甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月28日

(平成20年11月28日(金) 10:13~10:23  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 どうぞ。

2.質疑応答

(問)昨日の自民党の独立行政法人化委員会で雇用・能力開発機構について、厚労省とこちらの行革側が報告されましたけれども、厚労省の機構を存続させるという案にはかなり批判が相次いで、行政減量・効率化会議のほうの大綱のフレームワークでもう1回見直すようにという指示がありましたけれども、大臣としては、この問題どういうふうにされていくおつもりでしょうか。
(答)まず、私のしごと館は廃止をすると、それから今の形での雇用・能力開発機構の存続はあり得ないと。いろいろ民間に渡せるところは渡し、整理をして、一番コアな部分がポリテクカレッジとポリテクセンターですね。ここのコアな部分の受皿をどうするかということですね。いろいろ地方移管とか、あるいはスリム化して新しい法人とか、いろいろな案が出ております。まず、いつも言っていますことは、雇用・能力開発機構の運営業務には、国のお金は全然入っていないと。拠出しているのは企業側と。なかんずく大手は自分で研修センターみたいなものを、施設を持っていても、中小はその体力がないと。だから、中小が集まって、言ってみれば国に委託しているような見方もできるわけですね。ところが、お金を出していない厚労省の話ばかり聞いていて、一番お金を出してやってもらっている、それからそこを使っているユーザーである企業側、なかんずく自分では能力開発をさせるセンターを持てない、そういう方たちの切実な声を聞いていないんで、これはうまくないんじゃないかなということを申し上げてきたわけです。同時に、私のところに話を聞いてくれ、聞いてくれという話がいっぱい来るのは、お金を出している中小企業団体、それからそこで研修を受けている方々の後ろ盾とも言える労働組合、連合、それから地方移管論の中でポリテクセンター等を持っている自治体、ここが話を聞いてくれって、もうひっきりなしに来るんで。市長さん方や知事さんから、知事さんもこれから来られるそうですが、話を伺っております。中小企業団体、連合、それから自治体、すべての方が私におっしゃるのは、地方移管ではかなり無理があるということをおっしゃるものですから、じゃあ、そのときにその地方独特の匠の技とか地方の地域資源とか、いろいろ地域独自にというやり方のプラスメリットはないんですかと申し上げたら、要するに、企業にとって、なかんずく中小企業にとって競争力が生き残るすべてですと。彼らは、オールジャパンないし世界と戦っていると。世界と戦えるだけの人的武装をしなきゃならないという話なんですね。ローカルごとにやると人材が滞留してしまうとか、技術レベルが上がらないとか、いろいろな不安をおっしゃっていました。でありますから、そういう当事者の声をちゃんと聞きましょうということを今提案をしているところであります。まだ結論は出ておりません。
 いずれにしても、今の雇用・能力開発機構が廃止にならずに生き残るということはないんだと思っております。
(問)若干関係しますが、昨日の自民党の会合の後に、茂木前大臣が記者団の我々の質問に答えまして、25日の火曜日に大臣とお話をされて、大臣のほうから廃止だというお話をされたというふうにおっしゃっていたんですけれども、事実関係はいかがでございましょうか。
(答)彼は私の前任者ですから、どういう経緯できたかということも確認する必要があると。そういう中で、今の雇用・能力開発機構が、今の体制で存続することはないわなということは言いましたが、あんまり早く彼と私の間で結論を出すということではなく内々の話で。とにかく中小企業者や連合、労働組合や地方自治体がおっしゃっているような、そういう形を体現するとして、実現するとしても、出捐をしている、お金を支出している人たちの意向で講座の中身がバージョンアップしていく、リファインしていくと。そういう意思がしっかり働くような組織体じゃなきゃいけないんだと思うんですね。どうも上からつくっていくと、天下り問題だとか、ユーザーや出捐者の声が反映されないとか、いろいろな問題があるんだと思うんですね。だから、その辺、中小企業にとっては、生き残りがすべてですから、そのサバイバルは地方区でやるわけではない、全国区でやる、あるいはインターナショナルに世界と戦っているんだという彼らの声は切実な声だと思いますから、極力、日本最高レベルのスキルがつけられるような仕組みにしていくと。今まで雇用政策だけで語られていたと思うんですね。確かに雇用政策なんです。しかし、能力のない人は就職口がより狭くなるんですね。より高いスキルを持っている人ほど就職口は広くなるんです。ですから、雇用政策と競争力強化、産業政策というのは表裏一体なんですね。その部分がちょっと欠落していたんじゃないかなというのは、私のずっと抱いてきた思いなんです。
(問)受皿となる組織体のイメージは、どういうイメージなんでしょうか。
(答)何かいいのない?とにかく時代の変化を先取りしたスキルアップができるような、そういうリアルタイムで世界の産業の向かっていく先を先取りしたスキルアップがすぐに反映してできるような、そういうものがいいんじゃないかと思うんですけどね。
(問)一部報道されている公益法人という形もあり得るんでしょうか。
(答)これはいろいろな形を、ただ、要するに、なけなしのお金を出すときには、それが保険制度というシステムを通じてなされているから、きちんと集められて、しかも企業は費用として計上できるんですね。公益法人の場合だと、公益法人改革の中で、国や独法からの支出を極力スリム化していこうということの中ですから、スリム化はスリム化で保険料が下がるからいいんですけどね。取るだけ取っちゃって全部使い切っちゃうという今の仕組みが駄目なんですよね。必要なものを必要なだけやると。不要なものは保険料の低減として返すという、そういうレスポンスの的確性、それを持っていないと、まずいんじゃないかと思うんですけどね。

(以上)