野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年10月31日

(平成20年10月31日(金) 10:10~10:22  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。
 本日の閣議において、私の関係では、「自殺総合対策大綱の一部改正」及び「平成20年版自殺対策白書」を決定いたしました。
 「自殺総合対策大綱」は、本日閣議前に開催された第6回自殺総合対策会議で決定された「自殺対策加速化プラン」に合わせて、一部を改正したものです。この「自殺対策加速化プラン」は、自殺者が10年連続3万人を上回り、また、インターネット情報に基づく硫化水素による自殺が相次いで発生する事態等を踏まえ、自殺対策の一層の推進を図るために、当面、強化し、加速化していくべき施策を取りまとめたものであります。
 また、「自殺対策白書」においては、我が国の自殺の現状や政府が講じた施策を記述し、自殺対策に関する意識調査の結果や地方公共団体、民間団体等の取組を紹介しています。詳細につきましては、共生社会政策担当にお問い合わせください。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)昨日の麻生総理の会見で、消費税の増税は避けられないのではないかというような言い回しで発言がありましたが、そういった方向に流れが動きつつある、総理のお考えも変わりつつあるということについては、どう受け止めますか。
(答)以前、何年前でしたか、3%から5%に引き上げることを政府・自民党が決めたとき、選挙を控えておりましたが、私はそのときは、賛成と、消費税を5%にするべきだと表明しました。これだけの急速な少子化で困っている国民が増える中、やはりその「たらずまい」は皆で分かち合っていくしかないという話をしましたが、当時、先輩の中には、私は絶対消費税を上げませんと言っていた自民党の国会議員・候補者もいました。結論から言うと、最終的には、皆、5%に引き上げを容認したという経緯があります。ですから、消費税というものは、私たち国会議員、選挙を迎える者にとっては、決してハッピーな言葉ではありません。しかしながら、これだけの少子化という現実をまじめに考えたときには、今まで若い人を当てにしていたところが急速に当てにできなくなってくるということを、やはり私自身は、少子化問題を学び、その対策を考えてきた者として、しっかりと目を背けずに受け止めるべきだと思います。
 ただ、1点申し上げたいのは、どうしても格差が出やすいのは生活必需品だと思います。これに関して、かつての物品税のようにある程度必需品を非課税とするなどの形で、バリエーションを作ってもいいのではないかと。一律に全てを対象に上げるというようなことではなく、やはり格差社会と言われるものに直面している私たちにとっては、格差を少しでも和らげるような税の工夫ということも、併せて議論をしていくべきだと思っています。
(問)増税は誰にとっても嫌なことだと総理も仰っていましたが、国民の理解は得られると思いますか。
(答)ほとんどの国民が理解をしておられると思いますが、その前に、私たち政治家の体たらくですとか、行政の様々な問題点、やはりこれらがあるから、国民の皆さんは、理屈では分かっていても、こういう人たちには任せられないという、そういう厳しい感情をお持ちなのだと思うので、私たちの仕事はそれをしっかり掃除していくこと、そこに信頼関係が構築され、初めて真の理解が得られると思っています。
(問)消費税率も、例えばその段階といいますか、物によってといいますか、生活必需品は下げたほうが、大臣としてはよいというふうに思われるのですね。
(答)私、個人的にはそう思います。やはりいろいろ収入の差はあっても、基本的な食卓周りですとか、そうそう大差がないところですから、その部分はやはり低所得の人たちがしっかりと生活を担えるような工夫というものはするべきだと思います。
(問)関連で、消費税率について、麻生首相はかつて10%という数字を挙げられましたが、大臣御自身の具体的な税率等についてのお考えはどうでしょうか。
(答)何にも知恵も工夫も出さず、ただ漫然と2050年に究極の少子化国家を迎える中で、税金だけでどうにか凌いでいこうとするとしたならば、多分税率は20%なんですよね。でも、私たちには知恵がありますから、何もしないで20%かかるところをどこまで下げられるかということが、政治家の仕事だと思います。この問題は、これからずっときちんと取り組んでいかなければ意味がないことですので、今の時点で何%という数字は、そんな軽々に言える話ではありません。
(問)今後10か月以内に総選挙があることは確実なわけですが、選挙を控えて、税率の具体的な引き上げについて言及されたことはどのように評価なさいますか。
