野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年6月2日

(平成21年6月2日(火) 10:02~10:13  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議において、私の関係では案件が2件ございました。
 1つ目に、消費者庁関連3法の公布を決定いたしました。
 2つ目に、お手元の資料のとおり1件発言をいたしました。「平成20年度科学技術白書」の決定に関連し、我が国を代表する研究者が研究に専念できる研究者最優先の支援制度等の実施を含め、世界をリードする研究開発の成果を上げ、国民生活の向上につなげていきたい旨を申し上げ、関係閣僚に御協力をお願いいたしました。
 その他、私から1件ございます。本日、閣議前に宇宙開発戦略本部が開催され、宇宙基本計画を決定いたしました。宇宙基本法成立から約1年が経過し、国家戦略の大きな柱の一つとして、今後10年を見通した5年間の計画ができたことは大変喜ばしいことだと思っています。
 特に、計画の別紙2として、具体的な人工衛星等の開発利用計画が盛り込まれたことは、今後の宇宙政策の推進のために非常に意義深いことであると考えています。
 また、本計画が絵にかいた餅にならないよう、盛り込まれた施策を着実に進めていくことが重要であり、そのような観点から、お手元の資料のとおり、本部長である麻生総理から指示が出されたことは非常に大きな意味があると思っています。
 詳細については、内閣官房宇宙開発戦略本部事務局までお問い合わせをください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)宇宙基本計画についてですが、予算の関係は本文中ではその年々の事業に合わせてということになっている一方、別紙2で2.5兆円という試算を出されています。本年の宇宙関係の政府予算からすると、毎年かなりの額の上積みが必要かと思いますが、今年10%上積みできたということから考えて、来年度以降も順調に伸ばしていくことができる、そういうお考えでしょうか。
(答)そうですね。法律ができて1年で基本計画を今日お認めいただくことができたということで、具体的に、今後10年を見通して何をするかということをこの別表で具体的に出してあるわけですね。それに伴って、計画期間中に概ね2.5兆円という試算が出たということで、つながりのよくわからない「点線」ではなくてはっきり目に見えるいわば「実線」という形で国民に明らかにすることになったわけです。ですから、そういう目標に向けて、予算獲得は毎年毎年の勝負ではありますが、具体的な計画に伴ってしっかりと予算をつけていこうという、そういう一つの方向性が示せた、そう理解してもらえればよいと思います。
(問)今後、例えば民間への打ち上げ移転といったことを含めての目標かと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
(答)もちろん。この基本計画に明らかなように、これまで「研究」重視だった宇宙開発が今後は「利用」重視ということになっていきますので、「民」の役割も大変大きくなってくると思います。今もH2Aをそうやってどんどん移転しておりますので、同じような流れで、「官」の研究ということにこだわらず、やはり国民の利便性向上ですとか、様々な場面で「民」がどんどんコミットしてくる、そういう流れをつくっていくことが今回の宇宙基本計画の魂だと思っています。
(問)民間側も、民の役割増大という流れに対して賛同しているのでしょうか。
(答)賛同云々ということではなく、やはり「利用」を進めることで産業界も新たなビジネスチャンスを作っていかなければならないわけですから、そういった意味では相互に理解し合ってやっていかなければいけないと思っています。
(問)宇宙基本計画に関連して、総理から具体的な指示が出たことについて、これをどのように受け止めればよいのかということと、総理指示4項目のうち4番目に、宇宙開発担当大臣の下で、有人を視野に入れたロボットによる月探査に関して直ちに検討を開始しなさいとありますが、宇宙開発担当大臣として、どのような対応をされますか。
(答)有人宇宙活動は、これまで、法律ができる前もそうでしたし、基本計画を作るプロセスに入る前にはほとんど俎上に上がってこなかった一方で、世界各国が取り組んできた仕事の一つですよね。今回、法律ができて、そして国民を代表する皆さんが、日本で初めての宇宙基本計画を作るに当たっては、改めてこれが一つの大きな柱ではないかという再議論があって、それを受けて今回、将来的には有人、その前にはロボットを利用という、ロボットというのは日本の強みですから、日本独自の二段重ねの計画をしようということになりましたが、これは日本らしい取組だと思っています。
