与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年2月17日

(平成21年2月17日(火) 21:43~22:08  於:財務省記者会見室)

1.発言要旨

 本日9時過ぎに、麻生総理より総理大臣官邸で財務大臣及び金融担当大臣を命ぜられました。併せて3 つの担当分野ということでございますので、予算、法律等国会のご承認を得るべく全力で職責に取り組みたいと思っております。こういう経済状況でございます から、私に与えられた使命はいかにしてこの経済危機に立ち向かうのか、また日本一国だけではなく、やはり世界と協調した中で世界の経済のことも日本は心配 しながら、国際協調に努めていくということが大事であろうと思っております。従いまして、財政・金融、また今後の経済対策等万般にわたりまして国民の皆様 方のご理解をいただきながら進めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答

(問)中川前大臣はローマの会見で批判を受けて辞任されたわけですけれども、この予算審議中のこの一連の辞任劇をどう受け止めていらっしゃったか、またこの状態を立て直すための兼務人事だと思われるんですが、どのような心境でお引き受けになったか、この点についてお願いいたします。
(答)中川さんという方は私は信頼を大変置いていた方でございます。このようなことになってご本人も大変残念に思っておられると思いますし、我々友人も非常に残念なことであると思っております。予算の審議の途中また関連法案が審議されている最中に、こういうことが起きたわけでございますけれども、やはり国民生活や国民経済を考えれば、後を引き継いだ者としては、国会のご承認をいただくように全力を尽くすというのが私に与えられた使命であると思っております。
(問)3つの兼務というのは極めて重責かつバランスのとり方も難しいと思うんですが、この戦後最大の経済危機を乗り切るために、まず具体的にどのような政策分野に力点を置かれるかお願いいたします。
(答)結局こういう状況になりまして、政策の体系としてはやはりクレジット・フローと申しますか、いわゆる金融全体が円滑にどう動いていくかという1つのカテゴリー、それからもう1つはやはり総需要対策と申しますか、需要を喚起するためには一体どうすればいいのかという、金融と需要と2つの側面があると思っております。政府としては平成20年度の第1次補正予算、第2次補正予算、また平成21年度の当初予算の中で、十分な対策を取ったというふうに思っておりますけれども、昨日のQEの発表等で経済の落ち込みというものは我々の常識を超え、予想を超えているものでありまして、これに対して国民がどういう反応をされるのかと、そこが一番大きなポイントであろうと思っております。これから色々なご意見が経済界、学会、言論界から出てまいりますので、国民の動向と併せてそういうものをよく斟酌しながら、政府としては対処しなければならないと思っております。
(問)今お話がありました急速な景気の落ち込みを受けて、与党内では人によっては20兆円とか30兆円とか40兆円とか色々数字が出ていますけれども、非常に大きな規模で追加的な経済対策を2009年度の補正予算でやるべきだという意見が強まっていますが、この点について現時点でどのようにお考えでしょうか。
(答)これはですから、与党の意見の一部はそうであることも事実ですし、またこれから各方面から色々なご意見が出てくるわけでございまして、そういうものを総合的に判断しなければならないと。与党の意見、政府の意見だけではなく、やはり国民の皆様方、経済界、学会、言論界等の意見を総合的に考えて物事を判断していくべきものであると思っております。規模については、恐らく今のお話は何か重要な根拠があって言っておられるというふうには私は考えておりません。
(問)重ねての質問ですけれども、政府や与党の意見というのは普通のやり方で聞くと思うんですが、経済界であるとか国民各層の声というのを、どういった形で聞いていこうというふうにお考えですか。
(答)それは既に総理ともお話をしておりまして、まさに各界各業種別あるいは農業団体、労働団体、消費者団体等々あらゆる方の意見を一度伺う必要があるのではないかということを総理にお話ししておりまして、総理もおおむねそういう意見には賛成のご様子でございましたので、どう国民の意見を結集していくのかということが大事な点であると思っております。
