与謝野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月14日

(平成20年11月14日(金) 9:05~9:26  於:記者会見室)

1.発言要旨

 閣議は、案件どおりでございまして、特に御報告することはございません。
 また、閣議に先立ちまして給与関係閣僚会議が開かれまして、官房長官の提案された人事院勧告の実施ということが決まりました。
 以上です。

2.質疑応答

(問)明日からワシントンで金融サミットが開かれますけれども、日本ではIMFの強化を盛り込んだ総理の提案をする予定ですけれども、その評価を含めて、改めてサミットに期待することをお願いします。
(答)G20の首脳がトータルで会われる時間というのは、約半日でございますので、細かいところまでの合意ができるかどうか、結果を見ないとわかりませんけれども、やはりこの地球規模での経済金融の難局に協調して当たろうという、そういう会議であるというふうに認識すれば、まず20カ国が集まるということ自体がやはり画期的なことであって、今後はその20カ国が緊密な連絡体制の下で、経済危機、金融危機に立ち向かっていく。その枠組みができるということが、第一重要なことだと思っております。
 多分、いくつか用意された議題はあると思いますが、IMFの機能を強化する、あるいは力を強化するという方向は、既に中川昭一大臣が御提案になっておられますので、これができれば、新興経済国、あるいは発展途上国等の為替安定にも大いに役立つでしょうし、経済復興にも大いに役立つものと期待をしております。
 もう一つは、国際金融の中で行われている色々な商行為に対して、十分な規制が行われていない、という主張がありまして、これをどう取り扱うのかという問題。これは相当時間がかかると思います。それから格付機関の問題も当然出てくるでしょう。
 総論的には、ヨーロッパが専ら主張している新ブレトン・ウッズ体制というものですけれども、ブレトン・ウッズ体制ができ上がるまでには、2年間の綿密な討議があって、戦争が終わった段階であっという間に合意をしたということで、国際経済、国際金融制度の新しい枠組みを求めるにしろ、やはり相当な準備期間を費やす必要があるというふうに今言われていると私は感じております。
(問)昨日、OECDが経済見通しを発表しまして、日本は2009年にマイナスで0.1%成長という予想になりましたけれども、この受け止めをお願いします。
(答)あの表は、来年アメリカが0.9のマイナスになると。しかし、次の2010年がアメリカが1.6まで回復すると。日本は0.6までしか回復しない。ユーロ圏はマイナス0.5だったのが1.2ということで、V字型回復と言わないまでも、米国も欧州も相当なところまで回復するという意味で、日本は下がったところも0.1で小さいんですけれども、上がる幅はたった0.7ということで、ここのところをどう考えるか。まだこれで0.6までしかいかないものを、どう1.5とか、あるいはそれ以上とかというところに近づけるのかということがやはり日本の経済政策の大事なところだろうと、そういうふうに感じました。
(問)定額給付金なんですけれども、所得制限が地方自治体の裁量に委ねられたということで、大臣のお考えとは若干違う結果になったと思うんですけれども、現在の受け取めをお願いします。
(答)与党の間で決められたことですから、政府・与党の一員として決められたことをきちんと尊重し、守る。私の主張が100%通ったわけでもありませんし、それについては主張は主張として、決められたことはきちんと決められたとおり物事を取り運ぶべきだと思いますし、あらゆる局面で決められたことに忠実に行動していくというのが閣僚の責任だろうと思っております。
 ただ、若干、議論に混乱があって、論理学の世界でやや頭の体操的な話で、こんな議論をしてもちっとも役に立つとも思わないんですけれども、「所得制限をする」ということの反対概念は、「所得制限をしない」という概念。それから、「受け取りが任意」だということの反対概念は、「強制的に受け取りをさせる」というのが反対概念で、この4つのことをぐちゃぐちゃに議論すると、話がわかりづらくなるという傾向がありまして、実際は今般の制度は、「所得制限なし」「全ての方が受け取る」という制度になっています。それから、「受け取りについては任意」ですと。したがいまして、辞退するということは、自然とその制度の中にもう存在しているということで、辞退方式がいいというのは論ずるまでもなく、受け取りが任意ということは、辞退ということもまた自由ですし、個人の意思に委ねられているということなので、そういう意味では、「全員に配布します」「受け取りは任意です」というので辞退方式は入っていると。
 それから、もう一つ大事なことは、それでも仮に所得制限をしたいという自治体が出てくるのであれば、それはそれぞれの責任でやってくださいと。地方自治体の意思というものをそこで尊重したという意味では、一つの制度としての私は進歩だと思っています。
(問)中期プログラムの議論なんですけれども、来週の経済財政諮問会議から本格化すると思うんですが、一方で党税調でも議論がスタートしているんですけれども、まず諮問会議でどういう議論をしていくかということと、あと党税調との役割分担というのはどうなるかというのを教えてください。
