野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年6月26日

(平成21年6月26日(金) 9:32~9:43  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議については、特に御報告することはございません。
 私から、2つ、報告があります。
 1つ目に、一昨日24日、総理・関係閣僚等の出席の下、第23回知的財産推進本部が開催され、「知的財産推進計画2009」が決定されました。国際競争力を高める知財戦略は、我が国にとって大変重要であり、今後は、関係省庁とともに本計画を着実に推進してまいります。詳細については、内閣官房知的財産戦略推進事務局までお問い合わせください。
 2つ目は、お手元の資料のとおり、来週月曜日29日、第1回最先端研究開発支援会議を開催いたします。本会議は、最先端研究開発支援プログラムの支援対象となる中心研究者と研究課題案を選定する役割を担っており、今回は、公募・選定の基本方針等についてご審議、ご検討いただくこととしております。これにつきましては、科学技術政策・イノベーション担当までお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)このところ、地方の首長の国政に対する関心が強いようなのですが、まず東国原宮崎県知事が意欲を見せていることについては、どのように感じていますか。
(答)あまり詳細な情報がない中でお答えすることになると思います。その前提で、まず私自身の十数年前の出馬の動機は、地方分権、地方主権でございまして、私は当時、岐阜県の県議会議員をしていましたが、いわゆる2割自治、3割自治と言われる中で、国の補助金がなければ生きていけない岐阜県の議員として、歯がゆいところがたくさんありました。どうしても県議会ではままならないので、これは国会議員になって国を変えないことには、岐阜は岐阜らしく生きていけないのだなということが自分が出馬した動機でもありましたので、そういった意味では、地方をしっかり支えていくためには国が変わらなければいけないという東国原知事のお考えの趣旨には賛同いたします。
 あと、自民党総裁の件、これも、誰でも、自民党の公認の候補者になり当選した暁には、将来は自分が自民党の総裁になって、そして総理大臣になって、しっかり国のために働こうという意欲を持つわけで、そのことは間違っておりません。少なくとも私にも、そういう気持ちはあります。ですから、それをおっしゃることは構わないのですが、総裁というのは、やはり努力して、そして多くの信頼をかち得て取っていくポジションだと思っていますので、まずは自民党員になっていただくことから始まって、地元で自民党員をたくさん集め自民党の党勢拡大にも御協力いただいた上で、やはり努力した者が報われるという当たり前のことを具現化していただくことが、政治家というよりは一人の人間としても、お手本になるのではないかなと思っています。
 自民党は、まさに日本の縮図だと思っています。私も含めていろいろな人間が、選挙を経て国会議員になって、切磋琢磨して今があるわけで、「この人はよくて、この人はだめ」というような話ではないので、自民党を通じてこの国を良くしたい、そして地方を活性化したいと願っておられるのであれば、どんどんチャレンジしていただくのは構わないかなと思います。
(問)大阪府の橋本知事は、地方から国を変えるということで、全国の首長にグループの結成の呼びかけなどをされており、宮崎県知事と少し似た動きになっていますが、こうした動きはどのように見ていますか。
(答)若干、繰り返しになりますが、私自身が地方重視の国会議員なので、やはり今、地方の元気のなさを思ったときに、地方から立ち上がっていただくことに対しては、最大の賛辞を送りたいと思います。地方議会を経験している国会議員というのは意外と少ないので、地方、地方といっても、なかなか具体的な勢力、力強さが生まれてこなかったことも事実ですから、ぜひ具体的な提言をしていただく中で、そういった意味では喝を入れていただき、地方行政政策が活性化されるよう、どんどんのろしを上げていただくのは、この国にとって良いことだと思います。
(問)消費者庁長官に官僚のOBを充てるような話が出ていますが、今の政府側としてのお考えと、いつぐらいに発表になるかを併せてお聞かせいただけますか。
(答)最終的には総理大臣が御決定されることですが、やはり88時間にも及ぶ衆・参両院の委員会審議を経て、かつ、参議院の特別委員会では34の附帯決議がついております。消費者庁は、行革の縛りの下、202名の定員で始めるささやかな行政組織ですが、その要求されているタスクは、委員会における審議を通じて非常に大きなものになりました。その中で具体的に申し上げれば、消費者庁長官については、事務次官等会議にも当然ながら出席するという位置付けも与えられましたので、そういった意味では、行政府の中できちんと行動がとれる、リーダーシップを発揮できる人材でなくてはならないわけです。また、関係者や国民から大きな期待を寄せられておりますので、9月以降、消費者庁が発足したら速やかに実務をこなしていただかなければならないということを考えた時には、自ずとその対象が絞られてくるのかなとは思っていますが、今のところ、まだ決定はしておりませんので、発表の時期も含め、もうしばらく猶予をいただければと思います。
 いずれにしても、最大限、いろいろな方の御意見を聞きながら、長官としての任務の重さをしっかり理解して、即戦力として働いていただけるような人を、国民のために選ばなければいけないと思っています。
(問)iPS細胞の研究について、先日、文部科学省でロードマップを作成して、再生医療の臨床研究は早いもので5年以内にというような内容を公表しましたが、まず、文科省作成のロードマップをどう御覧になったか、どう評価されているのかということを伺いたいのと、政府全体としてのお立場で、今後、iPS細胞の研究をどう進めていくのか、ロードマップのようなものを作るお考えがあるのかということについて、併せて伺います。
(答)まず、文部科学省がロードマップを作成されたことについては、とても画期的なことで、高く評価したいと思っています。政府全体の科学技術政策を担う内閣府の科学技術政策担当大臣としては、そのロードマップの先にあるのは、やはり患者さん、国民の治療という場面であるわけですから、その段階では厚生労働省の領域になってくるわけで、そこら辺りがスムーズに、研究から医療へと運んでいけるような、そういう仲立ちができるような連携をしていきたいと思っています。
 余談ですが、先週末、京都で産学官連携推進会議があった折、合間に、京都大学の山中伸弥教授の研究室に視察に行ってきました。私もびっくりしたのですが、大学病院のかなり老朽化している2階の一部に無理やり場所を確保して、本当に狭いスペースで世界最先端の取組をしておられるということを実際に見て、山中先生を始めスタッフの皆さんの情熱に感動するとともに、こういう研究環境で果たしてよいのかなと考えさせられました。報道の皆さんの紙面上には、「iPS」、「最先端」ということで活字が躍っておりますが、研究所や研究者の実際の環境は、そうした活字の語感ほどスーパーな環境ではないということを私は垣間見させていただきましたので、そうした反省を踏まえて、研究環境の改善についても具体的に力を注いでいきたいと思っています。
(問)昨日の会見で総理は、解散について「そう遠くはない時期だ」とおっしゃっていましたが、大臣はどう受け止めましたか。
(答)「そう遠くはない」というのは、人によって感性の違いがあるので、「いつなのかな」と悩んだのですが、ただ、衆議院議員というものは、常在戦場が宿命ですから、遠かろうと近かろうと、明日でも選挙ができるように日々活動しているつもりですので、私自身はあまり気にせずに、その日が来るまで、大臣という仕事をいただいているわけですから、全力でやっていこうという意欲を持っている、それだけです。
(問)党役員の人事について、昨日、首相から、「もしかしたら代えるかもしれない」というようなニュアンスの発言があったという報道がありますが、大臣はどうお考えですか。
(答)それは総裁たる内閣総理大臣の御決断ですので、総理がお望みのことは、どんどんやっていただければ結構ですし、私たちは与党の一員として、どんな状況でも、どんな環境でも総理を全力で支えていくという姿勢があるのみです。

(以上)