与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月18日

(平成20年11月18日(火) 9:30~9:43  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 閣議は、案件どおりでございまして、特に御報告することはございません。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今週に経済財政諮問会議があるというふうにお聞きしていますけれども、これは議題はどんなことになるんでしょうか。
(答)議題は、麻生内閣の経済対策に書かれております、税財政、あるいは社会保障全体の改革をこれからしていかなければならない、それの議論のスタートとなる予定でございます。
(問)その税財政と社会保障の全体の改革に絡んでなんですけれども、麻生総理が消費税を上げる前提として仰った景気の回復のイメージとして、自民党の柳澤さんは潜在成長率2%、物価1%で、名目成長率が3%程度というのがコンセンサスだというふうに仰っていますけれども、今の景気後退期に入ってからデフレ体質から抜け出せていないというようなことを考えると、若干ハードルが高いという感じがいたしますけれども、お考えはいかがでしょうか。
(答)実際、税制を改革して、いわゆる増減税をやった場合、国の方の取り分が多いということなれば、それだけ可処分所得が減るわけですから、瞬間的には経済に対する下押し効果があるわけで、そういう税の経済に対するマイナス効果を考えれば、また国民の担税力というものを考えれば、やはり名目成長率が3%ぐらいになってから、実際の税が具体化する、ということを仰ったと。
 ごくごく常識的な考え方だと思いますけれども、名目成長率というのは、実質成長率プラス、インフレ率でございますから、むしろ日本の持っている潜在成長力が、完全とは言えないけれども、おおよそ実現された状況というのが柳澤さんの真意だと思っております。
(問)そうすると、与謝野大臣としては、消費税上げの前提となる景気回復を見る目安としては、これは麻生総理もGDPで見るというふうに仰っていますけれども、名目成長率ではなくて、実質成長率が潜在成長率に近いところまで達成されたというようなことを考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)仮に、実質成長率は全くゼロ、名目は10%だという頭の体操をすれば、名目成長率だけで議論するというのは、実は、インフレになったら増税します、という話をしているわけですから、そうではない。やはり、日本の持っている潜在成長力がどのぐらいかというと、1.5から2ぐらいだろうというのが、大勢の専門家の御意見ですけれども、そういう日本が本来持っている経済の力が実際に発現したと、そういう状況を柳澤さん自身も言っておられるわけで、実質成長のない名目成長の中で増税をするということは、およそ考えにくいことだと思っております。
(問)定額給付金を含めた経済対策に必要となる二次補正ですけれども、昨日、自民党の国対の方から民主党に対して、来年の通常国会でどうか、という提示があったというふうに報告されております。かねてから大臣は、二次補正に関してはなるべく早い方がいいと思われていたと思うんですけれども、こういうような方向になってきたということに関して、どのように評価されていますでしょうか。
(答)国会の運営というのは、任期があと1年になってまいりますと、本来の政策論議のほかに、党対党の色々な政治に対する考え方の違いというのが出てきてしまいます。やはり国会運営は幹事長、国対委員長を中心に責任を持ってやっていただければいいと思います。我々閣僚は、国会の運営等については、本来意見を言うべきではない、というのが私の立場でございます。
(問)アメリカでの話なんですけれども、GM、ゼネラルモーターズの経営再建問題で、税金を投入して救済をするかしないかも含めて、今週中にも方向性が出るのでないかというふうに言われているんですけれども、この問題について、経済への影響ですとか、税金投入についての大臣の御所見をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)GMは歴史的な会社であり、あとフォード、クライスラーも、アメリカにとって歴史的にも、また現代においても重要な基幹産業であり、多くの部品供給メーカーも抱え、アメリカの産業の基軸をなす存在であります。したがいまして、関係者、特にアメリカの議会がビック3を救済したいと思うことは自然な気持ちでございまして、それを批判する気持ちは全くありません。が、問題は、WTОの問題をうまく説明できなければならないこと、またアメリカ国内で他の産業が窮地に陥ったときに、一体パブリックセクターとして何をしていくのかという、一つの産業の問題ではなく、他の産業にも波及するような問題を含んでいる。これが、銀行業務、金融システムの危機とは異質なものであって、救済するときには、救済するための必要な理屈と理論が、おそらく米国民に対しても、世界に対しても、発信されると私は思っております。
(問)これからこちらの方で政府経済見通しの策定作業というのが本格化すると思います。昨日のGDPの2期連続マイナス成長を受けて、08年、09年度とマイナス成長になるのではないかという予測が出ている中で、今後、政府の取りまとめる政府経済見通しもなかなか先行き厳しいかと思うんですが、今の現状で大臣の見通しについてはいかがでしょうか。
(答)まだ予算編成に当たっての経済見通しについては、議論が政府内で始まっておりません。したがいまして、確定的なお答えができないんですけれども、世の中、誰しも来年大きなプラス成長をするなどということは、予想している方はおられないんじゃないかと思っております。
(問)それに関連してですけれども、今大きなプラス成長をすると予想している人はないということでしたけれども、むしろ来年も引き続きマイナスになるのではないかという予測のほうがむしろ強まっていると思うんですが、政府経済見通しの中でマイナスということはなかなか考えにくいんですが、そういう可能性についてはいかがですか。
(答)現実は直視していかなければならないわけでして、予算編成の基礎となる経済見通しというのは、それだけの根拠と説明力がなければならないと思っておりますので、そこは正直なベースで物事を判断していく。これがプラスになるという自信は現時点でとてもない、というのが現状ではないかと思います。
(問)それは09年度、来年度がプラスになる自信はないということでしょうか。
(答)いや、きちんとモデルを回して計算しなければ結論は出ないんですけれども、あらゆる外的条件、国内の条件、全部揃えても、プラスに貢献する要素というのはなかなか見つけづらいというのが実情でありますけれども、それは政府の見通しであって、やはり予算のベースとなる経済見通しと、また経済政策として達成しようとする努力というのは、2つ同じように見えるんだけれども、違うんじゃないかと思っております。
(問)次の諮問会議の日程はもうフィックスしたんでしょうか。
(答)まだ最終調整は終わっていませんけれども、おおよそ木曜日になりそうでございます。

(以上)