 ロボットについては、パブリックコメントにおいていろいろな意見がありましたが、ロボットを否定するものではなく、いろいろなロボットがあるでしょうということだったと思います。日本がこれまで開発してきた様々な有能なロボットをこういうところでしっかり活用していくとともに、有人ということはそれだけ高度な技術を必要とするわけで、その高度な技術がスピンオフされた結果、最終的には、新たな付加価値の高い新産業が生み出されるという、そういう流れになってくるわけですから、この分野についてはやはり一生懸命取り組んでいかなければならないと思っています。
(問)宇宙基本計画に2.5兆円という具体的な数字を明記することについては、政府内で慎重な意見もあったと思いますが、あえて今回明記した意味はどの辺りにありますか。
(答)一言で言えば、先ほど申し上げたとおり、絵にかいた餅にならないようにということです。衛星の打ち上げ等々具体的な計画を別紙で出していますから、これに対してどのくらいかかるかと言うと、概ね2.5兆円だということで、具体性のあるプログラムを年々つくっていこうではないかということです。もし金額が明示されていなかったら、やはりその努力目標もぼやけがちになるということで、極めて重要なポイントだと思っています。
(問)消費者庁の人事についてですが、消費者庁長官と消費者委員会の委員を、どのような方法で、いつぐらいまでに選ぶのか、お聞かせください。
(答)今週、設立に向けての準備室を立ち上げることになっておりまして、そこから本格的に始めていこうと思っています。
 ただ、御承知のように、消費者庁関連3法案は衆議院で修正協議がございまして、とりわけ消費者委員会には大変大きな期待が寄せられておりますし、また、消費者庁そのものも、いろいろ制約がある中でようやくできた役所なので、できてすぐに1億数千万の国民たる消費者のニーズに応えなければならないとなると、かなりのパワーのある役所にしていかなければいけないと思います。
 そうするためには、やはり長官なりのポストを担う人の度量、力量というものが大変重いものになってきますので、そういうことをしっかり踏まえて、広範に実力のある人を探したいと思っています。
 また、事務次官等会議に出ることになりますので、他の事務次官を押さえ込むことができるような、そういう人材を探さなければいけないなということも思っています。
(問)話は変わりますが、今日はかりゆしウェアを着用しての閣議ということですが、大臣はなぜそのお召し物を選ばれたのか、また着用された感想も併せてお願いします。
(答)これは昨年、私の沖縄の友人がプレゼントしてくださったのですが、一度も着る機会がなく、ようやく今日皆さんに見ていただくことになりまして、大変このウェアも喜んでいることだと思います。理由と言ってもそれだけですね、唯一のかりゆしウェアなので。
(問)差し支えなければ、今日、閣僚の中でどなたが一番かりゆしウェアがお似合いだったと思いますか。
(答)私以外でですか。個性的な人が多かったですね。皆さんそれぞれテイストが違いましたが、やはり一番すっきりしていたのは、白いかりゆしウェアの総理だったんじゃないですかね。
(問)大臣、着心地はいかがですか。
(答)正直、ちょっと照れくさいかなと。皆さん御承知と思いますけど、私、普段この手の色は着たことがないんですよ。でもこの色しかなく、ちょっと何かこそばゆい感じでおりますが。
(問)消費者庁の具体的な立ち上げの日程は決まっておりますか。
(答)極力早くということに尽きます。事務的な諸々の作業は、いつまでにこれだけ、いつまでにこれまで、という見通しを立てるのがなかなか難しいのですが、衆参両院の審議の中で、最終的に、リクエストもすごくふえましたから、そういう指摘を見合わせながら作業を進めていくことになるかと思います。
 いずれにしても、「今年中」、そして先日も申し上げたように、「寒くなる前」には何とか創設させたいなと思っておりますので、そこを手仕舞いと考えて、その時点に向けたカレンダーを作っていかなければいけないと思っています。
 人事に関しては、役所の異動なども当然ありますから、それに合わせてしっかり取り組みたいなと思っています。
(問)設立準備のための準備室を立ち上げるというのは、今週のことでしょうか。具体的な日程は決まっていますか。
(答)今週から始めます。最終調整しているところですが、極力今週中にやりたいと思っています。

(以上)