(問)自民党の中で今政府紙幣だとか無利子国債について、財源確保の1つの道筋として検討すべきだという意見がありましたけれども、この件について大臣は、経済財政大臣としてのご発言はあるかと思うんですけれども、改めて財務大臣の立場でどうお考えかということをお伺いしたいのと、あと中川大臣が今回辞職に至った1つの理由に、体調管理、健康管理ということがあったと思うんですけれども、与謝野大臣はその点どのように気を使われているかということを教えてください。
(答)まず政府紙幣ですけれども、藩札でもあるまいし政府紙幣というのは現代社会ではあり得ないわけで、一国一通貨というのが原則でありますし、政府紙幣というのは取るに足らないご意見だと思っております。
 無利子国債という話は、無利子の国債を出す国側と、それを引き受ける引き受け手が両方とも果たしてウィン・ウィンの関係になるかどうかということは検証する必要もありますし、公平性とかマネー・ロンダリングとか、そういう面からも検討しなければなりませんし、税体系全体としてなじむものかどうかということも検討しなきゃいけないと。ただこの話はやはり検討に値することであって、肯定するにせよ否定するにせよ相当の研究を要すると思っております。
 私自身は病気もしましたし、健康管理には努めているつもりです。ただ問題はたばこを止められないということでございまして、これはなるべく本数は少なくしていますが、お国のためだと思って吸っていると女房には説明しております。
(問)今日任命に当たりまして、総理からどのようなお言葉で任命を受けられたのかというのが1つと、あと経済財政担当大臣と財務大臣、金融大臣も含めて兼務されるわけですが、諮問会議のあり方について、財務大臣と経済財政大臣を兼務するということは、一種の利害相反とかそういうことも出てくるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の整理はどうされるんでしょうか。
(答)まず総理からは特段、特別印象に残るお言葉はありませんでした。ただしっかりやって欲しいということでありました。それから諮問会議というのは、利害の違う方が集まってやっている会議ではないんで、利益相反という話はないと私は思っております。
(問)利益相反はないというふうにおっしゃいますけれども、そもそも設立の趣旨からして、財政当局とは一歩離れた立場から、民間の意見なりマクロ経済という観点を盛り込んで意見をまとめていく、あるいは政策を運営していくというのが諮問会議の役割、経済財政担当の役割だと思うんですが、その観点では設立の趣旨と財務大臣を兼務するということと若干反すると申しますか、齟齬が生まれるところがあると思うんですが、その点では如何でしょうか。
(答)そういうものをアウフヘーベンした形で役目を務めたいと思っています。
(問)関連なんですけれども、財金分離についての大臣の考えをお聞かせください。
(答)財金分離が出てきました時に私は政調会長代理をやっておりました。当初は、財金分離というのは妥当なものかどうかと思っておりました。役所の数だけ増えるということでありましたけれども、やはりその当時の財金分離を言っておられた論者の根拠というのは、やはり護送船団方式がまずいというのが主な論点だったと思いますけれども、今は旧大蔵省が財務省と金融庁に分かれてそれぞれの立場と役割をきちんと果たしているので、現在の形で私は今の社会に合っているんだろうと今は思っております。
(問)1人の大臣が別々の機能の役所を兼務するということですが、問題はないんでしょうか。
(答)大臣といえども、それぞれの役所の設置法あるいは関連の法令に従って行動するわけですから、その辺は何ら心配はないと思っております。
(問)今のに関連するんですが、そもそもこの3つの役職を兼ねるというのは前例のないことなんですが、ご自身の能力的あるいは体力的にこの人事に無理があるというふうには思われませんか。
(答)能力はないと思いますけれども、体力はあると思います。
(問)事務に支障が出るようであれば、これは問題があると思うんですけれども、そういったことはないんでしょうか。
(答)何がですか。
(問)事務遂行に支障は出ないんでしょうか、3つの役職を兼ねて。
