泉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年2月29日

(平成20年2月29日(金) 8:59~9:15  於:中央合同庁舎5号館3階特別会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議では、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律の一部を改正する法律案が決定されました。この法律案は、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪が多発していることにかんがみ、インターネット異性紹介事業者に対する届出制の導入等の規制の強化を行うとともに、児童によるインターネット異性紹介事業の利用を防止するための民間活動の促進に関する措置を講ずるものであります。今国会で早期成立できるように努めてまいります。
 また、国会提出案件として、衆議院の鈴木宗男議員から提出された、近年の冤罪事件を受けて警察庁が公表した「警察捜査における取調べ適正化指針」に関する第三回質問に対する答弁書について、決定をいたしました。本件は、主として、警察庁が今年1月に作成した「警察捜査における取調べ適正化指針」に関して、政府の見解、事実関係等を答弁するものであります。
 閣議では、総務大臣から、「労働力調査報告」「消費者物価指数」「家計調査報告」について、厚生労働大臣から有効求人倍率について、官房長官から、緊急事態発生時における報告の徹底について、渡辺行政改革担当大臣から、公務員の定員純減について御発言がございました。それから、総理から、公文書管理担当大臣を上川大臣にするという御発言がありまして、上川大臣から就任に当たって御発言がございました。
 懇談会に入りまして、新待機児童ゼロ作戦につきまして、厚生労働大臣、文部科学大臣、上川少子化対策担当大臣の発言があり、総理からも御発言がございました。さらに、国土交通大臣から、空港整備法及び航空法の一部を改正する法律案について御発言があり、官房長官、総理からお話がございました。

2.質疑応答

(問)中国製餃子の問題について、昨日中国公安当局が記者会見を行い、日本警察と異なる見解を示しましたが、今後の連携はどのようになりますか。
(答)21、22日、東京で日中捜査当局間の情報交換会議が開催され、日本側からは鑑定結果等の科学的・客観的情報を提供しました。検出されたメタミドホスの分析状況や、餃子の袋の外側からメタミドホスが浸透する可能性に関する実験結果等を示して、日本国内において餃子に薬物が混入された可能性は極めて低いと認められることを説明いたしました。中国側からは日本警察が押収した証拠品の提供について要望がありましたが、これに対しては、正式な手続きに則って、すなわち今後中国側の捜査が進み、押収物の提供が中国での立件上必要となれば提供は否定しないと説明し、中国側の理解を得たと考えておりました。さらに日本側から中国側にいくつかの客観的な資料の提供を要求しましたが、本日までこれらは提供されておりません。25日には、警察庁次長が中国公安部との首脳級会談を行い、日本側から東京の情報交換会議で行った具体的な説明と情報要求を改めて行うとともに、日中相互が、事案の早期解明に向け今後一層の連携が必要であることを同意したと報告を受けております。そして26日には再度実務的な情報交換会議が行われております。このような中で、昨日中国公安当局の見解が表明されたわけですが、中国側が、具体的な情報提供を行わない段階で、我々と異なる見解を表明したことは、予期せざる出来事でした。警察庁長官が昨日の記者会見で「看過できない部分がある」と発言しましたが、私としても大変理解できます。ただし同時に長官は、「両国の捜査に携わる者が緊密に連携していかなければならない」とも申し添えており、このことが大変重要だと思っています。中国側から情報提供があれば更に調査・分析を行うことができますし、そのようにして事実が解明されていくのではないかと考えています。昨日の記者会見のような形で見解が公にされることは、本件の解決にはプラスにはならないと思います。
(問)警察庁次長が訪中し、捜査を加速することで合意した翌日、中国公安部が日本側を批判したことには違和感がありますが、なぜこのようなことになったのでしょうか。
(答)今回の中国側の発表について、その意図を慮ることはなかなか難しいですが、これまで信頼関係を築いてきた中で、いささか理解し難い点があることは否めません。警察当局の立場はあくまで事実に則して事案解明を図るということであって、政治的な配慮などは関わるべきでないと思います。
(問)中国側の発表には、日本側から資料提供を受けていないなど、日本側の説明と明らかに異なる部分がありますが、申入れをするなどの措置はお考えですか。
(答)日本警察は、検出されたメタミドホスの分析結果や、餃子の袋の透過性、物流ルート等に関する資料を提供しています。中国側が資料不足と思うのならば、我々に追加要求すればよいと思います。
 我々としては、餃子の袋の浸透実験の状況や、中国国内における過去のメタミドホス使用事件の状況、あるいは工場内の監視カメラの状況等について、中国側からまず情報を提供していただくことが、当面の課題であると思っています。

(以上)