野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年7月28日

(平成21年7月28日(火) 10:53~11:06  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 遅くなりました。おはようございます。
 本日の閣議については、特に御報告することはございません。
 私のほうから2つございます。
 1つ目には、「最先端研究開発支援プログラム」について、7月3日から中心研究者の公募を開始し、24日に所定様式の提出を締め切ったところです。応募件数は、お手元の資料のとおり565件となり、本プログラムに対する多くの研究者の関心の高さが如実に反映された結果と思います。今後、これらの提案については、ワーキングチーム支援会議で厳正に審査を行いまして、課題を選定していくことといたします。
 2つ目に、お手元の資料のとおり、「月探査に関する懇談会」の第1回会合の日程を8月4日火曜日に決定いたしました。今年は、7月20日でアポロ11号による月探査から40周年を迎えた節目の年ということもあり、今後の我が国にふさわしい月探査のあり方について御議論いただければと思っております。
 私のほうからは、以上です。

2.質疑応答

(問)昨日、民主党のマニフェストが発表になりまして、先日、政策集を念頭に大臣は御発言になりましたけれども、改めてマニフェストをどう見られるかというのが1点と。
 あと、これも先日、大臣のほうから、前回の選挙よりは自民党の公認があるので条件は良いというお話がありましたけれども、解散から選挙の投開票まで40日までと長く、なおかつ、大臣としてもそういう所管の業務というか、そういったものもやらなければならないという中で、行政と選挙の仕事の兼ね合いで大変な部分がもしあれば、あわせてお伺いしたいんですけれども、いかがですか。
(答)まずは、民主党のマニフェストについてですが、今日少し時間がかかったのは、閣僚懇で、それぞれ担当しておられる大臣から、民主党が提出されたマニフェストの問題点などについて御発言をいただいたためです。これは、個別にそれぞれ聞いていただければよろしいかと思っています。
 私の感想は、消費者行政推進担当大臣として、よく消費者の皆さんに「甘い言葉には裏がある」ということを申し上げているわけですが、基本的に、いろいろ、確かに、子供にお金が来るのもうれしい、農家に戸別補償が来るのもうれしい、高速道路がただになるのもうれしいと。当座それぞれすてきなんですね、いいこと尽くしです。しかし、では、結果として、だれが裏返って負担をするかということが全く語られていないということに、不安を感じています。
 あと、国会議員を、大臣、副大臣、政務官等として政府に100人ぐらい投入するというお話ですが、ぜひ、これまでの国会対策を反省いただきたいと思うのは、私も今大臣をしていて、政治家の副大臣、政務官がいました。そもそも私は、大臣として国会開会中にたくさんの国際会議に出なければならなかった。IAEAなど日本の安全保障等に関わる極めて重要な会議があったわけですけれども、民主党の皆さんの反対で出席がかないませんでした。では、そもそも何のために副大臣を設けたのかというようなことが解決されないまま、この投入というのはかなりの自己矛盾になるのではないかなと感じております。
 それから、心配だったのは、安全保障についてです。皆さんも随分触れておられますが、少し国民に対して失礼じゃないかなと。国民はお金をあげさえすれば、ただにさえすれば支援してくれるんじゃないかと。一番国民にとって大切なことは、この国が安全であるということであり、その大前提がないと、お金も出てこないし、高速道路もただにならない。その大前提に関しては、正直、ほとんど皆さんが批判されているとおり、わけがわからないということは、厳しく御指摘をさせていただきたいなと思っています。
 あとは、私個人としては、「脱官僚」ということが掲げられていますが、私は21の政策分野を担当していて、約1年、円滑に仕事ができたのは、やはりそれぞれ専門性を持つ、見識ある国家公務員とのコラボレーションがあったおかげと思っています。私が主導した最先端研究開発支援プログラムに関しても、基金に関しても、私の考え方に対して、しっかりした裏づけを専門的知見でつくっていただいた結果でありますし、宇宙基本計画にいたしましても、国民の代表たる委員会の皆さんの意見を集約し、国家戦略に資するような形にまとめてきたのは、そういう彼らの努力であったし、また、消費者庁をつくるに当たっても、民主党を初め多くの皆さんの反対がある中で、最終的には全党一致という形でまとめたのも、私自身がリーダーシップをとったとしても、やはりそこに必要な、さまざまなテクニックを持っていた彼らの働きがあったと思っています。
 ですから、私が前回、小泉総理の「悪役」になったんですが、そんなバーサスみたいな対立軸を官僚とつくって、裏では仲よくしているらしいんですけれども、そういうやり方はいかがなものかなと。むしろ、私たちも肝に銘じていかなければいけないのは、官僚の総人件費を2割に抑えるというぐらいであるならば、むしろ私だったら、国会議員の総人件費、給料は5割カットすると、それで初めてリーズナブルかなという感じがしております。
 いろいろありますけれども、そうそう書いていただけないと思うので、この程度にとどめておきたいと思います。
