上川内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年2月27日

(平成20年2月27日(水) 15:04~15:21  於:厚生労働省内会見場)

1.発言要旨

(舛添大臣)本日、上川大臣と共に、「新待機児童ゼロ作戦」についてお話しいたします。少子化対策というのは喫緊の課題でございまして、社会全体で取り組んでいく必要がありますけれども、中でも、保育サービスの充実というのは、働く保護者の方々とその子どもたちにとって切実な問題でございます。今般、保育所等の待機児童解消を始めとする、保育施策について施策対象の拡大や保育の提供手段の多様化など、質・量ともに充実・強化し、推進するため、総理のお考えに沿いまして、「新待機児童ゼロ作戦」を展開することにいたしました。新作戦におきましては、希望する全ての人が安心して子どもを預けて働くことができるためのサービスの受け皿を確保し、待機児童をゼロにするという目標を掲げ、今後3年間を集中重点期間として取組みを進めることにしております。具体的には、保育サービスを量的に拡充するとともに、家庭的保育など保護者や地域の実情に応じた保育の提供手段の多様化を図ること、それが一番目。二番目には、小学校就学後も引き続き放課後等の生活の場を確保するため、放課後児童クラブにも施策対象を拡大すること。三番目として、女性の就業率の高まりに応じて必要となるサービスの中長期的な需要を勘案して、その絶対量を計画的に拡大すること。四番目として、子どもの健やかな育成と預ける保護者の安心の確保の観点から、質の確保されたサービスの提供を保障すること、という以上四つの基本方針の下で、関連する施策を展開することといたします。また、先ほど述べましたことを10年後の目標ということで掲げてありますが、これはどうしても財源をどうするのかということで、一定規模の財政投入が必要不可欠でありますから、税制改革の動向も踏まえつつ、新たな次世代育成支援の枠組みの構築に向けて、その具体的な制度設計の検討を速やかに進めてまいりたいと思います。厚生労働省といたしましては、親の就労と子どもの育成の両立を出産前から就学後に至るまで切れ目なく支援する観点から、「新待機児童ゼロ作戦」を着実に推進してまいりたいと思います。

(上川大臣)少子化を担当しております観点から発言をさせていただきたいと存じます。少子化対策につきましては、昨年末、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略が取りまとめられまして、働き方の改革によります「仕事と生活の調和」の実現と、多様な働き方に対応した保育サービス等の子育て支援の再構築を車の両輪として推進する必要があるとの方針が打ち出されたところでございます。このうち、働き方の改革につきましては、仕事と生活の調和の憲章と行動指針の下で、本年を「仕事と生活の調和元年」として、官民一体となった取組を加速しているところでございます。今般、総理の指示を受けまして、「新待機児童ゼロ作戦」が取りまとめられ、特に、今後3年間を重点期間といたしましたのは、第二次ベビーブーム世代、いわゆる団塊ジュニアが30歳台半ばを迎えている今、少子化対策は待ったなしの状況であるとの認識を踏まえまして、「働き方の見直し」と、「保育等の子育て支援の社会基盤の整備」を車の両輪とする重点戦略の考え方を現実のものとし、国として、社会基盤の整備に強力に取り組んでいくという断固とした決意を示すものと考えております。ただいま舛添大臣がおっしゃいましたとおり、その実現のためには一定程度の効果的な財政投入が必要不可欠でございますし、個別施策の実効性、あるいは、施策間の整合性を十分に検証しながら、制度や運用方法につきましても不断の見直しを行いながら、国民の皆さんからの幅広い理解を得ることにより、必要な費用を確保する必要があるというふうに考えております。今後、より効果的な次世代育成支援の枠組みの再構築の検討が進むよう、内閣府といたしましても、厚生労働省を始めとして関係省庁とよく連携をしながら、少子化対策に全力を尽くしてまいりたいと思っております。以上でございます。

2.質疑応答

(問)保育サービスの提供、あるいは、利用児童数100万人増、放課後児童クラブ145万人増とありますが、この数値目標の根拠になったのは、どういったものが根拠でこういった数字になったのでしょうか。
(上川大臣)今回、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略の中で、憲章と行動指針、この中で、10年後の働く方たちの就業の見通しをベースにしたところ、今、保育のサービスのことにつきましては現行20%ということでございますが、10年後には38%までということで目標を立てているところでございます。そうした目標の下で、0歳から5歳児の100万人増というところを明確にし、これに対しての対応ということについては全力で、とりわけ3年間の重点施策を踏まえて、対応していくということでございます。
(問)10年後の目標実現のために一定規模の財政投入が必要不可欠ということですけれども、概算で大体どのぐらいの予算が必要になってくると見ていらっしゃるのでしょうか。
(舛添大臣)これは財務当局にも諮らないといけない。それで、20年度予算では、4万5千人ぐらいが増員できるだけの確保をしております。したがって、今後3年間重点ということになると、もう20年度から始めないといけない。今もう予算審議中ですから、そうすると、21年度、22年度と、いかに財政事情の厳しい中で増やしていくかと、これは政府全体の課題ですから、財務省とよく議論してということで。今からの議論の課題だと思っています。
(問)朝、総理の所に会いに行かれて、総理のご意向で加えられたところとか、多少変化のあったところというのはどの辺になるのでしょうか。
(舛添大臣)10年後の目標ということを掲げていましたけれども、それはそれでいいと。しかし、やはり早く手をつけないと、私も団塊世代ですけれども、団塊世代二世の子どもたちが出てくるということなので、のんべんだらりとやるのはやめましょうと。だから、集中的に3年ぐらい重点的にバッとそこに集中してやってみようというご指示がありました。
(問)3年間の目標というのは立てられないのですか。
(舛添大臣)それはいろいろな状況があります。だから、単純に、例えば、100万人だから10年で10万だと、それで30年で30万が倍増して60万だと、ちょっとそういう形で機械的にいかないもので、今日大きな方針を決めましたので、これからいろいろな状況を見ながら、出生率をどう見るかとか、働くお母さんたちの割合をどう見るかとか、そういうことを勘案しながら組み立てていきたいと思っています。

