野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月7日

(平成21年4月7日(火) 9:22~9:29  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議について、特に御報告することはありません。

2.質疑応答

(問)週末、北朝鮮のミサイルの発射が行われ、日本側の対応も誤報もあれば正しい速報もありといろいろありましたが、どうご覧になり、どういう御感想を抱いていますか。
(答)私は、発射予告の初日4日は、青森県六ヶ所村の日本原燃(株)六ヶ所事業所等を視察しておりました。たまたま日にちが重なり、出張を取り止めるかど うか悩みましたが、むしろああいう施設だからこそ、安全・安心であることを担当大臣として立証する役目もあると思い、予定どおり出かけた次第です。当時、 六ヶ所村の村長さんを始め関係の方々と食事をしようということで、施設の中におりましたが、第一報が入ったときはさすがに騒然としまして、皆でテレビをつ けて状況の確認をしていたところ、後々、誤探知ということで、やれやれということになりました。青森県の副知事もおられましたが、電話連絡等々慌しくやり とりをされておられたようです。
 いずれにしても、初めてのこととはいえ、情報の伝達の難しさを実感したと思いますので、今後は今回の失敗をばねに、国民の不安を煽らないようなシステムづくりに当局の人たちは取り組んでいただきたいと思っています。
 5日は自宅待機ということで、自宅におり、ニュースをずっとつけていました。
 麻生内閣の一員である大臣としては、北朝鮮がこういう行動をとること、世間では、飛翔体、ミサイル、そしてロケット等いろいろな言い方をされていますが、やはりこれは遺憾なことでありますし、総理を先頭に厳しく抗議をしていかなければならないと、そう思っております。
 ただ、今回のことで、国民に、物的等いろいろな被害がなかったことは何よりだったなと思います。
(問)先週末に、宇宙開発戦略本部の専門調査会 で、基本計画の骨子がまとまりましたが、それによると、今後5年間に、例えば人工衛星であれば34基ぐらいを見込んでいるほか、それより後を見ても、プロ グラム的、計画的に人工衛星を上げることになっています。これは現状の倍ぐらいのペースで上げなければいけないような計画なのですが、肝心の予算の裏付け がまだ全然書かれていません。今後、例えば、予算の裏付けなり、科学技術基本計画のように投資目標なりを明示して取り組んでいくのかどうか、お考えを伺い ます。
(答)宇宙開発に関しては、昨年、宇宙基本法が できまして、ようやくこの5月に基本計画を出すという段階で、ある意味すべてが初めてのことでありますので、チャレンジャーとして、どれだけしっかり国民 に対して、国策としての、国家戦略としての宇宙開発をお示しできるかどうかにすべてがかかっていると思っています。人工衛星に関しても、これまでは所管省 庁が様々で、気象衛星、通信衛星等々、ある意味ばらばらに取り組んできたものをきちんと体系化して、今こういう現状であると、ただ、これからの日本の国際 的な役割を見据えるとこういう衛星が必要であろうと、また、気象衛星についてもこういうローテーションが必要だろうと、そのようにきちんと分類分けして、 トータルで提示する、現状プラスアルファの形で5年先、10年先はこれだけの衛星を必要とするということを明らかにすることは、私からしますと画期的なこ とではないかと思います。
 衛星といっても使途や意義がなかなか判別しづらい中、これだけの衛星を網羅的に将来に向けて配置することで、皆さんが当たり前に使っているテ レビ放送にせよ、天気予報にせよ、GPSにせよ、そういうものがこういう形で安定的に確保されるんですよということを案としてお示しすることは、国民目線 という点からとても重要だと思います。
 今後、基本計画の骨子案が更に肉付けされ、計画案に変わり、計画案が本部で了承されることによって初めて、基本計画という形になるわけです が、そのプロセスの中でどう予算付けをしていくかということは、やはり最大の議論になってくると思いますので、むしろあのようなチャートがないと、予算に 関する突っ込んだ議論ができないのではないかと考えて作成したものですから、テキストとして最大限活用していきたいと思っています。
(問)投資目標の明示についてはいかがですか。
(答)目標を立てるということは、それは一番良 い形だと思いますが、まだ議論の最中ですのではっきりしたことは申し上げられません。ただ、科学技術分野でも第3期基本計画の投資目標になかなか追いつか ないで四苦八苦している中、数字を出すことがよいのかどうか、それとも着実に必要なものを作っていくのがよいのかなど、いろいろな考え方があると思いま す。この国の予算は少々ややこしいものですから、今後の専門調査会や本部において、どうしたら柔軟に必要な衛星が確保できるかという議論を、できれば基本 計画策定までにしていければと考えておりますし、また、これは今後もずっと続く課題だと思いますので、継続してしっかり議論していきたいと思います。
(問)大臣個人としては、やはり数値目標化するほうがよいとお考えですか。
(答)私は極めて単純な人間ですので、そういう ものがあったほうがわかりやすいなとは思っております。ただ、お金ありきではなく、必要性ありきだと思っておりますので、この衛星は非常に重要だから急ぐ べきだ、これはまだ先延ばししてもいいものだといった事情の変化が出てきた場合には、お金の使い道が決まってしまっていると硬直化する恐れもありますか ら、そこはいろいろな考え方があってもよいと思っています。

(以上)