればいいのですから。地方分権、あるいは出先機関、それが闘う総務大臣であります。
(問)じゃ、以上で。
(答)ありがとうございました

(以上)

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