(上川大臣)今、既に待機児童として1万8千人弱いらっしゃるわけでありますが、保育のサポートができない故に、今、出産をためらっていらっしゃる方たちが大変多いということでございます。これから自治体の方に待機の状況とか、あるいは、そうしたお父さんお母さん方の希望ということについて十分に実態、現場の声を上げていただきまして、そして、その実態の上で、具体的な数ということについて来年3年間のプログラムをしっかりと打ち立てていくということになろうかと思います。
(問)3年間の集中期間の関係なのですが、いろいろ施策は挙げられていると思うのですが、特にこれを集中して、大臣のお考えとして、取り組みたいという項目があったら教えていただきたいのと、あと、3年間ということ自体が総理の指示という、集中的にというのは総理の指示という認識でいいのかというのを教えてください。
(舛添大臣)後者からお答えしますと、総理の強いご決意で3年間ということでございます。前者については上川大臣の方から。

(上川大臣)保育所の整備に加えて、特に、家庭的保育ということで、保育ママさんの充実を十分に図っていきたいというふうに思っております。また、認定こども園もございますし、幼稚園の預かり保育もありますし、また、企業内保育園ということで、お子さんを、働き方に応じて柔軟な施策のメニューを揃えていくということも非常に大事だということでありますので、そういった面の配慮も加えていきたいと思っておりますが、保育所と、とりわけ家庭内でのということで、保育ママさんの充実ということが大切になろうかと思います。
(問)2001年に小泉政権が出した旧プランなんですけれども、今回の新プランと旧プランで色々と違う点があると思うのですけれども、旧プランを色々やって来てそれでも待機児童はゼロになっていない訳ですが、今回、新たに盛り込んだ視点ですとか旧プランとの一番の大きな違いどんなところでしょうか。
(舛添大臣)旧プランは一回見直して、21年度までつながっている形になりますけれども、旧があって、それが終わって新だということではなくて、待機児童ゼロということですが、一生懸命やってもまだ新たに出てくるということですので、量と質を増やそう、良くしていこうということです。量は数値目標があります。3年でどれぐらいにやるかというのは、またちょっと検討させて頂きますけれども、質の向上ということで、今、お話があった保育ママのようなこととか放課後の子供達をよく見る、つまり仕事と家庭を両立したい保護者の方々にきめの細かいサービスを提供する。それを質の向上ということだと思います。

(上川大臣)旧プランというのは当面の待機児童に対してどう対応していくかということで取り組んで来たというふうに思いますが、これからは希望をする方には多様な対応ができるようにということでありますので、希望に応じて受け入れの児童数が拡大していくということも汲んで、量的な拡大を図ると同時に厚労大臣がおっしゃったように質的な面でも十分に配慮していきたいということが一つであります。それから子供さんも、小学校就学した後の特に低学年のお子さん達の対応ということについては今まで十分でなかったということでありますので、ここについては放課後児童の健全育成事業の対応として、放課後児童クラブということで小さなお子さんの乳幼児から就学前のお子さんと就学後のお子さんについても十分に対応していくというところが違いであると思います。
(問)旧プランの時には事業を展開する事によって、新たな需要を生み出すということで結局、ゼロということになかなかならなかった経緯があったんですけれども、このうち出された話の中では新たな需要の部分というのはどういうふうに見ていらっしゃるのでしょうか。
(舛添大臣)良い例かどうかわかりませんが、ITでスモールオフィス、ホームオフィスみたいな事になってくると、在宅で仕事ができるようなことになる。そうするとそれに伴う保育の形態が変わってくる可能性があったりします。よりフレキシブルに動かさないといけない。だから状況の変化によって潜在的なものも掘り起こすことが十分にあると思います。例えば、保育ママさんを使っていく、そのことによって保育所まで連れて行くことが省けます。だからそういう潜在需要を掘り起こすという面も多分にあろうかと思います。ですから10年計画を決めたらそれで終わりではなくて不断に見直していくということです。私が大臣になる前、坂口さんが大臣だったかな、その時に子供を預けられる保育所がなくて、悲鳴をあげていたので、待機児童ゼロなんて嘘をつくなといって坂口大臣にかみついたことがありましたけれども、その時に大臣は「一生懸命やっているのだけれども、5,000人ということでうまくやったらまた新たに生まれてきた。だから、むしろ政策が成功しているのであまり怒らないでくれ。」と坂口さんに言われたのを今でもよく鮮明に覚えております。そういう面はあると思います。

(上川大臣)旧の部分と新の部分の状況の違いということでは、「仕事と生活の調和」憲章と行動指針が昨年末に取りまとめられ、国を挙げて仕事と生活の調和を推進することによって働き方を変え、例えば、第一子が生まれる前後でお辞めになってらっしゃるケースが多いということについて解消しようとか、あるいは男性も女性も育児休業の制度を柔軟に取ることができるようにしようということで、国民を挙げての運動を展開していく今年は、初年度ということであります。そういう片方の輪と今回の取り組みがちょうど車の両輪になって進んでいくことができるように新しいスタートの切り方であります。そういう意味での両輪をうまく活かして少子化の対策についても期待をいたしております。また、女性もためらうことなく出産できる環境をどんどん整備するのだというメッセージをしっかりと国として出していくことができる。そういう意味でも短期集中で3年間という期間をしっかりと区切って、そしてむしろうれしい悲鳴が出てくることになるようにしてまいりたいと思っております。

(以上)

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