野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年3月24日

(平成21年3月24日(火) 9:43~9:57  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議については、私の関係では、原子力委員会が取りまとめた平成20年度版原子力白書を配布いたしました。
 本年の白書では、国際社会での原子力への期待の高まりと我が国の役割をテーマに掲げ、エネルギー安定供給の確保と地球温暖化問題への対応という課題解決のためには、原子力は必要不可欠との認識の下、国内外の原子力に関する動向を解説するともに、我が国が将来に向けて取り組むべき課題とそれに対する基本的考え方を説明しています。
 2つ目ですが、お手元の資料のとおり、先週19日の夜から21日にかけて韓国を訪問いたしました。
 科学技術政策、宇宙開発利用政策については、韓国側の関係閣僚等と会談を行い、私の方から、我が国の総合科学技術会議議員と韓国の国家科学技術委員会委員との間の継続的な政策対話について提案して合意が得られました。
 消費者行政については、韓国公正取引委員会委員長と両国の現状について意見交換を行うとともに、更なる連携強化の必要性について相互に確認しました。
 また、ソウル市江南区役所を訪問し、ケーブルテレビによる電子行政サービスや自宅での各種証明書の発行等、利用者の視点に立った先駆的な電子行政の取組を視察しました。
 今般の訪韓で得た成果を具体的な成果につなげられるよう、関係機関とも連携して更に努力してまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)麻生政権半年の御感想をお願いします。
(答)感想と言われましても、まだあまり意識はしていないのですが、政権ができてからこの半年、皆さんからずっと言われ続けてきたことは、毎回、支持率がその都度下がってきた話題ばかりでしたが、その支持率の話題とは別に、私としては、麻生政権の下で様々な政策に取り組めたという思いがあります。平成20年度の一次、二次補正予算もできましたし、現在、21年度予算案をご審議いただいています。私の所管分野では、おかげさまで麻生政権になってから消費者庁設置関連法案がようやく審議入りし、非常にいい議論ができているということが挙げられます。世界を巻き込んでいる百年に一度の経済危機があり、また、小泉政権下の改革の影の部分が出てきていると言われている中、そして何と言っても、ねじれ国会で、参議院のイニシアチブを野党がとっている中で半年間政権運営ができたということは、支持率が下がっているものの、評価してもらいたいなと思います。
 今後は、更に政策遂行、施策実施をスピードアップさせて、私の担当分野でも、いろいろと総理の指示を受けておりまして、例えば、消費者庁も然ることながら、IT、あるいは科学技術政策分野で、もっともっと知恵を出せ、汗をかけを言われておりますので、議員としての任期がそもそも9月10日までと限られているわけですが、それまでの間に一日も無駄にせずに、引き続き成果を上げていきたいなと、そういう気合いを入れて頑張っていきたいと思っています。
(問)今回の訪韓に関連して、科学技術協力強化の関係ですが、中国については、改めて合意を取りに行くおつもりはありますか。
(答)ずっと国会の都合があってなかなか出かけられなかったのですが、ようやく韓国を訪問することができました。韓国側と話した折には、まずは李明博大統領と麻生総理の首脳会談の流れを受けて、その下でのカウンターパートということでお話をさせていただいて、いいお返事を頂きましたが、更に突っ込んで日・中・韓のトライアングルでやっていきたいという話をいたしまして、そして、それもいいことだと合意に達しましたので、国会の情勢等が許せば、来月にも中国に伺えればと思っています。
 来月、IAEA(国際原子力機関)の会議が中国でございまして、そこで改めて韓国との話し合いの結果を中国側にもお伝えして確定させることができたらいいなと、自分なりにはそういう形に持っていきたいという思いを強く持っております。
(問)民主党の小沢代表の秘書の拘留満期が今日到来します。民主党の中には、秘書の政治資金規正法違反の起訴だけにとどまった場合には、小沢代表は続投してもよいのではないかという楽観論が広がっているようです。こうした考えについてどう思われますか。
(答)私は民主党に属する人間ではありませんので、他党の考えについて私の立場でコメントをするのはいかがなものかと思いますが、政治資金規正法はそんなに軽々しい法律ではないと思っています。
 ですから、その法律に反することをしたという厳粛な事実を、私が申し上げるまでもなく、国民、有権者は厳しく見ておられるのだろうと思っております。
(問)韓国訪問の関連で、日・中・韓がこれから政策対話を進めていくということですが、具体的にどのような形を考えていますか。
(答)今申し上げたとおり、まずは日本の総合科学技術会議議員と韓国の国家科学技術委員会委員との定期的な対話を積み重ねて、前線にいらっしゃる専門家、研究者の人たちとの対話が円滑に行われることが大事ではないかと考えています。韓国とは、原子力協定の交渉開始ということもあり、また、科学技術分野では、KAIST(韓国科学技術院)の総長ともお話ししましたが、その方はアメリカ、ヨーロッパに随分人脈をお持ちですが、今後10年、20年先を踏まえますと、日本にも人脈を作っていただくことが大事だなということで、若手の育成といったことを相互で進められないかということも、急がば回れではないですが、それがまず大事かなと、そう思っています。これに限らず、いろいろなことができると期待しています。
