野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年2月3日

(平成21年2月3日(火) 8:50~8:55  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議について、私から特に御報告することはありません。

2.質疑応答

(問)大相撲の若麒麟の解雇処分が決まりました。ロシア人力士に続いて日本人力士にも大麻使用が広がったことで、国民の間にもかなり衝撃が広がっているのですが、どのような受け止めか、お願いします。
(答)大変深刻な問題です。前回の事案があって、日本相撲協会としてもいろいろと再発防止の取組をしていたにもかかわらず、また今回の事案が起きてしまったということで、その力士個人のモラルの問題ももちろんありますが、何と言っても相撲は日本の国技であって、日本人はもとより海外からも注目されている業界に属する人たちなのですから、より一層、志を高めていただいて、改めて頑張ってもらいたい、もう二度とこういうことがないように厳しく指導し、自己管理に取り組んでいただきたいと思っています。
(問)再発防止策について、大臣のお考えは何かありますか。
(答)これはなかなか難しいですよね。禁止薬物は、これを所持したり、使用したりすることが極めて悪いこと、重大な犯罪なんだという認識を持つ以外、やはり決め手はないわけです。ですから、私は単純な人間ですので、こういう行為に及んだときには、どの職業、職域においても、厳しい処分が待っているということも必要なのかなと思っています。
(問)先ほど国家公務員制度改革推進本部が開かれました。人事院から相当強硬な抵抗があって、これだけ混乱したわけですが、この件に関して、大臣はどう受け止めていますか。
(答)我が国を取り巻く内外の環境が変わってきたわけですから、国で行政サービスを担っている公務員のあり方、組織のあり方も変えていかなければならないというのは当たり前のことだと思います。私は祖父が国家公務員でしたが、戦後、まさに廃墟の中にあって、とにかく一日も早く国を再興せねばならないという差し迫った状況の中で、まだすべての人に教育があまねく行き届いてはいない時代でありましたから、一部の優秀ないわゆるエリートがふるいにかけられ、言うなれば頂点を極めた層が形成され、その人たちのリーダーシップの下で国が再設計され、再興されてきたという流れがあったと思います。その流れの中で、今日まで続くピラミッド型の国家公務員組織がうまく機能するはずだと、その当時は判断されていたわけですね。
 ところが、現在に至っては、既に公務員以上に一般の人たちにも情報があり、知識・識見がある中で、必ずしも戦後に選択した特定のエリート層が差配する形態を採るというよりも、むしろオールジャパンですべての人々がこの国の運営に携わっていくという流れができてきた現在、違和感があると思われるのも当然ではないでしょうか。いわゆる牧民思想と言いますか、一部のエリートがいて、一方、我々は羊で、羊飼いのような人についていく、そんな時代ではないという、その考え方に立った上で組織の中身も形も変えようというのは必然だと思います。これまでピラミッド機構を維持する中で、結局ピラミッドから外れていったまだ定年前の人たちの働き口を確保する「天下り」ですとか、優秀だから生涯給与という面で給料の帳尻を合わせてあげようという「渡り」といった慣例が発生してきたわけですが、それらも併せて改善していかなければいけないということで、確固たるものとして出来上がり、固定化されてしまったシステムを大きく変える節目と言ったらいいのでしょうか、それが人事院との軋轢を生んでいるということではないでしょうか。とはいえ、国家公務員制度改革の工程表も出来たわけですから、今後真摯に話し合いを重ねていけば、必ず形は変えられると思っています。関係者はもとより、私も、内閣の一員としてしっかり取り組んでいきたいと思っています。

(以上)