(答)勇気あることだと思います。私たちにとっては厳しい試練ですが、やはり政治家としては正直だと、そういうふうに受け止めています。
(問)閣議後に、石破農林水産大臣とお話しされていたようですが、具体的にどのようなお話があったのでしょうか。
(答)皆さん連日報道されているとおり、食の安全が止まるところを知りません。それで、やはり抜本的な対策として、先日も閣議後の閣僚懇談会でご報告しましたが、どういうことができるかということが検討課題ですので、こういうところはどうだろうといったことについて幾つか話をしてきました。結論は出ていませんが、これからも、以前も申し上げたとおり、時間がある限りいろいろと相談やら報告やらをしまして、食品安全保障と言うのでしょうか、それを極めていかなければならないと思っています。
(問)麻生総理が昨日会見された際、経済対策の会見だったからということなのだろうとは思いますが、消費者庁関連の法案のことにはあまり言及されませんでしたし、現在、国会内でも審議についてはあまり話題に上がっていません。こういう状況について、今、大臣はどのようにお考えですか。
(答)多分、話の流れの中で、何々に幾ら、何々に幾らという説明が続く中で、消費者庁自体はプライスレスですから、そこでお話しにくかったのだろうと思いますが、生活対策の中で「生活者の暮らしの安心」がしっかり一番最初に位置付けられており、消費者庁創設もそこに盛り込まれておりますので、それで全然心配しておりません。きちんと公的な文書で第一の重点分野の中に出ておりますので、総理の熱い思いというものは、これで窺い知ることができると思います。
(問)宇宙関連の話題で1つ伺いたいと思います。日本の主力ロケットのH2Aが、韓国の観測衛星の打上げ受注に向けて、現在、最終調整に入ったという情報があります。一部のメディアではもう既に、打上げ受注へという報道がありますが、これについて大臣の受け止めはいかがでしょうか。
(答)私もまだその一部の報道の発表を知っているだけで、正式に韓国政府ですとか関連の方からの連絡を頂いていませんが、もしこれが実現するならば、とてもうれしいことだと思います。商業用としては初めてで、現在、まさに宇宙基本法を経て、私たちが取り組んでいる様々な宇宙開発の象徴の一つということになりますので、夢がかなうよう、待っていたいと思っています。
 ついでにと言っては何ですが、先日の会見で、「リニアコライダー」の質問をしてくださった方がおられました。実は今日、閣議後の閣僚懇談会の中で、与謝野経済財政政策担当大臣から、今回の生活対策の中で、「世界最先端の研究開発、イノベーション促進」という事項の中に入れてあるとのお話がありました。大きな意味で、リニアコライダーもこの事項に入っているということでありまして、与謝野大臣からは、関連している、例えば私(科学技術政策担当大臣)ですとか、文部科学大臣ですとか、経済産業大臣ですとか、そういう人たちの下にいる担当局長が集まって、官房長官の下でチームを作ってほしいという発言がありまして、作りましょうということになりました。ご報告です。
(問)解散総選挙が延びたことで、公明党との関係がぎくしゃくしているのではないかというような報道もありますが、連立与党を組む公明党とのご関係についてはどのようにお考えですか。
(答)私が現在、一番頻繁にお目にかかっている公明党の議員は、斉藤環境大臣なんですね、閣議等で席も隣り合ったりしています。いろいろな出来事がありましたが、何ら変化なく、いつもどおり仲良く、今日もお話をさせていただきました。そういった私の周囲という範囲では、今ご指摘されたような風情は感じられません。
(問)麻生総理は、昨日、解散について延ばすというふうにはっきり仰らず、逆に含みを持たされているところもあると思います。党内からも、優柔不断じゃないかという指摘があったりするのですが、大臣ご自身はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)そうは仰いますが、別に延ばしたわけでも何でもなく、そもそも今日解散を表明すると総理は明言していませんでしたからね。私などは真面目な人間ですから、4年の任期をしっかりやらせてもらいたいと思っておりますので、解散解散で振り回されないようにしたいなと思っています。ですから、誰が総理大臣であっても、現在のこの状況、100年に1度の大変な危機を迎えていると世界中が認識している中で、選挙によっていわゆる政治空白を1か月ぐらい作ってしまうというのは、やはり愚かなことですよね。ですから、普通に考えるのであれば、当然解散はしないはずですし、危機が収束するまでは、昼夜違わず、出来る限りのことをやる、知恵を出していくというのが、総理大臣以下、与野党越えた国会議員の仕事だと思います。

(以上)