(問)もう一つの選挙との兼ね合いについては。
(答)確かに、厳しいです。一人二役ですから、候補者としての私と、大臣としての公務を抱えている私がいるわけで。でも、削る時間は幾らでもあるし、一番端的には眠る時間を減らせばいいことですし、できる限り、せっかくいただいた大切なお仕事ですので、大臣としての公務に瑕疵がないように、また候補者としても、地元の皆さんと効率的に、実効性のある政治活動をしていきたいなと思っています。
(問)先ほどおっしゃった民主党のマニフェストについての御感想なんですけれども、これは今日、大臣は閣僚懇でそのようなことをお話になったということですか。
(答)いえ、むしろ、私は、一つはやはり「施しはあっても裏づけがない」ということで、あまりマスコミの皆さんも手放しで評価をされるようなマニフェストではなかったわけで、私たちは現実政党として、その裏づけになる成長戦略、これをもってこういう手当てをするんだということを、具体性をもってお伝えできるマニフェストを作っていきたいなというふうに思っています。
(問)民主党のマニフェストで政策集のほうに、宇宙開発の利用推進体制について、各省庁の宇宙開発分野と、あとJAXAの企画部門を内閣府に一元化させて再編成すると。そういった案が盛り込まれていますが、それについての評価をお聞かせいただきたいと思います。
(答)それについては、こちらでも今ワーキングチームをつくって鋭意検討しているところで、まだ結論は出ていませんけれども、宇宙に関する政策は、基本計画によって、ただの研究開発でなくなったわけで、やはりJAXAも、それに見合う変身をしなければいけないわけですね。ただ、そこが内閣府にぶら下がるのがいいかとか、一足飛びにエージェンシー化するほうがいいという話も、いろいろ出ているわけで、そこはやはり慎重に議論していくべきだと思っています。そんなに違いはないと思っています、そこに関しては。
(問)そこに違いはない。
(答)党内で意見の違いは、お互いにいろいろあることだと思いますが、特段あれに関しては、えっ、という感じではありません。我々もそういうことを包含して、今検討している最中です。
(問)ちょっと話は変わりますが、自殺対策の関係で、昨日の発表で、上半期とか先月までの半年間で、全国で自殺者数が1万7,000人を超えたということで、過去最悪に迫るペースということなんですけれども、こういった現状について、改めてどのように。
(答)今日も閣僚懇の中で話が出たんですけれども、失業率、これが残念ながら、過去最高に近くなっているわけですね。雇用の不安が、自殺の誘引になる確率は大変高いわけで、できれば今、国で執り行っている雇用助成の取り組みとか、そういうことをしっかり生かしていただくことと、自殺対策という枠組みだけで自殺が防止できるわけではなく、やはり社会全体の問題として、しっかり雇用を支えていくということと、また雇用の前提である産業の育成というか、支えというのもやっていく中で、総合的に、自殺者をそういう観点から減らしていかなければならないということを感じています。
 ようやく基金のほうも動き出しておりますし、皆さんのおかげで、自殺に対する報道が随分なされるようになった結果、やはりこれは個人の問題じゃなく、社会のみんなの問題だという気づきが生まれてくる中で、ぜひとも全国民の応援をいただいて、身近な人たちの自殺防止にお手伝いいただければなと思っているところです。
(問)さっきの選挙に向けた公務との両立なんですけれども、実際に、地元に帰ることができるのは解散後もやはり週末ぐらいでしょうかというのが一つと。
 もう一つは、自民党の支持率が低い中で、先般も「逆風だ」というふうにおっしゃいましたが、地元の空気というのはどんなふうに感じていますか。
(答)公務と活動ですが、昨日はうまく組み合わせて、いろいろ政治活動の合間に宇宙開発担当大臣として、岐阜県にある川崎重工の研究施設を訪問し、フライトシミュレーターに乗せていただくなど、いろいろ勉強させていただきました。そういうコンビネーションで、どうにかうまいことやっていきたいなと思っています。
 また、この日曜日は、午前中まで岐阜にいて、途中、若田宇宙飛行士との交信があったので、一たん東京に戻って、また夜は岐阜に入るということで、体力勝負かなということで頑張りたいと思っています。
 自民党の逆風につきましては、残念なことで、マスコミの皆さんに嫌われちゃっているのか、とにかく、自民党のいい話が全然出てきていません。だから、私は、自分が開催する国政報告会、これは本当にわずかな人数かもしれませんけれども、事実として、麻生内閣で緊急経済対策や景気対策に取り組んできたこと、そして、おかげさまで、先月ぐらいから数字的には右肩上がりになりつつあるということ、そういうファクトベースで取り組んでいることを理解していただくしかないなということで、空中戦では完全に負けていますので、地上戦で、やはり一人でも多くの人に事実を伝えていくことで、来られた方も安心してもらいたいし、この国が墜落しないという、そういう安心感を持ってもらいたいと思っています。
 また、自民党にもいろいろありますけれども、すべての自民党の顔がマスコミで報道されているわけではない。例えば、ついこの間まで「麻生降ろし」をした人は、すごくたくさんテレビに出ていたけれども、それをやらなかった人は全く出ていないとか、そういうアンバランスなこともあり、その辺りをよく御理解いただけるように、こつこつ、行脚をするしかないなと思っています。

(以上)