与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月28日

(平成21年4月28日(火) 8:47~9:03  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 閣議では案件どおりでした。

2.質疑応答

(問)豚インフルエンザに関してですが、今日フェーズが引き上げられまして新型インフルエンザということが認定されましたが、財務省として水際対策を含めて何らかの取組方針が出ているのか教えていただけますでしょうか。
(答)財務省は税関業務を預かるところでございます。検疫の方はしっかりやらなければならないと思っております。厚労省も人手不足が発生しているようなのでこれをどうするかというのは、ご相談があれば人手の問題については財務省としては出来るだけのお手伝いをしたいと思っております。
 これはメキシコ、アメリカ、カナダ、一部ヨーロッパでもこのウイルスに感染した例が報告されていますし、初期の段階で世界的な規模でこの対策に取り組むことになったわけですので、日本としても一国の問題ではなくて世界全体の問題として取り組んでいく必要があると思っております。
(問)補正予算ですが、今日から代表質問ということで国会の審議が本格化するわけですが、焦点の1つは、これだけの財政支出をしてその後の財政規律をどう回復していくかという点だと思いますが、現在の経済財政状況を鑑みて歳出削減と歳入改革、これはどちらにプライオリティーをおきながら今後骨太の方針なんかに考えを反映させていくおつもりでしょうか。
(答)財政再建をやる時には、歳出削減、歳入改革、成長政策、この3つが基本だろうと思いますが、歳出削減につきましては、骨太の方針2006の中に歳出削減の在り方がきちんと書いてあります。特段これを変更するような状況ではないと思いますが、この補正予算以前から、日本の財政については、この財政を立て直す方向で努力をしなければならない、また、それに関する政府・与党の強い決意が必要だということで、骨太の方針2006から始まりましたその路線はずっと今まで継続してまいりました。
 その努力はこれからも継続するわけですが、成長率予想とかあるいは世界経済の状況とかということが変わってきており、今年6月に骨太の方針2009をきちんと国民にご提示することになるわけですので、それまでにきちんとした方向性、また、政策全体としての整合性をお示しをしなければならないと、そのように思っております。
 いずれにしても、財政再建は補正予算が大型であったかどうかを別にして、以前からの厳しい、また、難しい、避けて通ることの出来ない政策課題であると思っております。
(問)豚インフルエンザの関係ですが、経済活動への影響ですけれども、現時点でどのように見ていらっしゃるのか伺いたいと思います。
(答)今まで報告されている限りにおいては、出入国規制ということとか輸出入に関してWHOが何か勧告したとかという話は聞いておりません。いくつかの会社がメキシコへの出張を控えているという程度の話でございまして、まだ経済にどのような影響が出るかというのは、現段階では申し上げられないのではないかと思っております。
(問)金融の質問ですが、先週、野村證券が大きな赤字の決算を出しました。証券業界でもいまだに金融危機の影響が続いていたり、これから大手行の決算も大幅な赤字が見込まれています。銀行、金融機関、証券会社の決算・経営についてどのような認識を持たれておられるのか、改めてお聞かせ下さい。
(答)証券会社、銀行が持っている自己資本に比して、金融界あるいは証券界全体の損失というのは、自己資本の中で悠々カバー出来るレベルであると思っております。野村に関して言えば、この金融危機の中で出した損失というよりは、破綻会社の一部を引き受けたということによる損失もかなりのものであって、同情すべき点があると私は思っております。また、各金融機関の損失も用心深く引当てを積んでいるということですし、保有株式の損失を計上しているということであって、本来業務で大きな損失を出したというようには私は理解をしておりません。
(問)金融の件で質問ですが、先週末に公的資金を注入されているあおぞら銀行と新生銀行が統合に向けて行動しているという報道があったんですが、この件について大臣の受止めを教えていただければと…。
(答)2つの銀行が話し合われているということは、法的に可能なことを話し合われているわけですから、それは当事者間の話合いがどうなるかということだろうと思っております。両方の銀行共に、株主を始め、借り手、預金者等、たくさんの関係者を抱えておりますので、話合いが進むのであれば成功裏に話合いを進めていただきたいと思っておりますし、合併の結果、支店の数を減らすなど、合理的あるいは効率的な経営がなされるということを期待されての合併話だろうと思っております。この件は当事者の問題ですので、静かにその結果を見守っていきたいと思っております。
(問)税関の関係ですけれども、新たに何か指示はされたのでしょうか。
(答)財務省の持ち場に関しては、それは事務方が万全を期してやっていると思いますが、我々としては厚生労働省等が予算の面で困らないよう、きちんと必要な措置をしてまいりたいと思っております。こういう時は、昨日申し上げましたように、人もお金も惜しみなくつぎ込んで被害を発生させない、あるいは、たとえそういうことがあっても被害を極小化するということを心掛けなければなりませんし、また、舛添大臣から伺っていませんけれども、日本が備蓄している薬品等、必要な場合は国際協調の中で提供するというような柔軟な姿勢も必要になるかもしれません。
(問)新生銀行とあおぞら銀行の件に関して、一部では公的資金注入を新生銀行とあおぞら銀行に検討しているという報道もされているんですが、公的資金が既に注入されている銀行に対して、公的資金注入の可能性は考えられるのかどうか、その辺りをお聞かせ下さい。
(答)公的資金を投入する場合の基本的な考え方は、公的資金を投入することによって何らかの形で国民経済に資する、国内の金融システム全体に安定性をもたらせるということ、個別の銀行に対するものであっても、その銀行のよみがえりによって地域経済に資するとか、やはり大きな理由が、また、大きな説明の根拠が必要だろうと思っております。この件についての是非については言及出来ませんけれども、そういう大きな観点からの判断というものが、公的資金の是非を最終的に決めるものだと思っております。
(問)新型インフルエンザの関連ですけれども、20年度の補正予算とか21年度の本予算と、あと今回の補正予算でも対策費としてワクチンの問題とかでかなりお金を積んでいますが、必要によっては予備費の使用とかも今後あり得ますか。
(答)こういう時には、必要な時に必要なお金を使うということが大事なので、予備費はまさに予想しなかったことに対する緊急の支出ですから、当然予備費も支出としては可能な支出であると思っております。まだその必要性については議論をしておりません。

(以上)