 韓国の科学技術担当の大臣も仰っていましたが、こんなに近いのに、飛行機ですぐ行ける距離なのに、今までなかなかそういう交流や協力ができてこなかったという、お互いの反省と言いますか、ある意味怠けた点を取り戻そうということで、急ピッチで頻繁に行き来することがまずは大事なのかなと思っています。
(問)例えば、日本アフリカ科学技術大臣会合のように、閣僚級の会合も将来的に開きたいというお考えですか。
(答)もちろんです。当然そういうこともパッケージの中の一つでして、せっかく科学技術外交とうたっていて、アフリカもとても大切ですが、まさに近隣諸国、東アジアでの良い意味での結合ということが、今回の百年に一度とも言われるアメリカ発の経済危機を目の当たりにして、東アジアの強い足場を作ることが必要だとの思いもあります。その意味で、あまり政治の生臭さがない分野と言えば科学技術であって、お互いがそれによって利を得るツールだと思っていますので、その面でもっともっと協調していきたいと思います。
 これまでも協調してきたのかもしれませんが、私としては、日・中・韓が科学技術で一生懸命でやっていこうという雰囲気が乏しかったと感じておりましたので、なるべく私が大臣として頑張れる間にその絆だけは作っておきたいなと思っています。
(問)昨日、韓国の宇宙飛行士が大臣に表敬訪問されましたが、どんな話をされて、また、どのような印象をお持ちになられたか伺えますか。
(答)韓国で初めての、かつ女性の宇宙飛行士ということで、日本のメディアでも報道していただきました。非常にまじめで優秀な女性で、科学高校を出てKAISTのドクターを出ているというのは、私は「スーパーエリートですね」と表現したら、韓国の大使館の方が、「いえ、違います。超スーパーエリートです」と、そのぐらい優秀な方が2週間ぐらい行かれたということで、自分が地球の上で取り組んでいる研究環境以外の空間にいられたことにより、とても意識が高まったという話をされておりました。
 もう一つ、印象的だったのは、彼女は、ロシアでの訓練中に、我が国の若田さんと野口さんが他の国々の飛行士よりも本当に親切に面倒を見てくれて、同じ東アジア人として近さを感じたと、そういう親密感を感じてうれしかったと仰っていました。
 あとは、着陸のときに大変な衝撃があったらしく、お怪我をされて入院をされていたそうです。それを心配していたのでお尋ねしたら、さすがに30歳という若さで、今はもう全然大丈夫ですとのことで安心しました。
 宇宙飛行士の毛利衛さんとも会っておられますが、私のリクエストとしては、宇宙開発というキーワードで、日韓の次の世代への架け橋になってもらいたいと言ったら、「わかりました」と元気に答えていただけたので、私も大変うれしかったです。
(問)例えば、日本アフリカ科学技術大臣会合のように、閣僚級の会合も将来的に開きたいというお考えですか。
(答)もちろんです。当然そういうこともパッケージの中の一つでして、せっかく科学技術外交とうたっていて、アフリカもとても大切ですが、まさに近隣諸国、東アジアでの良い意味での結合ということが、今回の百年に一度とも言われるアメリカ発の経済危機を目の当たりにして、東アジアの強い足場を作ることが必要だとの思いもあります。その意味で、あまり政治の生臭さがない分野と言えば科学技術であって、お互いがそれによって利を得るツールだと思っていますので、その面でもっともっと協調していきたいと思います。
 これまでも協調してきたのかもしれませんが、私としては、日・中・韓が科学技術で一生懸命でやっていこうという雰囲気が乏しかったと感じておりましたので、なるべく私が大臣として頑張れる間にその絆だけは作っておきたいなと思っています。
(問)今日、IT戦略本部の専門調査会で、デジタル新時代に向けての新たな3カ年間緊急プランを取りまとめておられるところと思いますが、このプランについてコメントをお願いします。
(答)IT分野は総理の強いリーダーシップの下で、継続して取り組んできております。どの新聞の報道か忘れてしまいましたが、この8年間でIT担当大臣が12人も変わるという厳しい環境の中で、私も元郵政大臣として、また、議員としても、多少はこの分野のことをかじってきておりますのでわかるのですが、世界におけるITの進展というのはすごく速いんですよね。何カ年計画という形で取り組んでいるうちにどんどん技術革新が行われて、全部が時代遅れになっていくという中で、今度こそ、本当の意味で緊急に、かつ基本法にうたっているように国民全員参加が実感できる、そんな施策を出していこうということで急ピッチで仕上げていただいております。IT政策の一番の問題点なのですが、社会の基盤だからという思いからついつい欲張っていろいろと盛り込んで、あれもこれも手を付けているうちに、ばらまき的になってしまい、結果的にトーンダウンしてしまう事例が多かったので、今回は、ぎゅっと絞り込んで、短期間で徹底的に実現しようということにして、まずは国民に、日本はすばらしいIT国家だと実感でき、国民がそれを評価できるプロジェクトに集中しようということで、プランの案に出ているとおり、3つの柱を打ち出すこととしたということです。
 一例ですが、学校現場では、先生の方が技術面で若干後れ気味で、子供の方がどんどん先に行ってしまうという、ある意味リテラシーと言いますか、技術水準に格差が生じているところもありますので、そういう意味で、現在不足しているIT技術の習得を教員の皆さんに徹底的に指導するといったことを前倒しで思い切って取り組んで、リテラシーにしっかりと影響力を持ってもらいたいなという思いも込めています。今までも取り組んできたのは確かですが、総花的にやってきた結果、本来取り組むべきところが後手後手に回っている、そういうところを、集中的に短期間でやっていこうという思いでおりまして、今頃ちょうど専門調査会で取りまとめが終わったところですね。

(以上)