甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年9月8日

(平成21年9月8日(火) 10:26~10:36  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは特にありません。どうぞ。

2.質疑応答

(問)民主党がここに来て、官房長官、外相、国家戦略局担当相とかの人事を固めてきていますけれども、それについて大臣の御感想をお聞かせください。
(答)民主党なりの構想に従っていろいろ具体化が進んでいくと。我々も野党として楽しみな面があります。民主党が政権をとって我々が野に下ったと。我々にとって楽しいことは一つもありませんけれども、しかし、国家、国民にとっていいことが一つあるとするならば、断片的に国民受けをするような政策を並べていて、全体をまとめると全く整合性がとれないという政策、政党から現実に立脚して現実とのすり合わせをしなければならないという、そこに責任が生じてくるわけであります。現実と直面して断片的な国民受けの政策を調整していくということの苦悩を通じて、責任政党とはこういうものなのかということを実感して、体感してもらえることは国家、国民にとってはいいことだと思います。
(問)麻生総裁は16日というタイミングで総裁を辞任されるということなんですけれども、そのタイミングと総裁選、28日ということで空白期間が生じてしまいますけれども、そのことについてはどう思われますでしょうか。
(答)空白期間自身は、総裁を代行する者が務めればいいだけの話で、党内にはナンバー2が幹事長がいますから、総裁に必要な決裁等がありましたら、総裁に代わる幹事長ないし総裁が指名するナンバー2が行えばいいだけの話で、事務的にはそう混乱はないと思います。
(問)16日というタイミング、早いか遅いかとか、そういうことについてはどうお感じでしょうか。
(答)16日ということが決定されるのであれば、それは首班指名との絡みがより強く出てくるのではないかと推測をいたします。つまり、「麻生太郎」と首班指名で書くことに相当な無理があると。それは、責任を取って辞意表明をした人を次の総理大臣に選ぶと。選ぶけれども、実は自民党の次のリーダーではないんですよという、党内にも国民に対しても極めてわかりづらい政党独特のレトリックを展開しなければならないと。しかし、それが総裁がお辞めになることによって、その論理はなくなるということを意味するんではないかと思います。
(問)大臣は以前、「首班指名について、白紙でさらさらな状態でスタートするのも一考ではないか」とおっしゃっていましたが、それについて党内からは「白紙で投票することについては有権者に対する責任を果たせないのではないか」という意見も出ているものですけれども、そういった意見についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)私が申し上げたのは、総理・総裁が辞意表明をされていると。従来の恐らく党内手順でいけば、暫定的に次の総裁ができるまで、現在の今ある総裁を首班指名をするということに従来の手法ではなるんだと思います。しかし、それに対して、「辞める」と明確に意思表示をしている総裁を「次の総裁です」と選びながら、「実は本当は違うんです」ということは国民に対して、あるいは党員に対してどう説明をするんだろうかと、私には理解できないと。単純に、少しの負けで総裁が責任を取るというなら、まだ理屈として若干通るのかもしれませんが、正に大敗を喫して「解党的出直しをします」と党の議員全員が表明をしているわけですね。「ゼロから出直すんだ」ということを表明している以上、選択肢の一つとして、「自分たちは解党的出直し、つまり全くの白紙、ゼロからスタートしている最中にあります」ということを党員並びに国民に対して強くアピールするというのは決して責任放棄というよりもむしろ責任を全うするということになるんではないかと。だから、それも選択肢の一つというふうに申し上げたわけであります。
 ベストシナリオは、首班指名までに党員の意向もしっかり酌んで、新しいリーダーを選出すると、そういう過程を踏まえるということがベストシナリオであることには当然のことであります。ただし、それに対して執行部が物理的な時間がありませんから、その選択肢、ベストシナリオはありませんと宣言をしているわけですね。だとすると、現総裁を引き続き選ぶのか。しかし、この人を選びますけれども、この人ではありませんという説明をどうするのか。では、暫定的に、とりあえずこの人に投票しましょうと。これもこの人に投票しますけれども、この人は次のリーダーではないんですと。これどうやって説明するんですかと。これが単純ないわゆる普通の負けであるならば、そういう党内理屈というものは説明ができるかもしれません。しかし、我々はゼロから党をつくり直して国民の信頼に足る保守本流政党を再構築するんですという全員が宣言しているわけですね。宣言をしていますけれども、この人は一応選びますけれども、この人じゃないんですよという説明をどうするんでしょうかという思いが私にはあるから、「麻生」と書かない人がいるから白紙にしましょうとか、とりあえず決まっていないから白票にしましょうという消極的選択ではなくて、我々の強い意思を党員、国民に対して示すと、このぐらいの気持ちで我々は臨んでいるんですと、この白紙にすばらしい名前を書くための準備中なんですという積極的意思表示は選択肢の一つとしてあってしかるべきだというのが私の思いです。
 そのほうが党員、国民に対しての説明責任は果たしやすいと。この人を選びますけれども、この人は選びませんという説明をどうやってするんですか。解党的出直しと言っているときにと。

(以上)