与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年3月31日

(平成21年3月31日(火) 9:36~9:47  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 閣議は案件どおりでございましたが、私の出張不在中は、金子国交大臣が臨時代理をお務めいただくことに相なりました。
 まず、今日私は閣議で発言をさせていただきました。次のような趣旨でございます。
 先日成立した21年度予算については、速やかな実施を図ることとし、公共事業については、可能な限り前倒しして執行を行うこととする旨、本日の閣議にお いて申し上げたわけです。21年度の公共事業等の施行に当たっては、1つ、入札改革の進展、2つ、特別な事情、例えば制度の新設等を勘案すれば実質的に過 去最高水準となる前倒しを目指し、最大限の努力を行うこととする旨を各大臣にお願いいたしました。具体的な目標値等の取り扱いについては、今後各省庁と調 整するために現時点では未定でございます。これにつきましては、総務大臣から総務省としても各自治体に同じ趣旨でお願いするということを言っていただきま した。以上でございます。

2.質疑応答

(問)今日大臣は総理と一緒にロンドンに向かわれるかと思うんですけれども、G20参加国も20カ国に上り、かなり議論もまとめるのは難しいという見方もありますが、日本としてどういうお立場で主張し、どういうふうに議論をまとめていきたいというお考えでしょうか。
(答)日本のスタンスというのは、昨年の暮れに麻生総理がワシントンに行かれた時から全く変わっていないと思います。国際的な経済危機、金融危機に対処するためには、やはり一国ではなく国際的な協調が必要であり、日本はそういう国際協調の中で、出来得る最大限のことを国際社会に対して行う、という決意はいささかも変わっておりません。
 金融取引に関しては、新たな監督規制が必要だという点についても、世界各国は同じ土俵の上に立っていると考えております。これは時間がかかることですけれども、こういうことを繰り返さないためにも、 そういうことの必要性は日本政府としても強く感じているわけでございます。
 財政出動につきましては、既に日本は昨年の第1次補正予算、第2次補正予算、また21年度の当初予算と、予算編成時には十分と思われる財政の導入をいたしましたけれども、12月に予算編成をした時の経済見通しと今は随分隔たりが生じているわけでして、それに対しては、今日中に総理から何らかのご指示があるものと思っております。この点については、財政出動についても日本政府は考えているということを、総理から多分ロンドンにおいて表明されるものと考えております。
 新興国の経済の回復もまた焦眉の急でございまして、これに対しても、あらゆる国際機関、あるいは二国間協力、あるいは日本が持っているJBIC、貿易保険等を動員して、そういう国々の経済の一助になりたいと、こういう姿勢で臨んでまいりますし、また、一番肝心ですが、保護主義の台頭というものは、世界各国でどんな小さな保護主義でも見逃さない、という厳格な態度をG20はとるべきだと考えております。
(問)今もお話がありましたが、その財政出動の件、今日中に恐らく総理から指示があるやに聞いているんですが、昨日は自民党側が中間案をまとめましたけれども、その中では、数字こそ入っていないものの過去最大規模の対策にするということが謳われていますが、この点について現時点で大臣のお考えはいかがですか。
(答)党の方の作業は、総理の今月中旬に行われた指示に基づいて行われたもので、中間報告とはいえ完成度の高いものだと思っておりますので、今後経済対策を議論していく上で、重要なご提言になると確信をしております。
(問)その財政出動、あるいは規模の点について現段階でのお考えは。
(答)まだそこまで話は行っておりません。
(問)今お話がありました昨日の与党の中間報告なんですけれども、非常に網羅的であらゆるものが入っているという印象を受けるんですけれども、これは全てワイズ・スペンディングという考え方にかなったものかどうか、ここはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)1項目ずつ賢いか賢くないかというのを判断するのは、今この場では難しいと思いますけれども、経済対策を考えていく上では、全てが賢いものだと思いますけれども、使えるお金というのは多分限られてきますから、賢いものであっても落とさざるを得ないものも出てくるかもしれない、と思っております。
(問)今朝、自民党の国際金融危機対応プロジェクトチームで、市場安定化策の追加策がまとまりまして、その中で市場からのETF買い取りについても整備をするというふうな内容になりました。政府による市場介入ということで極めて異例な策だと思うんですけれども、この点について大臣のご所見をお願いします。
(答)極めて異常な状態で株価が低迷する、なおかつその株価の低迷によって日本経済自体に破滅的な影響を与える、そういう時に発動するものであって、始終発動するものではない、という前提で枠組みを考えておられるので、私は妥当なものだと思っております。
(問)先程、これから党の案を受けて政府でも、ということをおっしゃったと思うんですが、スケジュール感としては今後どのように進めていくとかというのはあるんでしょうか。
(答)なるべくスピード感を持ってやりたいと思っておりますけれども、具体的に何月何日に着手しますとか、そういうところまでは完全にはまだ合意が出来ていません。

(以上)