(答)そういうことはあまり想定はしていないんですけれども、仮にそういうことが将来あるとすれば、それはその時解決しなければいけない問題だと思っています。
(問)今日麻生総理の方から、いつどういう時点で今回のこの兼務のお話があったのかというのをお聞かせいただきたいのと、大臣が非常にこの3つの担当を引き受けるという異例なことではありますが、やはり引き受けようと思ったその理由というか、そのポイントはどういったところだったんでしょうか。お聞かせ願えますでしょうか。
(答)私が地元の新年会に出ておりましたら、そこに電話がかかってまいりまして、多分中川大臣が辞表を提出された直後だと思いますけれども、それをやってくれと、こういうお話であったわけです。やはり日本がこういう経済危機に直面しているわけですから、やはり総理の期待に応えてちゃんとお引き受けをする、そして職責を全うするように努力をすると、そう決意したわけです。
(問)総理から直接かかってこられたんでしょうか。
(答)そうです。
(問)当面の課題として国会で予算案をどう通すか、関連法案をどう通すかということがあると思うんですが、依然ねじれ国会が続いている中で、大臣が交代されたことで、今後野党側もしくは自民党の国対とどうやって調整を図って、年度内通過を目指すお考えかをお聞かせください。
(答)国会運営は自民党、与党の国会対策委員長を中心にやっておられると思いますし、また我々は国対の期待を裏切らないように、きちんとした対応をしていくということに尽きると思っております。国会の運営自体は与党の国会対策委員長にお任せするほかないと思っております。
(問)新しい経済対策を考える時に、先程あまり今まで出ている数字は根拠がないということをおっしゃいましたけれども、だとすると大臣は何を根拠に経済対策の数字を決めていかれるのがよろしいのか。例えばGDPギャップを埋めるとか、輸出とか有効需要が落ち込んだ分を埋めるというようなお考えでおられるのでしょうか。
(答) 注意深く聞いていただければ、「重要」な根拠がないと申し上げたので、言っておられる方は多分何らかの根拠があるんだろうと思います。また私は経済対策をやるともやらないと言っていないわけでして、まだそれについては何ら言及していないし、また今も言及するつもりはないと、こういうことでございます。
(問)金融担当大臣は2度目だと思うんですが、前回と今こういう危機の状態とどう違うのか、国際的な危機対策についてどう連携を図っていくのか教えてください。
(答) やはり金融担当大臣の守備範囲というのはやはり、銀行だけではなく生保、損保、その他金融関係の業界があるわけでございまして、これはいずれの業界も諸外国のそれと見比べれば、比較すれば相対的には健全であるというふうに思っております。ただし実際にはやはり3月の決算期を迎える、また輸出が大幅に減ったことによって、大企業もまた中小企業も非常な受注減によって打撃を受けている。またその中で資金繰りもまた苦しくなっている。これは大中小問わずそういう現象が起きているわけでして、そういう資金の問題に対してどう金融庁が対処していくのかということが、恐らく金融庁の現時点での最大の課題であると思っております。
(問)大臣は財政再建については非常に力を入れていらっしゃると思うんですけれども、経済の落ち込みを考えると、積極的な財政出動が必要な場面になってきているんじゃないかという見方もあると思うんです。そういう時に大臣が本当に大胆な財政出動というのをやられるのだろうかというふうに思う方もいると思うんですが、それについては大臣はどういう、積極的な、大胆な財政出動というのはされるおつもりはあるんですか。
(答) 政治家は非常に、プラグマティズムの塊みたいなところがありますので、やっぱり状況に応じて適切な政策選択を行うということが、我々の職業に与えられた使命だと思っています。
(問)大臣は最近大病されていると思うんですが、海外出張が多い金融・財務大臣というのを兼務する形でおやりになるというのは、体力的に本当に大丈夫なのかと。あと海外出張は、重要会議は全部出られるおつもりなのかと、それを教えていただけますか。
(答) 能力はそう大したことないんですけれども、体力は大丈夫ですからご安心ください。それから国会運営に支障のない限り、色々な国際会議に出なければならないというふうに思っております。

(以上)

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