甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年3月10日

(平成21年3月10日(火) 9:21~9:31  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私のほうからは、特にありません。何かありましたらどうぞ。

2.質疑応答

(問)西松建設による小沢氏への政治団体の献金問題で、漆間官房副長官が記者とのオフレコの懇談で、「自民党の議員には捜査は波及しない」と発言しまして、これについて不適切だとして、与党内から辞任を求める声も出ていますけれども、この件についての大臣の受け止めをお願いいたします。
(答)漆間発言は、2つの点で不適切であったと思います。1つは、漆間副長官は官邸の事務の最高責任者であるということ。2点目は、前の警察庁長官であったということ。この2点から、単なる観測発言が、あたかも検察情報と接触しているかのような誤解と疑心暗鬼を与えたと、この2点で極めて不適切な発言だったと思います。
(問)内閣人事局の関係なんですけれども、当初、10日、今日法案提出をめどに作業を進められていたと思うのですけれども、現在の進捗状況を教えてください。
(答)内閣人事・行政管理局の所掌事務について、完全にまだ調整ができているところまでいっておりません。もう少し時間をかけたいと思っております。
(問)日経平均株価が、昨日の終値でバブル後最安値をつけましたけれども、政府の対策の必要性も含めて、大臣の所見をお願いします。
(答)現在の株価は、ファンダメンタルズを全く反映してない、売りが売りを呼んでいるという状況であります。何らかの株価の対策が必要だと思います。
 あまり詳細に内閣の一員が申し述べると、いろいろ市場に与える影響がありますので、その必要性はあると思うというところにとどめさせていただきたいと思います。
(問)漆間副長官発言の関連なのですが、引き続き厳しく追求していくという構えを野党は崩していないわけですが、与党内からも、一部、辞任を求めるような声も上がっているんですが、大臣はこの点、いかがお考えになりますでしょうか。
(答)辞任というところまでの必要性は感じておりませんが、立場が立場であるだけに、今後、発言には慎重の上にも慎重を期してもらいたいと思います。
(問)内閣人事・行政管理局の関係ですけれども、もう少し時間をかけたいということですが、具体的にどのような今後の手続とか調整を進めていくお考えでしょうか。
(答)ぎりぎりまで誠意と努力を尽くしたいと思っております。事務的にも、政治的にもですね。
 御案内のとおり、人事院との関係が、こちら側のぎりぎりの案に対して、先方はほぼ当初の回答から、事実上、ほとんど歩み寄ってもらっておりません。これは、今回の公務員制度改革の一番の肝の部分であります。これがなくなってしまうと、改革が極めて形骸化してしまうという極めて重要なところでありますから、譲れないところは譲れないし、譲ってしまっては改革が名ばかりになりますから、ここはしっかり最後まで調整努力をしたい。しかし、その時間も、もう刻一刻と迫ってきましたので、人事院のほうについても、それなりのこの改革の趣旨に対する理解を深めてもらいたいと思っております。
(問)今、人事院については、大臣側の提案というのは、これまでぎりぎりの提案であるという状況であって、調整するといった場合に、歩み寄るのか、それともやはり人事院のほうから飲んでもらうのかということは……。
(答)こちらは、少なくともできる改革の趣旨及び基本法が示す範囲で、ぎりぎりの歩み寄りはしております。人事院のほうが、私の目から見ると、全く歩み寄ってくれてないと思います。ほぼゼロ回答に近いんじゃないかと思ってます。
(問)ということは、今、大臣側から提案されている案に入っている内容から削るということは、あり得ないということですか。
(答)我々は、もう改革を形骸化しないぎりぎりの段階まで歩み寄っておりますから、これから踏み出していきますと、改革の肝の部分、基本法の目的とする一番大事なところ、それが失われる危険性がありますので、そこのところはよくこの趣旨と基本法の中身を理解してもらいたいと思います。
(問)各社の世論調査で、西松建設の献金をめぐって、小沢代表のこれまでの説明について「納得できない」と答えている人が、「納得できる」と答えている人よりも圧倒的に多い数字になっています。また、「代表を辞任すべきだ」という意見も、「続けるべきだ」という意見よりも大分多い数字になっていますけれども、大臣の受け止めはいかがでしょうか。
(答)小沢代表の説明は、形式的な政治資金規正法に対する説明なんですね。捜査当局は、偽装工作が問題だと言っているんですね。形式的な政治団体から政治団体への献金と、それは政治団体から政治団体への献金というのはもちろん政治資金規正法上認められていることですから、それを小沢さんは主張されていますけども、要は、それが法律に定める形での資金移動、寄附行為ではなくて、偽装工作が問題だとおっしゃっているわけですね。そこの部分についての説明責任は果たして果たされているのかなと、一般の方が疑念を持つのは当然であろうと思います。
(問)関連ですけれども、各社の世論調査で、そういった小沢代表側の敵失があるにもかかわらず、麻生内閣の支持率も自民党の支持率も、まだまだちょっとお寒い状況なんですけれども、その点、どう御覧になっているんでしょうか。
(答)相手側の敵失で自分の支持率が上がるなんていうことを期待すべきではないと私は思います。取り組むべき課題、政策について真っすぐ国民に伝えると、それから実現するという努力が必要であって、前から申し上げていますけれども、総理の下、内閣は身を捨てる覚悟で直前の課題、日本の課題に取り組んでいくと。その姿勢が伝わるかどうかだと思ってます。
 ですから、総理は、必要とあらばどんどんマスコミの前面に立って、メッセージを発信してもらいたいと思ってます。
(問)もう一つ、同じ世論調査で、二大政党の総裁と代表の麻生総理も小沢代表も、とても国民から信任を得ているとは言えないような数字が出ているのですけれども、この状況についてどうお感じになりますでしょうか。
(答)2人の支持率が低いという理由は、異なると思います。小沢さんの支持率が落ちているのは、御案内のとおりです。麻生総理の支持率が落ちているのは、御本人の思いが、いろいろ不測の事態があって、バイアスがかかって伝わらないというところに問題があるんだと思います、私、前から申し上げていますけれども。麻生総理及び麻生内閣がやっていることは、良いことがたくさんあるんだけれども、それが真っすぐ届いていかないということですから、真っすぐ届くための努力も、併せてしていくべきだと思います。

(以上)