(答)役割分担ということよりも、同じような仕事をしていくんだろうと思いまして、方向性だけについては、その都度お互いにどういう方向で議論しているのかということは、きちんとお互いに知りながら議論をしていく、ということが必要だと思っています。諮問会議のほうと税調の考え方が、なるべく一定の幅の中に納まっているということになれば、幸いであると思っております。
(問)関連して、今日、政府税調の方も開かれると思いますけれども、こちらの政府税調の議論として、大臣が期待されることはどういうことになりますでしょうか。
(答)実は政府税調の議論というのは、前回の政府税調の答申を読むと、税制の改革の方向性というのは、政府税調としては全部打ち出されていると。定性的には。私はそういうふうに理解をしております。
 党税調、あるいは諮問会議、総理が行いますことは、そういう物の考え方をどう社会の実情、あるいは政治状況の中で消化していくのか、国民の理解を得つつ実行していくのかと。理想的な案、実行可能な案、色々なレベルでの物の考え方があるわけですし、その中には政治的に決断をしなければならないものも含まれてくるだろうと思います。まず、我々は事務方として、考える得るベストな案を作りたいと思っております。その上で、それに政治的な色々な配慮、考慮を加えていただければ、中期プログラムは完成できるものと思っております。
(問)今回の金融サミットで、外貨準備高を一番持っている中国に対して、日本政府としてどんなことを期待しているのでしょうか。今までの中国の対応策をどのように評価されますか。
(答)中国はアジアにおいて大変頼りされている国だと私は思っています。中国は、この地域の経済的、安全保障的な安定性を考える上で、極めて重要な国であると思います。
 まず、中国の、世界から見た強みというのは、やはり政治が安定しているということ。それからもう一つは、大変な外貨準備を持っているということ。それから経済力も、大変な生産能力を持っていること。それから、前回のアジアの通貨危機の時も、元は切り下げないということを約束をされて、アジア経済全体に、ある種の安堵感と安定性をもたらしたこと。過去においても、現在においても、アジア経済に対しては安定性を重視した対外政策を展開されると思いますので、私どもも中国の活躍に期待をしておりますし、G20では大いに中国の考え方を世界に披瀝をしていただきたいと思っています。
(問)先ほどの新ブレトン・ウッズ体制の話ですけれども、今回の金融危機を機に、これまでのドル基軸通貨体制の見直しですとか、あるいはIMF改革ですとか、そういったこれまでの金融経済システムの抜本的な見直しも必要であるといった流れの中で、新ブレトン・ウッズ体制の話が出てきたと思うんですけれども、そういった抜本的な体制変更の必要性について大臣のお考えをお伺いできますでしょうか。
(答)ブレトン・ウッズ体制というのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の反省の下に生まれた。冷静に考えると、20世紀前半に世界がブロック経済化したと。これがやはり色々な国の衝突を生み、色々な経済圏の衝突を生んできたんだろうという反省の下に、GATTという仕組みを作って、通商ルールを決めたと。ドルを基軸通貨とし、IMFをいわば流動性の調整機関としたと。その後、ブレトン・ウッズ体制の派生として、世界銀行とかそういうものもできてきたと。政治的に言えば、これに国連が加わるんだろうと思います。
 しかし、大きな枠組みは、新ブレトン・ウッズ体制といってもそう大きく変わるものではないと。基軸通貨をどうするか、IMFを強化するかどうか、そういうような現在ある制度を、より世界経済の実態にどう調整して合わせていくかということを考える話で、一足飛びに新ブレトン・ウッズ体制というものが果たしてイメージできるかどうかと言えば、現時点では、多分そういうことではないと。
 ただし、今やらなければならないことは2種類あって、一つは現在の金融不安、不安の連鎖を食い止めると。世界経済の後退をなるべく極小化しようと。そういう努力。それからもう一つの努力は、時間はかかるけれども、色々な金融取引に対する規制を国境を越えてどうするのかという問題。それから、IMFの強化とか、基軸通貨のあり方とか、そういう新ブレトン・ウッズ的な物事が議論されると思います。こちらの方は、そう1週間、2週間では片付かない問題だろうと思っていますが、そういうことを目指していくということは大変大事で、目指した結果をどういう名前で呼ぶかは、また別問題なんだろうと思います。
(問)今後そういうことを目指していくということが大事というのは、長期的な抜本的な改革を目指すことが必要であるという意味で仰ったわけですよね。
(答)抜本的な改革というものを皆で考え方を出し合ってやるということは必要だ。ただ、問題は、当面のことをどうするか、という両方の問題を持っているんだろうと思います。

(以上)

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